AIの研究が進んでいる分野は?活用が進んでいる分野についても解説
AIの研究はどのような分野で進んでいる?
AIの活用が進んでいる分野を整理したい
AIの活用が遅れている分野は?
AI技術の進歩は目覚ましいものがあり、さまざまな分野で研究が進んできました。また、実用化も進んでおり、第一産業・第二次産業・第三次産業いずれにおいてもAIの活用で大きな成果が出ています。ただ、AIの活用があまり進んでいない分野も存在していることは事実です。
この記事では、AIの研究や活用が進んでいる分野と、AI活用がまだ遅れている分野を紹介します。
AIの研究が進んでいる分野の一覧
ここでは、AIの研究が進んでいる分野を8つ紹介します。
- 自然言語処理
- データマイニング
- 画像認識
- 音声認識
- アルゴリズム
- 機械学習
- 感情分析
- 推測・予測
それでは1つずつ紹介します。
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自然言語処理
AIの研究が進んでいる分野の1つ目は、自然言語処理です。
自然言語処理(NLP)は、コンピュータが人間の自然言語を理解し、生成・処理する技術の研究分野です。主な目的は、テキストをコンピュータが理解できる形に変換し、そこからさまざまなタスクを遂行することにあります。テキスト自動要約や機械翻訳、感情分析、会話エージェントなどさまざまなタスクに応用できる技術です。形態素解析やディープラーニングなどの手法が活用され、人間の言語を解釈・応答するためのさまざまなモデルが構築されています。
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データマイニング
AIの研究が進んでいる分野の2つ目は、データマイニングです。
データマイニングは、膨大なデータから有益な情報やパターンを抽出する技術です。統計学や機械学習を駆使してデータの傾向を見つけ、ビジネスの意思決定に活用できます。クラスタリングや分類・回帰分析・異常検知に用いられる手法であり、マーケットのトレンド予測や不正検出などにも応用されます。
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画像認識
AIの研究が進んでいる分野の3つ目は、画像認識です。
画像認識は、コンピュータがデジタル画像を解析し、その中の物体やパターンを識別する技術です。AIが画像内の特徴を捉えることで、顔認識や医療画像の診断、さらには道路標識の識別などに応用されています。画像認識では、ディープラーニングを用いて大量の画像データを学習し、モデルの精度を向上させます。コンピュータビジョンの一環として、視覚情報の処理を行うことが目的です。
音声認識
AIの研究が進んでいる分野の4つ目は、音声認識です。
音声認識は、音声データをテキストに変換する技術です。音響モデルや言語モデルを活用し、音声コマンドの認識や音声対話システムに応用されるものです。録音データをデジタル化し、音素を抽出・組み立てることで、正確な文章に変換します。スマートスピーカーなど、幅広いサービスに応用されています。
アルゴリズム
AIの研究が進んでいる分野の5つ目は、アルゴリズムです。
アルゴリズムは、コンピュータが計算を行うための手順・方法です。順次処理、分岐処理、反復処理の3つの構造を持ち、これらに基づき複雑な問題を処理します。AIは、データからパターンを発見し、アルゴリズムによりそれを最適化してモデル構築を行うものです。効率性や正確性を実現したアルゴリズムは、問題内容や入力データの種類を問わず、高いパフォーマンスを発揮します。
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機械学習
AIの研究が進んでいる分野の6つ目は、機械学習です。
機械学習は、コンピュータがデータから学習し、そこからパターンを抽出して新たな予測や判断を行う技術です。AIの中核を形成するものであり、データの特徴をモデル化し、それを基に予測や分類を実行します。多くの分野で使用され、パターン認識や予測モデルの作成に役立っています。
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感情分析
AIの研究が進んでいる分野の7つ目は、感情分析です。
感情分析は、テキストや音声データから相手の感情や意見を特定し、定量化する技術です。自然言語処理の一部として位置づけられ、ポジティブ、ネガティブ、中立などの感情を識別します。ソーシャルメディアの投稿やレビューの分析、顧客からのフィードバックの抽出、さらには商品への評価などが応用例です。感情の特定は、ビジネスや顧客サービスの改善に役立ちます。
推測・予測
AIの研究が進んでいる分野の8つ目は、推測・予測です。
「推測」は、既存のデータを基に未知の情報を導き出すプロセスで、推論モデルを用いて実施します。一方「予測」は、時系列データ分析などを用いて、将来の出来事や結果を予測する技術です。これらの技術は、ビジネス分野や天気予報、金融市場やリスク分析など幅広い分野で応用されています。
AIの導入がすでに進んでいる分野を分類
ここでは、AIの研究が進んでいる分野を5つ紹介します。
- 農業現場
- 医療現場
- メーカー
- 教育機関
- 店舗施設
それでは1つずつ紹介します。
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農業現場
AIの導入がすでに進んでいる分野の1つ目は、農業現場です。
農業においては、土壌分析や収穫物の選別などでAIが活用され、農作業を効率化しています。例えば、画像認識技術で作物の生育状況を分析することや、収穫物の品質を評価することが可能になりました。これにより、農作業の省力化と生産性の向上に貢献しています。
医療現場
AIの導入がすでに進んでいる分野の2つ目は、医療現場です。
医療分野では、画像診断や病気の予測など、AIが高度な医療行為に活用されています。また、AIチャットボットを活用することで、患者への対応を効率化することも可能です。
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メーカー
AIの導入がすでに進んでいる分野の3つ目は、メーカーです。
メーカーにおいては、AI搭載のロボットで人間の作業を代替することで、生産効率の向上に成功しています。また、画像認識技術を用いて自動で製品検査を行うことで、製品の品質向上に寄与しています。
教育機関
AIの導入がすでに進んでいる分野の4つ目は、教育機関です。
例えば、生徒一人ひとりの学習状況をAIで分析し、最適な学習プランを作成することができます。また、採点業務の自動化などで教師の負担を軽減することも可能です。
店舗施設
AIの導入がすでに進んでいる分野の5つ目は、店舗施設です。
店舗施設では、AIが顧客の行動分析や店舗運営の効率化に活用されています。例えば、店舗内の混雑状況をリアルタイムで把握することで、適切な人員配置が可能です。また、防犯カメラの映像分析により、店舗のセキュリティを強化できます。
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AIの活用がまだ遅れている分野を紹介
ここでは、AIの活用がまだ遅れている分野を4つ紹介します。
- ゼロからの創作
- 生物の感情を汲み取ること
- 学習していないロジックに基づく判断
- 合理性だけで判断できない作業
それでは1つずつ紹介します。
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ゼロからの創作
AIの活用がまだ遅れている分野の1つ目は、ゼロからの創作です。
既存のデータに基づいて新たなものを生み出すことであればすでにAIでもできるようになっていますが、全く新しい概念やアイデアを生み出す「ゼロからの創作」には不向きです。特に、芸術や文学など強い創造性が求められる分野では、まだまだ人間に追いつくことは難しいでしょう。
生物の感情を汲み取ること
AIの活用がまだ遅れている分野の2つ目は、生物の感情を汲み取ることです。
生物の感情は複雑で、まだAIだけでは高い精度で瞬時に生物の感情を読み取り、それに応じた行動は取れません。これにより、共感や配慮など感情に寄り添ったスキルは、AIの不得意とする分野と言えます。
学習していないロジックに基づく判断
AIの活用がまだ遅れている分野の3つ目は、学習していないロジックに基づく判断です。
AIは、学習したデータに基づいてのみ判断ができるため、未知の状況や学習していない情報に対しては、適切な判断は困難です。そのため、AIに新たなタスクをさせる前には、判断に必要なデータやロジックを学習させることが欠かせません。
合理性だけで判断できない作業
AIの活用がまだ遅れている分野の4つ目は、合理性だけで判断できない作業です。
AIは、論理的思考に基づいた最適解を導き出すことに長けていますが、人間の感情や倫理観など非合理的とも言える要素を考慮した判断には不向きです。よって、例えば芸術作品の評価や道徳的な判断などは、AIだけでは困難とされています。
まとめ
この記事では、AIの研究や活用が進んでいる分野と、AI活用がまだ遅れている分野を紹介しました。
AIの研究分野は、データマイニングや画像処理、機械学習など多岐に渡ります。また、ビジネスにおいても農業やメーカー、さらには店舗施設など、実用化が着々と進んでおり、これからのビジネスシーンではAIの活用がさらに進むことは確実と言えるでしょう。
ただ、ゼロからの創作や合理性だけでは判断できない作業など、まだまだAIの活用が遅れている分野も少なくありません。そのような分野ではまだまだ人間の手が必要になってくるので、AIにできる仕事はAIで効率化し、人間はAIでは不向きな仕事に注力する流れがますます加速するでしょう。