拡張アナリティクスに何が起きているのか
拡張アナリティクスとは、従来手動で実施していた作業を自動化することです。これは、格段に迅速にデータを解析し、人間が解釈できるように、変化をパッケージ化します。本質的には、人間の経験を強化しているので、干し草の中で針を探す必要はなく、マシンが針を見つけ、それを渡してくれます。人間とマシンを合わせることで、非常に特別なものを作り上げ、エンドユーザーに提供することができます。
現在、拡張アナリティクスには、以下3つのトレンドが見られています。
1. 最大の価値はディスカバリー
現在、拡張アナリティクスには、以下4つの主要な事例があります。それは、データ準備、プロファイリング、知識によるデータの強化、継続的なディスカバリーです。
データ準備(data preparation)では、はじめに1度設定をしておけば、以後はデータを迅速に連携させることができます。例えば、Marketoのデータを取り込む場合など、データ準備機能を使用して自動連携の設定を予め組んでおくことで、これを素早く完了できるだけでなく、同じ作業を繰り返す必要がありません。
データをツールに取り込むことで、自動的にプロファイリングを行い、そのデータが表す形状を検出することができます。数多くのベンダーが、拡張アナリティクスを使用してデータのプロファイリングを行い、それを元にグラフを作成しています。これにより、データの形状が現れてくるので興味深いのですが、一方でデータからインサイト(示唆、洞察)を引き出すサポートにはなっていません。また、プロファイリングには、リアルタイム性がないため、継続的にデータをモニタリングしたり、ビジネスを促進したりすることはできません。
3つ目の事例は、人々が自身の知識でデータを強化することです。例えば、グラフを取り上げ、ストーリーやプレゼンテーションを通して、データにコンテキストを提供します。
最後は、継続的なディスカバリーの自動化です。マシンが継続的にデータを解析し、何が変化したのか、どのように変化したのかをユーザーに通知します。現在の業界を見てみると、最も価値が高いとされているのがこの自動ディスカバリーに関連する分野です。独立系ベンダーが唯一市場で注目を浴びることが出来るのが、この拡張アナリティクスの分野です。
マシン(機械)が最も効果的に働くのが、データディスカバリーにおける事例です。これは、ディスカバリーのアルゴリズムは、人々が発見しようとしていること、またどのように発見にアプローチしようとしているのか、というコンセプトとともに知られているからです。手作業のデータディスカバリープロセスに、価値はまったくありません。グラフに何度も要素をドラッグしても、何も学ぶことはありません。しかし、一度インサイトが発見されれば、それには非常に価値があります。即座にインサイトを引き出すことができる、これが自動データディスカバリーの強みです。
2. ベンダーの多様化
市場では、ベンダーの多様化が見られます。拡張アナリティクスが未来であると確信するベンダーもいれば、まったくそのように考えていないベンダーもいます。これは、一昔前の馬車のようなもので、人々は新しい流れに期待するか、そうではないかに分かれています。
早期に取り入れたベンダーのおかげで、拡張アナリティクスを提供するベンダーは、市場を牽引するようになってきました。実際のところ、拡張アナリティクスの提供にのみ特化したベンダーも出現し始めています。拡張アナリティクス市場は明確に存在し、人々は将来これを求めるようになるでしょう。
一方で、BIおよびアナリティクス業界には、この流れに否定的なベンダーもいます。彼らは、これらの変化に対応することもなく、拡張アナリティクス製品の構築もしておりません。彼らは単純に、いつか自動ディスカバリーが消え去ることに期待していますが、彼らの方が取り残されることに気が付くでしょう。
3. UIの収束
自動ディスカバリーに注力するベンダーには、問題の解決方法に収束が見られるようになってきました。初期のダッシュボードに見られたように、コンテンツの提供方法には共通性があり、それは素晴らしいことです。特に、UIやUXに顕著に見て取れ、顧客は、フィードやトリガーが得られることを感覚的に知っています。例えば、グラフの断片から何が起きているのかを把握し、それを掘り下げることで、より詳細な情報に行き着くことができます。さらに興味があれば、さらなる解析もできます。
共通の言語を持つことで、顧客は容易にテクノロジーを取り入れることできます。これは、同様のパターンや事例を見るようになるからです。これは、人々がディスカバリーの事例を理解するサポートをし、この分野でのベンダー比較において、非常に重要です。
拡張分野で最も魅力的なのは、自動化です。リソースが枯渇し、ビジネスの解析に十分な人材を確保できないのであれば、プロセスを自動化する必要があります。自動化プロセスが信頼できれば、これを利用しない手はありません。ユーザーはいち早くインサイトを引き出すことができるのだから、これこそアーリアダプターの特権といえるのです。