2023年に備えるべきデータとアナリティクスのトレンドトップ3
2022年は、ビジネスインテリジェンス (BI) とアナリティクスにとって間違いなく画期的な年でした。文脈的アナリティクスなどの革新的で洗練された技術が開発され続けたことで、ビジネスデータの分析がこれまで以上に身近なものになりました。
これらのトレンドの多くは2023年も成長を続けるでしょう。しかし、データアナリティクスの領域は常に進化しています。世界情勢がデータのセキュリティやトレーニングの分野に不安を抱かせる中、わたしたちの注目を集めそうな他の新しい機能が登場しています。
成長し、規模に応じた価値を実現したい企業は、競合他社よりも迅速に対応できるように、来るべき新しい価値の到来に備え、最適化が必要になります。本ブログでは、2023年のデータとアナリティクスのトレンドトップ3を紹介します。
昨年の情報を踏まえた上でご確認をされたい方は、昨年のトレンドトップ3も合わせてご参照ください。
トレンド#1 – セルフサービスアナリティクス
セルフサービスアナリティクスは、ユーザーの技術やデータ知識のレベルに関わらず、誰もがデータを利用して、分析し、共有できるようにすることに重点を置いたBIの一形態です。
従来のBIツールは一般的に、ビジネスユーザーにはアクセスしづらく、レポートの作成やデータへの質問に対する回答をIT部門に頼らなくてはいけなかったのに対して、セルフサービスBIソリューションは、ビジネス部門とアナリストが同様に効果的に使用できるソリューションです。データドリブンなインサイト取得へのニーズが急速に高まり、データドリブンな企業文化のメリットがより認識されてきたことで、セルフサービスアナリティクスはここ数年のBIにおける最大のトレンドのひとつに成長しました。
2023年、現代の企業や独立系ソフトウェアベンダーがデータアクセスの民主化の必要性を認識してきたことで、レポート作成用のドラッグ&ドロップユーザーインターフェースや、ローコード・ノーコードのデータ準備、コネクターを使用した柔軟なデータ接続、初心者の分析プロセスの合理化やガイドに役立つ拡張アナリティクスなどの機能により、セルフサービスアナリティクスの影響力と優先度は拡大を続けています。
Gartnerによると、今年末までに、拡張アナリティクスにより実現される自動化プロセスを利用した業種・分野別のセルフサービスソリューションにより、アナリティクス全体の導入率が35%から50%に増加すると予想されています。
より詳細な情報はこちら: エンタープライズにおけるセルフサービスアナリティクスの準備に向けた5つのステップ
トレンド#2 – 拡張アナリティクス
拡張アナリティクスは、ダッシュボードやデータビジュアライゼーションなどのBIツールを使いやすくし、業務部門のユーザーがより直感的に操作できるようにするために、自動ビジネスモニタリングや人工知能 (AI)、機械学習 (ML)、自然言語クエリ (NLQ) などの高度なテクノロジーを深く統合したものです。
拡張アナリティクスを取り入れたBIソフトウェアベンダーは、データ分析においてAIやMLの恩恵を受けるための特定のスキルセットの必要性を軽減し、自動化されたプロセスを使用してデータを調べる方法をユーザーに教えるのに役立ち、それは急速に主流になりつつあります。
拡張アナリティクスの分野に属するテクノロジーは、過去5年間で着実に関心と投資が高まっていますが、2023年以降には爆発的に普及率が高まり、10分の9程度の分析プロセスがAIやML技術によって強化されることで業務の効率化やデータから得られる価値の向上が見込まれ、3分の1の組織がレガシーなBIツールからビジネスプロフェッショナルへの情報提供や指導の手法として自然言語を利用したプラットフォームへと置き換わるとVentana Researchは予想しています。
しかし、ダッシュボードやデータビジュアライゼーションソリューションを提示されたとき、誰もが即座に対応できるわけではありません。提示されたデータを理解していなかったり、ツールを使用して探索する方法さえも理解していない可能性があります。拡張アナリティクスは、このプロセス全体を一般ユーザーにとって技術的な負担が少なく、はるかに合理的なものにします。例えば、AIやMLを使用して、データへの質問に適用すべきフィルターを提案したり、レポートの変更をユーザーに自動的に通知したり、ガイド付きアナリティクスプロセスの一環としてビジュアライゼーション、説明、比較を生成し、それをユーザーが活用してダッシュボードの基礎を構築できるようにします。
例えば、Yellowfin 自動インサイトは、AIとMLを使用して、ダッシュボード内の特定のデータポイントの意味を理解するために、データビジュアライゼーションに伴う分かりやすい
テキストベースの説明や比較を生成し、Yellowfin シグナルは、自動ビジネスモニタリング技術を使用して、主要な傾向が検出されたときに、自動的に監視、追跡、通知して、アナリティクスエンドユーザーを潜在的なインサイトに導く支援をします。Yellowfin ガイド付きNLQはさらに一歩進んで、自然言語クエリと機械学習を使用し、ユーザーが最初のクエリを入力する際にフィルタリングのための提案を自動的に生成することで、データに対する特定の質問の答えを得られるように積極的にサポートします。
拡張アナリティクスは、非技術系ユーザーのために、アナリティクスツールへのアクセスを民主化することに主眼が置かれていますが、データアナリストや開発者などの高度なユーザーにとっても、分析プロセスの効率を高めるというメリットがあります。
トレンド#3 – データガバナンス
データガバナンスは、組織が機密データを厳格に制御し、コンプライアンスと管理を実施するために導入する公式のポリシーやプロセスを意味します。また、BIソリューションに組み込まれたツールで、アナリティクスの実装においてガバナンスとコンプライアンスの要件を直接実行および強化できるようにすることでもあります。
データガバナンスポリシーとフレームワークは、データソースへの接続に始まり、レポートの作成、ダッシュボードの分析、分析結果の共有など、データのライフサイクルを通じてデータの信頼性や可用性、使いやすさを確保するのに役立つものです。
データガバナンスはいくつかの理由から2023年に中心的な役割を果たすことになります。セルフサービスアナリティクスの導入が進むにつれて、組織は日々BIユーザーに提供しているデータが、分析とインサイトディスカバリーのために信頼できるものであることの保証を迫られています。今日のデータの複雑さと膨大さは、意思決定に使用される情報の信頼性を確立するために、現在の真実ベースのアプローチ (例: はい/いいえ) ではもはや十分ではないことを意味しています。
さらに、データウェアハウスやダッシュボードに保存されたデータと、そのデータがビジネスの意思決定や結果に与える影響との間に明確な境界線が存在することへの期待が急速に高まっており、データの監査と管理に関する透明性と説明責任の強化が求められています。Gartnerのレポートによると、ガバナンスの取り組みに関する説明責任と決定権が明確であることに同意した組織は、わずか44%に過ぎませんでした。
さらに、データセキュリティ、データプライバシー、データ品質に関する第三者機関や規制当局のコンプライアンス要件が厳しくなる中で、データに対する権限管理は、データガバナンスの重要性に対する監視と認識を高めることにつながっています。
結局のところ、最新のアナリティクスツールやテクノロジーにいくら投資をしても、アナリティクスパイプラインを通じてデータガバナンスを適切に実施しなければ、精査に耐えることはできません。2023年にアナリティクスの使いやすさを向上させるために、データガバナンスが非常に重要視されているのはこのためです。
より詳細な情報はこちら: データセキュリティとコンプライアンス: 5つの重要な考慮事項
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