オーストラリアを拠点にグローバルソフトウェア開発チームを構築する

オーストラリアを拠点にグローバルソフトウェア開発チームを構築する

Yellowfin CTO Brad Scarffは、現在ソフトウェア企業を始めるにあたり、オーストラリアほど適した場所はない、と語っています。

 

他のホットスポットほど有名ではありませんが、多くのテクノロジー企業が、ここオーストラリアで起業し、成功を収めています。優れた経済的および法的条件や、優秀で多様なスキルベースへのアクセス、イノベーションや適合性の文化などが、リーダーたちにとって重要な魅力になり、さらに成長を続けています。

それでは、なぜオーストラリアなのでしょうか。

太陽、砂浜、サーフィンなど、オーストラリアはその素晴らしい自然の美しさでよく知られており、人々に危害を加える可能性のある野生動物もたくさん生息していますが、オーストラリアにあるのは、これだけではありません。オーストラリアはこれまで天然資源に大きく依存してきましたが、現在ではソフトウェアを含めた重要なハイテク産業を構築しています。

その基盤の一つは、高等教育のシステムです。オーストラリアの大学は世界的に高い水準にあり、実際に非常に多くの留学生を受け入れています。これは、非常に優れた輸出産業であり、卒業生の多くがオーストラリアに滞在することを選択するという付加的な利点があります。これに加えて、地元出身の卒業生が安定的に供給されることで、テクノロジー企業が人材採用に活用できる豊かで多様な卒業生の集団が生まれています。Yellowfinは、新卒採用で大きな成功を収めており、彼らの多くは当社での就業を継続し、今ではリーダーポジションに就いています。さらに、大部分の大学のコースは、現在実技経験を重視しています。これは、インターンへのアクセスを可能にするだけでなく、非常に実践的なスキルを備えた卒業生を大学から排出し、能力を発揮するまでに要する時間を短縮するという2つの利点を持ちます。

非常に現代的な問題ではありますが、オーストラリアが新型コロナの蔓延に非常にうまく対処していることも重要です。これは、オーストラリアが島国(しかも非常に大きな島国)であることが一因であることは間違いありませんが、政治家たちによる断固とした、早期の協調的な行動も大きな役割を果たしています。そのため、オーストラリアの経済も深刻な影響を受けているとはいえ、他の多くの国々が直面している深刻かつ長期的な課題には直面しておらず、30年近く途切れることのない成長の再開に向けて、非常に良いポジションに位置付けることができています。

多くの国々と同様に、新型コロナへの対策として実施されたロックダウンにより課された制限は、リモートワークの迅速な導入と、大部分のタスクの一夜でのデジタルチャネルへの移行を必要としました。Yellowfinの開発チームでは、複雑なタスクを完了するためのより静かで集中できる時間と、毎日オフィスへ通勤する必要のない時間の節約を、多くの従業員が喜んでいます。マイナス面としては、Teamsのようなオンラインチャットアプリケーションを使用した新規メンバーのコーチングや、新しいアイデアのブレインストーミングはうまくいきませんでした。わたしたちは現在、生産性とワークライフバランスの全体的な改善とともに、必要に応じてリモートとオンサイトで作業時間を分ける、ニューノーマルに落ち着いています。

オーストラリア人はおおらかで、よく知られた文化的特色があり、これにより、オーストラリアは観光だけでなく、住むにも、働くにも優れた場所になっています。しかし、そのおおらかさを怠惰と混同してはしてはいけません。オーストラリアの労働者は非常に勤勉で、柔軟で順応性があり、競争力や起業家精神を持ち合わせています。オーストラリアの労働者は海外で高く評価されており、これは多くのオーストラリア人が若い時に国際的な経験を積むために、20代で国を離れるからです。Yellowfinでは、より大規模で、リソースの豊富な強豪よりも、革新的で優れたパフォーマンスを発揮できることに誇りを持っています。大規模企業を出し抜く力はチームのモチベーションの源であり、これを非常に誇らしく感じています。オーストラリア人は、下克上が大好きです。

もちろん、オーストラリアを拠点にすることにはマイナス面もあります。結局のところ、どれだけの太陽や砂浜、サーフィンを楽しむことができるでしょうか。真面目な話をすると、時差や移動時間が問題になります。アジア市場と独自の関係性を築く一方で、ヨーロッパやアメリカ市場とも頻繁に連絡を取るとなると、早朝や深夜に電話をしたり、長距離フライトを経験したりすることになります(ひとつの座席に15時間以上座っていなければ、長距離フライトを経験したことにはなりません)。

幸いなことに、Yellowfinは、事業を展開するすべての主要市場にオフィスを構えています。これにより、必要な技術的リソースを各地域に配置し、各地域の顧客へのサービスの継続性を確保するとともに、オーストラリアチームの時間外労働を最小限に抑えることができます。Yellowfinのテクニカルサポートは、複雑なサポート事例を地域から地域へと引き継ぐ「フォロー・ザ・サン(太陽を追いかける)」モデルを採用しています。また、各地域に技術者を配置することで、現地の言語でのテスト実施や、セキュリティ問題への迅速な対応などを可能にしています。

これは、オーストラリアに拠点を置く上での課題は、現実的ではあるものの、乗り越えられないものではないということを示しています。ただ、海外のカウンターパートとは異なるアプローチが必要なだけです。

わたしの考えでは、オーストラリアに拠点を置くテクノロジー企業であることのメリットは、そのデメリットをはるかに上回ります。素晴らしい気候は言うまでもなく、調和の取れた文化や高いレベルの教育、そして起業家精神が、オーストラリアをソフトウェアビジネスを始めるのに素晴らしい場所にしています。

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