【導入事例】日本酒類販売株式会社

【導入事例】日本酒類販売株式会社 

データの抽出・分析にかかる時間を短縮し、生産性を大幅に向上

<概要>

1949年の創業以来、酒類および食品の卸売業を展開している日本酒類販売。特に和酒に関しては1000社(2015年時点)のメーカーと取引するなど、圧倒的な取引数を誇っています。同社ではデータマートを構築し、BIツールを導入して全部署でデータを活用していました。活用する人数が増えたこと、経年によるシステムの陳腐化、それに伴うパフォーマンスの劣化により、DWHおよびBIの仕組みを刷新。BIツールとして採用されたのがYellowfinです。新システム稼働後は、従来、結果を得られるのに最低でも1時間以上必要だった検索が、1〜2分で完了。生産性の大幅な向上が実現しました。

データの抽出や検索をするため休日出勤する社員も

酒造メーカーや食品メーカーから商品を仕入れ、小売業に商品を販売する卸売業を、創業以来営んでいる日本酒類販売。ITや物流の発展により、小売業者が多様化したことで、卸売業を取り巻く環境は年々厳しくなっている。そんな中、同社は業績を着実に伸ばしています。2015年度の売上高、利益とも前年に比べ好調な業績を支えているのが、『更なる進歩(進化)・新機軸からの創造』というスローガンの下、一丸となり酒類食品市場の発展に努めている社員たち。

同社では以前よりデータウェアハウス(DWH)を構築し、積極的なデータ活用を行ってきました。「当社では営業担当者はもちろん、発注担当者、受注担当者、財務担当者など、ほぼすべての部署でBIツールを活用しています。各事業所にも、それぞれ2〜3個のライセンスを配付し、データ活用できるようにしてきましたが、年々、使いたいという人が増えてきていたんです。既存システムでユーザー数を増やすにはバージョンアップが必要ということでしたが、それをするには今のままのハードウェアでは難しいということでした」こう語るのは日本酒類販売 経営企画室次長の山根宏之氏です。

というのも、既存システムを使ってデータの抽出や検索をしようとすると、かなりの時間がかかっていたのだそうです。「例えば経営会議などで使用する月次レポートを作成するのに、遅いときだと半日かかっても結果が出てこないことがありました。」と山根氏は続けます。『なんとかして欲しい』という声が届き、DWHおよびBIの仕組みを刷新することとなりました。

導入コストの安さ、エンタープライズBIであったことが決め手

ツールを選定するため、「BIワーキングチームを立ち上げることから始めました」と山根氏は語ります。チームを構成したのは、実際にツールを使っている各部門の代表者と管理部門、そして情報統括部のメンバーです。そしてこの段階から新システムの構築を担当する株式会社福島情報サービス 代表取締役の佐藤宏一氏も加わりました。チームリーダーを務めたのは山根氏です。BIツール選定に際し、まず掲げたのは既存システムでやっていたことが新システムでも確実にできることだったと山根氏は語ります。

「BIツールというと、検索結果が格好良く見えるとかそういう部分に惹かれてしまうことがありますが、そうではなく、確実に今やっていることができるツールであること。そしてもう一つの前提条件がクラウドサービスであることでした」と山根氏は明かします。クラウドサービスに絞った理由は、「将来を見越して、サイジングをするのは難しいと考えた」と山根氏。そして複数の製品から、まずは3製品にまで絞りました。それら3製品の中でYellowfinを選んだのは、「CPUライセンスを採用しており、他のツールと比べると導入コストが安価だったこと。そしてエンタープライズ向けに作られていたこと」と山根氏は語ります。もちろんそれだけではありません。既存システムはオンプレミスでしたが、今回のシステムはDWHもAmazon Redshiftというクラウド・データウェアハウスを採用しており、「YellowfinはAmazon Redshiftでの実績があったことも、大きなポイントとなりました。実績があると、安心して構築できますから」と佐藤氏は続けます。そのほかにも、佐藤氏はYellowfinならモジュールをクライアントにダウンロードすることなく、Web上で完全に集中管理ができるため、管理コストが低減できることも評価したと言います。

16年1月に構築を開始し、4月には定型レポートの作成が新システムでできるようになりましたが、完全に移行するにはまだ時間がかかるとのこと。

「16年7月末には日次・月次レポートの作成、8月中にはリベート処理などが必要になる特殊請求書の作成が新システムで可能になります。このように徐々に新システムに移行し、17年3月に既存システムを撤廃する予定です」と佐藤氏も語ります。

データ抽出や検索にかかる時間を大幅に短縮

新システムの活用はまだ限定的ですが、それでも「すでに効果は感じています」と山根氏は満足そうに語ります。「経営計画の資料作成を、新システムで行ってもらったのです。すると既存システムだとデータ抽出に早くて4時間、下手をしたら途中でフリーズしてその日中に終わらないこともあった作業が、30分で完了したのです。毎回、経営計画の資料作成の際には、『資料を期日までに出したいが、コンピュータが止まるので間に合わない』というような指摘がさまざまな拠点から来ていたのですが、今年度はそういった指摘はゼロでした」(山根氏)

データ抽出や検索にかかる時間が単に短縮されたことで、その業務を担当していた従業員の「生産性も向上していると思います」と山根氏は力強く語ります。「新しいBIツールを使って特殊請求書の作成に要する時間は1件約1〜2分。今までは1時間以上かかっていたので、1件あたり1時間は前倒しになります。つまり請求書を200件作るとなると、200時間前倒しして次の仕事に完全に取りかかることができます。もちろんこれまでもデータ抽出や検索の結果が返ってくる間も仕事をしていましたが、『常に待たされている』状態なので、業務の途中で『検索は終わったかな』と気にすることになり、仕事に集中しにくい。新システムではそれがなくなりますからね」と山根氏。

また佐藤氏は、これまでデータ検索や抽出に時間がかかっていた要因の背景には、「データベースのスキーマを公開していたことで、誰もが分析のためのクエリを好きに作成できるようになっていた」ことを挙げます。その数1000個超。クエリの中にはすべてのデータを対象にしなくても結果が出るようなものでも、すべてのデータに検索をかけるという作り方をしているものもあったそうです。そこで新システムではスキーマの公開は止め、「エンドユーザーは提供されたレポートを活用するという形にしました」と語ります。「既存システムではどのクエリが必要なのか、不要なのか、というだけではなく、もはやどんなクエリが動いているのか、誰も把握できなくなっていました。新システムでは、100%運用側が管理できます。これも導入のメリットです」(佐藤氏)

外部データを取り入れ、よりBI的な活用を検討

17年4月の本格稼働を見据え、新BIシステムの構築に邁進している日本酒類販売。「しばらくツールに慣れるまでは、従来同様の実績検索システム的に活用していきますが、今後は本格的にBIにも取り組んで行きたい」と山根氏は意気込みを語ります。BIワーキングチーム内でそのためのグループを編成し、どんな可能性があるか検討していくと山根氏は続けます。「外部データも活用し、これまでにない切り口の分析をしていきたいですね。分析に時間がかからないので、これまではできなかったような分析もできるようになります。また新システムでは、従業員なら誰もがデータ分析を行えるようになりました。800人もいれば、きっと新たな売り方につながるような、面白い分析をする人も出てくると思うんです。そういう期待も高まります」(山根氏)

またシステム的にはクラウドサービスの連携も視野に入れていると言います。「日本酒類販売ではSalesforceも導入しています。例えば営業担当者の活動記録と連携することで、どういう活動が売り上げに貢献しているかという分析も可能になるかも知れません」(佐藤氏)

16年6月に就任した田中新社長の抱負は「これまで培ってきた強靱な体力をさらに強靱にし、しなやかな行動力を持つ組織にしていく」こと。新たなBIシステムにより様々な分析ができるようになることは、「しなやかな行動力」の醸成に役立つはず。日本酒類販売のさらなる成長に期待が高まります。


“これまで早くて1時間、遅いと4時間ぐらいかかっていた分析が、Yellowfinで構築した新システムだと1〜2分で完了するようになりました。これにより従業員の生産性の大幅な向上が期待できます。”

日本酒類販売株式会社
経営企画室
次長 山根 宏之 氏(左)


株式会社福島情報サービス

代表取締役 佐藤 宏一 氏(右)

日本酒類販売株式会社

https://www.nishuhan.co.jp/

本社:東京都中央区新川一丁目25番4号

代表者:代表取締役社長 田中正昭

設立:1949年7月1日


1949年創業。酒類、清涼飲料水、加工食品を中心とした中間流通業を全国規模で展開。売り上げの80パーセント超を占める酒類の中でも、特に和酒に関しては1000社のメーカーと取引をしており、圧倒的な取引数を誇る。創業以来、培ってきたマーケティング力を生かし、消費者の刻々と変化する細かいニーズに合った販売戦略を施策するとともに、日本全国どの地域に対しても、同じレベルのサービスが提供できるシステムを構築しそれを強みとしている。また日本酒類販売では、従来の卸売りだけではなく、食品および酒類のネット販売を新しく始める企業に向け、ネット販売に関する悩みを解決するさまざまな提案を行っている。

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