BIのためのデータベース(DB)設計を基礎から分かりやすく解説
BIは、複数のデータベース(DB)のデータを組み合わせて分析し可視化し、会社や事業を成長させるためのツールです。データベースの設計を適切に行うことで、より簡単にデータの分析を行うことができるようになりますので、この機会にデータベース設計の理解を深めましょう。
データベース活用の前のおさらい
まずは、BI(ビジネスインテリジェンス)についてのおさらいをしていきたいと思います。
BIツールの概要については以下の記事で詳しく解説をしていますので、気になる方はご覧ください。
関連記事:BIツールとは?代表的なシステム6選と活用事例10社を紹介!無料版のメリットとデメリット・機能・導入成功のポイントも解説
近年収集できるデータの幅はかなり広くなっています。データが増え、多次元分析を行うことの重要性の高まっており、BIツールの需要も高まっています。
様々なデータの分析結果を可視化できるので、経営の場やマーケティング部門、営業部門など、幅広い場面で活用されているツールです。
ここでは、基本的な3つの機能を紹介します。
レポーティング
まず一つ目はレポーティング機能です。様々なデータを分析した結果を元に複数のレポート作成を行うことができます。毎回レポート作成をする必要はなく、データの更新を行うだけで最新データのレポートを作成することができます。また、リアルタイムにデータ更新を行えるBIツールでは、データの更新の必要もありません。
データマイニング
データマイニング機能とは、複数のデータから、関係性や相関を見つけ出す機能のことです。バラバラに管理されていて、同時に分析したことのないデータや、関連性がないと思っていたデータソース間での分析を行うことができるので、今まで気付くことのできなかった課題を発見することができるようになります。
プランニング
プランニング機能とは、過去のデータを元にした未来予測の機能のことです。過去のデータを元に仮説を立て、シミュレーションを行い、最終的には事業計画や予算策定のために活用できます。
現場経験の豊富なメンバーによる事業計画や予算策定を行っているというケースも少なくないかと思います。経験に基づく計画が優れているという場合もありますが、プランニング機能を活用することで、実績に基づいた計画を立案できるので、より正確な計画を策定することができるようになります。
データベースの準備
ここまでBIツールについてのおさらいをしてきました。しかしBIツールを活用するためには、データを準備するためのいくつかのステップが必要です。
ここではBIツールを活用していくためのデータベースの準備について紹介します。
1. データベースにデータを蓄積
まずは、データベースでデータを蓄積する必要があります。BIツールは集められたデータを元に分析や可視化、未来予測を行うツールですので、データがないと力を発揮できません。まずは社内で集められるデータをしっかりでデータベースに蓄積していきましょう。
2. 蓄積されたデータをETLで加工
社内で蓄積したデータや、Googleアナリティクスなどの外部ツールのデータを、ETLツールを用いて加工します。ETLとはExtract(抽出)、Transform(変換)、Load(格納)の頭文字をとった略称で、複数のデータを統合するときのプロセスを表しています。
なぜデータの加工が必要かというと、外部のデータを含め、バラバラに管理されたままの状態では多次元でのデータ分析を行うことができないからです。複数のデータソースのデータを一つにまとめて分析するためにも、データを加工、成形し、分析しやすい状態にする必要があります。
3. 加工したデータをDWHに蓄積
次に加工、成形したデータをDWHなどに蓄積します。DWHはデータウェアハウス(Data Warehouse)の略で、その名の通りデータの倉庫という意味です。一般的にはETLを用いて成形されたデータを蓄積するために利用されます。DWHにデータを集めておくことで、すぐに分析できる状態のデータを保存することができます。
4. 蓄積されたデータをBIツールで分析・可視化
加工・成形されたデータを蓄積した後は、そのデータをBIツールで分析・可視化します。BIツールには様々な分析機能やレポーティング機能があるので、部門ごとでの必要な機能を用いて、事業の成長に繋げましょう。
データベース(DB)設計のステップ
先ほど、BIツールを活用するためのデータ準備のステップについて紹介しました。次に社内のデータベース(DB)にデータを蓄積していくためのデータベースの設計方法について紹介していきます。
1. 要件定義
まずは要件定義を行いましょう。事業の内容や各部門によって必要なデータは異なります。各メンバーに対してヒアリングを行うなどしてどのようなデータが必要か明確にしましょう。最初の要件定義が一番重要となりますので、後で必要なデータが足りないということにならないように注意しながら要件定義を行いましょう。
2. データ項目の決定・テーブルの作成
部門ごとに必要なデータも異なるため、どこまでの範囲の、どこまで細かいデータを取得する必要があるかを明確にし、それらのデータを保存するためにデータベースのテーブル作成ましょう。この時、取得できるデータをできるだけ取っておく方が好ましいです。あらゆるデータを取得しておくことで、データ分析の際により良い分析結果を生むことにも繋がります。
3. テーブル間の関係性を定義
テーブルを作成するだけではなく、それぞれのテーブルがどのような関連性を持っているかも定義しておきましょう。データベースには基本的に複数のテーブルを用意するので、各テーブル間の関連性を定義し、明確にすることが重要となります。また、各テーブルの関係性を定義しておくことで、データの組み合わせや加工をスムーズに行うことができるようになります。
まとめ
BIツールを有効に活用し事業の成長に繋げていくためには、データベース設計を適切に行うことが非常に重要です。データベースに対する理解を深め、適切な設計でデータを蓄積し、BIツール活用のための準備を進めましょう。
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