ビジネスインテリジェンスにおけるデータビジュアライゼーションとその重要性
ダッシュボードと同様に、データビジュアライゼーションはビジネスインテリジェンスと同義ですが、正確には何を意味するのでしょうか。アナリティクスソリューションのコア機能として、現在のBIプロセスにおけるその役割を把握し、既存のレポートをどの程度変革できるのかを理解することが重要です。
データビジュアライゼーションは、情報をグラフィカルに表現して、データを伝え、文脈化する方法です。これは、グラフやマップ、プロットなどの視覚的な形式を使用して、重要な変化やパターン、傾向を強調表示することで、データを理解しやすくします。
それでは、データビジュアライゼーションが最も適しているのは何でしょうか。これを正しく使用することで、ビジネスユーザーは複雑なデータセットを理解し、結論を導き出して、情報に基づいた意思決定を迅速に行い、静的な表やテキストベースのレポートからだけでは確認することのできない相関関係を特定することができます。これはつまり、データビジュアライゼーションが組み込まれた適切なBIソリューションを見つけることが重要です。
目次
BIの文脈におけるデータビジュアライゼーションとは何か?
ビジネスインテリジェンスの目的は、データを収集して、運用上または戦略上の目標を満たす実用的な情報に変換し、ユーザーの意思決定をサポートすることです。
ビジネスデータを収集し、分類して、モデル化した後に、企業はユーザーや意思決定者が専門知識を必要とせずにデータを簡単に解釈して、掘り下げることのできる方法を数多く提供しなくてはいけないと強く認識しています。そうでなければ、分析を提供するために専門家に依存し続けたり、BIツールを十分に活用できなかったりする可能性があります。
データビジュアライゼーションツールは、そのうちのひとつの方法です。これは、最新のアナリティクスソリューションのセルフサービスBIレポート作成機能として提供され、企業がよりデータドリブンで理解しやすく、ユーザーフレンドリーな方法で定量的データを表示および共有できるようにすることで、顧客やエンドユーザーは最も重要な数値を素早く把握することができます。
企業は、データビジュアライゼーションツールを使用することで、日々のKPIやビジネス指標をよりインタラクティブな方法で提供でき、これらのツールを、より深い文脈と意味を提供するデータストーリーテリングのナラティブと組み合わせることが増えてきました。
小売や科学、金融や医療など、様々な業界のエンタープライズおよびソフトウェア企業は、最終的にBIソリューションを導入することでデータを分析し、ビジネスパフォーマンスや目標、潜在的なインサイトをより明確に理解できるようにしています。データビジュアライゼーションツールは、この重要な目標を実現するひとつの方法です。
BIツールにはどのようなタイプのデータビジュアライゼーションがあるのか?
これまでも、円グラフや折れ線グラフ、表など、最も初期のデータビジュアライゼーションは、テキストベースの運用レポートやスプレッドシートを補完するために使用されていました。この10年でBIの優先度がさらに高まるにつれて、アナリティクスソリューションは複雑なデータセットを可視化し、効果的なデータビジュアライゼーションを実現するための新しいオプションをサポートするようになってきました。
現在では、データをより魅力的な方法で表示および表現するために様々なタイプのデータビジュアライゼーションがあり、正確な出力はそれぞれのアナリティクスソリューションに応じて異なります。
例えば、Yellowfinでは、データ分析のためにそのまま使用できる以下のような表やグラフを提供しています。これは、50種類以上あるオプションの中の一部です。
- エリアグラフ
- 棒グラフ
- 縦棒グラフ
- イメージマップ
- メーターグラフ
- 数値表示
- 円グラフ
- 散布図
- 重ね棒グラフ
- ツリーマップ
例えば、データの意図を最もよく伝える適切なビジュアライゼーションを選択することは、複数の州における地域別店舗売上のように、エンドユーザーがデータを解釈し、理解して、それに基づきアクションを起こすために重要です。
データビジュアライゼーションのカテゴリーとは何か?
現在のデータビジュアライゼーションの大部分は、次の6つのカテゴリーに分類されます。
- 比較 - 時間経過やディメンション (次元) に基づきメトリック (数値) を比較します。
- 構成 - 円グラフや棒グラフなどにより数値の構成を示します。
- 分布 - 時間やディメンション (次元) の値により数値がどのように分布するかを示します。
- KPI - メトリック (数値) の現在の状態を強調して表示します。
- 関係性 - 散布図などによりメトリック (数値) 間の関係性を示します。
- ロケーション - マップやフロアプランにデータを表示します。
レポートやダッシュボードに使用するデータビジュアライゼーションのタイプは、何を可視化しなくてはいけないのか、エンドユーザーは何を分析しなくてはいけないのかに応じて異なります。
複数のメトリック (数値) 間の関係性を示す必要があるか?
2つのデータセットを細かく比較する必要があるか?
これらの考慮事項は、ビジュアライゼーションを使用する前にマッピングすることをお勧めします。これにより、どのデータビジュアライゼーションが最適かを理解することができます。
Yellowfinのような一部のBIソリューションは、最適なグラフカテゴリーの選択をサポートしてくれます。Yellowfinのおまかせグラフは、選択されたデータに最適なグラフを自動的に選択し、そのグラフの概要や目的を簡潔に説明します。
BIレポートにおけるデータビジュアライゼーションのベストプラクティスとは何か?
ビジュアライゼーションのデザイン時に参考となる一般的なベストプラクティスの原則がいくつかあります。
- 対象ユーザーの定義: データビジュアライゼーションのデザイン時には、常に対象ユーザーを念頭に置きましょう。これにより、彼らのニーズに対応し、データポイントにおいてアクションを起こすように動機付けることができます。
- 色やフォントの一貫性を保つ: 色はユーザーが確認する必要のあるデータに注意を向けさせる重要な方法であり、閲覧しなくてはいけない順に数値やグラフの変更を強調して表示することができます。そして、フォントはユーザーを導くのに役立ちます。補完となる色テーマやフォントを選択したら、一貫性を維持するために継続してそれを使用します。
- 重要なのは文脈: ビジュアライゼーション内のデータが重要である理由をユーザーに示し、伝えることは、それに基づきアクションを起こしてもらうために重要です。説得力のあるグラフィックとデータストーリーのナラティブを組み合わせることで、グラフ単体を表示するよりも、よりアクションを促すことができるようになります。
- 書式設定や並べかえの使用: データを論理的な順序 (時系列) で整理し、バーやアイコン、ラベルや線を使用することで、物事を簡潔にし、ユーザーのデータ解釈をサポートします。
- 表の有効活用: 通常ビジュアライゼーションは、どのダッシュボードにおいてもユーザーの注意を向けさせることが目的ですが、データセットによっては表を有効活用することもできます。スパークラインや条件付き書式を使用することで、グラフと同じように表に影響力を持たせることができます。
- 値の正確な表示: データ内に関係性がある場合に値を接続します。例えば、折れ線グラフを使用してディメンション (次元) を結合する必要はなく、棒グラフを使用して表現する方が適切な場合があります。
データビジュアライゼーションのベストプラクティスについて、より詳細な情報は、以下のビデオからご確認いただけます。
データビジュアライゼーションは誰のためのものか?
データをより理解しやすく、より利用しやすいものにすることは、普遍的なビジネス目標であり、小売、人事、金融、通信、医療、政府、自動車、製造、メディア・エンターテインメント、教育、輸送など、あらゆるビジネス業界やセクターの企業にとって、データビジュアライゼーションを役に立つものにしています。
四半期ごとのKPIレポートを経営陣のためにより説得力のあるものにしたいと考えているメディア企業のセールスマネージャーであれ、総投資額を示すためにビジュアライゼーションを使用している財務部門の幹部であれ、データビジュアライゼーションは誰にとっても同様に重要です。
実例を確認したい場合は、Yellowfinのインタラクティブなデータビジュアライゼーションギャラリーにアクセスして、Yellowfin BIの可視化要素を操作してみてください。セールス、人事、医療など、様々な業界や部門に最適なビジュアライゼーションのタイプを確認することができます。
BIにおいてデータビジュアライゼーションが重要である理由
脳に伝達される情報の90%は視覚情報であり、全世界におけるデータの生成量は2025年までに180ゼタバイト以上に増加することが予測されています。流入するビッグデータとそのデータの複雑さは、それを一般向けに変換する適切なツールがなければ圧倒されてしまうことでしょう。
今日の企業が、ビジネスに不可欠な情報や大量の複雑なデータの意味を理解するための効率的な方法として、データビジュアライゼーション機能を理解し、活用したいと考えるようになったのは当然のことです。
人間は生まれつき視覚的な存在です。データビジュアライゼーションは、BIツールやアナリティクスソリューションを使用する多くの人々に一目で情報を把握し、数字の背後にあるインサイトを理解するための、親しみやすく魅力的でインタラクティブな方法を提供するのに役立ちます。また、企業や製品チームが、エンドユーザーに向けてデータドリブンな意思決定を促進するアナリティクスエクスペリエンスを構築するサポートをします。
何からデータビジュアライゼーションを始めればよいのか?
Yellowfinのような組み込みアナリティクスソリューションがデータビジュアライゼーション製品でどのような機能を提供しているのかご存じない場合は、無料評価版をお試しください。Yellowfinが魅力的でインタラクティブなアクションベースのレポートを作成することで、データセットをどのように変革するかをご確認いただけます。