最新の組み込みアナリティクスプラットフォームの5つの主要機能
消費者向けアプリケーションや、ビジネスソフトウェアアプリケーションへのアナリティクスの組み込みは、特にデジタルスタートアップの結果として、標準的な手法になりつつあります。
アナリティクスを基盤とするスタートアップは、あらゆる業界を揺るがしており、金融業界はMonzoのデータ注力により混乱し、Netflixのアナリティクスは映像エンターテインメントに大きな影響を与え、Swyfftはデータを使用してアメリカのホームローン業界を変革しています。いまやユーザーは、アプリケーションにアナリティクスを期待するようになりました。これは、彼らのデータドリブンな意思決定を可能にし、効率性を上げ、エンタープライズソフトウェアへの投資を最大化することで、時間と費用を節約しています。
そして、既存のソフトウェアの一般的なビジネスユーザーからの期待が高まっていることから、みなさんが提供するアナリティクスでも競合する必要が出てきています。ソフトウェアアプリケーションへのアナリティクスの組み込みは、もはやボーナスとは言えず、SaaSサービスの重要かつ標準的な部分になってきました。みなさんは既に独自のアナリティクス製品を提供しているかもしれませんが、レガシーなものや自社で独自開発したレポート作成ソリューションから、顧客が気に入る実証済みの組み込みアナリティクスプラットフォームへ移行する時期がきています。必要な顧客を引き付けるためには、変わりゆく業界の要求に対応し続けなくてはいけません。
組み込みアナリティクスの価値
アナリティクスは、アプリケーションが持つデータから引き出したインサイトを、ユーザーに提供します。ユーザーは、データを使用することで効率性を高め、それにより収益を高めることができるため、製品は彼らにとってさらに有益になります。これは、最新のアナリティクス製品を提供することで、より高い価格帯でソフトウェアを販売し、さらなる顧客を引き付けられることを意味します。
組み込みアナリティクスは、勝率を向上させ、チャーンを減少させることで、顧客を成長させることのできるアナリティクスエクスペリエンスを提供します。
Gartnerは、2020年までに、大部分のエンタープライズアプリケーションプロバイダーが、単なるコア機能だけではなく、製品で提供される高度なアナリティクスのレベルで競合するようになる、と述べています。しかし、組み込みアナリティクスを選択してソフトウェアに統合することは、ポジティブ、またはネガティブな側面において、何を求めているのかが不確かな状況では、穴だらけのプロセスになる可能性があります。
選択したアナリティクスプロバイダーとのビジネス上の関係において、考慮すべき機能は多々あります。そこで、最新のソフトウェア製品を組み込み、アナリティクスで競合して、エンドユーザーに大きな価値を提供するために必要となる機能を5つにまとめました。
組み込みアナリティクスとは何か
まずは、組み込みアナリティクスの定義を確認しましょう。組み込みアナリティクスとは、リアルタイムレポートおよびダッシュボードなどのアナリティクス機能やデータビジュアライゼーションを、ソフトウェアアプリケーションに統合したものです。
組み込みアナリティクスおよびBIツールの5つの主要機能
1. 統合の容易さと深さ
組み込みアナリティクスプラットフォームは、苦労して開発してきた自社アプリケーションのUIやUXを、BIツールのインターフェースが邪魔をしたり、違いが出ることがないように、シームレスに統合しなくてはいけません。
アプリケーションがどのように統合され、そのためにどの程度の労力が必要とされるのかを確認しましょう。最高の組み込みアナリティクスソリューションは、様々な異なる方法により、ソフトウェアアプリケーションと統合し、独自のデータベースや、開発言語に縛ることがありません。
しかし、ユーザーが、アナリティクスモジュールにログインするには、既存のアプリケーションを離れなくてはいけないと感じることがないように、適切な組み込みプラットフォームを採用しなくてはいけません。これは、予期しないサードパーティ製品の関与を感じさせることで、ブランドに対するユーザーの信頼を失う可能性があります。
2. シームレスなユーザーインターフェース(UI)
製品責任者として、みなさんは製品のユーザーインターフェース(UI)がどれほど重要であるかを把握していることでしょう。シームレスでクリーンなUIにより、顧客はより製品とつながり、使用するようになります。このアプリケーション時代では、誰もが品質の高いインターフェースがどのようなものであるかを把握しているため、組み込むBIツールにはそれが絶対的に必要になります。
ユーザーにとって完全にシームレスなエクスペリエンスと、管理や保守が容易な統合が必要です。エンドユーザーにとって使いやすい、最新のインターフェースを探しましょう。インターフェースは、簡単にリブランドできる必要があります。これは、ホワイトラベル化や、OEMビジネスインテリジェンスと呼ばれるもので、ユーザーがアナリティクス要素と、アプリケーションの残り部分との間に違いを感じることがありません。そして、アナリティクス機能自体は、簡単にカスタマイズできる必要があります。
3. 機能性
エンドユーザーは、アプリケーションが持つデータを使用して、高度な分析を実行する能力に期待しているため、高度な分析が実行できるアナリティクスプラットフォームを選択しましょう。現状顧客が必要としていなくても、いずれ必要になるはずです。
組み込みBIプラットフォームは、統合されたアナリティクス機能を完全にサポートできなくてはいけません。また、レポートやダッシュボードから、強固なデータガバナンスやデータ準備、データストーリーテリングや拡張アナリティクスまで、すべてを網羅する必要があります。プラットフォームは、開発者およびユーザー双方にとって使いやすくあるべきです。すべてのユーザーに対応することができなければ、該当しないユーザーがアナリティクスモジュールを使用しなくなるでしょう。
自動アナリティクスについても確認しましょう。自動ビジネスモニタリングを使用したインサイトの自動化は、BIツールに共通の機能になりつつあり、アプリケーションにAIや機械学習を導入することで、競合の一歩先を行くことができます。このテクノロジーは、インサイトを素早く引き出すことで、エンドユーザーにさらなる価値を提供します。組み込みアナリティクスプラットフォームに関するレポートで、Gartnerは、「高度な組み込みアナリティクスを使用することで、データサイエンススキルを必要とすることなく、ビジネスユーザーが複雑な分析を実行できるようになることで、彼らはより優れた意思決定を、迅速に実行することができます」と、述べています。
自動化は、アプリケーションの将来性を保証し、ますます競争が激化する市場でアナリティクスや製品を際立たせるためのスマートな方法です。
4.価格
価格は、組み込みアナリティクスプラットフォームの選択において、重要な部分のひとつです。みなさんが顧客に課金する仕組みに可能な限り近い価格体系を提供するBIベンダーとパートナーシップを築きましょう(これは単に購入して終わりではなく、パートナーシップであるべきです)。そして、商業モデルへの適合も確認しなくてはいけません。
また、ビジネスの成長に合わせて拡張できる柔軟性があるかも確認しなくてはいけません。成長の各段階で、価格設定はどのように対応、または変化するのでしょうか。これは焦らず、じっくり考えなくてはいけないポイントです。
5. イノベーション
最後に、イノベーションに特化したアナリティクスベンダーとパートナーシップを築きましょう。BIツールの機能強化だけでなく、アナリティクスをまったく新しい手法で実行するイノベーションを提供できるベンダーを選びます。イノベーションを提供できるBIツールベンダーは、競合の一歩先を行き、常に新しいサービスを提供できるようにすることで、将来的な競争にも対応できます。
イノベーションの実績に基づき、候補のベンダーを精査しましょう。外部のアナリストが発行するレポート読み、イノベーターとして選出されているベンダーを確認しましょう。アナリティクスおよびBIのように、素早く常に変化し成長する業界では、既存のソフトウェア製品に、フォロアーであるアナリティクスプラットフォームを統合することはできません。みなさんを成功へと導くビジョナリー(概念先行型)およびリーダーが必要です。
まとめ
製品に組み込むBI製品の選択は、アプリケーションの将来性を保証し、勝率を上げ、チャーンを削減する競争優位性を確保するうえで重要なステップです。そのため、以下を提供できる組み込みアナリティクスパートナーを選択しましょう。
- シームレスな統合
- 最新のUIとシームレスなユーザーエクスペリエンス
- 高度で自動化されたアナリティクスを含む幅広い機能性
- 可能な限り自社の商業モデルに合致する価格体系
- 最前線に立ち続けることのできる定期的なイノベーション
Gartnerの独立したアナリストにより公開された最新のレポートである「2021年ビジネスインテリジェンスおよびアナリティクスプラットフォームのマジッククアドラント」をダウンロードして、組み込みアナリティクスに何を求めるべきかについて確認しましょう。こちらでは、組み込みアナリティクスを購入する際に考慮すべき、世界をリードするBIベンダーの主な課題や戦略的計画、機能の種類やイノベーションについて紹介しています。
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