Yellowfinを使って株式の値動きを分析
Yellowfinには、ローソク足やカギ足と呼ばれる株式や債券などの値動きの分析に特化したチャートが備わっています。これらのチャートを活用して、株式の値動きを分析しようと思います。
ローソク足チャートでの分析
ローソク足とは?
ローソク足とは、株式や債券の値動きを一目で分かりやすく表示する役割のチャートで、一日の取引時間中の高値、安値、始値、終値を1本の線にまとめて表示します。日単位の線を複数日の分並べることで、中・長期的な値動きと、日ごとの値動きをまとめて可視化することができます。
下記図を使って、簡単にローソク足の見方を説明したいと思います。
基本的には、日単位(日足)で線がひかれます。左側の青色の線は「陽線」で、終値が始値よりも高かった場合に引かれる線です。つまり、該当日に値を上げたことを意味します。右側の赤色の線は「陰線」で、終値が始値よりも低かった場合に引かれる線です。つまり、該当日に値を下げたことを意味します。今回は陽線に青色、陰線に赤色を選択していますが、特に色の選択に決まりはない様子で、青と赤の色の選択が逆転することや、白黒で示す場合もあります。
その他、「高値」は該当日の最高値、「安値」は該当日の最安値、「始値」は取引開始時の値、「終値」は取引終了時の値をそれぞれ示します。
もう一段階細かく見てみると、ローソク足は9種類の形に分類することができます。それぞれの呼び名と値動きの関係は以下の通りです。
「大陽線」 始値と比較して、終値で値を大きく上げたことを示します。
「大陰線」 大陽線とは逆に、始値と比較して、終値で値を大きく下げたことを示します。
「小陽線」「大陽線」 取引時間帯中に大きな値動きがあったものの、始値と終値では多少の値上げ、あるいは値下げであったことを示します。
「上影陽線」「上影陰線」 始値と比較して、一時的に大きく値を上げたが、終値では多少の値上げ、あるいは値下げで市場を閉じたことを示します。
「下影陽線」「下影陰線」 始値と比較して、一時的に大きく値を下げたが、終値では多少の値上げ、あるいは値下げで市場を閉じたことを示します。
「十字線」 始値と終値が同値で、ローソク足の実体がない場合に引かれる線です。
ちなみに、ローソク足は日本発祥のものだったということをご存じでしょうか。起源は江戸時代まで遡り、世界初の先物市場とされる大阪の堂島米会所(どうじまこめかいしょ)で、当時米商人だった本間宗久(ほんま そうきゅう)がローソク足を考案したといわれています(出所:Wikipedia)。日本人が数百年前に発明したものが、今でも世界中で使われているわけです。
ローソク足を使った株式の値動の分析(NASDAQテスラ株)
では実際の株式の動きをYellowfinを使って分析してみましょう。
Yellowfinでローソク足を作成するためには、「日付」「始値」「終値」「最高値」「最安値」「売買数(高)」のデータが必要です。これらのデータは、株価データを提供する多くのサイトで入手することができます。今回は『株探』(https://kabutan.jp/)が提供するテスラ(銘柄コード: TSLA、NASDAQ市場)の半年弱間(2022年3月~8月中旬)の値動きのデータを分析します。チャートを確認すると、1,100ドルを超える高値から、600ドル強の低値まで、激しい値動きをしていることが分かります。1日の間で大きく値を上げたり下げたりしている様子も見受けられます。7月以降は比較的値上げ基調にある様子です。
個別の日足をクリックすると値動きの詳細が確認できます。特に値動きの激しかった4月26日の状況を見てみると、1日で12% 近く値を下げていることが大陰線の形状から確認できます。
7月29日の大陽線からは、取引開始時点から終了時点にかけて、1日で約49ドル値を上げている様子が見て取れます。
8月10日の下影陰線では、高値と低値で43ドルの差があり、一時は大きく値を下げたものの、取引開始と終了時点では8ドルの小幅な値下げにとどまったことが分かります。
7月15日には十字線が引かれており、取引開始と終了時点で値が変わっていない(720ドル)ことが確認できます。日時の値動きも20ドル以内に収まっており、比較的落ち着いた取引であった様子です。
分析例でもお分かりいただけた通り、ローソク足を使うことで、1つのチャートに多くの情報をまとめて可視化することができます。株式や債券などの値動きを分析するためにとても便利なチャートです。
なお、チャート下部に黄色の棒グラフが表示されているかと思います。今回は取引時間内の株式売買数を棒グラフで表示しています。テスラ株に関しては、値動きの大きさと売買数には強い相関関係は無さそうです。
カギ足チャートでの分析
カギ足とは?
ローソク足と並んで値動きの分析によく使われるチャートとして、カギ足が挙げられます。
カギ足は、一定以上の値幅あるいは率が上下に振れた時のみ、線を追加していくもので (前者:定額法カギ足、後者:定率法カギ足) 、値を下げている時は常に下向き、値を上げている時は常に上向きに線が追加されます。一般的には、日単位で終値の前日比を用いることが多く、大まかな値動きを確認する時に使われるチャートです。
まずはサンプルのデータを使って、カギ足の線の描き方を説明します。定率法3%で、カギ足を描いてみます。
4月2日に、前日比3.0%の値上げで市場を閉じました。そのため、上向きに線を引きます。
3日には逆に3.9%値下げしたため、一旦水平に線を引いた後、下向きの線を描きます。
3日と4日にはそれぞれ1.0%値上げをしていますが、3%の値動きには達していないため、両日分の線は追加されません。
週明けの8日には、先週末時点と比較して4.0%の値上げを示しました。ここで、3,4日分と合わせ、3日分の線をまとめて追加します。
足を使った株式の値動の分析(NASDAQテスラ株)
カギ足の基本が分かったところで、テスラ株の値動きをカギ足で表現します。
Yellowfinでカギ足を作成するためには、「日付」「終値」「変動率(額)」のデータが必要です。ローソク足と同様に、『株探』(https://kabutan.jp/)のデータを活用させていただきました。
値上げ基調を青色、値下げ基調を赤色で示しており、大まかな値動きを一目で把握することができます。下記の例では定率法5%で線を描いています。なお、横軸に日付を配置していますが、厳密には時系列の軸ではありません。
4月の後半から6月頭にかけては、比較的下げ基調であったテスラ株が、7月に入ってからは値上げ基調であることが把握できます。
現地時間7月20日に、2022年度第二四半期(3-6月)の決算発表があり、売上、営業利益、純利益、生産台数で前年同期比を上回りました。決算発表の結果が好感されたこともあり、それ以降は比較的値上げ基調にある様子です。
最後に
今回はYellowfinのローソク足とカギ足チャートを使って株式の値動きを分析してみました。同じデータであっても、様々なチャートを用いて可視化することで、新たな気付きを得ることもあるかと思います。自社株や保有株の値動きを多面的に分析するために、ぜひ、Yellowfinの株価分析チャートを活用してみてください。
チャートの作成方法や本記事に関する詳しい説明を聞きたい方はお気軽にお問い合わせください。
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