なぜ信頼できるビジネスデータが必要か

ロシアで最も高い木造建築物のストーリーをご存知ですか?

常に安全性と火の危険にさらされていましたが、非常に素晴らしい建築物ともいえます。なぜそれほどまでに素晴らしいのかというと、これがたった一人の人間によって造られたからです。

当初彼は建築士とともに作業を開始し、2階建ての木造建築を造りました。しかしその後、彼自身の創造性が広がり15年に渡り作業を続け、さらに11階分が追加されました。こちらがその写真です。

Don't DIY your BI - Sutyagin House

問題は、彼が建築許可をまったく取らずに作業をしていたことであり、この超高層建築の裏側には健全な工学設計も建築デザインもありませんでした。そして、彼が恐喝の罪で服役中に、建物は朽ちていきます。ロシアのアルハンゲリスクにあった44メートルの高さにおよぶスチャーギンハウスは、2008年に火災の危険があると非難されたことで、塔部分が取り壊されます。2009年には建物解体を命じられ、徐々に4階部分まで削減されましたが、残りの部分も2012年に焼失し、現在は跡形もありません。

 

同じことがビジネスデータでも起こりえます

このロシアの木造建築物については、実際に起きた話でありひとつの教訓です。それは、長期的な目線で見た場合、自分自身ですべてを実行することは最善策とは言えないということです。

データによって意思決定をし、ビジネスを成長させたいのであれば、適切な方法でデータを管理しなくてはいけません。そうでないと途中で再度路線変更を余儀なくされたり、また一から再構築する必要にせまられるかもしれません。また、表面上は素晴らしいものができても、実際には維持が困難なものに対して膨大な時間を費やしてしまう可能性もあります

データはビジネスを後押しし、重要な決断を左右します。しかしそのデータは信頼できるものであり、意思決定はその信頼に足るデータの堅牢な基盤に基づき行われていますか?信頼できないデータをもとに戦略をたてるのは、リスクをともなうことを認識する必要があります。

意思決定をする際にどの情報を頼りにしていますか?そしてその情報はどこから入手し、それが信頼に足るかどうかをどのように判断しますか?

最悪のシナリオは、恐らく皆さんが想定している、「データから気付きを得られないこと」ではありません。誤ったデータを基にビジネスの意思決定を行うことです。

では、なぜそれがそこまで危ういことなのでしょうか。その理由がこちらです。

 

1.データの信頼性

ビジネスデータを使用し、それを頼りにするユーザーは、データを信頼できなくてはいけません。データを信頼できない場合、彼らはデータ使用への自信を失くすだけでなく、データの利用を止めてしまいます。またさらに悪いことには、正確さの管理がされていないスプレッドシートやデスクトップ型データベースを使用して、独自のデータセットを構築し始めます。これが発生することで、データはすぐさま無秩序な状態になります。誰もこのような事態の発生は望んでいないでしょう。

信頼を築き上げるためには、データが正確であることを保証しなくてはいけません。これはソースレベルで要求されることです。データのソースは信頼できるものか、どのような形式で発行されたか、改ざんされていないか、ロウデータへアクセスできるのは誰か、データがユーザーに提供されるまでに、どのようなプロセスが実行されるかなどです。

しっかりとデータを検証して、課題を解消することができるのであれば、データを使用するすべてのユーザーから信頼を得ることができます。これは手間のかかる作業ですが、堅牢な基盤を築くことでビジネスの崩壊を防ぐことができます。

 

2.正確な意思決定

不正確なデータを信頼したことによりビジネスが危機的状況に陥ったと聞いたら大袈裟に思うかもしれませんが、過去もこれらは繰り返されてきました。なぜでしょうか。誤ったデータに基づき意思決定を行うと、その決定は正しい判断とはいえません。決定した内容が正しくなければ、ビジネス自体を崩壊に導くことになります。

正確な意思決定を行うためには、良質なデータが必要不可欠です。一連の正式なプロセスを通じて保護され管理される、統制されたデータを使用することで、ビジネス運用を最適化する機会を見い出すことができます。例えば、より多くの在庫が必要な時期を把握できるようになったり、傾向を把握して新規市場への参入を予測することも可能です。そして、ビジネスを加速することもできるようになります。

しかし、データが不正確な場合は、誤った判断をすることになります。要求に合わない在庫を確保したり、市場内で不適切な動きをするかもしれません。そして、ビジネスを減速させることにもなります。意思決定の基礎となるものが信頼できることをしっかりと確認する必要があるのです。

 

3.ROI

良質なデータが無ければ、ビジネスの実績を把握することができません。誰しも投資に対する効果がどの程度得られているのか確認したいでしょう。そのためには、正確に実績を参照できなくてはいけません。

あなたは、レポートやダッシュボードのようなデータビジュアライゼーションの形式でデータを参照します。これらが、正確で統制されたデータからもたらされる場合、本当の意味でビジネスがどのように機能しているか、どこへ向かっているのかを把握することができます。そして、各投資に対する結果も確認できます。マーケティングコンテンツの影響度合いや品質を参照したり、セールスに結びついたリード数を確認し、新たな投資に続く予測に対する実績を把握することもできます。

 

正確で、信頼できるデータ

データガバナンスやデータプロファイリングを含め、実行できる基礎的なステップがいくつかあります。しかし重要なことは、これらは継続するプロセスであると認識するということです。決して一度限りの作業ではありません。新規データが追加される度に、同様のステップを経る必要があります。

 

☆データソース

まずは、データのソースを信頼しなくてはいけません。信頼できるソースは確保しましたか。有効な発行者やソースにより定期的に確認され、更新される、有効なデータの使用を保証しましょう。これは内部、または外部、どちらのデータでも構いません。可能であれば、他のデータソースに対する統計も確認しましょう。

 

☆データ形式

データを取得する形式を検討する場合、誰がデータにアクセスし、それが(意図的であれ、偶発的であれ)改ざんできる可能性があるのかを考えなくてはいけません。複数のユーザーの手に渡る可能性のあるExcelスプレッドシートがソースの場合は、リスクをともないます。他の考慮点としては、使用しているデータが集約されているかどうかです。データが集約されている場合、要約されたデータのみを見ているため、オリジナルのデータに欠陥があるかどうかを確認することができません。

 

【必要なポイント】

アクセス制御:ビジネスユーザーからデータを保護するポリシーを作成し、施行しなくてはいけません。LDAPやActive Directryに権限を設定し、これらの設定を一元管理されたデータに適用することで、特定のデータを適切なユーザーのみへ提供することができます。

一貫性:フィールド間の相関性を保つために、システム間でデータの一貫性と標準化を維持しなくてはいけません。時間や日付は、統一の形式を使用しましょう。

完全性:データは完全で、最新かつ信頼できるバージョンとして、認識されている一元管理されたソースからアクセス可能でなくてはいけません。

正確さ:データを確認し、検証する方法が必要です。外れ値や想定外の平均、フィールドの欠損などを検知できなくてはいけません。

最新データ:古いデータを使用しないためにも、データは常に最新でなければなりません。リアルタイムに、または必要なタイムフレームでデータを提供できるプラットフォームを選択しましょう。

データソース:データのソースやその到達方法は明確で、検証済みであり、承認されていなくてはいけません。

セキュリティー:データを盗難や流出から保護しなくてはいけません。

データの正確性を確認する方法は様々ありますが、重要なのは、BIプロジェクトを開始する前にこれを完了することです。良質なデータは、データドリブンなビジネスの基礎となることを忘れてはいけません。分析や意思決定のクオリティーは、それに基づくデータの品質に比例します。

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