人事データの可視化で企業が変わる!実施のメリットや分析すべきデータを解説!
自社に人事データの可視化は必要だろうか
可視化した人事データをどう活用していくのか知りたい
人事データの可視化を進めるためにどこから手を付けるべきだろう
人事領域においてもデータの可視化が非常に重要な意味を帯びてきており、人員配置の最適化や離職率の改善人事制度の見直しなどに役立てられてます。
実際のところ、人事業務を担当者の経験や感覚に頼って進めているという企業もまだまだ多くあります。そのような中、今後は人事領域のおいてもデータを裏づけにした改善を進めていきたいと考える企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、人事データを可視化するメリット・デメリットから活用すべきデータや課題について解説をしていきます。
社内における人事データを集積・分析することで人事関連の課題の解決、ひいては企業の発展につなげることができます。
人事データというと、具体的には従業員の基本情報や勤怠情報、能力、価値観、モチベーションなど、様々な観点でデータ活用がされています。
いわゆる“人”に関わる全てのデータが対象となります。この人事データを分析し、改善していくための第一歩目が「可視化」です。
採用プロセスの改善や離職率の軽減、生産性の向上などを図るため、人事データの可視化が近年注目されています。
人事データを可視化するメリット
改めて人事データを可視化するメリットは何でしょうか。本記事では、
- 採用プロセスの見直し
- 離職率の低下
- 迅速で正確な人事業務の推進
の3つのメリットをピックアップして解説していきます。
採用プロセスの見直し
人事データを可視化するメリットの一つ目は、採用プロセスの見直しができることです。
あらゆる企業において、人材採用は企業成長の重要な要素だと言えます。採用に投資するコストも非常に大きな金額になっている企業も少なくありません。
ただ採用活動を行う従業員も人間であるため、個々の性格や経験によって応募者の評価にばらつきが出てしまうことがあります。
採用基準を明確にせず、担当者に依存した方法で採用面談を続けてしまうと、いつまでも企業として均質的な採用を行うことができません。
そこで、採用プロセスにおいても人事データを分析・活用することで、人依存の採用から均一化した採用へと変化させていきます。
自分の会社でどういった特徴やスキルを持った人材が活躍しているのか、どういった人材が会社に長く定着しているのか、データで把握することで採用の際に会社に貢献できる人材を見つけやすくします。
人に関わることなのでデータだけでは捉えられない部分もあり、人事担当者の経験やノウハウ、コミュニケーション力も活かしながら、人事データもうまく活用して人事業務の精度を上げていく必要があります。
離職率の低下
二つ目のメリットは、離職率の低下です。
人事データの分析により、どういった要因が従業員の離職に結びついているのか、といったことを知ることができます。
離職した従業員に関するデータを可視化し、現状の制度や会社のどこに不安があるのか仮説を立てて分析を行うことで、適切な評価制度や人員配置など人事制度を改善し、人材の定着率を上げる施策を行うきっかけになります。
離職する従業員からアンケートを集めることも人事データを収集する一つの手ですし、逆に長く勤めている従業員からアンケートを集めることも有用なデータの取得になります。
集まったデータを可視化することで、データに基づいた離職に対する改善施策を積み重ねていくことが、離職率の低下へとつながっていきます。
迅速で正確な人事業務の推進
三つ目のメリットは、迅速で正確な人事業務の推進です。
従業員データベースを構築し、人材情報を適切に登録・管理することで必要なタイミングで必要な情報を素早く参照したり、判断することができるようになります。
また、従業員の勤務状況を可視化することで、労働時間の管理や生産性向上への施策を行うことができ、適切な人員配置ができるようになるでしょう。
人事が可視化するべきデータ
人事が可視化するべきデータにはどういったものがあるのでしょうか。
人事データの中には、人材配置や後継者育成などを支援するデータもあれば、人件費分析・要員分析など経営者や現場マネジャーの意思決定を支援するためデータもあります。
ここでは人事が可視化すべきデータについて解説をしていきます。
会社の人員構成
人事が可視化するべきデータの一つ目は、会社の人員構成です。
どこの部署・チームにどのような人材が何人配置されているのか、優秀な人材が配置先で埋もれていないかといった情報を把握することは非常に有用です。
一緒に働く仲間と馬が合わずパフォーマンスを上げられていなかったり、本人が本来持っている能力を活かせない部署に配属しており不満を抱えているといった状況を把握できれば、離職してしまう前に配置転換などの手を打つことができます。
部署やチームによって働き方も全く違う中でデータに基づいて判断をすることで、より良い社内人材の配置を実現することができます。
入社・退社の現状
人事が可視化すべき二つ目のデータは、入社・退社の現状です。
一般的に、優秀な人材を獲得したり、離職を避けることは企業にとって重要な課題です。
それらの課題を解決していくにあたって、入社動機や退職理由といったデータを集めることは、採用活動の改善や離職率の低下に向けて重要な役割を果たします。
人事評価
人事が可視化すべき三つ目のデータは、人事評価です。
人事評価は従業員のモチベーションに大きな影響を与える重要な要素であり、評価者によって評価の軸が全く違うという状況では、従業員が不満を抱えてしまいます。
そういった事態を避けるため、人事評価の過去データを可視化し分析するなど、自社にマッチした人事評価の軸を作り、運用していく必要があります。
人事データを可視化するための課題
ここまで、人事データの可視化によるメリット・デメリットをご紹介してきました。ここでは、人事データを可視化するための課題として以下を解説します。
- 目的の明確化
- 膨大なデータの分析
- 従業員の協力
それぞれ、詳細にみていきましょう。
目的の明確化
人事データを可視化するための一つ目の課題は、目的の明確化です。
人事データにかかわらず、あらゆるデータを可視化する上で最重要項目と言っても過言ではありません。
目的を明確にしていないと、大量のデータを集めることができても全く関係のないデータを集めていたり、逆に本当に必要なデータが全く揃えられていなかったりなどという事態が起きてしまいます。
折角集めたデータを無駄にするということが起きないように、予めデータを可視化する目的を議論して明確にしておきましょう。
目的を明確にすることで仮説を立て、仮説に基づいたデータを収集し、分析に役立てることができます。
目的の明確化により、既に存在するデータなのか、これから集める必要があるのか、といった整理もできるはずです。
膨大なデータの分析
人事データを可視化するための二つ目の課題は、膨大なデータの分析です。
人事データに関わらず、データの可視化、すなわちデータの分析には遍く共通の特徴ですが、特に人事データの分析では膨大なデータを扱うことになります。
加えて、時にはデータを整理したり、綺麗にしたりする必要も出てきます。
人事データを可視化するための分析経験が浅い従業員だと、集めたデータをなかなか有効に活用できないということも起きます。
人事データの分析に精通した従業員を担当者にしたり、初心者でも扱えるデータ分析ツールを用いるなど、工夫をする必要があります。
エクセルでもできない事はありませんが、デメリットも多いので、自社の状況に応じてデータ分析に即したツールを使用することをお勧めします。
関連記事:売上データの分析はエクセルで可能?メリット・デメリット・活用方法と脱エクセルのステップも解説
従業員の協力
三つ目の課題は、従業員の協力です。
人事データの可視化を進める上で、業務を進めることで自動的に取得できるデータもあれば、従業員自身はどう感じているのかアンケートやインタビューに基づいて収集するデータも必要になったりします。
従業員数が多い会社であれば余計にデータは集めにくくなるでしょうし、個人情報の観点から自分に関わるこのデータは提供したくない、などといったこともあるでしょう。
会社をより良くするために必要な活動として、どういった範囲のデータが必要なのか、なぜ必要なのか、そしてどのようなメリットが従業員にもたらされるかを明確かつ具体的に説明し、企業内での理解と協力を求めましょう。
人事データの可視化で活躍するBI
ここまで、人事データの可視化の際のメリットやデメリットに加えて課題もご紹介してきました。
人事データの可視化・分析には、BIツールが活躍します。
人事システムはデータの管理が得意であっても、閲覧や分析・加工することは容易ではないというケースも多くあります。
また、企業経営者が人事システムに直接アクセスして、自分でデータを掘り下げるというのは、規模の大きな会社では考えられません。
BIツールを用いることで効率よく人事データを分析し、経営判断に必要な情報をレポートとしてスピーディーに可視化することができます。
まとめ
人事データの可視化に向けて、課題や目的、仮説を設定し、小さなものからデータに落とし込んで分析してみましょう。
人事データの分析を進める上で従業員の協力が必要な状況も考えられます。データの可視化を進めるためにも。どういう目的で、どのようなデータが必要なのかを曖昧にせず、明確にしておく必要があります。
人事データ分析の可視化から人材育成や離職率の改善施策などに結びつくなど、本記事が自社の人事業務改善に役立てば幸いです。