データを可視化するメリットとおすすめ無料ツールの紹介
- データを可視化するとはどういうことか
- データを可視化するために利用するBIツールとは何か
- 無料のBIツールでおすすめは何か
近年ビッグデータの解析ツールとしてビジネスインテリジェンスを略して「BIツール」に注目が集まっています。
BIツールは今までにないデータの掛け合わせを解析することで、企業が発見できなかった課題や新しい事業展開を探し出して解決に導いてくれるツールとして重宝されています。
本項ではデータを可視化することの意味や、BIツールについてなどのまずは基本事項を解説しその上でおすすめできる無料のBIツールをお伝えします。
データの可視化を可能にするには
まず初めに、データの可視化を可能にするBIツールについて以下の点にしぼって基礎知識を紹介します。
- データの可視化とは?
- BIツールを使ってデータを可視化するメリット
それでは一つずつ解説します。
データを可視化するとは?
データを可視化するとは、膨大な数値のデータをグラフやイラストなどを使って瞬時に判断できる形にし、数字から見えてくる情報を理解するにあたって助けになることを言います。
同じ意味で使われる言葉として「見える化」があります。
数字が羅列してある状態をただ見るだけでは、数字どうしの関係性や他の数字と掛け合わせたときに出てくるデータのイメージを起こすための分析に時間がかかります。
ビジネスにおいて例えば経営戦略で使うような膨大な数値データであればさらに複雑です。
数値データから傾向などが理解できるようにすることがデータ可視化と言えます。
BIツールを使ってデータを可視化するメリット
データ可視化にBIツールを導入する際の課題としては、まずデータの管理とそのバックアップが膨大であることから、保管の費用が増大することが挙げられます。
また、目的を明確にした上でデータの抽出を行わないと得たい分析結果のための必要なデータを見失い、ただ膨大なデータの中から数値を組み合わせてみるだけで莫大な時間を要してしまいます。
他にもBIツールは使いこなせていないと意味がなくなってしまうため、統計を出せる人材を育成することも必要になってきます。
そして、顧客における様々なデータを分析することでより顧客の深層ニーズに近づくことが可能になりますが、同時に顧客がプライバシーが侵害されていると感じてしまう可能性があるため、十分な配慮をすることも重要です。
関連記事:BIツールを総まとめ!概要や機能からメリット・デメリットまでプロが徹底解
BIツールを活用してデータを可視化する際のポイント
BIツールを活用してデータを可視化する際のポイントは以下の3点です。
- 直感的にわかる表現
- グラフを使い分ける
- グラフィックを有効活用する
それでは、それぞれ解説します。
直感的にわかる表現
BIツールを活用してデータを可視化する際のポイントの1つ目は、直感的にわかる表現をすることです。
データの基本的な「見せ方」の話で、例えばグラフの中で目立たせたい結果についてはわかりやすくハイライトして他の数値をグレーで表現したりなど色で視覚的に訴えたり、大きな面積を示して割合を出す、などの表現方法があります。
直感的にデータが表したいことがわかれば、迅速な判断につながります。
データをただ可視化することはエクセルでもできますが、企業に蓄積したビッグデータの解析に対応し、目的に合わせて自動的にわかりやすい表現方法で解析結果を出してくれる機能はBIツールの特徴といってもいいでしょう。
グラフを使い分ける
BIツールを活用してデータを可視化する際のポイントの2つ目は、グラフを使い分けることです。
データを可視化する際の使い分けに活用できるグラフは以下の通りです。
- 棒グラフ
- 折れ線グラフ
- レーダーチャートグラフ
- 円グラフ
- ヒートマップ
- 積み上げグラフ
一つずつ解説していきます。
棒グラフ
棒グラフは、月毎の売上など同じ情報を並べて見せるのに適しています。何が伸びていて何が下がっているかが一目見てわかるのが特徴です。
売上結果や実件数を比較する際に利用できます。
折れ線グラフ
折れ線グラフは、データの時系列に則した変遷を表すのを得意としています。売上の推移やや顧客数の推移の表現に利用されます。
ビジネスにおいては棒グラフとセットで時系列に沿った売上を見せる場合に使われます。
レーダーチャートグラフ
レーダーチャートはに5種類以上のデータを分析する場合に利用され五角形の図で表されます。
個人のパーソナリティの診断結果や、5段階評価を行うことに適しています。
ビジネスの場合、品質の評価に利用されます。
円グラフ
円グラフは円そのものを全体として表現し、その中で占める割合を表したグラフです。
面積により割合の大小が表現できますが、比較には向いておらず構成する要素や比率を表現することに適しています。
ヒートマップ
ヒートマップは気温を表現する時によく使われ、の濃淡によって表します。
インパクトがある表現が可能ですが、ビジネスシーンで多用するのはおすすめできずよりシンプルな表現を用いることをおすすめします。
積み上げグラフ
円グラフと同様に構成を見る場合に利用されますが、円グラフよりも複数の構成を比較し表現することができます。
また円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフをひとつにまとめて表現することも可能です。
グラフィックを有効活用する
BIツールを活用してデータを可視化する際のポイントの3つ目は、グラフィックを有効活用することです。
対象者にデータを理解してもらうためにもグラフィックは有効です。
情報をわかりやすく簡潔に説明したい場合に使用され、代表的なものとして道路標識や地図や路線図などがあり、私たちの生活に密着したデータの可視化と言えます。
見る人により強い印象を残したい場合に使われています。
無料で使えるBIツールでデータを可視化しよう
無料でBIツールを使う場合におすすめなのは以下の6つです。
- Pentaho
- Qlik Sense
- Microsoft Power BI
- Google Data Studio
- Metabase
それぞれご紹介します。
Pentaho
先端技術が迅速に取り入れられるのが特徴でデータ統合やデータマイニングやレポーティングなどの機能が充実しています。
基本的にはプロフェッショナル向けであるためプログラミングの知識がないと難しいというのも特徴的です。
しかし、サポートが英語のみとなっているのは少し残念です。
Qlik Sense
アメリカでデータ分析のリーディングカンパニーとして知られているQlik社のBIツールです。
連想技術というデータ同士の関連付けを自動で行い課題や解決策を見つけてくれる、という特徴があります。
他のBIツールにはない技術を搭載している点が最大の強みです
このような強みから、「ボルボ」「ペイパル」「エアバス」というグローバル企業が導入しています。
Microsoft Power BI
マイクロソフトが開発したBIツールで、実際マイクロソフト社の中ではoutlookよりも利用頻度が高いと言われています。
ビジネスシーンで使い慣れてきた同社のExcelのような感覚でデータ分析をし、PowerPointのようなレポート作成が可能です。
しかし無料版では1G/1人と容量が少なく、データを共同編集することができないのが難点です。
Google Data Studio
以前は「Googleデータスタジオ」という名前だったもので、様々なデータを1つのダッシュボードで可視化して分析が可能なBIツールです。
簡単に操作ができ見やすく質の高いレポート作成ができ、GoogleDriveで共有できることも大きな特徴です。
ただし印刷機能がないためWeb上でしかデータを閲覧することができません。
Metabase
MetabaseはJavaで開発されたアプリケーションで、分析機能は低いのですが、データをわかりやすい状態にしてくれます。
インストールが簡単で、日本語対応もしているので分析機能が進化すれば活用できるデータ可視化ツールと言えます。
まとめ
本記事では、データ可視化に力を入れていく企業の担当者に向けて、データの可視化とは?やBIツールについての基本的事項を解説し無料で使えるBIツールもご紹介しました。
データの可視化のためにBIツールを導入するポイントとして、まずはデータをどのように利用したいのか、何のためにデータを可視化するのか、といった目的を明らかにすることが重要です。
データ可視化のためにBIツールを経営戦略に取り入れることで、見えていなかった課題に対しての解決策が簡単に導き出せ、自社の商品の売り上げをアップさせることも期待できます。
BIツールで可視化されたデータを元に迅速な経営判断を行い引き続き企業を成長させていきましょう。