データ分析にクラウドサービスを活用するメリット・ステップ・ポイントを解説!
現在、人々の生活をよりよいものに変えていくためのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が、加速しています。データ分析は、DXを推進するにあたって欠かすことができず、今後ますます、重要性が高まる予想です。本記事では、クラウドで行うデータ分析とはなにかやオンプレミス分析との違い・ステップなどを解説します。
データ分析を行うにあたり、今ではオンプレミスからクラウドへの移行が進み、クラウド分析が主流になっています。ここでは、以下の2つの観点から主流になったクラウドでのデータ分析について解説します。
- クラウドで行うデータ分析
- オンプレミス分析との違い
1つずつ、解説します。
クラウドで行うデータ分析
クラウドでのデータ分析とは、データの収集・蓄積・分析からインサイトの抽出というデータの可視化までのプロセスを、クラウド上で集約して行うことです。クラウドでのデータ分析は、容量の拡張性に優れていることから、大規模なデータ収集に適用されます。そのため、パターン特定・未来予測など、ビジネスにおいての意思決定に役立つ情報の生成などを行うことが可能です。
企業では、日々の業務に関わるWebサイト・ソーシャルメディア・ITデバイス・財務ソフトウェアなど、さまざまなデータをクラウドから取り込むことが多くなっています。クラウドでのデータ分析は、大規模なデータを処理する場合にその威力を発揮します。クラウドでデータ分析を行うことで、1つの場所に集約されたデータから、簡単に加工できる形に整えられた分析結果を生成することが可能です。また分析結果は、クラウド上のデータを用途に合わせて柔軟に活用することが可能です。そのため、企業にとってクラウドで行うデータ分析は、効果的で合理的な活用につながります。
オンプレミスでの分析との違い
クラウドのデータ分析とオンプレミスのデータ分析の違いは、拡張性・コスト・セキュリティにあります。一般的に、クラウドのデータ分析はオンプレミスのデータ分析に比べて、効率的です。オンプレミスでデータ分析を行う場合、企業は高価なデータセンターの購入など、場所の確保・維持が必要になります。しかし、クラウド分析では、クラウドという仮想空間の拡張を行いながら場所の確保・維持が可能なため、コストの削減が可能です。
一方セキュリティ面では、オンプレミスはデータの管理を企業のセキュリティポリシーに沿って行うことができますが、クラウドはクラウドサービスのセキュリティポリシーに合わせる必要があります。クラウドでのデータ分析を検討する場合、拡張性・コスト・セキュリティの観点から総合的に自社に合ったクラウドサービスを選択することが重要です。
クラウドでデータ分析を行うメリット
クラウドでデータ分析を行うメリットは以下の3つです。
- 拡張性が高い
- データの統合が容易で迅速
- 導入・維持コストの削減
1つずつ、解説します。
拡張性が高い
クラウドでデータ分析を行うメリットの1つ目は、拡張性が高いことです。オンプレミスでは、データ量が増加した場合、それに対応するために新しいハードウェアの購入を続けなければいけません。しかし、需要が減少した場合に、ハードウェアが過剰になる懸念があります。
クラウドでは、データの蓄積・分析は、その膨大な量に必要な処理能力とスペースを備えた仮想空間にあるデータセンターで行われます。データの量が増えても、仮想空間で場所の拡張を行うため、オンプレミスのように、実際の場所を拡張する必要がありません。また、データ量に応じて必要なだけの場所を確保できるため、データ量の増減に対して柔軟な対応が可能です。
データの統合が容易で迅速
クラウドでデータ分析を行うメリットの2つ目は、データの統合が容易で迅速なことです。これまでは、社内のデータは多様なソースから生成されていたため、データを一元的に可視化することは難しい状態でした。しかし、クラウドでのデータ分析では、社内のすべてのデータを1か所に集約できるため、全体像の把握が可能です。また、データの所在に関係なく、ログイン可能な従業員の誰もが、1か所に集約されたデータに簡単にアクセスし分析をすることができます。そのため、デイリーでの分析が可能となり、経営での意思決定での活用が期待できます。
導入・維持コストの削減
クラウドでデータ分析を行うメリットの3つ目は、導入・維持コストの削減です。オンプレミスでのデータ分析では、ハードウェアの購入・維持にともなうコストの他、頻繁なアップグレード・データ移行が発生します。そのため、一時的に業務をストップする必要があり、生産性・パフォーマンスに影響する懸念があります。しかし、クラウド分析では、クラウドサービスの契約をすることで、データセンターを確保することが可能です。追加のハードウェアの購入や人区を割く必要のあるサポートから解放されるため、導入・維持にかかるコストの削減が期待できます。
クラウドで行うデータ分析のステップ
クラウドで行うデータ分析のステップは、以下の3つの流れです。
- 集める
- ためる
- 分析する
1つずつ、解説します。
集める
クラウドで行うデータ分析のステップの1番目は、「集める」です。データはまず「データレイク」と呼ばれる、データの集積場に集められます。この時点ではまだ加工はされていない状態で、さまざまなデータが1か所に集約されただけの状態です。
データを集めることの利点を、顧客理解の観点から考えていきます。例えば、自社の顧客の一人ひとりを理解しようとしても簡単にはできませんが、多くの顧客のデータを集めて顧客の理解を進めることで、顧客の期待に応えられるかもしれません。データを集めることで、自社の顧客理解を深め、その情報を組織全体で共有することが可能になります。データ分析によって自社の課題・改善点が明確になりますが、そのためには、正確なデータを「集める」ことが重要なのです。
ためる
クラウドで行うデータ分析のステップの2番目は、「ためる」です。データレイクに集約されたデータを、今度はストレージなどのデータウェアハウスと呼ばれる場所に移します。データレイクからデータウェアハウスに移行するときに、データの加工が行われます。そのためデータをためるとは、単にデータを蓄積するだけではなく、データを処理するために元データを利用しやすいよう加工して処理するプロセスまで含まれるのです。処理が終わり活用できる状態になったデータは、目的・用途に応じてデータマートと呼ばれる小さなまとまりにわけられ、必要な部署での保管が可能になります。
分析する
クラウドで行うデータ分析のステップの最後は、「分析する」です。データマートにわけられたデータは、いよいよ分析の段階に入ります。データマートに入ったデータはすでに加工が施されていますが、意思決定に活用しづらいことから、分析後、チャート・グラフなどの可視化を行います。ステップに沿った分析を行うことで、自社の目的に合ったデータを取り出すことが可能です。このような分析はExcelでも可能ですが、支援するためのBIツールの活用がおすすめです。
データ分析を行うクラウドサービスを選ぶときのポイント
データ分析を行うクラウドサービスを選ぶときのポイントは、自社の目的に合う機能・拡張の柔軟性・セキュリティのバランスを考えることです。まずは、自社がクラウドサービスを利用する目的を明確にして、それに合う機能を提供してくれるクラウドサービスを選択します。また今後のデータ量の見通しに対応しての拡張の柔軟性も確認する必要があります。
なお、目的・拡張の柔軟性に合っていても、自社のセキュリティポリシーから外れてしまう場合は、適切なクラウドサービスとは言えません。そのため、クラウドサービスを選ぶときは、自社の目的に合う機能・拡張の柔軟性・セキュリティの念入りな検討がポイントと言えます。
まとめ
今後、ビジネスにおいては、DXがますます浸透し、データ分析の重要性が高まることが予想されます。データ分析を行う際には、クラウドであればデータ量に合わせた拡張を見込めるためおすすめできます。クラウドサービスを選択するにあたっては、自社の目的・拡張の柔軟性・セキュリティのバランスを検討することが重要です。