ダッシュボード vs レポート:BIにおいて優れているのはどっち?

ダッシュボード vs レポート:BIにおいて優れているのはどっち?

ダッシュボードとレポートは、ビジネスインテリジェンス (BI) やデータ分析プラットフォームに関する議論の中で頻繁に使われる一般的な用語であり、しばしば同義語として扱われます。どちらも分析ツールとして、業務情報を視覚的に提示し、組織のパフォーマンスを可視化し、追跡可能な指標に基づいた意思決定を可能にするために使用されます。

しかし、BIにおけるダッシュボードとレポートの違いとは何でしょうか?

この2つの用語は一緒に使われることが多いため、それぞれの目的を明確に区別できることが重要です。それにより、エンドユーザーが自分たちのデータから最大限の価値を引き出せるようになります。このブログでは、データ分析の文脈におけるBIダッシュボードとレポートの定義、両者の主な違い、そしてどちらがレポーティングに適しているかを解説します。また、レポーティングダッシュボードがライブデータと体系的なレポートをどのように融合させ、最終的に貴社の分析力を高めるのにどのように貢献するのかについても理解を深めることができます。

 

 

ビジネスインテリジェンスにおけるダッシュボードとレポートの役割

現代のビジネスインテリジェンス (BI) ソリューションでは、BIダッシュボードとレポートの両方を作成することが可能です。ユーザーがデータを活用・共有する際には、以下の概要を共有することで、どちらを使うべきか判断を助けましょう。

 

BIダッシュボード:概要

ビジネスインテリジェンスダッシュボードは、重要業績評価指標 (KPI) や業務パフォーマンスなどのビジネスにとって重要なデータを、1つの画面でリアルタイムにグラフィカルに表示するものです。現在のビジネス状況をその場でモニタリング・追跡するのに適しています。

BIダッシュボードは、特定の領域における最も重要なデータを集約し、伝達し、単一のビューで表示することを目的に設計されています。対象となるユーザーは、必要な情報を一目で確認することができます。ダッシュボードは、ビジネス指標の要約、変化、トレンドなどを分かりやすく示し、改善点の特定や興味深いパターンの発見、予期しない外れ値の検出などに役立ちます。リアルタイムであるため、ダッシュボード上のデータは通常、常に最新のライブデータに更新されています。

 

 

1つのBIダッシュボードには複数の要素が含まれています:たとえば、指標(メトリクス)、テーブル、チャート・グラフ・マップといったデータビジュアライゼーションが代表例です。使用しているBIソリューションの種類によっては、これらのダッシュボードや構成要素はインタラクティブに操作でき、ユーザーがより深い情報にアクセスしたり、次のアクションにつなげたりすることが可能です。たとえば、地域別データのテーブルをクリックして詳細にドリルダウンしたり、グラフから詳細レポートにリンクしたりといった使い方ができます。

構造化されたレポーティングダッシュボードは、リアルタイムデータのビジュアライゼーションとカスタマイズ可能なフィルターを効果的に組み合わせ、ユーザーがインサイトと動的に対話し、データをニーズに合わせて調整できるようにします。

関連項目:最新のBIダッシュボードの4つの主要な機能

 

BIレポート:概要

レポートは、ビジネスの特定のセグメントや領域における業績を、ある時点のスナップショットとして静的に提示するものです。レポートは通常、チャート、グラフ、テーブル、テキストなどを組み合わせて構成され、ダッシュボードと比べてより深い視点からデータを提示します。このデータは正確性と関連性を保つためにクレンジングされ、キュレート(厳選・整理)されています。また、データは特定のエンドユーザー向けに、グループ化・フィルタリング・整理されているため、特定のデータに対するより包括的な分析に最適です。

レポートは、ダッシュボードや分析ツールにアクセスできないユーザーにとって、有益な詳細データの情報源となります。これにより、どこにリソースや時間を割くべきか、どのように意思決定すべきかを把握する助けとなります。ただし、静的であるためリアルタイム更新はされず、ダッシュボードのようなインタラクティブ性はありません。そのため、レポートに加えてデータダッシュボードを併用することで、静的な情報にリアルタイム性や対話的なデータ探索の手段を加えることが推奨されます。オーディエンスのニーズに応じて、両者を組み合わせるとより効果的です。

 

 

オペレーショナルレポーティングモデルにおけるレポートは、通常のレポーティングダッシュボードとはやや異なります。これらはパラメーター駆動型で、厳密にフォーマットされており、トランザクションデータや機械生成データなどのソースから情報を取得します。リアルタイムで共有される一方で、コンプライアンスやプライバシー要件 (医療や銀行など) を満たすために、より高度なキュレーション (選別・整備) が求められます。このようなレポートは、要件があらかじめ明確に定義されているユースケースに最適ですが、通常のレポーティングダッシュボードと比べて、かなりの専門知識・時間・労力を要します。

 

 

 

ダッシュボードとレポートの違い

BIダッシュボードとレポートの主な違いは、その設計方法と利用方法、そしてデータの詳細度 (粒度) にあります。すべてのアナリティクスユーザーが理解しておくべきポイントです。

設計:BIダッシュボードは、KPIなどの視覚的な情報を単一画面に表示するよう設計されています。一方でレポートは、簡潔で高レベルな概要を提供することもあれば、複数のページや画面にわたって詳細情報を含むことも可能です。そのため、ぱっと見で情報を確認するのにはあまり適していません。レポートは、複数のダッシュボードを取りまとめて、ある特定のデータに関するより広範な背景やストーリーを伝える役割も果たすことがあるため、アナリティクスの文脈ではダッシュボードと同義的に使われることもあります。

インタラクティブ性:ダッシュボードはWebベースで提供されるため、デジタル上でアクセス・利用されます。一方レポートは、特定のデータセットの静的スナップショットであり、オンラインでもPDF形式でも利用できます(ただし、使用しているBIソリューションのエクスポート機能によっては、ダッシュボードからのデータエクスポートも可能です。例:Yellowfin Export)。ダッシュボードは、ユーザーが指標やビジュアライゼーションをクリックしてドリルダウンやフィルタリングを行えるなど、はるかに動的に操作できますが、レポートは作成時点の情報を一方向的に閲覧するものに過ぎません。

粒度 (詳細度) :データダッシュボードは、可視化やテーブルを通してデータの概要を幅広く表示します。一方でレポートは、特定のデータセグメントに絞ってカバーする傾向があるため、ダッシュボードはパフォーマンスの概要把握に、レポートは特定領域(例:四半期ごとの地域別マーケティング指標など)の詳細分析に適しています。

タイムリー性:ダッシュボード上のデータはリアルタイムで更新されるため、ビジネスユーザーはKPIの進捗やパフォーマンスの変化を即座に把握できます。データは定期的にリフレッシュされます。一方、レポートはより静的なスナップショットであり、PDFなどの非デジタル形式で閲覧されることも多いため、リアルタイムのデータ反映はありません。そのため、ダッシュボードは常に変化するデータ(例:KPIダッシュボードでのライブ更新)をモニタリング・トラッキングするのに適しており、レポートは変化の少ないデータセットの参照に向いています。

 

ダッシュボードとレポートに共通するべき要素とは?

レポートとダッシュボードはいずれもデータ分析に用いられるツールであり、自己解決型BI (セルフサービスBI) ソリューションにおいて、その見せ方やカスタマイズ性は異なるものの、以下のような共通要素を含んでいます:

  • 数値データ、テキストデータ

  • エクスポートオプション(印刷、PDF出力、共有)

  • フィルター機能とグルーピング

  • 画像の埋め込み

  • ハイパーリンク

  • テーブル(表形式)

  • データビジュアライゼーション(チャート、グラフ、地図、スパークラインなど)

 

 

ダッシュボード vs レポート論争を理解する最良の方法の1つは、Yellowfinのインタラクティブ・ダッシュボード・ギャラリーを実際に試してみることです。このギャラリーには、ベストプラクティスに基づいた自己解決型BIダッシュボード、レポート、データビジュアライゼーションの例が多数収録されており、デスクトップやモバイル端末でクリック&操作しながら確認できます。

詳しくはこちら:Yellowfin インタラクティブ・ダッシュボード・ギャラリー

 

BIダッシュボードの作り方

BIダッシュボードを構築する前に、その役割を理解し、自社のビジネス目標と整合させることが重要です。関連性の高いインサイトを得るために、主要指標 (KPI) を特定しましょう。Yellowfin、Power BI、Tableauなど、データ統合に対応した最適なBIツールを選定します。ユーザーが簡単にナビゲートでき、リアルタイムで情報を得られるようなデザインを構築します。パターンを検出するために自動アラートを設定し、詳細分析を可能にするインタラクティブ機能を有効化しましょう。ビジネスの進化や技術進歩に対応できる柔軟な独立型プラットフォームであることも大切です。

 

ダッシュボードの例

企業は、パフォーマンスを簡単に追跡し、成長に向けた意思決定をサポートするために、レポーティングダッシュボードのテンプレートから始めることができます。以下は、ビジネスニーズに応じて設計されたさまざまなダッシュボードの種類です。

  • 財務ダッシュボード:財務記録の管理や収益の最新状況の追跡に役立ちます。

  • 営業ダッシュボード:営業パフォーマンス、顧客満足度、コンバージョン率の追跡を支援します。

  • マーケティングダッシュボード:キャンペーンの成果、ウェブサイトトラフィック、オーディエンスのエンゲージメントの分析をサポートします。

 

BIレポートの作成方法

BIレポートは、ビジネスデータを正確かつ明確な構造で提示することで、重要情報の理解を容易にします。レポートを効果的にするには、まず目的を定義し、データを検証したうえで、チャートなどのビジュアルを用いて主要なインサイトを強調します。PDF、Excel、Webレポートなど、ユーザーの好みや利便性に合った形式を選定し、配信方法を最適化しましょう。自動更新の設定や、アクセス制御や暗号化などのセキュリティ対策も重要です。

 

レポートの例

  • マーケティングレポート:広告キャンペーンの成果、顧客エンゲージメント、ROIの追跡を支援。

  • 財務レポート:収益、経費、財務成長の分析を提供。

  • 業務レポート:サプライチェーンの効率、在庫水準、生産時間などの監視に活用。

  • 営業レポート:最新の営業傾向や収益成長の評価に役立ちます。

 

ダッシュボード vs レポート:どちらを使うべき?

これはビジネスユースケースと、使用しているBIソリューションによって異なります。たとえば、Power BIとYellowfinでは、それぞれのレポートおよびダッシュボードの設計と機能に違いがあります。

ダッシュボードは、リアルタイムのデータ更新や高いインタラクティブ性により、日常的な業務の概況を把握するのに最適です。一方レポートは、特定のデータセットを深掘りする場合に向いており、概要では得られない洞察を提供できます。どちらも、トピックを深く理解するための優れたデータビジュアライゼーションを活用しています。

YellowfinのようなモダンBIソリューションでは、高度にインタラクティブでカスタマイズ可能なダッシュボードとレポートの両方が利用可能なため、用途や対象ユーザーに応じて使い分けることができます。また、アラート、ドリルダウン、オートメーションなどの機能で、インタラクティブ性を簡単に付加できます。データビジュアライゼーションダッシュボードは、インサイトを視覚的にわかりやすく提示し、意思決定の質を向上させます。

 

結論

ダッシュボードとレポートは、どちらも効果的なビジネスインテリジェンスに欠かせません。ダッシュボードは、リアルタイムのモニタリングと分析により、個人やチームがより良い意思決定を下せるように支援します。一方レポートは、過去データや特定の指標を深く分析し、ある時点での業績を明らかにします。最適な選択は、自社のユニークなユースケースに依存します。最新のKPIを継続的に追跡したいのか、それとも過去のパフォーマンスを簡潔にレポートしたいのかに応じて、使い分けるのが理想的です。

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