データ可視化で活躍するダッシュボードとは?メリットや選定のポイントを解説
データ分析は、現代のマーケティングにおいて必要不可欠な工程です。分析されてまとめられたデータは、正確な情報伝達や判断のために、直観的に内容が分かるように可視化する必要がありますが、ダッシュボードを用いればデータや分析結果を1つの画面に可視化できます。本記事では、ダッシュボードのメリットと、実際に作ったり選んだりするときのポイントについて解説します。
ダッシュボードとは、さまざまなデータをグラフや表にまとめて一画面に可視化するツールのことです。必要な情報を一画面で視覚的に確認できる上に、データの比較も簡単に行えるため、データを用いる企業では必要不可欠なツールと言えます。近年注目されているBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールの1つです。企業の業種業態や目的に適したダッシュボードを用いることで、データの確認や確認後の行動をスピーディに行えます。
ダッシュボードを作成するメリット
ダッシュボードを作成することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な2つのメリットについてご紹介します。
データを可視化して、直観的に現状が分かる
ダッシュボードを作ることで、データを簡単に可視化できます。ダッシュボードとデータソースを連携することで、自動的に計算が行われてグラフ化されるからです。ダッシュボード無しにデータを見ようとすると、見る必要のないデータも確認してしまい、時間をロスすることも少なくありません。グラフの種類や配置も自分でアレンジできるため、別にデータとの比較が容易になります。つまり、ダッシュボードを使うことでデータの可視化と、表示するデータの限定が可能となります。そのため、直観的にデータの中身を理解できるようになり、スムーズにビジネスの現場に落とし込めるのです。
リアルタイムで更新されたデータを確認できる
ダッシュボードはデータソースと連携でき、新しいデータをダッシュボード上のグラフや表に反映します。そのため、リアルタイムのデータを把握できるだけではなく、過去のデータとの比較も簡単です。流行などの移り変わりが早い現代において、最新のデータを確認して活用することは非常に重要です。大きなデータを扱うほど、データの追加や更新は日々行われます。そのデータを人力でリアルタイムで確認し、分析を行った上でビジネスに落とし込むことは物理的に不可能です。ダッシュボードを利用することで、日々更新されるデータを追いかけられます。常に新しいデータを把握できるので、時代に合ったマーケティング施策を取れるでしょう。
ダッシュボードで適切にデータを可視化するプロセス
ここまで、ダッシュボードの特徴や使用することによるメリットを解説しました。ここからは、ダッシュボードで適切にデータを可視化するためのプロセスについてご紹介します。
ダッシュボードの目的を明確にする
何のためにダッシュボードを使うのかを明確にすることが非常に重要です。特に重要なことは「誰」を「何」に伝えるのかを明確にすることです。この目的の明確化をせずに次のプロセスである、必要なデータの決定は行えません。またダッシュボードを使う目的のみならず、データ分析そのものの目的もあらためて明確にしておくとよいでしょう。その最終目標をダッシュボード上に表示させることで、誰が見てもデータ分析を行っている目的が分かります。それによって、より情報を的確に素早く伝えられます。
ダッシュボードに必要なデータを決定する
データ分析の目的や、ダッシュボードを使う目的が明確になったところで、次は必要なデータを考えましょう。目的に沿ったデータを集め、それをダッシュボードに反映させることで、データをビジネスに落とし込めます。ここで重要なことは、データ分析を実際に行う現場の声を聞くことです。ダッシュボードを導入した後に、「このデータのグラフも入れてほしかった」という声が上がることは少なくありません。データ分析を行う部署やマーケティングの部署の声を聞きながら、過不足なく必要なデータを決めましょう。
ダッシュボード上でのデータの表示形式を決定する
ダッシュボードに表示するデータが決まった段階で、データの表示形式を決定しましょう。ダッシュボードの視認性は非常に重要なため、です。このように、ダッシュボードに表示するデータの一つひとつ1つ1つに適切な表示形式を与えることが大切です。特にどの形式のグラフを用いるかによって、データ同士の比べやすさが大きく変わります。たとえば、営業の個々の実績を比べたい場合は円グラフよりも棒グラフの方がよいでしょう。部署別の毎月の経費の推移を比べたいなら折れ線グラフが適しています。また、見やすい位置に最も重要度の高いデータを設置するといった、レイアウトも事前に決めておくとベストでしょう。
必要な機能を洗い出す
ここまでの要素が、ダッシュボードの基本的な要素です。上述の要素が決定していればダッシュボードを作れるでしょう。しかし、作る前にもう一度必要な機能を洗い出してみましょう。たとえば、データの絞り込み機能や異常値が検出されたときの通知機能といったものです。ダッシュボードに必要なデータを決定したときのように、データ分析を実際に行う現場の声を取り入れつつ、必要な機能をまとめておくとよいでしょう。
ダッシュボードを作成する
ダッシュボードそのものの目的やそれに沿ったデータ、機能が決定したところで、いよいよダッシュボードの作成に入ります。ダッシュボードの作成には高度な技術と、それを制作する費用がかかるため、よほど特殊な業種であったり、自社特有のものである必要がない場合はツールを使うことがおすすめです。詳しくは後述しますが、現在YellowFinのようなダッシュボード機能のあるBIツールが多くあります。ツールを使うことで比較的簡単に、かつ多くの人が使えるダッシュボードになります。
ダッシュボードツール選定3つのポイント
ここまでダッシュボードを制作する際のポイントについて解説しました。一からダッシュボードを制作するには非常に時間とお金、技術が必要です。そのため、既存のダッシュボードツールを検討される方が多いでしょう。ここでは、ダッシュボードツールを選ぶ際の3つのポイントについて解説します。
ダッシュボードのタイプを確認する
ダッシュボードツールには「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。両者の特徴は下記の通りです。
- クラウド型・・・仮想サーバーを利用し、クラウド上で管理、運用するタイプのダッシュボードです。クラウド型なので、どのデバイスからでも閲覧できます。そのため、複数拠点でデータを共有したり、フルリモート環境の社員がデータ分析を行ったりする場合におすすめです。
- オンプレミス型・・・自社のサーバー内で構築するため、非常にセキュリティ面に長けています。また、機能の自由度が高い点が特徴です。社内で別のシステムを稼働させており、そのシステムと連携したい場合などにおすすめです。
自社の状況から、どちらのタイプのダッシュボードツールを利用するか検討しましょう。
機能を確認する
ダッシュボードに自社が必要とする機能がそろっているか、必ず確認しましょう。ダッシュボードの構築の際に決定した、必要な機能がすべて入ったツールを選択することで、より質の高いデータ分析が可能になります。特にWebからデータを入手したい場合は、GoogleAnaliticsとの連携が可能かどうかが重要なポイントです。導入してから、「必要な機能がない」とならないよう、複数社から資料請求を行うなどして、比較して選びましょう。
コストを確認する
ダッシュボードは継続的に利用するものなので、コストの確認は必ず行いましょう。ダッシュボードは基本的にライセンス課金が一般的です。課金形態は下記の通り2種類があります。
- サーバーライセンス・・・比較的高いライセンス料を支払う代わりに、社内全員がダッシュボードを見られるライセンスです。
- ユーザーライセンス・・・ダッシュボードを見るユーザー一人ひとりにライセンスを付与します。
ダッシュボードの利用者が多い場合はサーバーライセンス、少ない場合はユーザーライセンスを選ぶとよいでしょう。
まとめ
本記事では、ダッシュボードのメリットや制作のポイント、ツールの選び方についてご紹介しました。データを活用するためには、データを可視化することが重要です。可視化されたデータは、より多くの情報を、より早く提供してくれます。ダッシュボードを用いることで、データの可視化にかかる多大な時間と労力も削減できます。本記事の内容を参考に、ダッシュボードを作成して、データ分析をビジネスに落とし込みましょう。