OLAP分析とは?DWHやOLTPとの違いの理解がBIツール活用の鍵
BIツールには複数の機能があります。その中の1つの機能がOLAP分析(多次元分析)機能と言うものです。DWHやOLTPとの関係性や違いを理解し、有効活用するために今回は「OLAP分析」について紹介します。
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OLAPとは?
OLAPとは「Online Analytical Processing」の略であり、データベース(DB)上に蓄積された大量のデータに対して集計や複雑で分析的な問い合わせを行い、使用するユーザーにとって必要な結果を素早く抽出することができます。カテゴリーとしてはビジネスインテリジェンス(BI)に属し、使いこなすと企業運営のために必要な情報を即座に確認ができるようになるので、自社の成長をサポートしてくれます。
いくつかの実装方式があるので、各実装方式の特徴についても紹介します。
MOLAP(多次元OLAP)
MOLAP(多次元OLAP)とは、Multi dimensional OnLine Analytical Processingの略で、事前に集計値をバッチ処理で計算しておき、独自の多次元データベース(キューブ)に格納しておきます。そうすることで、ユーザーの要求に素早く応えることが可能になるので、スピードが圧倒的に早いのが特徴です。
ただし欠点もあり、直接データベースを参照するわけではないので、取り込んだ時点のデータしか参照することができず、最新の情報が知りたい場合は新たに集計値を計算し集計済みデータを格納する必要があります。
ROLAP (リレーショナルOLAP)
ROLAP(リレーショナルOLAP)とは、元データ自体をリレーショナルデータベース(RDB)に格納し、ユーザーからの要求に対してそこからデータを抽出・集計する方法です。
リアルタイムに最新の情報が手に入るというメリットがありますが、集計処理速度はRDB側に依存するため、データベースの性能によっては結果が出るまでに長い時間がかかってしまう可能性があります。
HOLAP (ハイブリッドOLAP)
HOLAP(ハイブリッドOLAP)とはMOLAPとROLAPの中間的な位置づけになり、RDB(リレーショナルデータベース)に格納されたデータから集計データのみを独自の多次元データベース(キューブ)に置いておく方法になります。
多次元データベースでユーザーの要求に応えられる場合はMOLAPのように早く結果を出すことができ、元データが必要な場合はRDBにリクエストし要求に応えるので、ROLAPのように最新のデータで結果は出せるものの、速度がデータベースの処理速度に依存します。
OLAPとOLTP分析機能
OLAPの実装方式は理解できたと思いますが、分析機能にはOLAPやOLTP分析機能というものがあります。それぞれ、得手不得手があるので何ができるのかとそれぞれの違いについて押さえておきましょう。
OLAPは何ができるのか?
OLAP分析は日本語ではオンライン分析処理と訳されます。企業に日々蓄積される大量のデータベースから多次元的に分析を行い、結果を素早くユーザーに返すことができるというのは紹介した通りですが、特徴として地域や製品、価格や購買属性など複数の軸を元にユーザーが要求した処理を行えることが挙げられます。
OLTPは何ができるのか?
OLTPとはOn-Line Transaction Processingの略で、日本語ではオンライントランザクション処理と訳されます。
大量に発生する小さいサイズのデータ処理に秀でており、取引き頻度の多い座席やチケットの予約や金融機関の入出金などに使われています。
OLTPとOLAPの違いは?
OLTPとOLAPは、それぞれデータ処理をするという点は共通ですが、OLTPはトランザクションという小さいサイズのデータ処理を得意としており、大量に発生するアクセスに確実に対応し迅速に応える機能に特化しています。対して、OLAPは分析処理が得意で複数のデータを元に結果を出すような大量データの取り扱いに特化しています。
そのため目的によって、何が必要なのかを見定めて導入検討を進める必要があります。
DWHとの関連性の理解
DWHはデータウェアハウス(Data Warehouse)の略で、企業運営の中で蓄積されて大量のデータを時系列とサブジェクト(内容)別に整理して保管するシステムのことを指します。
データを活用するOLAP分析ですが、データベースとの関係性は深いので関連性を理解しておきましょう。
DWHとOLAPの違い
DWHが得意なのは、大量のデータを時系列にサブジェクト指向でまとめることにありますが、最大の特徴として基本的にデータを削除・更新しないということにあります。そのため日々のデータを網羅的に保管することができるという強みがあります。ただし分析等を行うことはできないので、そこでOLAP分析を活用することができます。
OLAP分析は大量のデータを多次元的に分析するのが得意ですが、データの保管ができるわけではないので、DWHでデータを保管しOLAPで分析をするといった運用をすることで、両者の強みを活かすことができます。
OLAP分析の活用でできること
ここまで、OLAPについて各実装方式やOLTPとの違いなどをご紹介しましたが、実際の現場ではどういった活用ができるのか?実例を交えて紹介します。
営業部門での活用
営業部門で活用する場合、部署としてはもちろんのこと、各個人の成績や地域や単価などで分析したり、目標に対しての進捗状況などの把握ができます。多次元的に分析ができるので、単純に提案数から成約率などだけではなく、様々な角度から分析をすることで気付くことのできていなかった課題の発見にも繋がります。
まとめると、進捗状況の確認、売上報告、計画作成などに活用が可能です。
マーケティング部門での活用
マーケティング部門だと日々の施策に対しての進捗状況、いわゆる投資対効果をリアルタイムに把握することが一番活用する場面が多いと思います。その他、市場状況の分析を行ったり、マーケティング施策と市場状況を組み合わせた活用も可能となります。
まとめると、マーケティング施策の状況確認や予算作成、計画立案などにも活用が可能です。
関連記事:BIのドリルダウンとは?ドリルスルーとの違い・機能・分析手順を解説!
まとめ
ここまででOLAP分析で出来ることとメリットは理解いただけたと思います。このOLAP分析を行うためにBIツールを活用すると、簡単に分析を始めることが可能になります。
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