Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau Ask Data (データに聞く機能): 違いは何か?

Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau Ask Data (データに聞く機能): 違いは何か?

ビジネスインテリジェンス (BI) ソリューションベンダーを選ぶ際には、様々な要素を考慮する必要があります。その中でも重要な比較対象項目は、各ベンダーが提供している自然言語クエリ(NLQ) 機能です。

NLQは、ユーザーがデータに対して複雑な質問をすると、事前に生成されたデータビジュアライゼーションのベストプラクティスという形式で、インサイトに満ちた答えを受け取ることができるため、最新のセルフサービスアナリティクスエクスペリエンスにおける重要な機能として、ますます注目されています。

YellowfinとTableauは、NLQ機能に対してそれぞれ独自のアプローチを市場に提供しています。本ブログでは、Yellowfinと他のNLQ競合製品との違いを取り上げます。


Yellowfin ガイド付きNLQと他社NLQツールの比較まとめ

 

自然言語クエリ: 概要

自然言語クエリ (NLQ) は、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) 技術を活用したアナリティクスツールで、データとの対話方法に革命をもたらしています。

NLQを使用することで、ユーザーはテキストベースの入力で質問をし、平易な文章で回答を受け取ることができるため、コーディング言語や専門用語を使用して基本的または複雑なデータクエリーを記述する必要がなくなり、データへのアクセスやレポートの作成をより簡単に行うことができるようになります。この技術は、ユーザーが質問を作成する際に、関連するインサイトや提案を提供することで、データの傾向を特定したり、データ分析のベストプラクティスに従うことを容易にします。

初心者にとって、自然言語クエリーは、プログラミングやデータアナリティクスツールを技術的に理解する必要なく、データを直感的に操作して必要な情報を迅速に取得しながら、データ分析全体に費やす時間を最小限に抑えることができるため、大きな変革をもたらす可能性があります。NLQは、そのようなツールを活用して、データに対する複雑な質問への回答を迅速に生成し、生成された結果に基づいた構築ができるため、専門家にとっても有益です。

より詳細な情報はこちら: 自然言語クエリ (NLQ) とは?ビジネスで注目される背景から目的・分析への活用を解説

 

Yellowfin ガイド付きNLQとは何か?

ガイド付き自然言語クエリー、またはガイド付きNLQは、完全にガイド付きのセルフサービスアナリティクスレポート作成機能を備えたYellowfin 独自のNLQツールです。

ガイド付きNLQは、機械学習および自動化技術を搭載しており、非技術系ユーザーとデータの専門家の両方に向けて、システムが自動的に生成する事前に構築されたパラメーターに基づいてデータに対する質問を作成する支援をします。そして、データビジュアライゼーションまたはレポートの形式で回答を生成し、さらにそれらを構築したり、カスタムダッシュボードやレポートで使用したりできるようにします。

ガイド付きNLQが他のツールと異なる点は、クエリー実行プロセスが完全にガイドされていることです。システムは、事前に特定のデータクエリーを実行する方法を学習したり、習得したりすることなく、ユーザーがデータに質問する方法を正確に説明することで、従来のデータNLQツールで必要とされる複雑さや技術的専門用語を排除するように設計されています。これは、ユーザーが質問を入力する際に、詳細でガイド付きの提案や推奨を (自動化によって) 動的に提供することで実現されるため、ユーザーはリアルタイムでクエリの改良や変更を行い、必要な回答を簡単に見つけることができます。ガイド付きNLQでは、基本的な質問タイプがシステムにあらかじめ設定されているので、初心者は提案を活用して複雑な質問の作成方法を素早く学ぶことができます。

また、ガイド付きNLQは、ユーザー独自の設定や過去の使用パターンなどの文脈情報を活用することで、ユーザーが質問を入力する際に、パーソナライズされた推奨事項を提案します。これにより、データクエリプロセスがさらに合理化され、結果の精度が向上します。

つまり、ガイド付きNLQは、ユーザーのデータとの対話方法を変革する強力なツールです。ユーザーが自然言語の力を利用できるようにすることで、この技術は、あらゆる規模の企業にとってデータ分析をよりアクセスしやすく、直感的で、効率的なものにします。ガイド付きNLQにより、Yellowfinはすべてのユーザーのためのデータ分析を民主化し、より多くの人々がデータドリブンな意思決定を行えるよう支援することを目指しています。

より詳細な情報はこちら: Yellowfin ガイド付きNLQの紹介:ガイド付きNLQとは?

 

Tableau Ask Data (データに聞く機能) とは何か?

データに聞く機能は、ユーザーが自然言語を使用して質問し、インタラクティブなビジュアライゼーションの形式で回答を得ることができる、Tableau 独自のNLQツールです。ガイド付きNLQと同様に、データを探索したいが、基礎となるデータ構造についての予備知識や自然言語クエリがどのように機能するのかについて経験がないビジネスユーザーを対象としたツールです。

データに聞く機能は、機械学習 (ML) を使用して、ユーザーの意図や質問の文脈を理解し、最も関連性の高いビジュアライゼーションを自動的に構築して推奨します。これは、グラフタイプを変更するなどのいくつかの小さな構成で構築することが可能です。また、既存のビジュアライゼーションやデータソースを変更したり、複数のデータセットのデータソースを結合したりするためにも使用できます。

より詳細な情報はこちら: YellowfinがTableauを補完してアナリティクスユースケースを拡大する方法

 

Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau: セットアップ

ガイド付きNLQとデータに聞く機能を使用するために必要なセットアップには、いくつかの重要な違いがあります。

 

Yellowfin NLQ セットアッププロセス

Yellowfinでは、例えば、レポートや自然言語クエリなどのコンテンツを作成する前に、必ずビューの作成が必要です。Yellowfin ビューは、ソース接続 (データの送信元) とレポートビルダー (レポート) の間に位置するメタデータレイヤーです。

このレイヤーには、計算フィールド、データ書式、結合条件、テーブル構造など、レポートの作成元になるデータに関するすべての必要な情報が含まれており、ユーザーがレポートの作成を開始するために必要なフィールドおよびロジックを指定しています。これは、テーブル間の関係とロジックを定義し、レポート作成者がアクセスするフィールドを特定して、これらのフィールドにデフォルトの書式を指定します。レポート作成者は、基礎となる技術的ロジックを理解する必要なく、ビューで定義された関係とフィールドを使用して、レポートのベースとします。

Yellowfinは、データは堅牢で包括的なメタデータモデルに支えられた良質な構造でなければならないという哲学に基づいて構築されており、これはガイド付きNLQの仕組みにも及んでいます。ビューは、ユーザーがデータ分析を行う前に構成しなくてはならない必須のステップであるため、データの一貫性と信頼性を確保し、すべてのユーザーが再利用することができます。

一度セットアップすれば、ユーザーは理解できるかどうか分からないメタデータレイヤーの構成に煩わされることなく (また、その必要もなく)、すぐにデータに対してクエリを実行することができます。他のBIツールでは、メタデータレイヤーを使用する必要がないため、NLQを有効にするためのデータのセットアッププロセスはより複雑で時間がかかる場合があります。

 

Tableau NLQ セットアッププロセス

Tableauでは、メタデータレイヤーの構成は他の機能ではオプションですが、データに聞く機能を使用する場合は必須になります。Tableau Authorは、ユーザーがデータに聞く機能でデータソースに対してクエリーを実行できるようにするために、あらかじめLens (レンズ) を構成する必要があります。レンズはYellowfinのビューのようなものであり、特定のユーザーや質問に関連するデータの主題領域です。データに聞く機能のレンズには、対象者の職務に関連するフィールド名や値の同義語、推奨されるビジュアライゼーションなどが含まれます。

ユーザーがデータに聞く機能 ツールでクエリを実行する前に、各データセットに対して手動でレンズが設定されていない場合、データに聞く機能を使用するためにレンズを作成するよう促されます。ユーザーは分析を始める前に、自らレンズの設定を進め、検索フィールドの一覧を選択することができます。

Tableauは、データに聞く機能がビジネスユーザーにとって効果的に機能し、彼らの質問に答え始め、初心者が自然に使用できるように、データアナリストが事前にデータソースを十分にキュレーションすることを推奨しています

 

Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau: ユーザーインターフェース

ほとんどの自然言語クエリは、ユーザーに空白のツールバーを表示し、(質問の) 入力を開始するように促します。このユーザーインターフェースの課題は、アナリティクスユーザーが何を探しているのか、データの質問をどのように表現すればいいのか、NLQツールがサポートしているどの構文を使用すればいいのか分からない場合、ツールをどのように使用すればよいのか分からず、これを完全に利用しなくなる可能性があることです。ガイド付きNLQとTableauは、このユーザーエクスペリエンスの課題に異なる方法でアプローチしています。

 

Yellowfin NLQ ユーザーエクスペリエンス

ガイド付きNLQは、初心者に段階的なガイダンスを提供し、経験豊富なユーザーには、自分が知っていることを自由に入力できるようにしました。すべてのユーザーが質問を入力し、動的なポップアップ提案を受けることで、求められている答えに適したタイプの質問を構成するための完全にガイド付きのエクスペリエンスを得ることができます。

ユーザーが何かを入力する前に、ガイド付きNLQのユーザーインターフェースは、ドロップダウンメニューの形式で、ユーザーが尋ねたい質問タイプの候補をすぐに提示します。ユーザーが質問を入力し始めると、選択する可能性のあるフィールドにすぐにロックされる自動補完の候補が表示されます。つまり、ガイド付きNLQは、同義語や推測の意図をトレーニングする必要がなく、エンジンがメタデータレイヤー (クエリが発行されるYellowfin ビュー) から引き出すため、毎回正しく取得されます。

文脈的ガイダンスメニューが質問作成の各ステップで表示され、質問が不完全に見える場合 (例えば、ユーザーがクエリを実行したいデータの期間を指定していない場合)に、何に注意すべきかのヒントを提供する追加ボタンもあります。基本的な質問タイプはシステムにあらかじめ設定されているため、初めて使用するユーザーは、一連の提案を簡単にナビゲートして複雑な質問を素早く作成する方法を学ぶことができ、上級ユーザーは、タブキーを使用して部分的に入力された用語を自動補完することができます。

ガイド付きNLQでクエリが構築されると、ユーザーには、グラフまたはチャートなどのデータビジュアライゼーションとして答えが提示されます (表形式で表示するように変更することも可能)。ユーザーはいつでも質問の編集に戻ることができ、新しい答えを素早く得るためにクエリーを削除または変更したり、新しい質問をしたり、ビジネスデータの異なる領域について質問するためにデータビューを変更したりできます。そして、これらはすべてUIを離れることなく実行できます。

生成されたすべての回答は、ワンクリックでそのまま新しいレポートに取り込んで、高度なレポートビルダー (専門家に最適) で探索を続けたり、既存のコンテンツ (ダッシュボード、ストーリー、プレゼンテーション) に追加したり、後で使用するために保存したりすることができます。

 

Tableau NLQ ユーザーエクスペリエンス

データに聞く機能のユーザーインターフェースは、ユーザーが入力する標準的な質問バーであり、質問バーからドロップダウンメニューとして動的に候補が生成されます。さらに、質問バーの下にはより多くの提案が生成され、ユーザーはそれをクリックすることができます。これらは、質問構文に追加されます。ユーザーがクエリの認識可能な断片を入力すると、Tableauはそれを質問バーの上にあるフィールドとフィルター (入力した内容に対するTableauによる解釈) に分割された領域に追加します。

余分な単語は取り除かれ、クエリの要素だけが上のセクションに残ります。上段の+ボタンをクリックすることで、フィールドやフィルターを追加することができ、UIを利用してクエリーを構築することができます。また、ドロップダウンメニューを使用してビジュアライゼーションの種類を変更することができます。

フィールドやフィルターをクリックすると、ドロップダウンが表示され、メトリック (数値) の集約タイプの変更、フィルター値やフィルター定義 (範囲、日付期間、ワイルドカード) の変更など、修正を加えることができます。

ユーザーがデータに聞く機能に質問を入力する前にレンズが構成されていない場合、ユーザーはTableauから「データに聞く機能を使用するためのレンズを作成する」よう促されます。この場合、データセットに対してクエリーを実行する前にデータソース (レンズ) を手動で構成する必要があり、この摩擦なしではデータのニーズに即座に対応できないユーザー (データ分析の経験があるかどうかに関わらず) にデータソース所有者の役割が押し付けられるという課題があります。

ユーザーが新しいレンズを作成する場合、別のウィンドウに移動し、クエリの実行やさらなる分析を進める前に、フィールドを選択する必要があります。ユーザーが特定の質問を入力するとページが更新され、クエリに答えるためのビジュアライゼーションと、ユーザーが見ているものを説明するための推奨アイテムの一覧が表示されます。しかし、元の質問で使用された自然言語は削除され、ユーザーは生成された結果に対するTableauの説明をより理解するために、データに聞く機能からの提案を探索することになります。

 

Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau: 質問の複雑さ

ユーザーインターフェースの次に、自然言語クエリーソリューションのユーザーにとって、最も難しい要因は、尋ねることのできる質問の複雑さです。SQLを記述する人はよくご存知だと思いますが、簡単な質問でも非常に複雑なクエリーになることがあります。

 

Yellowfin NLQ 質問の構築

ガイド付きNLQは豊富なクエリ生成エンジンを備えており、複雑な計算、サブクエリ、異なる種類のデータソースのクエリー後の結果セットのマージなど、ほぼすべてのSQLクエリを生成することが可能です。Yellowfinのドラッグ&ドロップインターフェースは、クエリ構築の複雑さを表現することで、より幅広いアナリティクスユーザーがアクセスし、使用できるようにします。

ガイド付きNLQは、クエリエンジンの上に内部APIを搭載しているので、どんなクエリもプログラムで自動生成することができます。多くのビジネス上の質問を質問タイプで分類し、このAPIにマッピングすることで、現在競合が追随できない複雑なクエリを実現することができます。Yellowfinがサポートする質問タイプの全一覧は、こちらのブログでご確認いただけます。

 

Tableau NLQ 質問の構築

データに聞く機能は、集約 (標準 – 平均、最小、最大、合計、個数など)、(キーワードによる) グループ化、ソートとフィルタリング (数値 – 最小、最大、間、カテゴリー、日付など)、時間フィルタリング (前、後、次、間、開始時、終了時など) を含む、様々な質問フレーズをサポートしています。

データに聞く機能では、前月比や前年比のキーワードを使用して、時間経過による差分を比較することができ、これらのキーワードは自動的に差分や差分率の計算を作成します。また、データに聞く機能のクエリ検索ボックスに数式を直接入力することで、簡単な算術計算を行うことができます。

 

Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau: 共有

ガイド付きNLQは、ダッシュボード、レポート、ストーリー、プレゼンテーション、作成メニューなど、Yellowfin プラットフォームのどこからでもアクセスすることができます。ガイド付きNLQで生成されたクエリは、これらのコンテンツタイプに直接追加できるほか、高度なレポートビルダーで開き、他のYellowfin コンテンツと同様に扱うことができるため、修正、スケジュール設定、他のユーザーとの共有が可能です。

データに聞く機能では、ユーザーはいつでもエンターキーを押して「viz (ビジュアライゼーション)」を作成し、共有ボタンをクリックすることで、メールやSlackで共有したり、共有可能なURLをコピーしたりすることができます。データに聞く機能で作成したVizは、保存ボタンを使用することでワークブックに保存できます。

 

Yellowfin ガイド付きNLQ 対 Tableau: 組み込み可能性

組み込みアナリティクスは、エンドユーザーの直接的なワークフローにアナリティクスを統合し、関連情報を得るためだけに別のアプリケーションウィンドウに移動する必要なく、意思決定や作業の完了に必要な文脈的データを提供します。

YellowfinにはAPIがあり、ダッシュボードやレポートなどの個々のコンテンツをサードパーティ製アプリケーションやウェブサイト、Yellowfin ユーザーインターフェースの一部や全体に埋め込むことが可能です。ガイド付きNLQの検索バーは、他のコンテンツタイプと同様に、既存のアプリケーションにシンプルな埋め込みリンクを実装することで埋め込むことができますし、高度なAPIを実装することでより細かい制御を行うことができます。

Tableauでは、データに聞く機能で完成したVizの横に埋め込みコードのアイコンを用意しています。ユーザーはこのコードをウェブページに埋め込むことで、データに聞く機能を起動することができます。ただし、質問は読み込まれません。ユーザーは、Tabelauで行うようにデータに聞く機能と対話する必要があります。

 

Yellowfin 対 Tableau NLQ 比較: まとめ

YellowfinとTableauの両方が洗練された自然言語クエリーツールを提供し、NLQをセルフサービスアナリティクスワークモデルに統合するために異なるアプローチを取っていることは明らかです。

Yellowfinのガイド付きNLQツールは、上級ユーザーにとって有用であると同時に、初心者にもアクセスできるようにゼロから構築されており、メタデータレイヤーを使用することで、質問を始める前にユーザー側で必要とされるデータセットの広範なキュレーションを必要とせずに、データセットへのクエリの設定とユーザーエクスペリエンスを、双方にとって可能な限りシームレスにします。多くの基本的な質問タイプは、システムにあらかじめ設定されています。

データに聞く機能は、ユーザーがデータに対してクエリーを実行する前に、Tableau Authorによるレンズのセットアップが必要になるため、Tableau プラットフォーム内で初心者向けのセルフサービスBIツールを求めるユーザーにとっては障害になる可能性があります。さらに、UIの一部は、ユーザーがデータに対してクエリーを実行するアナリティクスワークフローを中断してしまうため、ユーザーが日常的なインサイト検索をデータに聞く機能に依存することを学んでもらいたい企業にとっては不利になる場合があるかもしれません。

これらのツールは進化を続け、NLQの技術も進歩しているため、本ブログは定期的に更新し、変更を反映する予定です。

 

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