ノーコードとローコードの違いを詳しく解説!その仕組みとメリット・デメリットは?

ノーコードとローコードの違いを詳しく解説!その仕組みとメリット・デメリットは?

  • 人材の不足によりシステム開発、改修のプロジェクトが進まない
  • アプリケーション開発をもっとスピーディーにしたい
  • 新たなビジネスをシステム開発によって推進していきたい

 

システム開発においてこんな課題を持っている方も多いと思います。

この課題を解決するには、専門的な開発知識を持つ人材を確保することが欠かせませんが、専門的な知識を持つ人材を確保するのは容易なことではありません。

そこで急速に注目を集めているのが、ノーコード・ローコードの技術を用いた業務アプリケーション開発です。

この技術を用いれば、専門的な開発知識を持っていない人でもアプリケーションの開発が可能な環境が実現します。

今回は、今注目されているノーコード・ローコードの違いをはじめ、それらを導入するメリットやデメリット、導入によりどのようなことが実現できるのかなどについて、世界で約29,000社以上にBIツールを導入いただき、企業の業務効率化や自動化をサポートしているYellowfinが、詳しく解説します。

 

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昨今、よく耳にするノーコードやローコード。その名の言葉どおり、コードをまったく書かない、もしくは、少しのコーディング((ソースコードを記述する)作業でアプリケーション開発ができるテクノロジーです。

ローコードやノーコードが注目される背景にあるのは、慢性的なIT人材の不足ということに加えて、業務プロセスの改善などをはじめとするデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進も大きな理由です。

DXを推進するには、さまざまなシステムの開発が必要になります。つまりプログラミング言語によるコーディング作業が多数、発生するということです。

自社のIT人材で開発できなければ、開発会社など、外部の専門家に任せなければなりません。開発コストがかかるだけではなく、開発会社の担当者と意思疎通がうまくいかなければ、求めていたモノと異なるものができる可能性があります。

手戻りが発生すれば、開発コストも期間もよりかかってしまいます。

ですが、ノーコードやローコード開発であれば、プログラミングの知識がなくてもアプリケーション開発が可能になるため、要件を出すビジネス側の人たちも開発ができるようになります。

そのため、開発コストを削減することに加え、開発を柔軟に行えるメリットも得ることができます。

ではローコードとノーコードはどう違うのでしょうか?

 

ノーコードとは?

ノーコード開発とは、そのネーミング(NoCode)からもわかるように、一切、コーディングをすることなくアプリケーションを開発する手法やサービス(ツール)のことです。

ノーコードでアプリケーションを開発するツールは最初からテンプレートや使用できる機能が決まっているのが特徴です。そのためプログラミングの知識が一切不要で開発ができます。

一方でテンプレート、機能が決まっているためそれ以上の機能を拡張が難しい場合があります。

 

ローコードとは?

ローコード開発とは、こちらもLowCodeという言葉からわかるとおり、一部でコーディング作業が発生する手法やサービス(ツール)を指します。

ローコードは再利用可能なオープンAPIを利用できるので、ノーコードと比較して拡張性が高い点が特徴です。

いずれもゼロからコードを入力して開発するフルスクラッチよりも簡単にソフト開発ができますが、ローコードとノーコードの最大の違いは、「コーデイング作業があるか、ないか」です。

 

ノーコードのメリット

ここではノーコードのメリットとして以下の3つを解説します。

  • 誰でも開発できる
  • 専門のチームなしで開発できるのでコストが安くできる
  • 比較的小規模のアプリ開発に適している

それでは、1つずつ解説します。

 

誰でも開発ができる

ノーコードのメリットの1つ目は「誰でも開発ができる」ことです。

ノーコードはコーディングが不要なためプログラミングの経験や知識が全くない場合であってもアプリケーション開発ができます。そのため、専門的なスキルがなくても誰でも開発しやすくなっています。

 

専門のチームなしで開発できるのでコストが安くできる

ノーコードのメリットの2つ目は、「専門のチームなしで開発できるのでコストが安くできる」ことです。

一般的なソフト開発の現場ではプロジェクトを立ち上げて複数人のエンジニアの専門チームを作ることが多いです。

しかし、ノーコードの場合はコーディングを行う必要がないため、開発に特化した専門のエンジニアチームを作る必要がありません。そのため、開発コストをおさえることができます。

 

比較的小規模のアプリ開発に適している

ノーコードのメリットの3つ目は、「比較的小規模のアプリ開発に適している」ことです。

ノーコードの場合は、テンプレートがあるためアイデアをすぐ形にすることができ、一人でもアプリの開発に取り組めます。開発のハードルを大幅に下げることもできます。

 

ローコードのメリット

ここではローコードのメリットとして以下の3つを解説します。

 

  • システム開発に要する工数削減可能
  • 機能の拡張をしやすい
  • 利用目的が限定されない

 

それでは、1つずつ解説します。

 

システム開発に要する工数削減可能

ローコードのメリットの1つ目は、「システム開発に要する工数削減可能」なことです。

一部でコーディング作業が発生するローコード開発ツールは主にIT部門で使われることになります。そのため、システム開発に要する工数を削減できることがメリットの1つです。

 

機能の拡張をしやすい

ローコードのメリットの2つ目は、「機能の拡張をしやすい」ことです。

ローコードの場合、コードを直接記述できる点もあり機能の拡張をノーコードよりしやすい点がメリットです。他システムと連携して機能拡張を行うことも可能です。

 

利用用途が限定されない

ローコードのメリットの3つ目は、「利用用途が限定されない」ことです。

ローコードはコードを記述すれば必要な機能を追加できるため利用用途も限定されることがありません。

 

ノーコードとローコードのデメリット

ここではノーコードとローコードのデメリットとして、以下の3つを解説します。

 

  • 大規模開発には向かない
  • プラットホームに依存した運用
  • シャドーITになる可能性やシステムのブラックボックス化

 

それでは1つずつ解説します。

 

大規模開発には向かない

ノーコード、ローコードのデメリットの1つ目は「大規模開発には向かない」ことです。

ノーコード向けツール、ローコード向けツールも開発をサポートするツールを利用する以上、ゼロからプログラミングをしてシステム開発を行うことよりもできる範囲は限られてきます。

希望しているシステムがあまりにも大きい規模の場合には向かない場合もあります。

 

プラットフォームに依存した運用

ノーコード、ローコードのデメリットの2つ目は「プラットフォームに依存した運用」になってしまうことです。

開発をサポートしているツールが値上げをしてしまえば、コストがかさみます。

また、開発をサポートしているツールが万が一サポートを終了してしまった場合は開発したものが利用できなくなる可能性もあります。

 

シャドーITになる可能性やシステムのブラックボックス化

ノーコード、ローコードのデメリットの3つ目は「シャドーITになる可能性やシステムのブラックボックス化」になってしまう可能性があることです。

今まで情報システム部などに開発依頼を行っていたシステムがノーコード開発ツール、ローコード開発ツールによって一般の部署でも作成することができるようになります。

そのため、管理者が知らないところで運用されてしまうシャドーITになる可能性が出てきてしまいます。

また、直観的にソースコードを追加できるところがあるので他の人からはどのようなコードで動いているのかわからずシステムがブラックボックス化しやすくなる場合があるので、その点も注意が必要です。

 

ノーコードやローコードで開発できるツールの種類から見る今後の需要

ノーコードやローコードはゼロからコードを入力して開発するフルスクラッチよりも簡単にシステム開発をすることができます。

そのノーコードやローコードを実現するためのさまざまなツールが登場しています。

それらのツールでは、視覚的にわかりやすい形で機能をパーツとして提供しており、それらのパーツをドラッグアンドドロップで組み合わせていくことで、アプリケーション開発ができるようになっています。

例えばノーコードの領域でよく名前が挙がる「bubble」や「glide」、「Adalo」はWebアプリケーションの開発のためのツールです。

中でもこの分野を牽引する「bubble」のユーザー数はワールドワイドで50万人を超えるとも言われています。

マイクロソフトの「PowerApps」やサイボウズの「Kintone」などは社内業務で利用するシステムの開発を目的としたローコード/ノーコード開発ツールです。

また「Platio」などスマートフォン向けアプリ(ネイティブアプリ)の開発に特化したツールもあります。 

さらにマイクロソフトの「Power Automate」などはSaaSを連携して、独自のワークフローを構築できる機能連携ツール、ECサイトやWebサイト、チャットツール、採用/転職サイト、フォーム/アンケート作成などの用途特化型のツールも登場しています。

このようにさまざまな本格的なツールやプラットフォームが登場したことなどもあり、IT専門の調査会社ガートナーは2024年までに世界で開発されるアプリケーションの65%がローコードもしくはノーコードで開発されると予想されるくらい需要が高まっています。

また米の調査会社フォレスター・リサーチ社によると、2020年のノーコード・ローコードのソフトウェア開発サービス市場規模は約67億ドル(約7021億円)に上るとしており、24年には145億ドル(約1兆5200億円)になると予想もあります。

日本でもノーコードを拡げる活動をするノーコードジャパンが2020年7月に設立されました。

このような動きから考えても、これからはローコード・ノーコードが当たり前の時代になるといっても過言ではないのです。

ノーコードやローコードで開発することによる業務効率化

ノーコード・ローコード開発ツールの導入により必要なアプリケーションを必要最低限のソースコードで開発できるようになります。

これまでアプリケーション開発の場面では業務担当者が要件をIT部門に提出し、それに基づいてIT部門がシステムの設計を行い、開発をしていました。

ここで重要になるのが、要件をうまく伝えられるかどうかです。

うまく伝えられないと、求めていたモノと違ったアプリケーションができあがってくる可能性があります。

またある業務を効率化するような小さなアプリケーションをIT部門に依頼しても、そのアプリケーションの優先度が低ければ、開発は後回しにされてしまったりします。

ですが、ノーコードもしくはローコードで業務担当者自身が開発できるようになれば、簡単なモノなら数時間、多少時間がかかっても数日後には業務を効率化するアプリケーションを稼働させることができるはずです。

IT担当者においても、ノーコード・ローコードツールを活用することで、コーディング作業が削減されることで開発時間が短縮され、業務の効率化が実現します。

開発担当なら開発業務、運用担当なら運用業務など本来の業務に集中することができるようになります。

ノーコードやローコードはBI分野で効果を発揮

このようにアプリケーション開発で効果を発揮するノーコード開発ですが、実は最も効果を発揮する場所として注目を集めているのが、アナリティクス分野、つまりBI分野です。

ビッグデータの活用が叫ばれていますが、そのためには仮説を立て、その検証に必要なデータを抽出し、処理、解析するための専門家であるデータアナリスト、さらに機械学習やディープラーニング(深層学習)を用いて予測までするためにはデータサイエンティストと呼ばれる専門家が必要です。

ですが、データアナリストもデータサイエンティストも人材が不足しているのが現状です。

また、解析や分析はツールを使って行いますが、より深い分析を行ったり、データの可視化をするには、PythonやRのようなプログラミング言語も習得する必要があると言われています。

そこでYellowfinのダッシュボードでは、ノーコードでBIが実現できる機能を提供しています。

しかも何か変化があった際には、その変化に影響を与えた可能性のある要因を自動で提示してくれます。

これらの分析の仕組みを業務担当者自身が必要な時に容易に活用できるようになることで、意思決定のスピードが大幅に向上し、業務の効率化、生産性を向上させることができるでしょう。

 

関連記事:ノーコードでBIを実現し意思決定のスピードを高速化させよう | Yellowfin BI

ノーコード・ローコードのソフト開発による業務改善例

すでにノーコード開発で業務を自動化し、効果を出した国内事例も登場しています。

その一つがA市での事例です。昨年、政府は国民全員に特別定額給付金の支給を決定しました。

国はマイナンバー所持者以外は、郵送された申請書に必要事項を記入し、各市町村に返送するという方式を採用しており、A市においても、申請書類に不備はないか確認し、さらにデータを入力するという申請書類の処理作業に多大な時間がかかっていました。

この時間を短縮するため、A市担当職員はサイボウズのkintoneを用いて「特別定額給付金Web申請システム」を6日間で作成します。

結果、申請フォームの入力する項目を極力減らしたことで、市民の入力ミスが減り、職員の確認作業を削減することができました。

またデータ入力作業がなくなったことで、事務処理時間が大幅に削減されただけではなく、迅速な給付という市民サービスも実現しました。

その他、ある大手精密機器メーカーでは、物流倉庫の在庫の棚卸しリストをアプリ化した事例があります。

その背景にあったのは、紙のリストに棚卸し結果を記入し、在庫の照合を目視でチェックしていたため時間がかかる上、人的ミスも発生するなど、倉庫在庫の精度に課題があったことでした。

この棚卸アプリはPlatioで1日もかからずに作成し、運用を開始しました。

導入後は事務所に棚卸しリストを取りに行くことや、届けることがなくなった上に、目視で行っていたチェックを自動化し、棚卸し作業の効率化を実現しました。

経済産業省は2018年9月に「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を発表しました。

このレポートによるとDXを推進しなければ、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があると書かれています。

ノーコード・ローコード開発はDX推進を阻む問題解決をサポートする強力なツールになると言われています。


業務担当者自身が開発者となり、素早くビジネス環境に合ったシステムを開発する。これが変化の激しい時代における、情報システム開発の新しい姿になると思われます。

まとめ

今回はノーコード・ローコードについて詳しくご紹介しました。ノーコード・ローコード開発はDX推進を阻む問題解決をサポートする強力なツールになると言われています。

 

  • 新たなビジネスでの組み込みを考えているが、デザインは自社ブランドのものに合わせたい
  • 競合サービスにない機能を提供したい

 

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