Yellowfinを使用してPower BI ソリューションを進化させる方法
Microsoft Power BIは、あらゆる企業でアナリティクス機能の優れた基盤を構築できるビジネスインテリジェンス (BI) ツールとして広く普及している安価なツールです。Tableauと同様に、組織内で広く採用され、Excelよりも強力で構造化されたツールに置き換えることを目的としています。
しかし、重要な課題のひとつとして、その複雑さがあります。Power BIのアプローチは、複数の個人やチームが相互に関連するソリューションを構築する分散型であるため、新規ユーザーは使い始めるとすぐに迷子になってしまいます。
Yellowfinは、運用レポート作成とアナリティクスに合わせて調整されたエンタープライズユースケースをサポートするために構築され、よりアクセスしやすく洗練された組み込みアナリティクスソリューションを構築したい場合に選択できる補完的ソリューションとして最適であり、堅牢なデータガバナンス、データセキュリティ、分析機能を備え、幅広いユーザーにサービスを提供しています。
Yellowfin 対 Power BI: どちらのアナリティクスツールが最適か
YellowfinとPower BIの優れた点は、組織内で簡単に共存でき、それぞれの強みを活用できることです。
基本的に、Power BIは個人ユーザーや小規模な部門に最適であり、Yellowfinは組織全体の運用レポートやアナリティクスのバックボーンとして最適です。特にYellowfinは、アナリティクスを直接社内外のアプリケーションに設定して統合する組み込みBIユースケースで差別化を図っています。
Power BIとは異なり、Yellowfinはデータとデータガバナンスに対してより構造化されたアプローチを提供するメタデータモデルに依存しています。また、Yellowfinは、運用データソースからのレポート作成が可能であり、独自のデータキューブを必要としないため、ライブデータレポート作成に最適です。
本ブログは、Power BIとYellowfinの主な違いを取り上げ、どちらのアナリティクス製品が既存のユースケースのニーズに適しているかをより深くご理解いただくのに役立ちます。
1) ガバナンスとセキュリティ
(機密データを保護するための実践やプロセス、ツールである) データセキュリティと (データの信頼性を維持するためのライフサイクル管理プラクティスと説明責任対策である) データガバナンスは、BIソリューションを購入する企業にとって、2つの重要な検討事項です。
Yellowfinは、データガバナンスとセキュリティの両方を最重要視しており、データソースの保護と説明責任を強化するための機能をいくつか備えています。
- データセキュリティ管理: Yellowfinは、データソースやユーザー (グループとロール)、メタデータレイヤーで構成されるシステム全体の設定を、管理者が管理コンソールを介して一元的に表示、管理、検索できるようにすることで、データ使用状況の追跡やデプロイの管理、BI環境の最適化を可能にします。
- ロールベースのアクセス制御 (RBAC: Role-based access control): ロールベースのアクセス制御は、レポート作成に利用できるデータへのリンクや権限に加えて、アプリケーション内で利用可能なシステム機能 (レポート作成、データストーリー作成など) を個々のユーザーとそこに割り当てられたロールで管理することができます。RBACは、特定の部門やニーズに基づいてユーザー間でアクセス可能および共有可能な情報を制御するために重要であり、Yellowfinは非常に柔軟で設定しやすいRBACを提供します。
- セキュアなメタデータレイヤー: Yellowfinは、ユーザーインターフェースとデータベースに送信されるクエリーの間に位置するセキュアなメタデータレイヤーを提供します。メタデータは、データベース内の各オブジェクトを説明するもので、カラム (列) やロウ (行) のメトリック (アップロード日、データ書式、データタイプなど) に必要な文脈を提供します。メタデータレイヤーはYellowfinが提供するセキュリティ製品の中核であり、(レポートを実行するユーザーに基づいてデータの可用性をロウレベルで設定可能な制限である) アクセスフィルターや、(適切なロールを付与されたユーザーのみがセルフサービスBIレポートを通じてクエリーを実行できるよう、機密情報を保護するためにカラム (列) を個別に保護する機能である) カラムレベルセキュリティ、(レポートが実行される際にユーザーが所属する組織に基づいてレポートが実行されるデータソースを切り替えることができるマルチテナント機能である) データソース置換などの機能を備えています。
Yellowfinのセキュリティモデル、セキュリティ&コンプライアンス認定、機能的なユーザーアクセスやコンテンツ保護制御の詳細については、それぞれのリンク先をご確認ください。
これに対し、Power BIはMicrosoftのクラウドコンピューティングインフラであるAzure上に構築され、Power BIサービスとの接続、認証、ユーザーインタラクションは、2つのクラスタアーキテクチャーで処理されます。Power BIユーザーは、別のMicrosoft製品であるAzure Active Directory (Azure AD) との統合を使用して、ユーザー認証とユーザーIDの保存や管理をします。Power BIユーザーは、2つのツール (Azure BLOBとAzure SQL Database) との統合によって処理されるデータストレージやメタデータなど、その他のデータセキュリティに関する懸念も抱えています。
つまり、Power BIのデータセキュリティとガバナンスの大部分は、MicrosoftのSaaSエコシステム全体に分散しています。セキュリティ機能の多くを複数のプログラムに分散させることは、ビジネスがMicrosoftのソフトウェア製品にすべて組み込まれていない場合、複雑さを招く可能性があります。
Power BIがYellowfinと比較して不十分な点には、以下のような領域があります。
- 複数のドメインからユーザーを設定
- 高度なガバナンスとマルチテナント
- マルチテナント環境でのデータソースによるレポートの一元化
- レポート作成における承認プロセス
全体として、Yellowfin BIは、一元化されたデータガバナンスと複雑なユーザーアクセスパラメーターを持つエンタープライズユースケースを扱うように設計されているため、より強力なガバナンスとセキュリティ機能を備えています。
2) ホスティング
Yellowfinは、100%ウェブベースのBI製品であり、様々な業界や業種の顧客が、ユーザーのアナリティクス要件を満たさなくなった既存の自社開発またはレガシーなレポート作成ソリューションを最新化するための効果的な方法を提供するよう設計されています。
Yellowfinは、オープン性と拡張性を基盤として構築されており、そのアプローチは、企業独自のインフラや構成の選択に基づいて、Yellowfin 組み込みアナリティクスソフトウェアを導入する多くの方法を提供することを中心に設定されています。
- 環境に依存しない柔軟性: SaaS、MSP、オンプレミスホスティングのいずれであっても、Yellowfinは企業が望むあらゆる環境にそのアナリティクスインスタンスを導入することができます。Yellowfinは、すべての主要なクラウドプロバイダー (AWS, Azure, Google Cloud Plartformなど) と連携するだけでなく、既存のデータセンターで実行されているオンプレミスでも動作します。
- 広範な拡張性: Yellowfinは、カスタムワークフローの作成、ユニークなユーザーエクスペリエンス、コード拡張、ノーコード・ローコードスクリプティングなど、機能を拡張するいくつかの方法を企業に提供しています。これについての詳細は、こちらを参照してください。
- ベンダーロックインなし: Yellowfinは、会社が倒産した場合において、プラットフォームのソースコードへのアクセスおよびコンテンツデザインやコード拡張へのアクセスを許可することで、ユーザーはこれらを完全に所有し、再エンジニアリングに使用することができます。データは任意のデータベースに格納することができ、いつでもアクセスすることができます。また、データの移動や保存、アクセスのために独自のデータベースやスクリプト言語を使用する必要もありません。
上図は、Yellowfinのアーキテクチャーとホスティング構造の主要なコンポーネントを可視化した図です。より詳細な情報は、こちらからYellowfin テクニカルアーキテクチャーについてご確認ください。
Power BIは、何よりもまずMicrosoft Azureクラウドの導入を促進するように設計されており、デフォルトではホスティングオプションがより制限されています。このため、Power BIは独自の組み込み型SaaS製品を容易に構築するサポートには適しておらず、実装や技術的な複雑さが生じる可能性があります。ホスティング領域におけるPower BIの主な制限事項は次の通りです。
- オンプレミスの選択肢が限定的 – Microsoftが長期的にこれをサポートするかどうかは、多くの人が疑問視しています。
- 独自のSaaSソリューションのパッケージ化が困難
- Azureでの実行に最適化 – 他のクラウドを使用してデータを取得できる。
- 一部のセキュリティはインフラで処理する必要がある。
全体として、Yellowfinはベンダーロックインがなく、環境に依存しないホスティングオプションを何よりも重視する企業に対して、より柔軟で拡張可能なホスティングオプションを提供します。一方、Power BIは、組織が既にMicrosoftのSaaSエコシステムやAzure クラウドインフラに多額の投資をしている場合、特定の分野におけるビジネスニーズに適しているかもしれません。
ホワイトペーパーダウンロード: BIにおけるオープンアーキテクチャーの重要性
3) 機能性
機能性は非常に幅広いカテゴリーであり、どのベンダーも意欲的なロードマップを描いています。多くの人々は、アナリティクスプラットフォームには、実際には製品全体であまり関連性がなく、利用されていない機能が多すぎるかもしれないと主張しており、自然言語クエリー (NLQ) や人工知能 (AI) のようなテクノロジーの大きな進歩は、誇大広告とは裏腹に、日常的な応用に至るまでには時間がかかる可能性が高いです。
以下では、ほとんどのBIデプロイにとって基本的でありながら、現在多くの企業にとって課題となっているコア機能に焦点を当てています。
- プレミアムコストモデルを使用したインポートデータセット (8×/48×/日) のスケジュール設定と更新の制限
- ダイレクトデータアクセス (ダイレクトクエリー) にも制限があり「Fabric」で改善されるが、同様のコストの影響を受ける。
- (ページ分割された) 旧来のレポートは完全に統合されていない。
- DAX (関数、操作、制約の集合) はExcel ++とは似て非なるより複雑なものになっている。
- データ処理における根本的なアプローチの違いにより (SQL生成とインポート)、膨大な量のデータの取り扱いは複雑化し、コストがかかるようになっている。
- すぐに使用できるデータストーリーテリングの実装が複雑になっている。
Yellowfin BIの機能の最適化に焦点を置いているユースケースは、以下の通りです。
- アプリケーションへの完全な統合とホワイトラベル化
- 一元化された運用アナリティクスのために、高度なデータアナリストとカジュアルビジネスユーザー (ガイド付きNLQ) の両方をサポート
- 運用分析とデータサイエンスユースケースに焦点を当てたセルフサービスBI
機能とサービスにおけるYellowfinとPower BIの比較概要
4) ビジネスモデル
Power BIとYellowfinはビジネスモデルが大きく異なります。Yellowfinは、優れた柔軟性を必要とし、レベニューシェアや価値ベースの価格設定などを可能にする組み込みBIやホワイトラベル化のユースケースに端を発しています。Power BIは、実績のあるMicrosoftのフリーミアムモデルによって進化し、成功を収めました。これはExcelと同様にいつでもどこでも使用できることを目的としていますが、Azureの利用を促進し、有意義な収益を生み出すために、より多くの企業のユースケースを網羅しています。以下は、Power BIとYellowfinを比較する企業にとって重要な検討事項です。
- Power BIはかなり安価、もしくは無料での開始が可能 – 典型的なMicrosoftのモデルでは、製品のバンドルの一部として入手できますが、一般的に製品版は1ユーザー当たり$10/月から始めることになります。ただし、プレミアム機能やエンタープライズ機能が加算されるため、時間をかけて似通ったものを比較する目を養わなくてはいけません。
- Power BIは、最終的にはAzureの利用促進のために設計されている – 新しい「Fabric」モデルでは、Azure以外の機能はさらに少なくなる可能性が高いです。
- 限定されたレベニューシェアおよび価値ベースモデル – 大企業であっても、恐らくMicrosoftにとってしてみれば、カスタム開発に関心を持つには規模が小さすぎます。これは標準的なユースケースでは問題になりませんが、市場参入戦略に組み込まれているものや、それ以上に統合されているものは、Power BIで対処するのが難しくなるでしょう。
それに比べて、Yellowfinは顧客の個々のユースケースに合わせた複数の価格モデルを持っています。多くの企業が自社製品の重要な部分をYellowfinで構築しており、価格モデルも顧客独自のKPIに合わせて非常にカスタマイズされています。
より詳細な情報はこちら: Yellowfinの価格体系
Yellowfin 対 Power BI: どちらが良いのか?
Power BIとYellowfin BIは、どちらも、顧客のアナリティクス要件を満たす堅牢な機能を備えています。Power BIは、簡単に導入し、組織の多くの場で使用することができます。しかし、Excelがその強力さにも関わらず企業に使用されない、あるいは企業がExcelでアプリケーションを構築しなかったのには理由があります。
一元化または組み込み/ホワイトラベル化のユースケースには、一般的なBIソリューションとは異なる特定の機能とビジネスモデルの両方が必要であり、Yellowfinはこのようなユースケースに対応するために構築されました。
現代の組織は、2-3個のBIツールを備えているでしょう (さらに多くを備えている企業もありますが、その必要はありません)。結局のところ、Yellowfin BIとPower BIはうまく共存し、それぞれの専門分野で卓越することができます。
Power BIユーザーへの次のステップ: Yellowfinの探索
Yellowfinが既存のPower BIの実装を強化し、進化させる方法や、Microsoftのソリューションとどのように比較されるのかを、無料のデモでご確認いただけます。
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