データ分析のポイントは?概念から代表的な手法まで幅広く解説
データ分析を取り入れたいけれどどの方法がいいの?
エクセル操作になれているけれどデータ分析にはエクセルも活用できるの?
データ分析にはエクセルかBIツールのどちらが向いているの?
近年、データドリブンと呼ばれる経営手法にも取り入れられているデータ分析ですが、データ分析を具体的にどのようにしていくべきか厳密にわからない方も多いかと思います。
また、データ分析の方法として、エクセルでいいのか、BIツールを導入するにしても無料でいいのか有料が必要なのか、と判断に悩む企業の担当者の方もいるのではないでしょうか。
本稿では、データ分析の定義からデータ分析はエクセルでも行うことが可能なのか、またエクセルではなくBIツールを導入する場合、無料がいいのか有料にすべきなのかをどのような基準で判断すればいいのかを解説していきます。
データ分析とは、膨大な情報の中から目的に沿った情報を抽出することです。ITの進化によって人々の購買データ、行動履歴など自動的に企業活動に有用な情報が蓄積されるようになりました。
しかし、この膨大なデータは蓄積しているだけでは価値を発揮しません。分析することで膨大なデータを活用することができるようになります。
昨今、BIツールを導入する企業が増えてきております。BIとは企業の各部署の蓄積している膨大なデータを分析し加工することで、経営戦略の意思決定に役立てるものですが、ここでもデータ分析が非常に重要となってきます。
データ分析を有効に行うための5つのポイント
データ分析を有効に行うための5つのポイントとして以下を紹介します。
- データ分析を行うための目的を設定する
- 目的を達成するための課題を考える
- 課題の原因に仮説を立ててデータ分析の種類・手法を選択
- 仮説を立証するためにデータを収集し分析
- 目的を達成するために実行
それぞれ解説していきます。
関連記事:データ分析はプロセスが重要!具体的な流れと実施に向けた注意点を解説 | Yellowfin BI
データ分析を行うための目的を設定する
データ分析を有効に行うためのポイントの1つ目は、分析の目的、目標を決めることです。
売上を上げたい等、達成したい目的が明確でないとデータ分析をしても有益な示唆を得ることができないで終わってしまうことがあります。
業務効率化も考えて、まずはデータ分析をする目的の明確化をしましょう。
関連記事:データ分析の目的とは?明確にする理由から方法まで分かりやすく解説 | Yellowfin BI
目的を達成するための課題を考える
データ分析を有効に行うためのポイントの2つ目は、目的を達成するための課題を考えることです。
売上を上げたい場合は、売上の要素分解をしてあげて、客単価が安いから売上が上がらないのか、客数が少ないから売上があがらないのか等、課題を探ります。
課題の原因に仮説を立ててデータ分析の種類・手法を選択
データ分析を有効に行うためのポイントの3つ目は、課題の原因に仮説を立ててデータ分析の種類・手法を選択することです。
仮説を立てることで属性ごとの傾向やニーズを見ればいいのか、それとも類似グループごとの傾向を見ればいいのかデータ分析の手法も変わってきます。
また、仮説を立てることで余計な作業を省くことができるため業務効率化にもつながります。
関連記事:データ分析での仮説を立てる方法・注意点を徹底解説!
仮説を立証するためにデータを収集し分析
データ分析を有効に行うためのポイントの4つ目は、仮説を立証するためのデータを収集し分析することです。
仮説が正しいのかデータを収集し分析し検証することではじめて経営戦略の意思決定に役立ちます。
目的を達成するために実行
データ分析を有効に行うためのポイントの5つ目は、分析結果をもとに検証した目的を達成するための仮説を実行に移すことです。
データ分析を行ったままにするのではなく、実際にアクションをしてみてデータ分析のPDCAサイクルを適正に回します。
データ分析の代表的な手法
データ分析の代表的な手法について、以下6つを紹介します。
- クロス集計
- クラスター分析
- バスケット分析
- 回帰分析
- 決定木分析
- 主成分分析
それぞれ解説していきます。
関連記事:データ分析の手順と代表的な分析手法を解説! | Yellowfin BI
クロス集計
データ分析の代表的な手法の1つ目は、「クロス集計」です。クロス集計は、データを性年代別などの属性に分けて傾向を把握する手法です。
属性ごとの大まかなトレンドを把握しやすく、視覚からもわかりやすいのでマーケティング、アンケート調査、世論調査など様々な場面で使われています。
クラスター分析
データ分析の代表的な手法の2つ目は、「クラスター分析」です。クラスター分析は、様々な性質がまじりあっている中で対象を類似性にわけて分析します。
クラスター分析はマーケティング施策、ブランディングなどに使われることが多いです。
仮にクラスターで高級志向、流行への関心が高いと分けることができた場合は、高級志向の方々へは高品質な商品を案内し、流行へ関心が高い方々には新製品の案内をすると言ったことができるでしょう。
バスケット分析
データ分析の代表的な手法の3つ目は、「バスケット分析」です。バスケット分析は、ビッグデータを活用して、商品やサービスの相関関係を分析する手法のことです。
バスケット分析は、アソシエーション分析とも言われますが、同時に購入されるものを発見したりできるためマーケティングでよく使われる手法です。
ECサイトの「この商品を買った方はこちらの商品もチェックしています」といったレコメンド表示は、バスケット分析を活用しています。
回帰分析
データ分析の代表的な手法の4つ目は、「回帰分析」です。回帰分析は、結果となる数値と要因になる数値の関係を調べて、その関係性を明らかにする手法です。
事象発生の関連性について知ることが可能です。
決定木分析
データ分析の代表的な手法の5つ目は、「決定木分析」です。決定木分析は、目的変数に対して何度も説明変数をクロス集計して関連性を見出す手法のことです。
利用シーンとしては自社製品を最も購入したい人はどのような人なのかを知りたい場合などでよく活用されます。
主成分分析
データ分析の代表的な手法の6つ目は、「主成分分析」です。主成分分析は、多くの要因がある場合により少ない指標や変数に統一することで分析をしやすくするための手法です。
例えば、顧客にアンケートをとり「新しいものがすき」「中古品は買わない」「流行に関心が強い」と言った結果が得られた場合に、まとめて「新しいもの好き」とすることが主成分分析になります。
データを単純化することで分析もしやすくなりますが、一部の情報は切り捨てることになるため、その点はデメリットです。
ユーザーのセグメント分析、購買動機の分析などによく使われます。
データ分析はエクセルでもできるのか
まず初めに、データ分析はエクセルでもできるのかということを以下の3つの観点から解説します。
企業で働く人が使い慣れているエクセルにおいてもデータ分析は可能です。
エクセルではデータを入力や取り込みを行い、棒グラフや円グラフなど結果がわかりやすい方法でアウトプットすることができます。
使い慣れているぶん、誰でも手軽にデータ解析を行うことができますし、さらに発展させて関数やマクロ、ピボットテーブルなどを使用することで、入力内容を集計すること、またレポートの作成も簡単にできます。
ただ、扱うことができるデータ量には限界があり、限界を超えるような解析を望む場合、次の手段として、データ分析・解析に特化した「BIツール」の検討が必要になってきます。
関連記事:BIツールを総まとめ!概要や機能からメリット・デメリットまでプロが徹底解説
BIツールが得意なデータ分析の範囲
BIツールが得意としている分野は、企業がこれまでに蓄積してきた大量のデータを分析し、誰にでもわかりやすい形で可視化し知見を深めることをサポートすることです。
エクセルとも言えるBIツールの分析範囲を以下の3点から解説します。
- データを組み合わせた分析
- 大量のデータ集計
- 最新データの共有
それでは一つずつ解説します。
データを組み合わせた分析
形式が違うデータ同士であってもBIツールなら共通する項目や値をキーワードとしてデータを掛け合わせて分析をしてくれます。
エクセルの場合は形式を統一するのに余分な工数が発生してしまいますが、BIツールであれば自動的にデータを抽出し解析してくれるため、集計にかかる工数を大幅に削減できさまざまな角度からの分析が可能になるというメリットがあります。
大量のデータ集計
Excelにおいて扱うデータの量が多くなるとファイルが開きづらい、という現象が起こり、さらにデータを分析するために投入した関数やピボットテーブルを含むことでデータが一段と重くなる傾向にあります。
BIツールでは扱うことができるデータ量は無限で、むしろ「ビッグデータ」と呼ばれる大量のデータの集積を分析することを得意としています。
安全かつ快適に大量のデータ分析を行う場合、エクセルではなくBIツールのほうが向いていると言えるでしょう。
最新データの共有
BIツールでは、データ集計の方法を目的に沿ってあらかじめ設定しておくことで、指定日時にデータの自動集計を行う機能を有するツールがたくさんあります。
レポート共有もできるため、時間や場所に関係なく誰でも最新データを見ることが可能です。
データ分析ツールを導入する際の選び方のポイント
データ分析ツールを導入する際の選び方のポイントは以下の3つです。
- 自社でやりたい分析を明確にする
- 自社でやりたい分析はエクセルや無料ツールでも可能か検討する
- 無料ツールと有料ツールの比較をする
れぞれご紹介します。
自社でやりたい分析を明確にする
データ分析ツールを導入する際の選び方のポイントの1つ目は、自社でやりたい分析を明確にする、です。
大切なことは「何のためにデータ分析をするのか」という目的を明確にすることです。
目的を明確にしないままデータ分析を行うと、そもそも何をしたら良いのかわからず、とりあえず抽出してみたレポートを見たけれど何もわからなかった、という結果になりかねません。
データ分析を行い自社で成し遂げたいことを明確にした上でデータの抽出の設定をしましょう。
自社でやりたい分析はエクセルや無料BIツールでも可能か検討する
データ分析ツールを導入する際の選び方のポイントの2つ目は、自社でやりたい分析はエクセルや無料BIツールでも可能か検討する、です。
データ分析を始める前に、目的を達成するためのデータ分析にはBIツールが必要なのかエクセルでも十分なのかを十分に検討する必要があります。
様式が違う大量のデータを同じ項目で拾い上げて解析をするのならば迅速な経営判断も可能になるBIツールがおすすめです。
単純な「行と列」の概念を持つデータをいくつも掛け合わせるのではなく、シンプルにグラフ化したいのならエクセルで十分と言えます。
エクセルは使い慣れていることもあり手軽なツールですが、大量のデータを扱うことには向いていません。
経営判断や意思決定を目的とした場合はBIツールを活用することで迅速な決定につながります。
無料ツールと有料ツールの比較をする
データ分析ツールを導入する際の選び方のポイントの3つ目は、無料ツールと有料ツールの比較をするということです。
無料ツールと有料ツールではできることに大きな差があります。そのため、導入前に両者を比較し、まずは無料ツールからでも良いのでつかってみましょう。
自社でやりたいことが達成できるか、また使い勝手は良いかを確認した上で無料ツールで十分なのか、もしくは有料ツールを導入するのかを決定することをおすすめします。
関連記事:データ分析ツールを徹底解説!概要・メリット・デメリットから無料・有料ツールまで紹介