小さな分析プロジェクトがもたらす大きな価値
St. LukesHealthの自動化への対応
民間の健康保険会社の事例を紹介します。この中でわたしが感心した点は、スピード感とシンプルさです。St. LukesHealthの分析と自動化に関する事例からは、BIは大規模で複雑である必要はないという認識を改めて再確認することになりました。小規模でも、目的に即したプロジェクトは、同様に素晴らしい価値をもたらすことができます。
タスマニアを基盤とするSt. LukesHealthは、62,000人以上の会員に抱える非営利の健康保険会社です。過去数年に渡り、数多くの顧客満足を獲得し、会員数は増加を続けています。ビジネスは順風満帆ですが、これは同時に手作業のプロセスの自動化と改善を迫られる状況も生み出していました。
今年の始め、St. LukesHealthシニアアナリストのMatthew Ransonと、会員サービス責任者のLuke Cameronは、給与グループ送金の照合作業を行う、組織の熟練スタッフの無駄な作業への負荷を軽減するため、そのプロセスを自動化する決断をしました。
給与グループは、企業の従業員が健康保険に加入し、給与控除による保険料の支払いを選択することで作成されます。企業の会計担当者は、従業員の賃金から保険料を控除し、ファンドの銀行口座に預金をして、給与番号、会員名、番号、拠出金などの送金通知を、St. LukesHealthに送付します。
口座への着金を確認すると、St. LukesHealthの会員サービスチームは、雇用主が提供した情報と、彼ら独自の保険業務ソフトウェアシステムであるHAMBS内の支払い情報を照合します。これまで、この照合作業は、雇用主が提供したPDFファイルとシステム画面上のデータを、スタッフが目視確認することで行っていました。これは間違いなく、面倒な作業です。
ETLとYellowfinでプロセスを再デザイン
MatthewとLuke、会員サービスチームは、PrometheusのETLツールとYellowfinのプラットフォームを使用して、データ操作とレポート作成のプロセスを再デザインしました。
彼らのソリューションは非常にシンプルです。現在St. LukesHealthでは、既存のPDFファイルに代わり、雇用主が作成したCSVファイルを受け取ります。これにより、データの操作とソースCSVファイルへの挿入が容易になりました。その後、システムが雇用主番号、給与番号、金額を照合します。新しくデザインされた画面では、左側にグループIDによりフィルターが適用された会員データを、右側に雇用主データを表示します。そして、Yellowfinの条件付書式が、一致しない支払いの識別と強調をサポートします。
これは非常にシンプルですが、効果的なソリューションであり、給与グループの処理時間を削減し、効率を25%向上させました。また、導入から運用の開始まで、わずか2ヶ月という短さで完了させることに成功しています。
小規模なプロジェクトが提供する大きな価値
大規模なBI導入事例が脚光を浴びる機会が多いですが、小規模な分析プロジェクトも、同様に大きな価値を提供できることを忘れてはいけません。プロセスの自動化に注力したSt. LukesHealthのプロジェクトは、成長する会員数に、すばらしいサービスの提供を可能にしました。これは、膨大な時間を要していためんどうな作業をスピードアップし、簡潔にすることで、スタッフのモチベーションを改善し、定量化可能な効率を提供することで、ビジネス分析の価値を確信する結果を導きました。60日間のプロジェクトの成果としては、上出来です。
St. LukesHealthの事例の詳細は、こちらからご確認ください。