集中管理型アナリティクスとセルフサービスアナリティクス: その違いは?

集中管理型アナリティクスとセルフサービスアナリティクス: その違いは?

データはこれまで、ほとんどの企業においてごく一部の人の手に委ねられてきました。

ビジネスインテリジェンス (BI) ソリューションは、ここ数年で劇的に進化し、より洗練されただけでなく、一般的なプロフェッショナルがアナリティクスツールを使用し、意思決定に必要なインサイトを得ることがよりシンプルで身近なものになりました。

最新のBIソリューションでは、レポート作成を依頼する度にIT部門に出向くのではなく、合理的なユーザーエクスペリエンスを通して、あらゆるスキルレベルのユーザーが、データの探索や分析を行うことができます。

その後、アナリティクスに対する2つのアプローチが登場しました。IT部門がBIを管理する集中管理型と、各ユーザーにアナリティクスの能力を提供するセルフサービスBIモデルです。

それでは、この2つのアプローチにはどのような違いがあり、どちらが優れているのでしょうか。その答えはそれぞれのビジネスケースに応じて異なりますが、まずはその違いを理解することが重要です。

 

集中管理型アナリティクスアプローチとは何か?

集中管理型アナリティクスは、従来のビジネスインテリジェンスとも呼ばれ、組織のIT部門や社内のデータ専門家が管理するBIのモデルです。レポート作成、データ準備、保存や分析、インサイトの共有プロセスは、一部のユーザーによって完全に制御されています。

つまり、集中管理型アナリティクスアプローチでは、一般的なビジネスユーザーは、重要なデータへのアクセス、ダッシュボードやレポートの作成、クエリーの実行、意思決定のためのインサイトの説明などが必要な場合は、IT部門や社内アナリストのところに出向かなくてはいけません。

集中管理型アナリティクスのレポート作成スタイルは、一般的にパラメーター駆動型のダッシュボードやレポートと定義され、(全体像ではなく) ユーザーが最も必要とする分野の粒度の細かいデータを提供し、ユーザーが短期的に迅速にアクションを起こせるようにサポートします。レポートやダッシュボードは、まずユーザーが依頼をし、次にIT部門が承認・準備をしてから、データを必要とする人々のために構築・共有されなくてはいけません。つまり、分析を含むアナリティクスワークフローは、インサイトを求めるユーザーではなく、技術部門に依存しています。

集中管理型BIは、規制遵守のレポート作成や週次でのセールスリード追跡など、日々の業務報告が大きな要件となるビジネスケースでよく利用されます。また、ユーザーが利用できるデータセットを厳密に管理し、組織が吟味した正確で関連性の高いデータのみを使用・共有できるようにしたい場合にも有効です。

 

集中管理型アナリティクスアプローチはどのようにして始まったのか?

従来のアナリティクスツールは複雑なため、BIソリューションを利用できるのは、一般的に、アナリストやデータサイエンティスト、IT部門担当者だけでした。

データウェアハウスにデータを抽出、変換、ロード (ETL) したり、データを分析する前にSQLクエリを記述してレポートを作成したりするには特定の専門知識が必要なため、専門家ではない人々がデータの分析やレポートの作成を開始するには、多くのトレーニングが必要とされていました。現在では、これらのプロセスの多くは自動化されていますが、レガシーツールには未だにこのような合理性が欠けていることが多く、IT部門や技術開発者が管理を余儀なくされていました。

従来、ほとんどのBIツールは、技術に精通したユーザーが使用できるように設計されていましたが、ダッシュボード、データビジュアライゼーション、データストーリーを使用してデータを視覚的に探索することは、ビジネス部門のユーザーに大きな利益をもたらすという事実があります。

BIベンダーがドラッグ&ドロップのインターフェース、使いやすいデザインのダッシュボードキャンバス、自動化されたワンクリック分析機能などでユーザーエクスペリエンスを合理化し、より多くの人々に製品を展開するにつれて、徐々にこの状況は変わりつつありますが、現在でもエンタープライズや中小企業の間では、集中管理型アナリティクスが顕著です。

より詳細な情報はこちら: ビジネスインテリジェンス (BI) プラットフォームの歴史と進化

 

集中管理型アナリティクスの長所と短所は?

集中管理型アナリティクスには一定の利点がありますが、同時にいくつかの制限もあります。

データを厳密に管理し、適切なIT部門担当者とアナリストがそれを管理することで、厳格なデータセキュリティデータガバナンスの実践を保証し、ユーザーが詳細な回答を求めるデータの設計、書式設定、品質、正確性を容易に確保することができます。

集中管理型アナリティクスにより、組織は拡張可能で標準化されたレポート作成プロセスを提供し、ユーザーがビジネス上の質問に対するデータに基づいた回答を確実に得られるようになります。これらの質問は一般的に、「過去に何が起きたのか?」や、「今何が起きているのか?」などになるでしょう。

しかし、社内のITリソースが手薄な場合、集中管理型アナリティクスが適切でない場合があります。ビジネスデータは日々成長を続けているため、IT部門がデータの準備に手間取り、ユーザーが求めるレポートやクエリーをタイムリーに提供できない場合や、ビジネス部門のユーザーが自分たちで積極的にデータを探索できるよう、よりアクセスしやすいツールを要求する場合は、新しいBIオプションを検討する時期に来ているのかもしれません。

そうでなければ、ユーザーはデータなしに意思決定を行うか、検証されていない他のアナリティクスツールを使用し始めるかもしれません。

もし、ユーザーが咄嗟の疑問に対する答えを自分で見つける能力を求めているとしたら、それはユーザーが集中管理型BIから脱却したいと考えている良い兆しです。

集中管理型アナリティクスは、技術部門に問題を引き起こす可能性もあります。IT部門が常にユーザーからのレポートやダッシュボードの依頼に対応し続けなくてはいけない場合、彼らがビジネスの他の重要な分野に集中する時間が少なくなってしまうでしょう。

かつて集中管理型アナリティクスはBIの唯一のアプローチでしたが、ソフトウェアベンダーは、ビジネス部門のユーザーがよりアクセスしやすいだけでなく、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズしたアナリティクスソリューションを構築し、提供するようになりました。この新しいアプローチは、セルフサービスアナリティクス、またはセルフサービスBIと呼ばれています。

 

セルフサービスアナリティクスアプローチとは何か?

セルフサービスアナリティクスとは何か、またセルフサービスアナリティクスに備えるための重要なステップについては、以前のブログで詳しく取り上げましたが、あまり馴染みのない方々のために簡潔にお伝えすると、これは基本的に、技術的なノウハウを持つ人だけでなく、誰もがデータを民主化できるツールに焦点を当てたビジネスインテリジェンスとアナリティクスの最新のアプローチです。

 

セルフサービスアナリティクスアプローチはどのようにして始まったのか?

個人がデータを探索し、分析できるようにするためのパラダイムシフトは、組織におけるBIとアナリティクスの役割に関する考え方の重要な変化から始まりました。

IT部門がユーザーのためにダッシュボードやレポートを作成するプロセスは、ユーザーが提示されたデータの内容を理解し、IT部門から説明を受けた後に何をすべきかを把握しているという期待や前提に大きく依存しがちです。

日常的な機能や業務上の必要性 (コンプライアンス、セールス追跡など) を超える情報ニーズに対する集中管理型BIは、ほとんどの組織のユースケースにおいて、ビジネスプロフェッショナルがIT部門に要求するデータやインサイトを真に評価し、利用することを保証するには十分ではありません。

しかし、ユーザーが自由にデータを探索できるようにする場合にも課題がありました。トレーニングを受けたことのないプロフェッショナルが、インサイトを必要とするときに、このような高度な分析をどのように活用すればよいのでしょうか。トレーニングなしにデータトランスフォーメーション、データ準備、クエリー実行の複雑な作業をどのようにこなせばよいでしょうか。これにより、アナリティクスベンダーは、アナリスト向けではなく、使用者向けにツールを再構築し、再形成する必要がありました。この動きは、拡張ユーザーと呼ばれています。

自動化、人工知能 (AI)、機械学習 (ML)、自然言語クエリ (NLQ) などの拡張アナリティクス技術の統合により、BIソリューションがますます高度化する中、ベンダーはこれらの強力なツールを活用してアナリティクスプロセスを合理化し、BIツールを多くの人々に解放して、データの複雑性に制限されるのではなく、データドリブンな使用者になれると認識しました。

 

セルフサービスアナリティクスの長所と短所は?

セルフサービスアナリティクスは、一般的な組織に膨大なメリットをもたらしますが、その詳細については、以前のブログ「セルフサービスアナリティクス: 5つの主要なメリットと改善点」にて取り上げています。また、これには比較的少ないですが短所も存在します。

セルフサービスBIツールを採用する企業が考慮すべき重要な点のひとつが、ユーザーからの適切な支持 (例: データ文化の確立) を得ることであり、そのためには、これらのツールが日々のビジネスワークフローにもたらす価値と能力について適切な教育を行うことが必要です。そうでなければ、新しくBIソリューションを導入しても、十分に活用されなかったり、誤用されたりする可能性があります。

Yellowfinは、すべてのユーザーにセルフサービスBIのエクスペリエンスを提供することに焦点を置いています。そのプラットフォームは、高度なAI、自動化、機械学習、自然言語技術を活用し、データの専門家やビジネスユーザーがデータインサイトを生成し、使用して、共有できるようにすることで、組織全体にわたるデータドリブンな分析や意思決定の解放を支援します。

Yellowfinは、3つの重要な分析機能を提供することで、セルフサービスBIの理想を実現し、それぞれが異なるレベルのユーザーと独自のアナリティクスニーズに合わせて調整されています。

  1. ビジネスユーザー (使用者) 向け: ガイド付き自然言語クエリー (ガイド付きNLQ)
  2. アナリティクス中級者 (探究者) 向け: 自動インサイトおよびクイックグラフ
  3. データアナリスト (専門家) 向け: 高度なレポートビルダーおよびYellowfin シグナル

これらの機能はすべてYellowfin BI製品に独自のもので、拡張使用者が今すぐにセルフサービスアナリティクスで達成できる強力な成果を提供するために継続的に更新および改良されています。

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