すべての自然言語クエリ (NLQ) モデルが同じとは限らない
Yellowfinは、ビジネスインテリジェンス (BI) ソリューションは、データアナリストに頼る必要も、データ分析スキルを備える必要もなく、一般のビジネスユーザーにとってアクセス可能で有用であるべきだという信念を常に持っています。
近年BI業界では、データアナリストのニーズをターゲットにした多くのソリューションが提供されていますが、結局のところ、意思決定のためにデータを必要とするが、専門家ではない一般的な「情報消費者」のためのソリューションを構築できていないと感じています。
高度な技術的知識を必要とせず、アナリティクスソリューションの価値をより多くの人々に開放する方法として、セルフサービスアナリティクスや自動アナリティクスは現代の組織で益々求められる能力になってきました。Yellowfinは、まさにこのような理由から、情報消費者のニーズに対応するために、これらのカテゴリー内で以下のような独自のイノベーションを数多く開拓してきました。
ストーリー – Yellowfin ストーリーは、豊富な知識を持つビジネスユーザーが数字の背後にある完全な文脈を提供することを可能にします。pudding.coolやmedium.comといった人気のストーリーテリングサイトに倣い、レポートやビジュアライゼーションをテキストと一緒に組み込み、数字の背後にあるストーリーを提供することができます。ストーリーは、イメージやビデオだけでなく、Power BIやTableauなど他のBIツールのレポートとも組み合わせることができます。ストーリーは、データの塊や複雑なビジュアライゼーションの解釈が困難な情報消費者に最適で、専門家による段階的な説明を受けることができます。
シグナル – Yellowfin シグナルは、関連するデータをスキャンして、ビジネスユーザーにとって重要であると思われるインサイトを探す完全に自動化されたツールです。これには、値の大きな変化、突然の急増や急減、変動の変化など他のパターンが含まれます。シグナルはあらゆるレベルのデータを分析し、複数の日付範囲、複数のディメンション (次元)、ディメンションの組み合わせを、人間のアナリストよりも早く調べることができます。そして何よりも、シグナルは、ユーザーが忙しくてログインできないときでも動作し続け、重要なインサイトを通知してくれます。
ダッシュボードおよびプレゼンテーションキャンバス – Yellowfin ダッシュボードは他のものと異なります。わたしたちは、ダッシュボードは味気なく、文脈に欠けることがあると理解しています。エンゲージメントを生み出し、ユーザーをデータソリューションに引き留めるためには、他のBIツールの制約を取り除き、視覚的に最も魅力的なダッシュボードをデザインするためのツールをデザイナーに提供する必要があると認識しています。プレゼンテーションでは、キャンバス機能を使い慣れたスライドショーのパラダイムに拡張することで、これをさらに推し進めています。これは、忙しい経営陣が最新の数字を段階的に確認するのに最適であり、すべてのシステム内でライブかつ安全に提供されます。
これらの機能に加えて、Yellowfinは、ガイド付きNLQと呼ばれる機能を公開しました。この機能は、複雑なデータに関する質問をするプロセスをできるだけ簡素化することで、BIユーザーのアナリティクスの使用を効率的に後押しすることを目的としています。
自然言語クエリ (NLQ) が答えなのか?
近年、自然言語クエリ (NLQ) 機能が主流となり、現在すべてではないにせよ、ほとんどのBIベンダーがこの機能を提供しています。表面的には、このNLQ機能は多くのアナリティクスソリューションでかなり似ているように見えます (例: 空白の検索バー、ユーザーによる質問の入力など)。結果のデータビジュアライゼーションが答えとして生成され、ユーザーはそれをどのように扱えば良いのかを把握できることが期待されています。
NLQは、(文字通り) 情報消費者の指先にデータを届けるソリューションとして注目されました。Yellowfinは、これらの新しいNLQツールの出現を調査するとともに、NLQツールを提供するいくつかのBIベンダーの顧客に話を聞きました。わたしたちが学んだことは懸念すべきことであり、これらのNLQ機能はいくつかの重要な点で不十分であると考えています。特に、多くのBIツールのアーキテクチャは、設定に時間がかかり、データに精通していないビジネスユーザーには習得や使用が難しく、質問できる内容もかなり限定的でした。
Yellowfin独自のソリューションを構築する際に、これらの主要な欠点に焦点を当て、ガイド付きNLQにより、情報消費者のためのNLQの可能性を最終的に実現することができました。以下では、他のBIベンダーが提供する従来のNLQの限界や、わたしたちがNLQを設計するに至った経緯、そして専門家から初心者まで、YellowfinがあらゆるタイプのBIユーザーを念頭に置いて構築した理由を説明します。
データのセットアップ+ユーザビリティ+クエリの複雑さが鍵
データのセットアップ
Yellowfinは常に、優れたデータ分析は、適切にキュレーションされたデータによって裏付けされる必要があるということに基づいて構築されてきました。つまり、まず品質が良く、構造化されたデータがあると同時に、堅牢で包括的なメタデータモデルを備えている必要があります。
メタデータモデルは、基本的に技術的なレイヤー (データベーステーブル) の上に、使用可能なビジネスレイヤーを提供します。これには、結合などの技術的な複雑さを隠したり、技術用語の上にあるビジネス用語を定義したり、フォーマットやデフォルトの集約、計算式などを事前に定義したりすることが含まれます。Yellowfinでは、データ分析を行う前にこのビューを必ず設定しなければいけないのですが、一度設定すれば、誰でも再利用することができ、データの一貫性と信頼性を確保することができます。
ガイド付きNLQは、このビューの上で直接動作するため、ユーザー側での追加設定は必要ありません。他のBIツールではメタデータレイヤーを使用する必要がないため、NLQを有効にするためのデータ設定のプロセスは、比較的複雑で時間がかかることが多いです。
ユーザビリティ
世の中にあるほとんどの自然言語クエリは、ユーザーに空白のツールバーを表示し、入力を開始するように促します。
このようなユーザーインターフェースは、ユーザーが何を求めているのか、それをどのように表現すればいいのかをある程度把握している場合は構いません。しかし問題は、ユーザーが、特定のNLQがサポートする特定の構文での質問を習得しなくてはいけないことです。Yellowfinの顧客からのフィードバックによると、多くのユーザーにとって、これはBIベンダーが主張するよりもはるかに難しいプロセスであり、多くのユーザーは短期間試してみて、その後に諦めてしまうようです。
YellowfinのNLQソリューションを設計する際には、経験豊富なユーザーが迅速に結果を得るために知っていることを自由に入力できるようにすることと、初心者の段階的なガイダンスを提供する必要性のバランスを取ることに多くの時間を費やしました。その結果、従来のNLQプロセスが完全なガイド付きエクスペリエンスになることを考慮して、入力とポップアップによる提案の独自のバランスを生み出したことから、これをガイド付きNLQと名付けました。
ガイド付きNLQの基本的な質問のタイプは、システムにあらかじめ設定されており、初めて使用するユーザーは、一連の提案によるガイドに従いながら、非常に複雑な質問の作成方法を素早く学ぶことができます。一方、経験豊富なユーザーは、タブキーを使用して部分的に入力した用語を自動補完することで、素早く処理を進めることができます。
クエリの複雑さ
インターフェースを習得したら (ユーザーがまだ諦めていないと仮定した場合)、競合ソリューションにおけるユーザーにとっての次の制限は、質問できる内容の複雑さです。SQLを記述できる人であれば誰でも知っているように、簡単な質問でも非常に複雑なクエリになることがあります。
Yellowfinには既に非常に豊富で複雑なクエリ生成エンジンを備えています。複雑な計算式、サブクエリ、異なるデータソースのクエリ後の結果セットのマージなど、実質的にあらゆるSQLクエリを生成できます。これらはすべて、Yellowfinの豊富なドラッグ&ドロップインターフェースにより実現されます。ガイド付きNLQは2つの方向から設計されています。ひとつは、任意のクエリをプログラムによって自動的に生成できるように、内部APIをクエリーエンジンの上に配置するように設計しました。
同時に、思いつく限りのビジネス上の質問をドキュメント化しました。そして、これらの質問の類似性を分析し、質問タイプにグループ化して、APIにマッピングしました。これにより、競合にはない複雑なクエリを実現することができました。
以下は、ガイド付きNLQで実現できる実際の質問の例で、サポート可能なビジネス上の質問の範囲を示しています。
基本的な質問はすべて網羅:
ディメンション (次元) による単一または複数のメトリック (数値)
- 前四半期 (注文日) のプレミアムカテゴリ別販売数 (合計) を表示する
Show Units Sold(Sum) by Premium Category For Last Quarter (Order Date)
- 前四半期 (注文日) の製品カテゴリー別の販売数 (合計) および販売金額$ (合計) を表示する
ShowUnits Sold (Sum) And Sales Amount $ (Sum) By Product Category For Last Quarter (Order Date)
様々な日付の集約による経時的なメトリック (数値):
- 今年から今日まで (注文日) の注文日別に日ごとの売上金額$ (合計) を表示する
Show Sales Amount $ (Sum) by Order Date in Day For This Year to Date (Order Date)
- 今年から今日まで (注文日) の注文日別に月ごとの売上金額$ (合計) を表示する
Show Sales Amount $ (Sum) by Order Date in Month For This Year to Date (Order Date)
シンプルなものから複雑なものまでのWhere句に対応:
- 製品カテゴリがウィスキーである場合の、今年から今日まで (注文日) の注文日別に日ごとの売上金額$ (合計) を表示する
Show Sales Amount $ (Sum) by Order Date in Day For This Year to Date (Order Date) Where Product Category Is Whiskies
- 製品カテゴリがウィスキーでアカウント名がSαm’s Clubである場合の、今年から今日まで (注文日) の注文日別に日ごとの売上金額$ (合計) を表示する
Show Sales Amount $ (Sum) by Order Date in Day For This Year to Date (Order Date) Where Product Category Is Whiskies and Account Name Is Sam’s Club
複数の柔軟な日付入力方法:
- 2021年第1四半期の注文日別に日ごとの平均値 (平均) の売上金額$ (合計)を表示する
Show Sales Amount $ (Sum) by Order Date in Day highlight averages (Mean) For Q1 2021
計算式をサポート:
- 売上金額$ (合計) ÷ 販売数 (合計) をプレミアムカテゴリ別に表示する
Show Sales Amount $ (Sum) divided by Units Sold (Sum) by Premium Category For All Time
さらに複雑な場合
ランキング:
- 2020年のブランド別ランキング上位5位までの売上金額$ (合計) を表示する
Show Sales Amount $ (Sum) for top 5 ranked Brand by Brand For 2020 (Order Date)
新規のアカウントなどのディメンション (次元) 値を見つける:
- 2020年第1四半期 (注文日) に売上金額$ (合計) がなく、2020年第2四半期 (注文日) にあるアカウント名をリストアップする
List Account Names with no Sales Amount $ (Sum) in Q1 2020 (Order Date) but some q2 2020
あるカテゴリーを他のカテゴリよりも多く販売しているアカウントなどのディメンション (次元) 値を見つける:
- 昨年 (請求日) に北米よりも欧州のツアー地域で利益率 (平均) が高いアカウント名をリストアップする
List Company Names with more Profit Margin (Average) in Camp Regions Europe than North America For Last Year (Invoiced Date)
期間を比較:
- 店舗タイプ別に本会計四半期 (注文日) と最終会計週の売上金額$ (合計) を比較する
Compare Sales Amount $ (Sum) between This Financial Quarter (Order Date) and Last Financial Week by Store Type
単次元または多次元のクロス集計レポートを作成:
- 製品カテゴリー (ロウ (行)) と注文日 (カラム (列) 見出し) の日別売上金額$ (合計) のクロス集計表を作成する
Crosstab Product Categories (Row) by Order Date (Column Header) in Day and Sales Amount (Sum)
これらは、ほとんどのビジネスユーザーが尋ねることができる簡単なビジネス上の質問であるにもかかわらず、ほとんどのBIツールは、このような複雑さをサポートしていません。まずは、Thoughtspot、Tableau、PowerBIのいずれかの競合製品でこれらを試した後に、Yellowfinのガイド付きNLQを試すことで、これらの製品に何が欠けているのかを確認することができます。
でも、少々お待ちください、まだ続きがあります
ガイド付きNLQを設計する際に、わたしたちはソリューションそのものに重点を置きましたが、それが使用される様々な文脈も考慮しました。さらに、ガイド付きNLQをよりシンプルに、より強力に使用できるように、いくつかの機能を追加しています。
こちらがその一例です。
最も関連性の高いデータに集中 – SalesForce.comのデータ分析に慣れている方もいらっしゃるかと思いますが、データモデルが複雑で混乱しやすいことをご存知でしょう。セールスリードデータを理解するために、YellowfinのプロトタイプソリューションをSalesForceでテストした時に、質問をするたびに同じフィルターセットを繰り返し入力しなければならないことに気が付きました。Yellowfinでは、ビューレベルのフィルターグループセット (クエリにドラッグできる定義済みのフィルターセット) を使って、既にこの問題を解決しており、複雑さの解消と、時間の節約を実現しています。これらのフィルターグループは、ガイド付きNLQで再利用可能であり、生成されたクエリにこれらのフィルターを自動的に追加することで、クエリの焦点を絞り込むことができます。
共有 – 発見されたインサイトは、他のユーザーと共有することでより強力になります。Yellowfinは常にコラボレーションを念頭に置いて構築されてきました。ガイド付きNLQで生成されたクエリは、ダッシュボード、プレゼンテーション、ストーリーに直接追加できるほか、高度なレポートビルダーで開くことができ、他のYellowfin コンテンツと同様に、編集、スケジュール設定、他のユーザーとの共有ができます。
組み込み – アナリティクスを組み込むことで、エンドユーザーの直接的なワークフローにアナリティクスが導入され、他のアプリケーションに移動する必要なく、今行っている作業を完了するために必要な情報を確保することができます。Yellowfinには豊富なAPIセットが備えられており、個々のコンテンツアイテム (グラフ、ダッシュボード、ストーリーなど) をサードパーティ製のアプリケーションやウェブサイト、あるいはYellowfin UIの一部や全体に組み込むことができます。ガイド付きNLQも例外ではなく、NLQ検索バーはシンプルな埋め込みリンクを使用することで、アプリケーションに埋め込むことができますし、高度なAPIを使用することで、より細かい制御を実現することもできます。
システムを保護 – IT管理者は、エンドユーザーに無制限の権限を与えることを常に警戒してきました。これにより、エンドユーザーは、企業のデータウェアハウスを崩壊させる (または非常に高額な請求がされる) 可能性のあるクエリを不注意に構築し、実行してしまうかもしれないからです。Yellowfinには、クエリの暴走からユーザーを守るための様々な保護やガードレールが用意されています。これには、データソースやビューの行数制限などシステムレベルのセーフガードだけでなく、デフォルトの日付範囲を定義する機能も含まれます。例えば、データベースに10年分の履歴が含まれているとします。これは誰かが日付期間の指定を忘れて「総売上を表示する」と質問した場合に、スキャンに非常にコストがかかります。Yellowfinでは、デフォルトの日付期間を設定することができ、ユーザーが忘れたとしても、自動的にこれを (例えば「先月分」など) 追加することができます。
基礎が常に最も重要
どのような情報消費ソリューションも、強固な基盤の上に構築される必要があります。きめ細やかなセキュリティ、組み込みのガバナンスツール、監査機能、拡張性、カスタムコンテンツ翻訳のサポートを含む多言語サポートなどはすべて、Yellowfin ソリューションの基盤となる強固なBI基盤の一部です。
これらの基本を考慮して構築されていないNLQソリューションは、データに対する信頼の欠如、IT部門の頭痛の種、望ましくないセキュリティ侵害など、データガバナンスやデータセキュリティの問題を引き起こす可能性があります。
Yellowfin ガイド付きNLQをお試しください
ガイド付きNLQのビジネス上の利点と、アナリストだけでなく、すべてのユーザーに真のセルフサービスBIを提供する方法をご理解いただけます。是非デモをご依頼ください。
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