Accessは時代遅れ?継続すべきケースとは?MS Excelや他代替ツールも解説
- 「Accessは時代遅れ」だと聞いたが、理由が知りたい
- 脱Accessをすべきかどうか、どう判断したらいい?
- Accessの代わりとして使えるサービス・ツールを知りたい
Accessは、マイクロソフト社によってリリースされたデータ管理ソフトですが、他のOffice製品であるExcel等に比べていささか影が薄く、最近では「Accessはもはや時代遅れでは?」との声も高まっています。
本記事では、なぜAccessが時代遅れと言われているのか、その背景にある問題や、Accessに代わる使い勝手の良いソフトウェアをご紹介します。
目次
Microsoft Accessは時代遅れなのか?機能・特徴と歴史から紹介
Microsoft Accessの初版は1992年にリリースされました。当時としては画期的なデータベース管理システムであり、その手軽さから多くの企業や個人に広く採用されました。初心者でも比較的短時間でデータベースを構築できるという利点があり、Officeソフトとの高い互換性も評価されました。
しかし、それから約30年が経過し、テクノロジーは大きく進化しています。現在では、Accessは多くの制限に直面しており、「時代遅れ」というレッテルが貼られることも多いです。
Accessの主な機能・特長は、以下の通りです。
- GUIを用いて手軽にデータベースを作れる
- SQLをサポートしており、高度なデータ操作が可能
- データからレポートを作成
- VBAプログラミングをサポートしている
- インターネット接続せずに使える
- 他のOffice製品とのデータのインポート・エクスポートができる
Accessにはこのように様々な特長がありますが、現代のデータベース管理ツールと比較して、「時代遅れ」と言われることもあります。その理由を下記より解説していきます。
Accessが時代遅れだとされる主な要因
Accessが時代遅れと言われる理由について、順番に解説します。
プログラミング知識が必要で敷居が高い
Accessを使いこなすためには、一定レベルのプログラミング知識が必要です。特に、データベースの設計やクエリの作成、そしてVBAを用いた自動化などは、プログラミングスキルが求められます。
このような背景から、Accessは比較的敷居が高く感じられ、初心者やプログラミングに不慣れな人々には手が出しにくいソフトウェアとなっています。
バージョンアップに伴う問題が生じやすい
Microsoftが提供するアップデートは通常、ソフトウェアのパフォーマンス向上やセキュリティ強化を目的としています。しかし、このアップデートが逆にAccessにおいては問題を引き起こすケースが少なくありません。特に古いデータベースファイルと新しいバージョンのAccessとの間で、不具合や互換性の問題が頻繁に報告されています。このような問題は、企業がデータ管理を行う上で大きな障害となるため、「時代遅れ」と評価される一因となっています。
セキュリティリスクの不安がある
Microsoft Accessは、元々はローカルにデータを保存するためのデータベース管理システムですが、現在ではクラウドとの連携も可能です。例えば、SharePointを用いてデータをクラウド化でき、Azureでセキュリティ対策も行えます。
しかし、プログラム自体はクラウドに置けないため、ローカルとクラウドのハイブリッド運用が一般的です。このため、リモートアクセスやクラウド連携が完全にスムーズとは言えません。
データ容量に限度があり、重いデータを処理できない
Accessのデータベースは、容量に一定の限界があるため、特に大規模なビジネスや、大量のデータを日々処理するような状況には向きません。
一つのデータベースファイルで2GBを超えるデータは扱えないため、それ以上のデータを扱いたい場合は、新たなデータベースファイルを作成する必要があります。そのため、管理が煩雑になるだけでなく、データの一貫性も失われる可能性が高くなります。
さらに、Accessは基本的にビジュアル化やダッシュボード作成といった機能が乏しく、大量のデータを効率的に分析や可視化することは困難です。このような理由から、Accessはデータ活用面で不便だと指摘されることが多いです。
ExcelやPowerPointなどのOfficeソフトとの連携が困難
ExcelとAccessは、共にマイクロソフト社が提供するOfficeソフトですが、それらが実はあまりスムーズに連携できないという問題があります。Excelは近年、多くの高度なデータ分析機能を備えており、クラウド型サービスも提供しています。これにより、データ管理や分析の柔軟性が大幅に高まっています。
一方で、Accessはこれらの新しい機能には対応していないケースが多いです。
ExcelからAccessへのデータ移行やその逆の操作も可能ですが、手間がかかる場合もあるため、連携がスムーズではないというイメージが強いです。
Accessを時代遅れだと判断して脱却すべきか?
Accessが時代遅れとされる要因を説明してきましたが、それらを踏まえ、自社の状況に合った判断をしていきましょう。
事業・営業活動における判断基準
ここからは、自社の事業や営業活動にAccessが適しているケースと、そうでないケースについて解説します。
Accessを引き続き使うのが適しているケース
下記のようなケースでは、Accessを引き続き使っても問題無いと言えます。
- 扱うデータが少量である
- 個人から少人数で使っている
- コストをかけられない
- クラウド化に魅力を感じない
- プログラミング知識のある人がチームにいる
Accessの単体製品の価格は¥20,590円ですが、月額1,490円でMicrosoft 365を利用すれば、Accessを含むMicrosoft 365に含まれる製品全てを利用することができます。
したがって、特に、高度なデータベース管理システムが不要な場合はコストパフォーマンスに優れていると言えます。
特に高度なデータベース管理システムが不要な場合や、小規模から中規模のビジネスやプロジェクトにおけるデータ管理に適しているでしょう。
脱Accessが適しているケース
下記のようなケースでは、Accessから別のツールへの移行を検討した方が良いかもしれません。
- 2GBを超えてデータを保存したい
- 大人数で利用したい
- 他のデータと連携して、より高度なことを行いたい
- 専門的なスキルが不要で、手軽に操作できるソフトに魅力を感じる
- スムーズにデータ共有を行いたい
- リアルタイムなデータを確認したい
- スマホやタブレットなど、複数のデバイスからアクセスしたい
例えば、データの共有、スマホ利用、同時編集や、リアルタイムでのデータ分析やダッシュボード表示を行いたい場合は、別のモダンなツールの方が適しており、メリットを感じやすいでしょう。
ExcelはAccessの代替となるか
Excelはデータ解析や表計算に優れたソフトウェアとして広く知られています。AccessからExcelへの移行を考える際のポイントは以下の通りです。
- データの種類や量
- 見た目のカスタマイズのしやすさ
- Officeソフトとの連携のしやすさ
Excelは小規模から中規模のデータセットに適しています。一方、Accessは中規模から大規模のデータセットを扱うことができます。
また、Excelでは、セルの色やフォント、罫線などを自由に変更できるため、見た目のカスタマイズがAccessよりも容易です。
また、Excel・Accessともに、他のOfficeソフトウェア等と連携することが可能ですが、Accessの方が、設定が複雑になる場合があります。
このような要件を考慮して、Excelが自社にとってAccessの代替品となるか判断しましょう。
Accessの代替となるモダンなデータベース管理ツール
現在、多くの企業や個人がAccessからモダンなデータベース管理ツールに移行しています。
クラウド型サービス
クラウド型サービスとは、オンライン上のサーバで提供されるシステムを、インターネットを介して利用する形態を指します。具体的には、データベースやファイルストレージ、計算リソースなどが、リモートのサーバーで管理されます。
クラウド型サービスのメリットには、下記が挙げられます。
- インストールや更新が不要
- どの端末からでもアクセス可能
- データの保護や管理が容易
クラウド型サービスは、インターネットが繋がっていれば、スマートフォンやタブレット、PCからでも容易にデータにアクセスできます。また、クラウドサービスプロバイダーが専門のセキュリティ対策を施しているため、データの保護やバックアップが比較的簡単です。
特に、リアルタイムでのデータ共有や迅速なアクセス、セキュリティ対策が求められる現代ビジネスにおいては、非常に有用です。
データの分析や可視化ができるツール
データベースに保存されたデータをグラフやチャートで視覚的に表現したり、統計や機械学習などを用いて分析できるソフトウェアを指します。
データ分析や可視化ができるツールのメリットは、下記の通りです。
- データの傾向や問題点を発見しやすい
- 意思決定や改善策が行いやすくなる
ツールを用いてデータを視覚的に整理することで、それまで気づかなかった傾向や問題点が明らかになることも多いです。また、グラフやチャートを用いることで、データを直感的に理解し、効果的な意思決定や改善策を採ることも容易になります。
データの分析・可視化ツールとして特に注目されているのが、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。データの可視化だけでなく、データベースからのデータ取り込み、集計、そして報告まで、一連の作業を効率よく行えるようになります。
例えば弊社の提供する「Yellowfin」は、100% WebベースのBIツールです。世界50ヶ国以上、約29,000社以上で導入されており、データ接続からレポートの作成・共有まで、別アプリに切り替えることなく、シームレスな利用が可能です。
Accessが今日のビジネス環境で時代遅れと感じられる場合、BIツールを始めとしたデータ分析や可視化ができるツールへの移行について、大いに検討する価値があると言えるでしょう。
まとめ
Accessが「時代遅れ」と一部で評される背景には、プログラミングの敷居の高さやセキュリティリスク、データ容量の限度など、多くの要因があります。特に大規模なビジネスや複雑なデータ解析が求められる現代において、これらの問題点は無視できません。
代替として注目されているのが、クラウド型サービスや、データの分析や可視化ができるツールです。
特にBIツールは、データの可視化、分析、報告などを一元的に行え、しかも高度なセキュリティを確保しています。Accessが提供する基本的なデータベース管理機能に加え、ビジネスで必要とされる多くの高度な機能を備えています。
「Yellowfin」は、日本を含め世界中の300万人以上が利用するBIツールです。場所を問わず多数の人々とリアルタイムでデータを共有でき、数字の異常値や変化を自動で教えてくれる「自動分析機能」も備えています。
「脱Access」を検討する際には、ぜひ移行先の選択肢として、考えてみてはいかがでしょうか。