AIの仕組みやできることとは?プログラムとの違いもまとめて解説!
AI(人工知能)は、現代の技術革新の中心に位置し、さまざまな分野で活用されています。この記事では、AIの基本的な仕組みやその技術的な基盤を解説します。AIは主に「人工知能」、「機械学習」、そして「ディープラーニング」の3つの技術によって支えられており、それぞれが異なる役割を持っています。
また、AIと従来のプログラムの違いについても触れ、AIがいかにしてデータを活用し、自ら学習し進化するのかを詳しく解説します。この記事を通じて、AIの基礎知識を深め、ビジネスや日常生活におけるAIの可能性を理解しましょう。
AIの仕組みとは?
AIは実際にどのように動いているのでしょうか?
AIは以下3つの根本技術によって支えられています。
- 人工知能
- 機械学習
- ディープラーニング
これら3つは上段の「人工知能」が他2つを包含する関係になっております。
さらに「機械学習」の一部としての「ディープラーニング」という関係性にもなっています。
それぞれ詳しく解説します。
人工知能
人工知能とはAI(Artificial Intelligence)の日本語訳を指します。
AIに関する明確な定義はされていませんが、一般社団法人人工知能学会設立趣意書には「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」とされています。
このようにAIの定義が広義のため、AIは大きく2つに分類されています。
(※引用:https://www.ai-gakkai.or.jp/about/about-us/jsai_teikan/)
強いAI
AIの分類の1つ目が、強いAIです。
強いAIとは、AGI(汎用人工知能)とも言われ、人間と同等かそれ以上に幅広いタスクを理解し、自ら学習、実行できるAIであり、さらに感情を理解する能力を持っているAIのことを指します。
人間の生活を豊かにする可能性を秘めていますが、現時点では理論的な概念しかなく、法整備などの社会的な課題も残されています。
弱いAI
AIの分類の2つ目が、弱いAIです。
弱いAIとは「特化型AI」「狭いAI」とも言われており、あらかじめ学習したプログラムに基づいてタスクを処理するAIです。
現時点で実用されているAIはすべてこの弱いAIに分類されており、弱いAIが発展したその先に強いAIがある、というイメージです。
機械学習
機械学習とは、AIに入力された情報に対して適切な回答や処理ができるようにするためにAI開発時に事前に膨大なデータを読み込ませ、学習させる技術のことです。
AIが何か回答などを出力する際は、事前に学習した情報を基に与えられた情報に類似性や規則性を見出して回答しています。
これらを可能にしているのは機械学習によるものです。
ディープラーニング
ディープラーニングとは「深層学習」とも呼ばれており機械学習の一部という位置付けです。従来の機械学習より学習の精度が上がり、学習の自動化も行われています。
ディープラーニングでポイントになってくるものが「ニューラルネットワーク」と「特徴量」です。
それぞれ詳しく解説します。
ニューラルネットワーク
ディープラーニングのポイント1つ目は、ニューラルネットワークです。
ニューラルネットワークとは人間の脳の神経細胞であるニューロンからヒントを得て、この細胞の働きをコンピュータ上で表した数理モデルです。
このニューラルネットワークを用いてディープラーニングが行われています。
特徴量
ディープラーニングのポイント2つ目は、特徴量です。
特徴量を簡単に言うと、AIが学習するためのデータのまとまりのことです。
適当なデータが入っているわけではなく、例えば人間を判別するために学習するための特徴量の中身としては身長や体重、年齢、性別などまとまりがあるものです。
機械学習では人間がどの特徴量をAIに学習させるかを判別していましたが、ディープラーニングではAI自ら学習する特徴量を判断して学習しています。
AIとプログラムの違い
AIとプログラムは、入力された情報に対して出力する、という仕組みは共通しているためどう違うかわからなくなりがちです。
ここではAIとプログラムの違いについて解説します。
目的の違い
AIとプログラムの違い1つ目は、目的の違いです。
プログラムは、入力された情報に対して出力する結果は決まっており、それ以外の結果を得ることはできません。これはプログラムが決められた処理を行うものだからです。
一方AIは、学習したデータから類似性や規則性を見出して推論するため、出力される結果は必ずしも同じとは限りません。
提供価値の違い
AIとプログラムの違い2つ目は、提供価値の違いです。
先述した通り、AIは出力される結果が必ずしも同じではないため、人間が予測し得なかったアイディアや解決策を提示してくれる可能性があります。
一方プログラムは、手順通りに動いてくれるため、決まった処理を確実に行いたい場合などに有効です。
AIが機械学習を進めるための仕組み
AIが機械学習を進めるための仕組みとして「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つの学習方法があります。
それぞれの学習方法は手法や目的が異なるため、AIを開発する際はその目的に沿った学習方法を選択する必要があります。
以下で詳しく解説します。
教師あり学習
AIが機械学習を進めるための仕組みの1つ目が、教師あり学習です。
教師あり学習とは、あらかじめ正解を与えられた状態で学習させる方法です。
例えば、学習させるデータに「これはりんごである」というように具体的にそのデータは何なのかをラベリングしておきます。そのデータを学習することでAIが正解に近い回答を求められるようになります。
教師あり学習で学習したAIは、システムのエラー検出やネットショッピングのおすすめ表示などに活用されます。
教師なし学習
AIが機械学習を進めるための仕組みの2つ目が、教師なし学習です。
教師なし学習とは、学習データに正解を与えない学習方法です。
教師なし学習はデータを何らかの観点に基づいて類似性があるデータに分類します。
分類されたデータ群を見て、データの特徴や傾向を見出すことで、潜在的なクラスターの発見や異常値の発見などに役立てることができます。
強化学習
AIが機械学習を進めるための仕組みの3つ目が、強化学習です。
AIには、自身の置かれた環境や状況を理解し、その環境や状況に基づいて最適な行動を選択するような機能として「エージェント」というものがあります。
強化学習はこのエージェントにデータを学習させる手法です。エージェントに学習させて与えられたデータを自ら解釈し、データの価値を最大化する方法です。
教師なし学習と似ていますが、教師なし学習は正解として与えられたデータを受動的に学習するのに対し、強化学習はデータを能動的に解釈することに違いがあります。
AIが活用されている8つの具体例
これまでAIの仕組みや学習方法について解説してきましたが、ここでAIが実際に活用されている8つの具体例について紹介します。
故障検知
AIが活用されている具体例1つ目は、故障検知です。
工場のベルトコンベアを動かすモーター動作に異常値があった場合、異常を知らせることができます。
これは振動や音に基づいた検知ですが、湿度や温度などのデータからも故障を検知することが可能です。
株価予測
AIが活用されている具体例2つ目は、株価予測です。
過去の株価データを収集・学習させて今後の株価を予測することが可能です。
またAIは常に過去のデータ収集を行っているため、データが蓄積されればされるほど予測の精度も高くなります。
自動運転
AIが活用されている具体例3つ目は、自動運転です。
車に搭載されたカメラやセンサーを通じて車の周辺や前方にあるものを認識し、障害物や通行人を避けたり事故を防ぐことなどに活用されています。
現時点では完全自動運転というわけではなく、運転者の補助的な役割としての活用にとどまっていますが今後活用の幅は広がる可能性はあります。
音声認識
AIが活用されている具体例4つ目は、音声認識です。
画像データだけでなく、音声データも学習することが可能です。
スマホやスマートスピーカーの音声入力や、会議の議事録の文字起こしなどに活用されています。
画像認識
AIが活用されている具体例5つ目は、画像認識です。
これは工場で出荷される部品に見た目上、異常がないかを判別したり、性別や年齢を判別するなどに活用されています。
テキスト生成
AIが活用されている具体例6つ目は、テキスト生成です。
こちらは「生成AI」というジャンルのAIにはなりますが、入力された情報に対して適切なテキストを生成することが可能です。
有名なものだとChatGPTなどが該当します。
画像生成
AIが活用されている具体例7つ目は、画像生成です。
こちらも「生成AI」のジャンルになります。
入力された情報・お題に沿った画像をAIが生成してくれます。
近年、生成AIで作成した画像が企業の広告に使われるなど活用が広がっています。
有名なものにMidjourneyが該当します。
動画生成
AIが活用されている具体例8つ目は、動画生成です。
こちらも「生成AI」のジャンルになります。
その名の通り動画を自動生成してくれるものであり、最近は企業のプロモーション動画にも動画生成AIが活用されるなど、画像生成AIとともに活用の幅が拡大しています。
有名なものだとSoraが該当します。
まとめ
本記事では、AIの仕組みや学習方法から活用事例まで解説しました。
AIが身近になっている現代において、ビジネスに活用するシーンも増えています。
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