YellowfinにおけるAIの未来を導く: 慎重なイノベーション

YellowfinにおけるAIの未来を導く: 慎重なイノベーション

本ブログでは、Yellowfin GMであるChance Cobleが、急速に進化するAI技術の分野に対して、革新的な機能と責任あるアプローチのバランスをどのように取るかを含め、Yellowfin 組み込みアナリティクス製品への人工知能の統合について説明します。

Yellowfinの、ビジネスインテリジェンス (BI) ソリューションにおける人工知能 (AI) に対する哲学は、イノベーションと責任に対する深いコミットメントに基づいています。

テクノロジーが急速に進化し続ける中、わたしたちは組み込みアナリティクスプラットフォームでAIの可能性を活用することで、ビジネスおよびエンドユーザーがアナリティクスの目的を達成するためのよりシンプルで直感的な方法を構築したいと考えています。しかし、優れた技術力には、慎重かつバランスよく進める責任が伴います。これは、信頼やセキュリティを損なうことなく、顧客に真の価値の提供を保証するYellowfinのAIアナリティクスソリューションへの取り組みを導きます。

Yellowfin BIにおけるAIの利点

ビジネスインテリジェンスソリューションへのAIの統合は、多くの場合、拡張アナリティクスまたはAIアナリティクスと呼ばれます。レポーティングプロセスでAIを活用することによる変革の力は、組織がデータにアクセスし、分析して、解釈する方法を大きく変革しています。トレンドの発見からインサイトの自動化まで、その可能性は無限です。Yellowfinは、シグナルの自動化、自動インサイトでの機械学習 (ML)、ガイド付きNLQでの自然言語クエリなど、長年にわたり独自機能の多くにAIを統合しており、エンドユーザーは、データディスカバリーや意思決定プロセスを支援するいくつかの利点を享受してきました。

以下は、高度に統合されたAIが既存のアナリティクスプロセスやソリューションにもたらす一般的な利点の例です。

より迅速なデータ準備

AIによるデータ準備は、データ統合プロセスを大幅に加速します。高度なアルゴリズムを活用することで、AI対応のBIソリューションはデータスキーマを自動的に検出し、最適な統合条件を特定することができます。この自動化は、反復的なデータ変換や統合にまで拡大され、ワークフローを合理化し、手作業を最小限に抑えます。さらに、データ準備プロセスにAIを使用するアナリティクスソリューションでは、ユーザーがデータ品質の向上やデータセットの拡充に向けた推奨事項を事前に生成し、活用することができます。

データ準備に取り掛かる前に、AIアナリティクスツールは、データソースのプロファイリング、タグ付け、注釈付けを自動化し、その後の分析のためにデータのクリーンさと信頼性を確保することもできます。これは、従来の手作業によるデータ準備に必要な時間とリソースを大幅に削減することを意味します。

インサイト取得までの時間を短縮

高度な機械学習 (ML) アルゴリズムを採用することで、AIアナリティクスソリューションは、データ内の隠れたパターンの特定を自動化することができます。AI主導のBIシステムが相関関係、クラスタ、外れ値、重要なセグメントを自動的に検出できるため、アナリストは多数のデータの組み合わせを手作業でテストする負担から解放されます。最も統計的に有意な発見は、直感的でインサイトに満ちたデータビジュアライゼーションにより提示され、データアナリストによるさらなる分析とアクションのために最適化されます。

一部のアナリティクスベンダーは、自然言語などのAI技術を活用することで、データを照会し、関連するインサイトを発見するプロセスを従来の方法よりもはるかに容易にしています。例えば、Yellowfinは、ガイド付きNLQ機能に自然言語クエリを活用して、データに関する質問をしようとしているユーザーに対して、自動的に提案やフィルターを生成し、ユーザーが求める種類の回答を得るために適切なタイプの質問を作成できるようにしています (詳細は以下のアニメーションを参照)。

市場の瞬時差別化

たとえ、既にソフトウェアアプリケーションに堅牢なレポート作成機能を提供していたとしても、ユーザーがその機能を利用したり、価値を見出したりする保証はありません。

従来のレポーティングは、多くの場合、ユーザーがダッシュボードやレポートを自力で操作し、重要なインサイトを明らかにするために手作業でデータを選別することが期待されているため、それが参入障壁になることがあります。このアプローチの有効性は、個人のスキルレベル、知識、利用可能な時間によって本質的に制限されます。AIアナリティクスは、データ探索の重労働を自動化することで、このプロセスを変革します。膨大かつ複雑なデータセットを手作業で検索する手間が省け、ユーザーに外れ値や重大な変化を事前に通知することで、それらが発見されないままになることを防ぎます。この自動化によりアナリティクスワークフローが最適化されるため、ユーザーはより価値の高い作業に集中し、より深いインサイトを得ることができ、既存のアナリティクスモジュールからより迅速に価値を引き出すことができます。

これはAIアナリティクスの大きなセールスポイントですが、他の強力なツールと同様に、AIは慎重に導入する必要があります。Yellowfinは、エンドユーザーの意思決定能力を高めるために、AIの能力をアナリティクスおよびビジネスインテリジェンスの目標、データコンプライアンスおよびデータガバナンスの要件、業界固有のデータプライバシー基準に一致させる必要性を認識しています。

ビジネスインテリジェンスにおけるAIの課題

AIに対する期待の高まりは明らかですが、AIの統合により、データの整合性や意思決定プロセスが損なわれるのではなく、強化されることが重要です。

そのためには、AIとビジネスインテリジェンスの統合における現在の課題を理解した上で、適切なソリューションを選択する必要があります。

AIアナリティクスや拡張アナリティクス機能をビジネスワークフローに組み込む競争において、不正確なインサイトやデータの脆弱性、自動化された意思決定への過度の依存など、意図しない結果が生じる可能性があります。

データ品質とバイアス

AIアルゴリズムは、学習に使用するデータに依存します。不正確さ、不整合、欠損値などのデータ品質の問題は、生成されるAI主導のインサイトの精度や信頼性に大きな影響を及ぼします。また、過去のデータに内在するバイアスは、AIモデルにより増幅される可能性があります。AIアナリティクスソリューションを導入する前に、データクレンジング、検証、バイアスの継続的な監視など、強固なデータガバナンスの実践により、これらの課題に対処する必要があります。データ品質の取り組みをどこから始めたらよいのか分からない場合は、評価対象のAIソリューションベンダーが、既存のソフトウェアソリューションへの組み込みアナリティクスの一般的な統合についても支援できるかどうかを確認することが最前です。

統合と拡張性

既存のアプリケーションにAI機能を統合することは、複雑で困難になる場合があります。互換性の問題やデータサイロなどの技術的な障害は、シームレスな統合を妨げ、選択したAI主導ソリューションの潜在能力を制限する可能性があります。さらに、大量のデータに対処し、リアルタイム分析をサポートするためにAIモデルを拡張することは、計算コストとリソースを大量に消費する可能性があります。これらの課題を克服するためには、堅牢なインフラ、熟練した人材、組織の特定のニーズやリソースを考慮した明確なAI戦略が必要です。そして何より、高度なAIソリューションの活用に向けた取り組みを全面的にサポートする適切なBIベンダーを選ばなくてはいけません。

ユーザーの採用

AI対応BIソリューションを導入するには、ワークフローの調整、スキルの開発、文化の変化など、組織の大幅な変更が必要です。従業員や製品ユーザーの変化に対する抵抗は、AI技術の導入を成功させる上で妨げになる恐れがあります。懸念に対処し、理解を深め、既存のビジネスプロセス (エンタープライズ) と製品ユーザーエクスペリエンス (製品責任者) にAIをスムーズに統合できるようにすることが重要です。そのためには、包括的なトレーニング、明確なコミュニケーション、導入したAI対応ツールの具体的な利点の提示などが求められます。

YellowfinがAIアナリティクスソリューションにアプローチする方法

Yellowfinでは、これらのリスクを真剣に受け止めています。そのため、正確性、セキュリティ、信頼性に関する厳格な基準を満たさないAI対応の拡張アナリティクス機能は一切リリースしない方針です。Yellowfinの目標は、最高水準の信頼と透明性を維持しながら、導入するすべてのAI機能がユーザーに力を与えるようにすることです。

この注意を念頭に置いて、YellowfinがAI機能を積極的に拡張し、顧客のデータエクスペリエンスをさらにシームレスで直感的なものにしていることをお伝えできることを嬉しく思います。今後は既に強力な機能であるガイド付きNLQをAI対応機能にすることで強化し、ユーザーがより直感的な問い合わせから即座に実用的なインサイトを取得できるようにする予定です。

さらに、自動インサイト機能をAIにより強化し、必要なデータからインサイトを素早く見つけるための機能を強化します。なお、先日リリースしたYellowfin 9.14では、Ask YellowfinとCode Assistantという形で、新しいAI対応チャットボットアシスタントを公開しました。これにより、ユーザーはYellowfinの使用方法に関するヘルプを迅速に取得でき、さらに、様々なプログラミング言語でコードを記述して、開発者の統合のためのAPI利用を加速させることができます。

まとめ

YellowfinにおけるAIツールの提供は、バランスが重要です。わたしたちは、これらの新機能の可能性に興奮していますが、AIを責任を持って採用することの重要性も理解しています。そのため、AI主導ツールの開発に投資するだけでなく、それらのツールが信頼でき、安心で、透明性があることを保証するためにも投資をしています。

私たちの使命は、セキュリティ、正確性、信頼性を損なうことなく、顧客に最先端のツールを提供することです。AI機能の拡張を続ける中で、この急速に進化する状況を乗り切るために、強固なサポートとベストプラクティスを提供することに今後も尽力して参ります。

著者について

Chance Cobleは、Yellowfin BIのゼネラルマネージャーであり、応用分析コンサルティング企業であるBlacklight Solutionsの前社長です。Chanceは、データアナリティクス業界における数十年の経験を活かして、Yellowfin 北アメリカの創設メンバーとして、Blacklight Solutions 在籍中にアメリカ市場へのYellowfin導入を先導しました。また、フォーチュン500企業や国際企業のコンサルティングにも豊富な経験を持ち、15年以上にわたってデータドリブンなアナリティクスを通じて複雑なビジネス問題の解決を支援してきました。Chanceは、テキサス大学オースティン校でコンピューターサイエンスの学士号を、テキサス大学ヒューストン校で生物医学情報学の修士号を取得しています。

次のステップ: Yellowfin AIアナリティクスの体験

AI対応の自動インサイトからガイド付きNLQによる直感的なデータクエリまで、Yellowfinが独自のAIアナリティクス機能を使用してユーザーを強化する方法についてご興味があれば、是非弊社担当までお問い合わせください。

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