サブスクリプションが流行する前にスタートして学んだこと

サブスクリプションが流行する前にスタートして学んだこと

永続ライセンスモデルから、サブスクリプションへと変更したわたしたちの決断は、Yellowfinの歴史の中でも非常に甘い考えでした。これは8年前のことで、わたしたちの売上は順調に成長していましたが、一から取引を始めて永続ライセンスを販売するのは、徐々に難しくなってきていました。同時に、保守ビジネスが伸びていたため、モデル変更をして、サブスクリプション販売をすることを決断しました。その当時、サブスクリプションを販売している競合はいなかったため、これは素晴らしいアイデアだと思われました。

※動画は英語です。

 

わたしたちの最大の間違いは、サブスクリプションビジネスがどのようになるのかを、財務モデル化しなかったことです。ある日には永続ライセンスを販売し、別の日にはそれを3分の1の価格で販売しました。そのため、同じ割合で収益を伸ばすために、3倍の新規ビジネスを獲得しなくてはいけませんでした。永続ライセンスからサブスクリプションモデルに移行する期間、わたしたちのビジネスには文字通りブレーキがかかり、実質的には18ヶ月間まったく収益成長がありませんでした。

サブスクリプションの価格は、顧客との3年間の関係を平均するという前提に基づいていました。また、多少の後戻りもあるだろうと予想していましたが、予想に反してサブスクリプションモデルは顧客に非常に良く受け入れられたため、これもある意味問題でした。わたしたちは、現在でも永続ライセンスの保守契約は継続していますが、ビジネスの92%がサブスクリプションであり、これがわたしたちの成長の大きな基盤となっています。

サブスクリプションモデルの導入により、本来であれば無視してきたかもしれないビジネスの一部について、考えさせられるようになりました。特に、カスタマーエクスペリエンスとリテンション(定着・継続)の重要さです。Yellowfinのリテンション率は92%であり、いくつかの重要なセグメントでは、解約率がマイナス104%です。つまり、顧客はわたしたちからさらに多くのライセンスを購入していることになります。わたしたちが1年以上の契約で顧客を縛らないことを考慮すると、Yellowfinがいかに定着率の高い製品であるかが分かります。顧客には、必要に応じて、1年間でライセンスを追加購入できる柔軟性があるため、リスクを軽減することができます。

サブスクリプションモデルの下では、顧客のサポートにさらに多くのエネルギーを集中させています。しかし、まずは適切な顧客の獲得が重要であるため、その見極めに時間を使わなくてはいけません。不適切な顧客への販売は更新機会を失うだけでなく、販売にかかるすべての費用も失うことになります。

適切な顧客を獲得したら、すべての顧客が素晴らしいオン・ボーディング体験を得られるようにします。理想的には、30日~90日でYellowfinの価値を引き出してほしいと思っています。そこで、わたしたちは顧客が製品を使用するようサポートし、その価値をできるだけ早く引き出してもらえるようにしています。これにより、彼らの定着率をさらに高めることができます。

最終的に顧客がビジネスに参入をしたら、彼らと緊密で継続的な関係の構築に注力します。窓口を一元化するのではなく、組織内の複数の人々が顧客とコミュニケーションを図ることで、顧客との間にさらに良好な関係を構築することができます。これは、エンタープライズへの販売を行うすべての企業にとって重要なことです。製品の販売に成功するためには、顧客と緊密な関係を築いていかなくてはいけません。

移行の初年度は成長面で非常に厳しいものでしたが、サブスクリプションモデルへの移行は、さらに優れたビジネスの構築を後押ししたと思っています。これにより、サイクル全体を通して、顧客への継続的な価値の提供に注力できるようになったからです。サブスクリプションモデルからの収益は、エンジンを動かすだけでなく、わたしたちの成長もサポートしています。

グローバル化により学んだこと

Yellowfinの大胆な事業展開には、グローバル化の促進もあります。そこでわたしたちが学んだことから、特にお伝えしたい内容について紹介します。

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