
BIツールのプロが総まとめ!成功のポイントや機能・メリット・デメリットを徹底解説
BIツールで成功するポイントを知りたい
BIツールの機能と他ツールとの違いをおさえておきたい
自社で導入検討するためBIツールのメリット・デメリットを把握したい
BIツールが世の中に普及し始めて20年以上経ち、多くの企業が活用しています。まだBIツールの導入に至っていない企業がある一方「とりあえず導入してみたが、使いこなせなかった」という企業もあります。
企業が扱うデータ量が増え続ける中、さまざまなデータを統合・分析するBIツールの重要度はますます高まっています。これからBIツールを導入する企業は、成功するためのポイントをしっかりと押さえることが大切です。
この記事では、世界で約29,000社以上で企業の業務効率化や自動化をサポートしているYellowfinが、BIツールと他ツールとの違いやBIツールの導入を成功につなげるポイントなどについて詳しく解説しました。
BIツールとは

まずはBIツールは何かについて、以下3点を説明します。
・概要
・市場規模
・目的と役割
それでは、1つずつ解説します。
概要
BIツールとは「ビジネス・インテリジェンスツール」の略で、企業活動によって日々蓄積されていくデータを収集・分析し、戦略的な意思決定を支援するツールのことです。

企業の複数システムで管理している大量データから必要な情報を取り出して分析し、誰もが見て一目でわかるような結果を出します。また、経営の意思や予算編成に役立てるための分析をします。
企業で取り扱うデータ量は年々増えており、経営層のスムーズな意思決定に役立てるため、BIツールを導入する企業数が増えています。
市場規模
BIツールの市場規模について説明します。ミック経済研究所が2020年11月に発表した統計情報によると、BIツールが含まれているビジネス・アナリティクスの市場規模は、2025年には7,368億円に達すると言われています。年率平均成長率は13.3%増で、2桁増が続く高成長市場です。コロナ禍でサービス形態や需要が変化していることや、企業のDX推進の流れで、BIツールの市場成長が加速しています。
出典:ビジネス・アナリティクス市場展望 2020年度版|デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社
目的と役割
BIツールの目的と役割は大きく分けて2つあります。

1つ目は、あらゆるデータを統合して経営の意思決定に活かすことです。企業活動で蓄積されているデータは、多くの場合、組織毎に管理されています。
たとえば従来のシステムの場合、下記のように目的別にデータシステムが分かれていることが多いです。
・取引先情報:名刺管理システム
・営業活動:営業支援システム(SFA)
・売上:基幹システム(ERP)
・サポート・コールセンター:顧客管理システム(CRM)
物理的に離れた情報を繋いで、多角的に分析することは容易ではありません。しかしBIツールを導入すれば、複数のシステムに格納されているデータを取り出して集約できます。
「2つのシステムからデータを分析すればどのような結果が得られるだろう」と考えが浮かんだとき、BIツールを使えばすぐにデータの集計・分析ができます。分析スピードも早く、スピードが求められる経営層の意思決定を促すことも可能になるでしょう。
2つ目は、現場の社員が容易にデータ分析できることです。BIツールは複数システムからデータを集めて「OLAP分析」や「データマイニング」といった方法で分析し、レポーティングする機能が搭載されています。
データ分析に詳しくない社員でも、簡単に膨大なデータをわかりやすく加工して、データ間の関連性や傾向を見出すことが容易にできるようになります。
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BIツールが普及する3つの理由

前述の通り、BIツールは市場規模拡大が予測されており、今後普及が進むことが見込まれます。BIツールが普及する理由について、以下3点を説明します。
・膨大なデータの迅速対応
・使いやすい
・実績が高い
それでは、1つずつ解説します。
膨大なデータの迅速対応
普及する理由の1つ目は、膨大なデータへの迅速な対応です。昨今では企業活動の多くでデジタル化が浸透していますが、そこにリモートワーク普及や感染症対策が重なりました。その結果、企業が扱うデータはますます増え、膨大な数のデータが蓄積がされることとなりました。顧客とのコミュニケーションの方法も多様化しており、顧客データを整理して統合するだけでも大きな労力が必要です。
企業競争力を高めるためにも、できるだけ早く膨大なデータの中から必要なデータを取り出して分析し、経営層などがすぐに活用できる形に変えることが必要です。
使いやすい
普及する理由の2つ目は、使いやすいことです。企業の目的と、BIツールが持つ機能が一致すれば、データ収集・分析ツールとしてとても使いやすいです。
BIツールを利用すれば、直感的な操作で膨大なデータを集約・分析できます。それまでエクセルなどでデータ分析や集計に丸一日かけていた場合も一瞬で済みます。
BIツールを使えば、直感的な操作でいとも簡単に、見栄えが優れたレポートができるので、担当者は「使いやすい」と感じることでしょう。
実績が高い
普及理由の3つ目は、データ分析の実績・信頼性が高いことです。BIツールは集約したデータをデータベースに格納して管理するため、エクセルなどで起こりがちな入力ミスを防ぐことができます。扱うデータの信頼性が高く、豊富な実績を持っているBIツールは人気があります。
BIツールと他ツールの違い

BIツールと他ツールの違いについて説明します。
・ETLとの違い
・DWHとの違い
・ERPとの違い
・AIとの違い
・エクセルとの違い
それでは、1つずつ解説します。
ETLとの違い
ETLとは、複数のシステムからデータの抽出、変換、格納を行うシステムのことで、Extract:抽出・Transform:変換・Load:格納の略称です。企業活動で蓄積される様々なデータを収集して、DWH((Data WareHouse))へ書き出す際に使用します。
BIツールとETLは、役割やデータの処理段階の点で異なります。BIツールはデータを分析する役割であるのに対し、、ETLはデータを整える役割を担います。
またETLは煩雑に管理されたデータを整理してDWHに保存しますが、BIツールはDWHに保管されているデータを用いて分析します。
DWHとの違い
DWHとは、Data WareHouseの略で「データの倉庫」を意味します。DWHは、ETLが抽出したデータを最適な形式で保管します。社内のさまざまなデータを活用するために、複数のシステムからETLが取得したデータを最適な形式で蓄積していきます。
BIツールはDWHに蓄積されたデータを集計・可視化し、グラフなどより視覚的に表してレポーティングする役割を担います。
ERPとの違い
ERPとはEnterprise Resource Planningの略で、統合基幹システムのことです。ERPの例として挙げられるのは、販売・購買管理・財務会計管理・生産管理などです。従来は業務単位でシステムが物理的に分かれていましたが、ERPは複数の基幹業務を統合して情報の一元化を図ることができます。
ERPには企業情報や顧客情報など機密性の高いデータが膨大に存在しています。ERPに格納されている膨大なデータを集約・分析して可視化するのがBIツールの役目です。
AIとの違い
AIとはArtificial Intelligenceの略で、人工知能のことです。AIは自然言語処理によって、人間の使う言語を理解できます。近年では、蓄積されたデータから機械学習によって最適な回答を返す技術として活用されています。
BIツールとAI両方ともデータを分析する機能がありますが、大きく異なるのは分析の仕方です。BIツールは蓄積されたデータから人間が必要な情報を取り出しやすいように表示・加工します。一方、AIは機械学習によって最適な回答を選び提示します。
BIツールもAIも「人間が意思決定するのに必要な支援をする」という役割は同じです。しかしAIはアルゴリズムそのものであり、ツールによってUIが異なります。BIツールはAIに比べ、よりビジネスで利用される様々なデータを横断的に、素早く人間が理解できるように表示できます。
エクセルとの違い
BIとエクセルツールの違いについて、以下3つの観点で説明します。
・データ処理の速度
・データ抽出
・レポーティング
それぞれ解説していきます。

データの処理の速度
膨大なデータを扱う場合、BIツールの方がエクセルに比べてデータの処理にかかる時間が短くなります。エクセルでは、「データが重くてソフトが動かない」といった経験は誰しも経験したことがあるでしょう。また、データのリアルタイムで把握することは難しく、最新のデータが必要な場合には再度情報の抽出・分析を行う必要があります。
分析対象のデータの数が多くない単純な処理の場合には、BIツールでもエクセルでも処理時間に大差ないかもしれませんが、膨大なデータを扱って分析する際にはBIツールの方が適しています。
データ抽出
データの抽出についてもBIツールとエクセルは異なります。BIツールの場合、複数のデータソースからデータを抽出して、分析することができます。エクセルの場合、基本的には一つのデータソースから分析を行うため、複数のデータをまとめて分析することに適していません。
複数のデータを組み合わせて分析を行いたい場合には、BIツールが適していると言えるでしょう。
レポーティング
レポーティング機能でも、BIツールとエクセルで違いがあります。たとえば会議用の資料や営業用の資料を作成するとき、エクセルの場合は資料作成の度に都度データをシステムから集めて集計する必要があります。またデータを可視化するために、デザイン面も考慮して一からレポートを作らなければなりません。
BIツールのレポーティング機能を活用すれば、データを指定して直感的な操作で簡単にレポート作成を行うことができます。
関連記事:無料のBIツールを徹底解説!メリット・デメリットとおすすめ3選を紹介
BIツールができること

BIツールができることについて、以下5点を説明します。
・人事分析
・予算管理
・マーケティング
・従業員管理
・帳票作成
それでは、1つずつ解説します。
人事分析
1つ目は人事分析です。BIツールを使用すれば社員の労働時間や有給取得率などを分析し、会社の成長に合わせた採用人数や部署ごとの適正な人員数の算出ができます。勤怠・生産性分析、スキル分析も行え、適切な人員配置も可能です。
予算管理
2つ目は予算管理です。BIツールを使えば、複数エクセルファイルの統合が必要なくなり、従来担当者が悩まされていた予算管理のような作業が楽になります。集計作業やレポート作成までの時間も短縮できるため、業務効率化にもつながります。
マーケティング
3つ目はマーケティングです。BIツールでは、過去の売上データと天候のデータを分析して商品の販売戦略や次のキャンペーン内容を考えることも可能です。また、顧客情報の集計作業にかかる時間を削減することもできるため、「イベント施策の振り返りにかける期間を短くする」などのマーケティング活動に役立てられます。
従業員管理
4つ目は従業員管理です。たとえば残業時間や、従業員がどの業務に時間を割いているのかの工数分析、担当している業務などのデータを分析できます。残業時間の削減に役立てたり、従業員毎で忙しさの偏りが発生したりしないための施策を打ち出すことができます。
帳票作成
5つ目は帳票作成です。BIツールでデータ分析した結果をそのまま帳票として作成することができます。企業によっては、データ活用のために、様々な業者に依頼して基幹システムのデータを取り出し、帳票ツールを使ってレポート化しているかもしれません。そのようなケースでもBIツールを使えば、自社でデータの取り出しから帳票作成までを簡単に行えます。
BIツールの基本機能

BIツールの基本機能について、以下5点を説明します。
・データ分析
・ダッシュボード
・OLAP分析
・データマイニング
・シミュレーション
それでは、1つずつ解説します。

データ分析
基本機能の1つ目は、データ分析です。BIツールは、求められるデータを作るためにさまざまなシステムから集めたデータを集約し・分析していきます。データ分析するためには専門スキルが必要と思われがちです。しかしBIツールに分析機能が備わっているため、担当者はツールを直感的に操作するだけで済みます。
ダッシュボード
基本機能の2つ目は、ダッシュボードです。経営判断や課題解決のための指標を把握するために、ダッシュボードで情報を可視化できます。目標達成のためのKPI(重要業績評価指標)をリアルタイムに確認できる仕組みを作れば、現在の課題や注力すべきことに気付けます。
またレポーティング機能を活用することで、会議資料や定期更新が必要な資料も、簡単に作成が可能です。
レポーティング機能とは、その名の通り分析結果をレポートとして出力することができる機能です。定期的に行われる会議用の資料や、お客様への提案のための資料などのテンプレートを作り、データを更新するだけで簡単に高品質なレポート生成・更新ができるようになります。
関連記事:データ可視化で活躍するダッシュボードとは?メリットや選定のポイントを解説
OLAP分析
基本機能の3つ目は、OLAP分析です。OLAP分析とは「Online Analytical Processing 」の略称で、多次元分析機能とも呼ばれます。日々、企業のシステムに蓄積される膨大なデータを複数の角度から分析して、現状の確認や仮説の検証へと活かすことができるようになります。
OLAP分析については以下の記事で説明していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
関連記事:OLAP分析とは?DWHやOLTPとの違いを理解し、BIツールの活用を!
データマイニング
基本機能の4つ目は、データマイニングです。データマイニングとはデータそのものを統計的に分析し、規則性の発掘ができる機能のことです。「OLAP分析」がデータの関連性などを多次元で見ることができるものに対し、「データマイニング」は重回帰分析やディシジョン・ツリーといった統計式を用いた分析ができる特徴があります。
シミュレーション
基本機能の5つ目は、シミュレーションです。シミュレーションをすると、過去の実績などの経験を元に、計画が作成できます。過去の実績からシミュレーションを行うことで最適な数字を弾き出すことが可能です。
裏付けの無い予測ではないため、再現性の高いシミュレーションを行うことができます。プランニングツールとして過去のデータをもとにシミュレーションを行うことで、予算編成の根拠として活用できます。
BIツールが企業にもたらすメリット

BIツールが企業にもたらすメリットについて、以下5点を説明します。
・システムを横断したデータ集約と活用
・集計・分析の負担軽減
・現状課題の見える化
・問題の早期発見
・意思決定の迅速化
それぞれ解説していきます。

システムを横断したデータ集約と活用
メリットの1つ目は、システムを横断したデータ集約と活用です。複数のシステムに格納されているデータを集約して分析し、活用することが可能です。たとえば、販売業務と物流業務・生産業務などのデータを集めて分析することで、これまで気づくことのなかった新しいビジネスヒントを得られることもあります。
集計・分析の負担軽減
メリットの2つ目は、集計・分析の負担軽減です。エクセルを活用してデータ分析を行うと、毎日のようにデータを取り出して入力・分析作業を繰り返さなければいけません。
BIツールを活用すると、最初に条件を設定すれば、翌日以降はデータの自動収集を可能にできるため、抽出のための手間を削減することが可能になります。
また、従来は社内に点在する分析に必要なデータを抽出・集計するために専門スキルが必要でした。しかしBIツールが登場してからは、初心者でも直感的な操作で分析できるようになりました。専門家に頼らなくても、必要なデータを分析できるため、多くの場面で情報活用ができるようになったのです。
BIツールなら、専門スキルがなくても、スムーズな分析と意思決定に繋がるレポーティングを簡単に作成することが可能です。
現状課題の見える化
メリットの3つ目は、現状課題の見える化です。組織が抱えている潜在課題について、BIツールを使えばさまざまなデータを集めて分析することで見つけ出すことができ、誰にでもわかる形式のレポートを作成して報告します。
BIツールを使えば、現状課題の見える化はもちろん、データ分析にかかる時間(コスト)も削減できます。
問題の早期発見
メリットの4つ目は、問題の早期発見です。BIツールでデータを可視化することで、現状の把握と問題の早期発見が簡単にできるようになります。BIツールは、抽出・分析したデータを、レポート機能を使ってグラフなどでわかりやすく表示してくれるため、データの把握も容易です。
上のような利点から、BIツールを使って、自社の課題やサービス拡大のためのヒントを得たいと活用する企業が増えています。
意思決定の迅速化
メリットの5つ目は、意思決定の迅速化です。BIツールで分析した結果はデータベースを通しておりミスもなく精度が高いと言われています。精度が高いデータを元に分析して、経営層などに迅速な意思決定を促す材料となります。
BIツール導入のデメリット

BIツールを活用することによるメリットは多くありますが、デメリットは無いのでしょうか。ここでは、以下のデメリットを3つ紹介します。
・費用がかかる
・初期設定の難易度が高い
・操作性が難しい
それぞれ解説していきます。
費用がかかる
デメリットの1つ目は、費用がかかることです。BIツールを導入する際にソフトウェアを購入するなど、導入にかかる初期コストがかかります。BIツールの中には無料版もありますが、オプション機能は有料なものも多いです。
導入する製品や利用する細かな機能、導入する端末の数でコストが変わるため、あらかじめ必要な機能と導入数を洗い出しておく必要があります。運用開始後オプションの機能が追加になってしまい、当初の予算を超えることがないよう気をつけましょう。
初期設定の難易度が高い
デメリットの2つ目は、初期設定の難易度が高いことです。BIツールを導入する際は、最初に細かな設定が必要になります。インストールした後に行う設定には、以下のような項目があります。
・どこのデータを対象にするか
・対象データとのように連携させるか
・どのような分析をするか
どのような見た目のレポートを作成するか
また、自社にはどういったダッシュボードが最適か、事前に社内で確認する必要もあるでしょう。
ベンダーによっては既存のWebブラウザを利用するためインストールが不要なものもあります。初期設定の支援が手厚い会社もあるため、契約前にサポート体制についてもしっかりとチェックしておきましょう。
操作性が難しい
デメリットの3つ目は、操作性が難しいことです。BIツールは基本的には直感的な操作で簡単に誰でも使えるように設定されておりますが、担当者によっては使いにくいと感じる場合があります。導入前に必ずトライアルを実施して、実際に運用する予定の担当者が操作性に問題がないか確認しましょう。
BIツールが使いにくい場合は、かえって作業負担が増えてしまうため注意が必要です。
目的とツールが一致していない
デメリットの4つ目は、目的とツールが一致しない恐れがあることです。組織の目的とツールの機能が一致していないと、BIツールを導入しても有効に活用できません。目的に沿っていないレポート結果を出すかもしれませんし、機能が豊富だけど操作が難しくて使いこなせない可能性もあります。
BIツールが普及しているからとりあえず利用してみよう、と安易な考えで開始することは避けたほうがよいでしょう。
BIツールの選び方6つの比較ポイント

BIツールの選び方の比較ポイントについて、以下6点を説明します。
1.提供形態と費用・課金体系
2.機能
3.操作性
4.デザイン性
5.運用サポート体制
6.無料トライアルの有無
それぞれ解説していきます。
1.提供形態と費用・課金体系
選び方の1つ目のポイントは、提供形態と費用・課金体系です。BIツールの提供形態としては、クラウドサービスやオンプレミス型があります。従来は物理サーバーに構築するオンプレミス型が主流でしたが、近年クラウドサービスを利用する企業も増えています。
クラウドサービスは、契約すればすぐに開始できるため初期コストをおさえることが可能です。一方オンプレミス型は初期費用は高くなるものの、カスタマイズ性に優れているという強みもあります。クラウドサービスの場合は、サービスによって課金体系が大きく異なる場合もありますので、あわせて費用対効果が見合うか比較しましょう。
関連記事:Yellowfinの価格体系(公式)
2.機能
選び方の2つ目のポイントは、機能です。BIツールの種類は豊富で、それぞれ提供している機能が異なります。導入を検討しているツールに、自社の目的に沿った必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。自社の目的を確認し、どのような機能が必要かを考えてからBIツールを選ぶことが大切です。
3.操作性
選び方の3つ目のポイントは、操作性です。コストが安くて機能が豊富でも、操作担当者が使いこなせないと意味がありません。BIツール選定時は直感的な操作が可能か、自社の操作担当者が継続して長期間使えるツールかを確認しましょう。
4.デザイン性
選び方の4つ目のポイントは、デザイン性です。ダッシュボードのレポート機能が見やすいか、経営判断につながるようなデザインかどうかを確認することが大切です。レポートは経営層の意思決定を促すために、重要な見た目である必要があります。BIツールを選ぶ際はデザイン性もしっかりこだわりましょう。
5.運用サポート体制
選び方の5つ目のポイントは、運用サポート体制です。導入・初期設定はできたものの、運用開始後に「ツールの操作がわからない」「さらなるデータ活用を進める中で解決できない」といった課題に直面するケースが考えられます。そのような場面においては、運用サポートの有無が非常に重要となります。
導入前に運用サポートの内容、受付時間帯や問い合わせ対応の方法(メール・電話・チャット・対面など)について、しっかりと確認しましょう。
6.無料トライアルの有無
選び方の6つ目のポイントは、無料トライアルの有無です。ツールのデモを見て自社に活用できると考えても、実際に使うとイメージとの乖離がある場合もあります。そのような事態を避けるためにも、無料でツールを試すことができるかを確認し、試用することがおすすめです。
BIツールの導入を成功に繋げる5つのポイント

BIツールの導入を成功に繋げるポイントについて以下5点を説明します。
1.目的の明確化
2.運用フローの構築
3.汎用性有無を確認
4.自発的な利用
5.実際の操作担当者が選定に加わる
それぞれ解説していきます。
1.目的の明確化
成功ポイントの1つ目は、目的の明確化です。「BIツールを誰が・何のために使うのか」「どういう結果をどう活用していきたいか」という目的を明確にすることが重要です。
たとえば、「経営者が必要なデータを集計・分析し今後の施策のための意思決定に活用する」や「事業部長が各商材の売上データ情報を可視化し、課題点の洗い出しとサービス改善に役立てる」など、できるだけ具体的に「使う人」と「使用目的」を明確にするなどがあります。
高機能なBIツールを導入しても目的が曖昧で活用ができないと宝の持ち腐れになってしまいます。目的を明確にしてからBIツールを選定しましょう。
2.運用フローの構築
成功ポイントの2つ目は、運用フローの構築です。データを収集・分析して、そのデータを元に課題点の洗い出し改善や意思決定まで行う流れを明確にしましょう。
BIツールの運用には、多様なメンバーが関わります。たとえば意思決定は経営者や事業部長など、設定部分は情報システム部門、データの抽出や分析部分はマーケティング部門や営業部門などのデータを活用する部門などのようにです。
フローを取り決める際は、誰が行うのか役割を明確にすること、またデータの渡し方なども事前に構築しておくとスムーズな運用に繋がりますので、運用フローを整理しておきましょう。
3.汎用性有無を確認
成功ポイントの3つ目は、汎用性の有無を確認することです。BIツールは社内にある複数のシステムに蓄積された膨大なデータを分析します。そのため「BIツールが社内の複数システムに対応しているか」「データ連携が上手くできるか」が重要ポイントです。
選定対象となっているBIツールが、社内の複数のシステムに対応しているかの汎用性があるかを確認しましょう。
4.自発的な利用
成功ポイントの4つ目は、自発的な利用です。BIツールで分析しなくても、日々の業務への直接的な支障はありません。そのため「利用しなくても問題ない」と判断するという企業も多いのです。
しかし、必要なときにすぐにデータを取り出せるように自発的に使うことが大事です。BIツールで分析した結果を活用したい、と思うシーンは必ず現れます。その時にすぐに分析できるか、見やすいレポートを出せるかが成功するための大きな分かれ道です。
5.実際の操作担当者が選定に加わる
成功ポイントの5つ目は、実際に操作する担当者が選定に加わることです。社内への導入が失敗するケースとして、そのツールで実務をしない人が選定したため、導入しても使えなかった、「BIツールを導入してどのような分析をして業務のどの部分に活かしたいか」など、操作担当者にしかわからない部分があります。
BIツールを活用するためには、実際に操作するメンバーを加えることや「どういったデータを分析してどう活かすか」という目的を意識して、活用シーンをイメージしながら選定することが大切です。
まとめ

本記事ではBIツールについて、概要から機能、BIツールの導入を成功につなげるポイントについて解説しました。BIツールの市場は今後も成長領域であることが見込まれます。しかし、選定ポイントを誤ってしまったために、導入を失敗してしまう企業も多いです。
BIツール導入を成功するためには、導入目的を明確にして、社内の体制や運用フローを整えることが必要です。導入に際しては、システム面で問題がないか確認し、現場の担当者にも選定に加わってもらって「操作性に問題がないか」「長く使えるか」も判断してもらいましょう。BIツール導入を検討する際は、この記事で挙げたポイントをぜひ意識してみてください。