Part2:機械学習、AI、自動化がAIアダプションの障壁を打ち破る方法
本ブログシリーズPart1でご覧いただいたように、77%の企業がアナリティクスはその本質的な価値を「まったく発揮していない」、または「恐らく発揮していない」と回答していて、アナリティクスプラットフォームのアダプション率も32%と極端に低いため、抜本的な対策を実施する必要があります。機械学習とAIによる拡張アナリティクスの時代は、このアダプションの課題を解決できるでしょうか。そのためには、現在のビジネスがどのようにして、アナリティクスの今日の状態に辿り着いたのかを理解する必要があります。拡張アナリティクスが本当にその答えであるかどうかを知るためには、アナリティクスの各時代の長所と短所を理解しなくてはいけません。
拡張アナリティクスの時代への道のり
1985 – 2005:IT専門家のツール
BIは、使用するのが非常に複雑で、選りすぐられた高額のITツールとして始まりました。その複雑さと柔軟性の欠如から、インサイトが明らかになるまで数週間を要し、その作業はIT専門家にのみ限られていました。これはまた、データやインサイトにはほとんどアクセスできず、ビジネスの意思決定にデータを利用できたのは、ごく少数の人々だけであったことを意味します。大規模企業だけがデータアナリストを持つ余裕がありましたが、わたしたちが記憶しているように、これはダッシュボードによるビジネスレポートが誕生した時代でもあります。
2005 – 2015:セルフサービスアナリティクス
2000年代半ばまでは、「セルフサービス」が流行語でした。セルフサービスアナリティクスベンダーは、ユーザーやデータアナリストが独自にITを運用できるパワーを生み出しました。BIベンダーによりアナリストは、複雑ではなく、簡単なユーザーインターフェースを使用してデータを準備し、発見して、可視化できるようになりました。しかし、この時代の弱点はアナリティクスの分散化、つまりガバナンスの欠如です。ガバナンスの欠如は、アナリティクスの出どころや、インサイト取得のプロセスに対する監視がまったくなく、同一データから複数の人々が異なる結果を生み出す場合に、不信感を招くことを意味しました。これらのチェックやバランスの欠如と信頼の欠如により、ユーザーアダプション(ユーザー適用率)は上がりませんでした。BIはこれまで以上にアクセス可能になったにも関わらず、アダプションは平坦の一途を辿りました。しかし大部分の企業が、未だこの時代で運用をしています。
2016 – 現在:拡張アナリティクス
近年、すべての人々への自動化とインスタントインサイトの提供を約束する、アナリティクスの新しい波が出現しています。この傾向は、自然言語検索クエリーや機械学習生成分析、自動データディスカバリーなど、Yellowfin自動インサイトのような機能を含みます。今後12ヶ月で、ほぼすべてのアナリティクスベンダーが、機械学習や自然言語インターフェースを使用して、彼らのプラットフォームへ自動化を搭載するのを目にすることになるでしょう。これは、ビジネスが常に求めていたスピードでのデータインサイトの提供を飛躍的に進歩させることになりますが、独自の問題である透明性という課題を招くことになります。使用されているアルゴリズムや、基礎となる計算は何か。構築されているエンジンは信頼に足るのか。インサイトやデータディスカバリーの基礎となる自動化がブラックボックスの場合、数字への信頼度は低いままとなり、セルフサービス時代のガバナンスの欠如が思い起こされます。これは、ビジネスユーザーよりも、Googleの検索結果やFacebookのタイムラインフィードまで、生活の至るところに存在するアルゴリズムに疑いなく依存しているアナリストの課題になるでしょう。ビジネスユーザーにとって、アナリティクスツールと対話することさえなく提供されるインサイトの自動化は、アルゴリズムに対する懸念をはるかに上回る可能性があります。
この拡張アナリティクスの波へ移行する方法
この次世代のアナリティクスの波は、3つの市場傾向により促進されています。それは増加するデータ量(Volume)、優れた多様性(Variety)、そして高速度(Velocity)データ、という3つのVです。これは、膨大な量の数値を収集し、生産しているIoTの追加により明白になります。また、新しいウェブデータソースやAPI、顧客の360°ビュースライスが追加されることでもたらされる優れた多様性無くして、一日が過ぎ去ることはありません。さらに、データ転送のスピードは驚くべきものです。これは、オンラインショッピングを中断し、ソーシャルメディアに切り替えることで、つい先ほど購入検討した商品がリターゲティング広告に表示されることでも実感できます。データの3つのVにより、ビジネスの最適化に必要な答えを探し出すために数多くの質問や、特定の質問をすることができるようになりました。このデータの急増により、わたしたちの質問は「何が起きたのか」から、「なぜ起きたのか」に変わります。しか、「なぜ」という問いもまだ、干し草の中で針を探すようなものであり、しかもこの干し草は常に成長を続けています。データの量、多様性、速度は、データに価値を見い出すための促進にも障壁にもなり得ます。これは、データ分析が未だに手作業でのデータディスカバリーにより促進されており、これにはデータアナリストのスキルが要求されるからです。
BIアダプションへの4つの障壁
次のブログでは、アナリティクスの自動化が、どのように問題解決に取り組むのかを明らかにするために、BIやアナリティクスアダプションの背後にある4つの障壁を紹介します。
このブログは、4部シリーズです。Part3はこちらです。