ダッシュボードvs自動ビジネスモニタリング:その違いは何か?

ダッシュボードvs自動ビジネスモニタリング:その違いは何か?

ダッシュボードは、良い意味でビジネスインテリジェンスやモニタリングと同義です。最も重要なデータからの質問に対する回答を可視化しなくてはいけない場合、ダッシュボードは主要なメトリック(数値)をひと目で見分けることができる優れたツールです。

しかし2020年では、BIニーズに対応するために、これまでのようにダッシュボードだけに頼っていては十分ではありません。

それはなぜでしょうか。

データはすべてのビジネスにおいて、サイズと複雑さの両方で、指数関数的に成長しています。手作業でのパフォーマンスのトラッキングや、インサイトの検索は、多くのユーザーにとって困難になってきており、最新の変化や機会を迅速かつ簡単に把握することを含めて、アナリティクスでより多くを実現できるようになるという新たな期待を生み出しています。

ここでの主な課題は時間の不足であり、これにより典型的な問題が発生しています。

  • ダッシュボード使用者は、課題や傾向を手作業でスキャンし、ビジネスが積極的にトラッキングを行い、アクションを必要とする重要な変更が通知されるようにしなくてはいけません。これは、分析疲れを引き起こし、厳格でタイムリーな要件を満たす必要があります。

 

  • ダッシュボードは限られた数のKPIや、統合して表示するメトリック(数値)のためのスペースでしかないため、ユーザーが確認できるのは小さな、具体的データのみであり、隠れたインサイトを提供できる適切な場所とは限りません。

 

  • 継続的に流入するビジネスデータが多すぎるため、統合や管理、分析を実行できず、ユーザーは妥当な時間内にデータを掘り下げることができません。

 

ありがたいことに、現在トップクラスの組み込みBIプラットフォームは、自動化を通じてこれらのニーズに対応するために、データディスカバリーやモニタリング、ストーリーテリング機能を拡張しており、ユーザーはデータを効率的に読み解けるだけでなく、新しく、より関連性の高いインサイトを見つけることができます。自動ビジネスモニタリング、または自動分析として知られるこれらの機能は、重要なデータ(ダッシュボード)の概要を把握するという信頼性が高く、有益な目的を置き換えることなく、現在のBIを実行する方法を根本的に変更します。

それでは、ダッシュボードと自動アナリティクスの違いは何でしょうか。今回はこれらのアナリティクスツールが既存のアプリケーションや、増大するユーザーのBIニーズにどのように役立つのかを理解することで、既存のユースケースにどのように適応できるのかを確認していきます。

 

ビジネスインテリジェンス向けダッシュボード

まず第一に、ダッシュボードを使用しないという話をしている訳ではないですし、これはそもそも悪いものでもありません。しかし、より革新的な技術が主流になるにつれて、ダッシュボードの使用は徐々に減少していくため、準備をしておくことが重要です。しかし間違いなく、この先も大部分のビジネスで運用ダッシュボードのユースケースは存在します。

それでは、ダッシュボードは何に最適なのでしょうか。

ダッシュボードは、既に把握している主要なメトリック(数値)を、一定期間に渡ってモニタリングするのに適しています。ユーザーがトラッキングの必要のある重要なKPIを既に特定している場合は、簡単に把握し、積極的に監視できる概要があると非常に便利です。

Yellowfinのような最新のBIツールは、単なるダッシュボードで可能なデータディスカバリーやデータストーリーテリングをさらに向上させ、可視化された豊富なレポート作成機能を使用することで、一般的なビジネスユーザーは、従来よりもさらに対話的なダッシュボードを構築し、協調的なデザインを実現できます。

しかし、アナリティクスのユースケースや、ユーザーがそこに求めることは進化しています。

  • ユーザーが既知のメトリック(数値)をモニタリングするだけでなく、未知のメトリック(数値)の把握を求める場合はどうすればよいでしょうか。

 

  • 既存のデータセットが、ユーザーが探索するには膨大で、複雑になりすぎたらどうすればよいでしょうか。

 

  • ユーザーが見逃していたり、確認できない混乱やパターン、傾向、つまりインサイトがあるとしたらどうすればよいでしょうか。



これらの新しいユースケースから、BIにダッシュボードを使用するだけでは限界があることに気が付きます。

わたしたちが最も耳にする問題として、一般的なビジネスユーザーはダッシュボードに収まるデータ以上のことを望むかもしれないというものがあります。これは多くの場合、厳しい平均値のためにデータセットの集約を余儀なくされることで、彼らのパフォーマンスの基礎となる領域への可視性や、関連するパターンおよび根本原因を探す能力が低下するからです。

ここで自動化、特に自動ビジネスモニタリング(ABM: Automated Business Monitoring)が登場します。

 

BI向け自動ビジネスモニタリング

自動ビジネスモニタリング(ABM: Automated Business Monitoring)は、より積極的なモニタリングや、分析機能に対するユーザーからの増大する要求に応えると同時に、ダッシュボードに付随する一般的な課題である、予測可能なデータディスカバリーvs偶発的なデータディスカバリーに対応します。

機械学習アルゴリズムを通して、ABMを備えたアナリティクスプラットフォームは、データの変化を自動的に検出し、ビジネスユーザーに最も関連性の高いインサイトを、人間がダッシュボードを閲覧して手作業で達成するよりも素早く提供することができます。

自動ビジネスモニタリングは、レポートで埋められたダッシュボードではなく、スマートアラートシステムだと考えてください。その主な目的は、ユーザーやアナリスト、開発者が定期的にモニタリングを行うことなく、組織の目的に沿ったパフォーマンスと運用プロセスを継続的にトラッキングすることです。

 

自動ビジネスモニタリングとダッシュボードの違いは何か

それでは、ABMは既存のBIプラットフォームが提供する組み込みダッシュボードと何が違うのでしょうか。

これは、最も重要なメトリック(数値)を分析する方法を変革するのか、それとも単に優れた機能なのでしょうか。

答えはその両方です。

典型的なアナリティクスツールを考えてみてください。それは、複数のレポートが概要画面上に分かりやすく可視化され、KPIやその他のメトリック(数値)が事前に定義されたディメンション(次元)で表示されているダッシュボードです。これは、トラッキングする最も重要なデータの優れた概要を提供し、圧倒されることなく、ビジネスパフォーマンスに関する質問に答えるために十分な探索を可能にします。しかし、ユーザーがどこを見たらよいのか分からない、または見ていないとすると、例えば、特定の地域の売上が常に高い場合に、ダッシュボードでそれをフィルタリングしていなかったり、可能な限り詳細に確認していなかったりして、重要な変化の可能性を見逃してしまうなど、データに隠れたインサイトを見つけられない可能性があります。定義済みの概要に多数のKPIを収めることはできないため、ここでABMがそのギャップを埋めます。

自動ビジネスモニタリングを備えたアナリティクスプラットフォームは、データディスカバリーのプロセスを劇的に変化させます。これは、ビジネス指標の無数の組み合わせを自動分析し、ユーザーに合わせた詳細なパフォーマンスを確認できます。また、より幅広いデータを表示し、変化の重要な領域や、KPIに影響を与える可能性のある問題、およびこれまでに明らかにされていなかったパターンを動的に表示することができ、これらをリアルタイムに確認できます。全体的に見て、最も関連性の高いインサイトを取得し、迅速にユーザーへ直接提供します。

  • 継続的なモニタリング:ユーザーは、ダッシュボード上のデータを手作業で探索することで、誰もが経験する分析疲労に耐える必要はありません。

 

  • 人間のバイアスや労力を軽減:ユーザーはダッシュボードを分析する際に、どこを見るべきか、どこを探索すべきかを把握しておかなくてはならず、特定の領域を見ようとは思わないかもしれません。ABMはそれを気にする必要がなく、ユーザーのためにすべてを分析し、新しい領域を切り開いてくれます。

 

  • 迅速なデータディスカバリー:ダッシュボードでの手作業による発見に膨大な時間を費やすのではなく、外れ値や傾向の変化を即座に検出します。

 

  • 価値を生み出すまでの時間を短縮:ABMを使用することで、データディスカバリープロセスに必要なステップ数が削減され、最適化されるため、ユーザーはこれらのインサイトを迅速に特定し、理解して、アクションを起こすことができます。



Gartnerが指摘しているように、拡張アナリティクスやワークフローの自動化、会話型インターフェースの継続的な融合を通して、自動生成された、文脈的でパーソナライズされたインサイトが可能になり、それらがビジネスアプリケーションに組み込まれます。これらの高度な機能はすべて、Yellowfinのような最新の組み込み分析プラットフォームの主要な機能となっており、過去数年と比較して誰でも利用できるようになっています。

つまり、自動分析は組織の標準的なビジネスインテリジェンスの実践や、既存のデータアナリティクス機能(ダッシュボードやレポート)を置き換えるのではなく、それを単に賛辞し、さらに高めます。

 

ダッシュボードvs自動アナリティクス:どちらが良いのか?

ビジュアルベースで、ポイント&クリックによるレポートの作成や探索は、20年以上にわたりビジネス分析の主要な方法になっており、現在でも非常に有用です。対話的なダッシュボードを使用して手作業によるデータディスカバリーを実行できることは、今後も常に重要であり続けるでしょう。

しかし、拡張分析や自動化の台頭により、より多くの企業が自動分析やインサイト生成機能を活用するようになれば、ユーザーが事前に定義されたダッシュボードでデータを手作業でモニタリングしたり、探索したりするのに費やす時間は自然と減少するでしょう。

自動ビジネスモニタリングは、本質的に、BIによって可能になる日々の分析作業の自然な進化です。これは、将来のユースケースや、顧客の製品エクスペリエンスを向上させる機会が発生した場合に備えて、現状を把握し、準備しておくことが重要な領域になります。また、一般に自動分析は、以前よりもはるかに使いやすい機能になりつつあります。そのため、競争優勢性を確保するために、早期に選択肢の調査を開始することが推奨されます。

ホワイトペーパー:自動ビジネスモニタリング

Yellowfin シグナルのような自動分析プラットフォームが、組織のデータディスカバリーをどのように改善しているかを、「ビジネスモニタリングシステム:ビジネス指標の分析に機械学習を使用」にて詳しく紹介します。

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