組み込みBIの価格設定における隠れコストと注意点
組み込みBIの価格設定に関するポイント:要約
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隠れコストは重要:サポート、トレーニング、インフラなどは、総所有コスト(TCO)を大幅に押し上げる可能性があります。
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スケーラビリティが価格に影響:ユーザー数やデータ使用量が増えるとコストも上昇する場合があるため、事前に計画することが重要です。
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適切なモデルを選ぶ:組み込みBIソリューションの価格体系を自社のビジネスニーズに合わせ、予期せぬ請求を避けましょう。
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ベンダーを慎重に比較:組み込みBIプロバイダーによって、機能、柔軟性、価格の透明性が異なるため、十分な評価が必要です。
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理想的なソリューションを見つけたのに、価格ページを見て目が飛び出すほどのコストや価格モデルを目にする、といったことは誰しも経験があるのではないでしょうか。
これが、組み込みBIを購入する際に避けたい「ステッカーショック」です。
組み込みBIの価値は明確ですが、すべての価格モデルが同じではありません。中にはコストを隠していて、予算があっという間に膨らむ場合もあります。本記事では、こうした隠れコストに光を当て、主要な組み込みBIソリューションの価格設定アプローチを比較します。
注意すべきポイントを理解することで、ビジネス目標に沿った賢明な選択を行い、予期せぬ請求を避けることができます。それでは、見ていきましょう。
目次
Yellowfin BIの価格モデルとは?
Yellowfinの料金は予測可能性と拡張性を重視して設計されており、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)やOEM向けに、製品内にホワイトラベル化された分析機能を組み込む柔軟な分析ソリューションを探している企業に最適です。独自の市場投入モデルに合わせて設計されているため、隠れコストや予期せぬ追加費用の心配なく、予測可能でスケーラブルな運用が可能です。
複雑な使用量ベースの料金や予期せぬ追加費用ではなく、Yellowfinは「シンプル・予測可能・スケーラブル」を理念に掲げ、組み込みBI向けの料金プランを大きく2種類に分けています。
ソフトウェアベンダー向けに特化した料金プランで、3つのモデルに分かれています。
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アラインド・ユーティリティモデル (整合性のあるユーティリティモデル)
貴社の販売形態に合わせて料金を調整します。サイト単位、アプリ単位、デバイス単位など、販売形態に応じて分析コストが事業の成長に合わせて予測可能にスケールします。
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レベニューシェアモデル(収益分配モデル)
分析機能をアドオンやプレミアムモジュールとして販売するベンダー向けのモデルです。特定の分析モジュールから得られる収益の割合に基づいて料金が決まるため、成功に応じたリスク低減型の料金体系となります。
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サーバーコアモデル
サーバーの構成(例:4コア構成)に応じた固定料金です。インフラニーズに応じてのみスケールする単純で固定費のモデルで、分析コストをコントロールしやすく予測可能にします。
例として、大規模企業向けの電子カルテ(EHR)ソフトウェアベンダーでは、収益分配モデルが最適で、各導入に対して売上の一定割合がYellowfinに支払われる形で活用されています。
2. エンタープライズBI
大規模導入やデータ量の多い組織向けのプランで、3つのモデルに分かれています。
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指名ユーザー:利用者数を追跡する必要がある場合に適したモデルで、アクセス可能な個別ユーザー数に基づいて料金が決まります。
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サーバー:大規模な導入で高い処理能力が必要な場合、必要なCPUコア数に応じて料金が決まるモデルです。ユーザー数やデータ量が増えてもパフォーマンスを確保できます。
さらに、Yellowfinは、拡張アナリティクスやデータベース選択にオプションを提供します。
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Analytics Plus:Yellowfin シグナルによる自動ビジネスモニタリングなど、高度な機能を含むプランで、指名ユーザー、サーバー、カスタムいずれの方式でも利用可能です。
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分析データベース:高パフォーマンスを必要とする場合、オンプレミスまたはクラウド上でインメモリ分析データベースを活用可能です。特定ベンダーやアーキテクチャに縛られません。
関連記事:組み込みアナリティクスでTCOを削減し、ROIを向上させる方法
Yellowfinの価格概要
最適なプランを見つけられるよう、Yellowfinではいくつかのスタート方法を用意しています。
価格プランに加えて、技術専門家による無料のライブデモを予約すれば、自社のデータでプラットフォームの動作を事前に確認できます。また、Yellowfinは無償のPOC(概念実証)も提供しており、導入前にソリューションの価値を試すことが可能です。
全体として、Yellowfinは、市場で入手可能な最良かつ手頃な組み込みBIソリューションを検討している組織向けに、シンプルで拡張性の高いオプションを多数提供しています。
Yellowfinの価格モデルについて:Yellowfin 価格ページ
Microsoft Power BIの価格モデルとは?
次に、Microsoftの分析ソリューションであるPower BIを見てみましょう。
Power BIは、無料版と有料プランの両方を提供する価格モデルを採用しています。無料版は魅力的に見えるかもしれませんが、データ容量が少ないことや共同作業機能がないなど、いくつかの重要な制限があります。
高度な機能を必要とする組織にとっては、有料プランへのアップグレードが必須です。Power BIでは、以下の3つの有料プランが用意されています。
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Power BI Pro
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Power BI Premium
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Power BI Embedded
1. Power BI Pro
Power BI Proはユーザー単位で月額15ドルの料金設定です。個別ユーザーに対して分析やダッシュボード/データ可視化機能のライセンスを付与したい組織向けに設計されています。
例えば、20人のユーザーにレポート作成権限と作成済みコンテンツの無制限閲覧権限を付与する場合は、Power BI Proのライセンスを20枚購入する必要があります。
Yellowfin 対 Power BIの詳細な比較については、こちらをご確認ください。
2. Power BI Premium
Power BI Premiumはユーザー単位で月額29.90ドルの料金設定です。大規模データ向けのデータ準備や、エンタープライズレベルの管理・展開など、分析機能の高度な部分を個別ユーザーに提供したい組織向けに設計されています。
さらに、Power BI Premiumには容量単位の料金プランがあり、月額7,475.30ドルです。これは、組織全体でPower BIの高度な機能セットにアクセスできるようにしたい場合向けのプランで、ライセンスにはユーザー、データセット、コンテンツが含まれます。
3. Power BI Embedded
Power BI Embeddedは、ユーザー単位ではなく、容量に応じた時間単位の従量課金制です。Microsoftが提供する容量の階層は「Azure SKU」と呼ばれ、最も低いプランでは仮想コア1つ、メモリ3GBが提供されます。Microsoftは、個別見積もり用の価格計算ツールも提供しています。容量階層(A2~A6)が上がるごとに、仮想コア数やRAM容量が増えるため、価格も上昇します。
関連記事:Power BI Embedded は自社に最適?比較ガイド
Power BIの価格概要
Power BIはMicrosoft 365およびMicrosoft Azure Cloudのエコシステムに強く依存しており、インフラやデータニーズをMicrosoftのソフトウェアスタックのみで統合したい組織には魅力的です。なお、Microsoftによると、通貨や国、地域によってユーザー単位または組織単位の最終価格が変動する場合があります。
Power BIの代替製品を検討する際、Yellowfinは特に注目に値します。Power BIのユーザー単位の料金は大規模チームでは急速に膨らむ可能性がありますが、Yellowfinはより柔軟なライセンスオプションと組み込みBI機能を競争力のある料金で提供しています。
Tableauの価格モデルとは?
よくある質問のひとつに、「Tableauのライセンスの種類と費用は?」があります。ほかのベンダーと比較すると、Tableauの価格モデルは Creator(クリエイター)、Explorer(エクスプローラー)、Viewer(ビューワー) のユーザータイプで構成されており、機能の範囲が異なります。
1. Tableau Creator
Tableau Creatorライセンスはユーザー単位で月額75ドル(年額)です。高度な管理、ガバナンス、データ準備、コンテンツ作成およびコラボレーション機能を利用したい組織向けに設計されています(管理者、アナリスト、マネージャーなど)。この階層には Tableau Desktop、Tableau Prep Builder、および Tableau Cloud用の1クリエイターライセンス が含まれます。
2. Tableau Explorer
Tableau Explorerはユーザー単位で月額42ドル(年額)です。個別ユーザーにセルフサービス分析やダッシュボード/データ可視化機能を提供したい組織向けです(組織内の通常の分析ユーザー)。この階層にはTableau Cloud用のExplorerライセンスのみが含まれます。
Yellowfin 対 Tableauの詳細な比較については、こちらをご確認ください
3. Tableau Viewer
Tableau Viewerはユーザー単位で月額15ドル(年額請求)で、主に個別ユーザーにダッシュボードやデータ可視化を閲覧し、基本的な操作ができる機能を提供したい組織向けです(例:不定期に利用するユーザーや、データコンテンツを作成せず消費のみを行うエンドユーザー)。この階層には Tableau Cloud用のViewerライセンス のみが含まれます。
Tableauの価格まとめ
Tableauは価格面で一定の柔軟性を提供していますが、ユーザー数の増加や高度な機能を利用する場合には、追加でCreatorやExplorerライセンスを割り当てる必要があり、隠れたコストが発生する可能性があります。
さらに、コンサルティング、トレーニング、サポートに関連する費用はTableauの価格ページには明示されておらず、注意が必要です。
Yellowfinと比較すると、Tableauはチーム規模が大きくなる場合にはコストが高くなる傾向があります。Yellowfinは、使いやすさ、組み込みBI、競争力のある価格、複数データソースとのシームレスな統合を提供し、組織全体でのダッシュボード展開を簡単にします。
Sisenseの価格モデル
Sisenseは、SaaS企業や独立系ソフトウェアベンダー(ISV)がアプリケーションに分析機能を組み込むことを想定した、シンプルで柔軟な価格モデルを提供しています。価格は各企業のニーズに応じてカスタマイズされ、スケーラビリティや統合性に重点を置いています。
1. セルフホスティングプラン
小規模チーム向けに年間約1万ドルから提供されます。インフラやデータセキュリティを完全に管理したい組織に最適です。
2. クラウドホスティングプラン
クラウドプランは5ユーザーで年間約2万1,000ドルから開始されます。小〜中規模の組織にはやや高額ですが、オンプレミスサーバーを維持せず、迅速に展開したいチーム向けに適しています。
3. エンタープライズプラン
エンタープライズ向けプランは機能や規模に応じて年間最大32万7,000ドルに達することがあります。大規模組織向けに高度な分析機能、AI機能、優先サポートを提供します。
Sisenseの価格まとめ
Sisenseの価格は組み込みBI向けに設計され、成長する組織に合わせてスケール可能です。デモを依頼したり、個別見積もりをSisenseに問い合わせることができます。
一方、Yellowfinの価格は組み込みBIにおいてより透明性と予測可能性が高く、中小企業からエンタープライズまで幅広く対応するパッケージが用意されています。Yellowfinは、Sisenseのエンタープライズプランで必要になる高額な初期費用なしに、強力なBIおよびダッシュボード機能も提供します。
Qrveyの価格モデル
Qrveyは、予測不可能なコストを避けながら分析機能を組み込みたいSaaSプロバイダーやISV向けに、フラットレートの価格モデルを提供しています。
1. フラットレート価格
ユーザー数、ダッシュボード数、環境の展開数に制限なし。これにより、あらゆる規模の組織にとって予算計画が簡単かつ予測可能になります。
2. カスタム価格
ビジネス要件に合わせて拡張可能なオーダーメイドのソリューション。使用量に応じて価格が調整され、必要な分だけ支払いながら将来的な成長にも対応可能です。
Qrveyの価格まとめ
Qrveyのフラットレートモデルはシンプルですが、Yellowfinが提供する高度な分析機能や統合機能の一部が不足している場合があります。
Yellowfinは、柔軟な展開オプションと競争力のある価格で、成長する組織向けにより充実した分析プラットフォームを提供します。
Qlik Senseの価格モデル
Qlik Senseは、あらゆる規模の企業向けに設計されたサブスクリプション型の価格モデルを提供しており、柔軟性と拡張性を重視しています。
1. スタンダードプラン
月額825ドル(年払い)、データ容量25GB。必要最低限の分析機能と中程度のデータ容量を求める小〜中規模チーム向け。
2. プレミアムプラン
月額2,700ドル、フルユーザーライセンス20名分+基本ユーザーライセンス10,000名分を含む。広範なユーザーアクセスと高いデータ処理能力を必要とする大規模組織向け。
Qlik Senseの価格まとめ
Qlik Senseのプランは柔軟かつ拡張性があり、組み込み分析やエンタープライズ分析を求めるあらゆる規模の企業に適しています。ただし、大規模展開ではコストが急上昇する場合があります。一方、Yellowfinは同等の高度な分析機能を競争力のある価格で提供し、よりシンプルな価格体系を実現しています。
Upsolve AIの価格モデル
Upsolve AIは、スタートアップ、成長企業、エンタープライズ向けに段階的なプランを提供しており、必要な容量や機能に応じた従量課金モデルでスケール可能です。
1. ランチプラン
標準プランで月額300ドル。初期段階のスタートアップに最適で、チームがデータドリブンな意思決定を行える基本的な分析ツールを提供します。
2. グロースプラン
月額1,000ドル。高度な分析やダッシュボード機能を提供し、複数のデータソースとの統合やレポート機能の強化も含まれるため、成長中の企業に適しています。
3. エンタープライズプラン
企業規模や要件に応じたカスタム価格。フルカスタマイズ、優先サポート、エンタープライズグレードの機能を提供し、複雑なビジネスニーズに対応します。
Upsolve AIの価格まとめ
Upsolve AIの段階的な価格設定は、手頃さとエンタープライズ機能のバランスを取っています。追加ユーザーや高度な統合、拡張分析機能には費用が増加する可能性があります。
Yellowfinと比較すると、Upsolve AIは統合やユーザー拡張で追加投資が必要となる場合がありますが、Yellowfinはバンドル機能、組み込みBI、複数部門での利用がコスト効率よく可能で、成長企業向けにより包括的なソリューションを提供します。
組み込みBIの価格モデル比較
異なる組み込みBIの価格モデルを比較する際には、それぞれのアプローチがコスト、スケーラビリティ、機能利用にどのような影響を与えるかを理解することが重要です。
- ユーザー/シートベースの価格:プラットフォームにアクセスするユーザー数に応じて課金されます。ユーザー数が増えるとコストが急速に上昇する可能性があり、一部の組み込み機能は追加の有料オプションが必要になる場合があります。
- 使用量ベースの価格:データ量、APIコール、またはコンピューティングリソースに応じて課金されます。利用量が少ない場合は柔軟ですが、使用量が増えると予測が難しくなることがあります。
- 機能ベースの価格:AIツールやホワイトラベル機能など、有効化された機能に応じて料金が変動します。必要な機能だけに支払うのは効率的ですが、機能拡張を行うと予想外のコストが発生することがあります。
- 固定/フラット料金:ユーザー数やダッシュボード数に関係なく一定料金が適用されます。予測可能性とスケーラビリティに優れますが、長期契約や前払いが必要な場合があります。
自社ニーズに合わせて選ぶ
- 大規模または変動のあるユーザー数:ユーザー数が多い、または変動することが見込まれる組織では、コストの予測がしやすい固定/フラット料金プランが最適な場合があります。
- 特定の機能に重点を置く場合:使用量が限られているが特定の高度な機能に重点を置くチームは、機能ベースの価格モデルが適している場合があります。ただし、追加機能を解放する際のコストも事前に計画しておく必要があります。
分析ツールの価格評価: まとめ
組み込みBIの価格を評価する際には、ベンダーごとに変動するサポート、保守、トレーニングなどの隠れコストも考慮することが重要です。また、スケーラビリティも重要なポイントで、利用量やユーザー数の増加に伴い料金が変動する場合があります。
例えば、Yellowfinでは、利用状況や展開形態に応じて費用が調整することができます。基本料金だけでなく、長期的なニーズまで見据えて評価することで、組織はより賢明な判断を下し、予期せぬ出費を避けることができます。
よくある質問(FAQ)
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組み込みBIソリューションはITの負担にどのように影響しますか?
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セルフサービスでのレポート作成を可能にすることでITの負担を軽減しますが、セットアップや統合、保守には引き続きITの関与が必要です。
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組み込みBIは業界固有のニーズに合わせてカスタマイズできますか?
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はい。ほとんどのプラットフォームでは、業界固有のKPIやワークフロー、コンプライアンス要件に合わせたカスタマイズが可能です。
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組み込みBIは機密データに対してどの程度安全ですか?
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エンタープライズ向けのソリューションでは、暗号化、アクセス制御、各種コンプライアンス認証を備え、機密データを保護します。
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基本料金以外で考慮すべきポイントは?
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API利用、データ移行、プレミアムサポートなどの隠れコストが総費用を増加させる場合があるため、事前に計画することが重要です。ユーザー数やデータ量の増加に伴い費用が上がる場合もあり、統合やカスタマイズ機能には追加料金がかかることがあります。
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