BIツールのセキュリティを徹底解説!担当者が押さえるべきポイントを網羅的に紹介
- BIツールのセキュリティ対策は何を注意すべきか
- セキュリティ機能はどのようなものがあるのか
- セキュリティポリシーが無い場合に起こりえる問題は何か
BIツールの導入を検討する際に、企業や組織であれば丁寧に検討しなければならないのがセキュリティ対策でしょう。
BIツールの導入の検討をされている方の中には、セキュリティ対策といっても具体的にどのようなことをすべきで、BIツールには一般的にはどのような機能がついているものなのか、なかなかイメージがわかない方もいるかもしれません。
本記事ではBIツールを導入するにあたっておさえるべき情報セキュリティの概要や、BIツールにセキュリティ機能やセキュリティポリシーがない場合にどのようなリスクがあるのかなど、具体的な内容を踏まえて解説していきます。
BIツールのセキュリティの重要性
ここではBIツールのセキュリティの重要性について解説します。
BIツールのセキュリティは、企業担当者が導入を検討する1つの指標になります。企業は顧客情報を始めとする機密情報を多く扱っており、顧客情報をはじめとするデータに対して暗号化対策するだけではなく、アクセス制限やユーザー権限の割り当てに対してどのように工夫が施されているのか導入前に確認しておく必要があります。
企業が競争力を高めるためにデータを活用すればするほど、営業機密や顧客情報が増えます。万が一、情報漏洩してしまえば社会的信用の失墜はもちろん、競争力の喪失にもつながるでしょう。そのため、BIツール選定時には強固なセキュリティシステムの有無が、非常に重要な選定要件だといえます。
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BIツールにおける情報セキュリティ
ここでは、BIツールにおける情報セキュリティについて解説します。情報セキュリティとは情報漏洩・データ改ざん・システム停止といった脅威から守る以下の3つのようなセキュリティシステムのことです。
- 機密性
- 完全性
- 可用性
それでは1つずつ解説します。
機密性
1つ目は、機密性です。
機密性とは許可された人だけが情報にアクセスできるようにすることです。許可されていない人は情報を確認することができなかったり、データは確認できても編集ができないようにすることで脅威のリスクを低減します。BIツールでも、分析担当者が個人を特定する情報にアクセスする必要がない場合には、アクセス制限をかけたりする必要があります。
完全性
2つ目は、完全性です。
完全性は、情報が不正に改ざんされておらず保有する情報が正しい状態であり、完全であることをさします。BIツールでデータを部分的に除外できると完全性に影響があるので注意が必要です。
可用性
3つ目は、可用性です。
可用性とは、アクセスの許可をされているものが必要な時にデータベースにアクセスできる状態のことです。BIツールではリアルタイムに近い状態で分析を行っていくため、可用性が担保されながら運用される必要があります。
BIツールにおけるセキュリティポリシーの重要性
ここでは、BIツールにセキュリティポリシー(対策の方針・行動指針)がない場合の問題点について解説します。
- 情報漏洩のリスク低減
- 正しいデータ収集と分析
それでは1つずつ解説します。
情報漏洩のリスク低減
1つ目は、情報漏洩のリスク低減です。
機密情報の漏洩は、企業の競争力の喪失や社会的な信用の失墜につながる可能性があります。社員がプライベートでデータを持ち出したり、ウイルスに感染したり、記録媒体の紛失したりなど様々な要因が情報漏洩につながる可能性があります。
また、承認されていないユーザーがデータにアクセスできる環境であった場合には、機密性が守られずに情報漏洩につながる可能性が高まります。
正しいデータ収集と分析
2つ目は、分析が正しくできない可能性があるということです。
セキュリティポリシーがなく、情報漏洩の対策のためにアクセス制限の程度が強すぎる場合、BIツールの使用者がデータの全体像を把握することができず、質の低いインサイトによる誤った結果に導かれてしまう可能性があります。
BIツールのセキュリティ機能
ここでは、BIツールのセキュリティの機能について解説します。
- アクセス制御
- 監査証跡の管理
- ダウンロードの制御
- 多要素認証の導入
それでは1つずつ解説します。
アクセス制御
BIツールのセキュリティの機能の1つ目は、アクセス制御です。
アクセス制御は、誰に、どのようなデータを公開するのかを決めることです。業務から考えた場合のアクセス制御のパターンとしては、会社単位、部署単位、チーム単位、個人単位に分けられるかと思います。
BIツールでは作成したレポートの保存管理をするコンテンツカテゴリーを分けることで、部署や役職ごとのアクセス権限を振り分けたり、アクセスフィルターを設定して他部署の営業実績を見れなくしたりといった調整を行うことができます。
監査証跡の管理
BIツールのセキュリティの機能の2つ目は、監査証跡の管理です。
監査証跡とは、誰がいつ、どのようなシステムにログインしてどのようなデータを取得したのかを記録したデータのことです。BIツールの管理者はデータ活用を推進するうえで、監査証跡を把握しておく必要があるため、監査証跡を管理する機能がBIツールに備わっている方が良いでしょう。また、監査証跡の出力パターンとしては、csv形式で出力するもの、GUIで閲覧するもの、データベースに記録していくものなどがあります。
ダウンロードの制御
BIツールのセキュリティの機能の3つ目は、ダウンロードの制御です。
BIツールのアクセス制限をかけていても、BIツールで得られた情報をダウンロードできてしまう場合、共有フォルダに入れられたり、クライアントにそのまま送付することで管理できない状態になってしまうと情報漏洩のリスクが出てきます。
特に機密情報であれば、そのデータをダウンロード自体できないようにしておくことが良いでしょう。もちろん画面をキャプチャーしてしまった場合はBIツールのセキュリティ機能だけでは対応しようがないのですが、データのダウンロードの可否は機密情報取り扱いのリテラシーが高まったタイミングで判断する必要があります。
多要素認証の導入
BIツールのセキュリティの機能の4つ目は、多要素認証の導入です。
多要素認証とは、アカウントのパスワードの他に、携帯電話や指紋認証など2つ以上を組み合わせて複数のアプローチで認証するシステムのことです。仮に誰かに自分のアカウントを貸与して、更に第三者に転送されてしまった場合、多要素認証がなければどんなにアクセス制限をかけていても管理ができなくなってしまいます。
そのため、アカウントの使いまわしによる情報漏洩、パスワード盗難による不正アクセス防止のために多要素認証機能は必要だといえます。よく使われるのはログイン画面にパスワードを入力したのちに、携帯電話にワンタイムパスワードが表示されたりするものです。
まとめ
ここまでBIツールのセキュリティについて解説していきました。
BIツール導入判断の際には、目的に合った分析機能や使いやすさを重視することが多いでしょう。しかし、企業として機密情報を扱っている以上、軽視できないのがセキュリティです。セキュリティ対策を怠り、情報漏洩などを起こしてしまった時には競争力の低下はもちろん、社会的信用の損失にもなりますので注意が必要です。今後BIツールを使って健全な事業成長をするためにも、検討しているBIツールにはどのようなセキュリティ機能があるのかを丁寧に確認してみると良いでしょう。