データストーリーテリングと拡張アナリティクスはBIの未来をどのように形作っているのか

データストーリーテリングと拡張アナリティクスはBIの未来をどのように形作っているのか

拡張アナリティクスのAIおよび自動化機能が、現在のビジネスインテリジェンス (BI) の会話を支配している一方で、データストーリーテリングは急速に重要な話題になりつつあり、両者が組み合わさることで、BIの未来を再構築しようとしています。

 

2021年 Gartner アナリティクスおよびビジネスインテリジェンスプラットフォームのマジッククアドラントインサイトウェビナーの調査では、組織のリーダーの25%が、データストーリーテリングを、新しいアナリティクスソリューションを選択する際に最も重要な新機能のひとつと捉えていることが明らかになりました。

これは、自動インサイト (44%) に続く2番目に高い結果であり、ビジネスはストーリーを使用してデータからインサイトやコンテキストを伝えたいと考えており、ナラティブは拡張アナリティクスを構成するAI機能と同じくらい重要であることを示しています。

実際のところ、Gartnerは、2025年までにダッシュボードではなくデータストーリーが、アナリティクスを使用する最も広範な方法になると予測していますが、興味深いことに、そうしたストーリーの75%は、人間ではなく拡張アナリティクスツールを使用して自動的に生成されるようになると予測されています。

Yellowfinは、設立当初からデータストーリーテリングに力を入れてきましたが、これまで述べてきたように、これは未だ幅広い範囲での採用を実現している途中にある人間主導の実践です。それでは、自動データストーリーテリングにおけるこの大胆な予測は、BIの未来にとって何を意味するのでしょうか。

拡張および自動データストーリーテリングのビジネス事例

端的に言えば、現在のBIツールでは拡張アナリティクス機能がますます提供されるようになってきているため、ソフトウェアに学習をさせて、ナラティブプロセスの側面を自動化することで、関連するデータストーリーを生成し、エンドユーザーと共有することが期待されています。

しかし、現在でも見られるように、データストーリーテリングは、完全にユーザーに主導されています。これは、ナラティブとデータを組み合わせて説得力のある形式でインサイトを提供し、意思決定者がデータやアナリティクスを使用する際の支援をする手作業による実践です。データに裏打ちされたストーリーは、たくさんの数字に圧倒されるダッシュボードよりも使用されやすく、理解されやすいです。

データストーリーテリングと拡張アナリティクスが交わるところには、拡張ユーザーの台頭が見られます。これは、アナリストを対象としたBIソリューションから、より簡単で迅速なデータ主導インサイトを必要とする一般的なプロフェッショナルへと考え方がシフトしていることを示す傾向です。

AIや自然言語などのツールは、ユーザー自身がダッシュボードやグラフを使用してセルフサービス分析を行い、次に何をすべきかを把握するよう期待するのではなく、データが何を意味するのかを理解し、それに基づきどのようなアクションを起こすべきかを導くように合理的な方法でデザインされています。

拡張アナリティクスの利点は、技術者ではない人々が専門知識を必要とすることなく高度な分析技術を使用できるようにすることで、専門家への依存度を下げ、データの探索にかかる時間を短縮できることです。このような考え方は、現在データストーリーテリングにも拡張されています。データに基づくストーリーを作成できない、あるいはその時間がないのであれば、なぜAIが代わりにやってくれないのでしょうか?

データ主導ストーリーを自動化し拡張する目的

自動データストーリーテリングは、未だ未来の機能と見なされていますが、現在存在するデータストーリーテリングの3つの課題を解決できるという点で注目を集めています。

問題 #1 - 人々が気付いたインサイト以上のストーリーを伝える: 一般的にデータストーリーの作成は、ダッシュボードやビジュアライゼーションから問題や機会を見つけ、それを掘り下げ、ナラティブを追加し、ストーリーの形式で他の人々と共有することから始まります。しかし、ある人が興味深い外れ値や関連性のあるインサイトを見つけたとしても、別の人はそれを無視したり、完全に見逃したりするかもしれません。注意バイアスや確証バイアスなどの人間のバイアスによる落とし穴を回避するために、インサイトを共有する際には、誰もが持ち合わせているわけではない経験や認識が必要であり、これにより質の高いデータストーリーテリングの提供に時間がかかったり、散発的になったりする原因になる可能性があります。

問題 #2 - データリテラシーと手作業によるセルフサービスの限界: 現在のセルフサービスBIのパラダイムにおいて、優れたデータストーリーを伝えられるかどうかは、ユーザーが自らサービスを提供できるかどうかに依存しています。しかし、なぜこれは常に機能しないのでしょうか。それは誰もが異なるデータリテラシー (あるいはデータの流暢さ) レベルを持っているためであり、誰もがそれを機能させることができるわけではないためです。例えば、人事部のJaneまたはJohnは、人事データの傾向を見つけるためにデータを操作したり、視覚的な分析を行ったりするのに苦労し、これが彼らがデータストーリーを作成する能力を制限している可能性があります。

問題 #3 - ビジネス全体へのデータストーリーテリングの拡大: データを使用したストーリーテリングは、手作業による人間主体の技術であるため、現実的にこれをビジネス全体に拡大するのは難しい問題です。特にこれは多くの組織が最近になってようやく認識し、優先的に取り組むようになったアナリティクススキルセットであることも要因になります。平均的な時間では、アナリストが大規模なデータから意味のあるストーリーをタイムリーに見つけて抽出することは期待できませんし、一般の専門家は通常の業務をこなすのに精一杯で、インサイトを得て、それをナラティブの形式で人々に伝えることに多くの時間を割くことができないかもしれません。

Gartnerなど、業界のアドバイザリーリーダーが検討しているように、データストーリーテリングと拡張アナリティクスを組み合わせることで、これらの課題を軽減または解消することができる方法は数多くあります。

 

  • 解決策 #1 - 人工知能 (AI) や機械学習、自然言語アルゴリズムを用いた拡張アナリティクスは、データセットを探索する際に人間のバイアスを回避する方法でビジネスデータを分析するため、これをデータストーリーテリングモジュールに拡張することで、人々が作成した場合に見逃されたり、見過ごされたり、過小評価されたりする可能性のある有益なデータ主導ナラティブを生成するのに役立ちます。
  • 解決策 #2 - 一方、自動ビジネスモニタリングや自動アナリティクスは、モニタリングやアラート機能にとどまらず、自動化を利用して大規模なストーリーを生成することで、アナリストや専門家はデータの探索に費やす時間を減らし、必要なワークフローに時間を割くことができるようになります。
  • 解決策 #3 - 拡張アナリティクスは、データセットのマッシュアップなど、一般的で複雑なセルフサービスBIプロセスを自動化することでエンドユーザーの負担を軽減し、可能な限り広範なデータセットから検出された問題と機会に基づいてストーリーを生成することで、高いデータリテラシーの要件を完全に回避します。

 

もちろん、自動データストーリーテリングや、AIから生成された拡張データストーリーが実際に機能するかどうかは、BIソフトウェア自体がこれらの技術を適用し、平均的な聞き手にアピールしつつ、閲覧者にアルゴリズムのように見えない方法でストーリーを生成できるかどうかにかかっています。

ストーリーに込められた感情は、それが個人的な解釈であろうと、業績や専門家の意見に対する賛辞であろうと、人々に刺激を与え、意思決定をサポートするデータ主導ストーリーを伝えるうえで大きな役割を果たしており、テクノロジーが容易に再現できるものではありません。

少なくとも今のところ、そのような技術の飛躍はまだしばらく先のことになります。しかし、現在のAIストーリーテリングの例には、その可能性を垣間見ることができるものがあります。

 

データストーリーテリングと組み合わせた拡張アナリティクスの3つの例

Yellowfinでは、統計的アルゴリズムや自然言語生成 (NLG) などの拡張アナリティクス技術を用いて、グラフやダッシュボード上のデータの理解をサポートするテキストベースの説明や比較を生成し、ユーザーに必要とされる解釈のレベルを下げています。その一例が、Yellowfinの自動インサイト機能です。

Yellowfinはまた、常時手作業による処理を行うことなく、データのパターンや外れ値を継続的に監視および検出し、ユーザーが重要な発見に気付く支援をする見出しベースのアラートを生成します。これは、Yellowfinの自動ビジネスモニタリング製品であるシグナルにより実現されています。

自動インサイトやシグナルは、大量の複雑なデータを手作業よりも素早く発見、分析し、データから得られたインサイトを人間のバイアスに影響されない方法で伝えることができます。また、Yellowfinのデータストーリーテリング専用モジュールであるストーリーやプレゼントと組み合わせることで、ユーザーはデータから問題点や機会をより迅速に見つけ出し、その自動化された結果からデータ、言葉、豊富なメディアの力を使用してストーリーを作成することができます。しかし現状では、データストーリーテリングは、機械ではなく未だ個人により行われています。

より詳細な情報はこちら: 社内のデータフローを変革する5つの機能

 

データストーリーテリングとアナリティクスの未来: 重要なポイント

アルゴリズムにより生成される結果を、人間が作成するナラティブと比較することはできませんが、これはデータからインサイトを発見し、理解して、そこからストーリーを生み出す可能性への道標となるでしょう。

ここから、業界の専門家が、データストーリーテリングと拡張および自動化技術の組み合わせについて予測している理由が容易に理解できます。これらの機能は、一般的な人々のためにデータストーリーの作成に必要な一部分を生成し、自動化する機能以上のものです。

最終的には、感情やテーマ、個人的な解釈や経験をどのように翻訳するか、各ユーザーにとって最も関連するものをどのように伝えるかを理解できるようになることが、拡張および自動アナリティクスプロバイダーが解決すべき次のフロンティアです。しかし、自動および拡張データストーリーテリングはそう遠くない未来であり、これらの機能を早期に認識することは、これらが利用可能になったときに備えて優れた準備をすることになるでしょう。

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