【導入事例】株式会社デンソー特別対談 Pt.3

【ユーザー対談】デンソーのデータ活用基盤の構築とユーザーへの浸透の取り組みを実体験から学ぶ!【Part 3】

2014年にホストコンピューターで行ってきたエンドユーザーによるデータ活用基盤をYellowfinにリプレースすることを決め、構築、導入、展開まで行ってきたデンソー。

対談形式でおこなったインタビューの【Part 1】では、BIツールの選定目的や選定のポイント、導入後の課題などについて、また【Part 2】では、全社でより多くの人に活用してもらうための取り組みなどをご紹介しました。

シリーズ最後の【Part 3】では、部品調達や在庫管理など、実際の現場でどのようにYellowfinが活用されるようになったか、また今後のデータ活用などについてもお話いただきます。

 部品調達の状況をYellowfinで見える化

林: たくさん取り組みがあるので、全てをご説明いただくのは難しいかも知れませんが、そのほか、印象に残っているプロジェクトについて教えていただけますか?

 

香田: デンソーは愛知県周辺に拠点が集まっているイメージですが、グループ会社は日本全国にあり、仕入れ先まで含めると全国各地から部品を調達しています。

例えば台風が来たりすると、その進路にある拠点や調達先から、計画通りにモノが調達できなかったり、最悪の場合、調達できなくなると、他の調達先の確認や調整を人手で行っていました。

というのもグループ会社はデンソーとは別のシステムを使っているため、デンソー社内からはグループ会社のデータが見えないからです。

グループ会社のデータをデンソーでも常に見えるようになると、先のような問題が発生したときにすぐに行動に移せるようになりますよね。

 

林: そういうレポートをYellowfinで作られたのですね。

 

香田: データを集めて、Yellowfinで常に見えるようにしました。どこの生産に余力があるのか、どこで作れるのかを調べて、すぐに判断できるようになりました。

 

林: なるほど。これはどの製造業さんでもある課題で、何某かのシステムを構築されているかも知れませんが、強固なサプライチェーン構築を模索している製造業は多いので、デンソーさんの事例は参考になると思います。

在庫管理の見える化にもYellowfinを活用

香田: 同じような例で、在庫管理にもYellowfinを活用しています。

製造業にとって在庫は大事ですが在庫は多く持ちたくない。だから、会社としては在庫の低減活動を行うのですが、海外拠点の在庫管理がうまくできていないのです。

なぜかというと、海外拠点のシステムで管理している在庫の情報が日本から見えないからです。

そのため、海外の拠点にお願いしてデータを日本に送ってもらうことを毎月行うのですが、期間もかかるし、なかなか1度で完全なデータが送られてこないんです。

グラフや表にまとめることができるのが約1カ月後です。

 

林: 1ヶ月かかってたんですか? そのときには在庫はすでに変わっていますよね。

 

香田: そうなんです。結果的に傾向はわかっても、分析ができないんです。なぜならデータが集計できた時には次の月のデータ集計に取り掛からないといけないからです。

そこで海外拠点のデータを直接日本で取り込めるようにし、集計のグラフまでをYellowfinでできるようにしました。

分析ができる時間を捻出した事例です。

 

林: 先ほどの事例もそうなんですが、在庫という製造業にとって非常に大事なところでお役に立てていることがうれしいです。

 

香田: 何か問題があっても、その場で手が打てないと仕方ないんですよね。

 

林: 今まではどこか力技で対処してたのかも知れないですね。

モチベーション・サーベイの調査結果をダッシュボード化、職場改善に生かす

林: ところで、ユニークユーザーが月間1万4000人にはね上がったというお話がありましした。そのときはどのようなコンテンツを公開したのでしょうか。

 

香田: デンソーでは毎年11月に、社員のやる気の向上・阻害要因を職場別に調査するためモチベーション・サーベイを実施していて、その結果をYellowfinで公開したことです。

これまでは人事がエクセルでそれぞれの部署向けに結果を加工して提出していました。

 

林:これを加工していたのは、人事の方ですか?

 

香田: そうですね。部署の数は200以上あるので、結果を返すまでに2カ月かかっていたんです。

結果を返してもすぐに組織変更があるので、職場改善に活かされていませんでした。その人事の悩みをYellowfinが解決してくれました。

 

林: 人事としては、会社の今の職場の状態を測るために実施していたにもかかわらず、それを生かせなかったと。

 

香田: 人事としても職場の点数をつけるのが目的ではなくて、それを基に改善してもらうためにモチベーション・サーベイを実施しているわけで、そこにたどり着けないのでは実施する意味がないわけです。

 

石黒:しかもエクセルで配布していた結果はサマリーだけで、悪いのがわかっても、掘り下げることもできないという課題もYellowfinで解決したんですよね。

 

香田: Yellowfinは権限設定がものすごく細かくできるので、権限によって公開するデータの範囲が変わり、見せ方も変えることができます。

しかも毎回、手作業でやっていた集計を一度Yellowfinでダッシュボードを作ってしまえば、あとはデータさえ流し込むだけです。

レポート作成の時間と手間が大幅に短縮されました。

 

林: これは、事前に準備をしておいて、あとはデータを更新したらリアルタイムに見れるようになったということですか? 

権限設定は部が200とのことでしたが、あとは役職で行ったのですか?

 

香田: そうです。全社平均は役職者全員が見ることができますが、部署平均はその部署の役職者だけ。

さらに部長は自分の部の結果が全て見られるが、室長は自分の室、課長は自分の課だけというように細かく権限設定しました。

また回答者が3人以上いない部署の結果は、回答者と内容が特定されてしまう恐れがあるため、結果が表示されないように作りました。

 

林: これは、だいぶ変わりましたね。人事の方たちからはどんな声が聞こえていますか。

 

香田: すごく楽になったと言っています。Yellowfinのフィルター機能を使えば、今までできなかった男女、年代、役職別という切り口でも結果を見ることができます。

いろんな分析ができるようになったことで、みなさん喜んでいます。

昨年が初回だったのですが、今年はさらにレベルアップして、改善方法など、次のアクションを提案するダッシュボードにすべく改良に取り組んでいます。

 

林:それは、例えばこの項目の点数が低い部署にはAという取組みを推奨するような形ですか?

 

香田:そうですね。

 

石黒: 4つの型に分類して、施策の提案をするような仕組みを構築中です。

 

林: 人事がお持ちのメソッドをダッシュボードの中に生かしていくわけですね。

 

香田: 人事の分析スキルとそれを実現するテクノクロスのスキルがあって生まれた素晴らしいダッシュボードです。

 

林: 開発に携わったNTTテクノクロス側として留意したポイントがあれば教えていただけますか?

 

石黒: そうですね、全社公開をしているので、他の人に誤って見えるとまずいので、アクセス制御には留意しました。

複数の部署を管理している人は、複数の部署が見える必要があるなど、いろんなバリエーションがありましたが、システム的には見えて良い範囲だけ見えるようにきちんと制御できました。

 

林: これは一般の社員の方にも見える仕組みですか? それとも役職者の方向けですか?

 

石黒: 課長さん以上の役職者の方向けですね。

 

香田: ユーザーが増えるとシステム的な負荷も高まります。

Yellowfinが遅いと印象をもたれないよう、とにかく軽く、早く表示させることにかなり注力してもらいました。

 

石黒: そうでした。徹底的に軽くすることにこだわりました。

 

林: モチベーション・サーベイのダッシュボードを閲覧するのは役職者の方ですよね。人数はどのくらいでしょうか。

 

香田: 5000人です。これまで課長以上でしたが、今年の実施回からは現場の班長さんまで見せるようにしました。

 

林: なるほど、我々のツールは元々、外部のアプリに組み込まれるようなことを想定して開発されているので、そういう事例は多いんですが、企業の社内利用で、これだけの大規模な展開の仕方は興奮しますね。

ダッシュボード自体は一つで展開しているのでしょうか。

 

香田: 部室長用と課長用の2種類を用意しています。

有休消化率、残業時間、テレワーク率もYellowfinで見える化

 

林: コンテンツとしては2つ用意し、アクセスする人によって見える結果が変わるということですか?

 

香田: そうですね。

 

林: それはすごいな。

 

石黒: 今回の件だけではなく、人事部では社員の情報を集計して開示することはたくさんあるので、さまざまなところでYellowfinを活用してもらっています。

働き方改革の影響の直撃を受けているのは人事部です。

例えば有休消化率や残業時間などの見える化にも、Yellowfinを活用されていますね。

 

林: これは、モチベーションサーベイとは別でお作りになられたんですね。今の時代にマッチした活用の仕方ですね。

 

香田: 上司にとって部下の残業、有休の管理は大切な業務です。これまでは皆さん、個別にデータをダウンロードして、エクセルやアクセスで管理していました。

そこで残業や有休の管理ができるダッシュボードを一つ作成し、その人の権限によって、管理ができる仕組みを作りました。

これから徐々に展開していくところです。

 

林: 今まで各現場で任されていたことを、もう少し人事部主導でできるようになったということですね。

 

香田: 手計算だと毎月同じことをやらないといけませんが、Yellowfinでダッシュボードを1つつくれば、データも変わると結果も変わるので、無駄な工数を圧倒的に削減できます。

さらに現在はテレワーク率を日次で見られるようになっています。

どの部署がテレワークができており、どこの部署ができていないとか、一目でわかるようになっています。

Yellowfin活用でトラックの荷量管理を月次から日次に

林: そういうこともソリューション化できればよいですね。さらに紹介したい事例はありますか。

 

石黒: 私が最近携わってものの中で、最も印象に残っているのは、生産管理の荷量の計算をYellowfinでロジック化したという事例です。

デンソーさんは拠点間で部品を輸送するため、何百台ものトラックが動いています。業務上、急に部品の輸送が不要になりトラックが浮いたり、その逆で急に輸送する部品が増えトラックが追加で必要になったりすることがよく起こっていました。

実はトラックの荷量計算は月1回しかできなかったからです。日々の様々な状況に合わせて予測するのが難しいため、急にトラック10台必要になると言われると従来よりも高いコストで調達するなど、コスト的にも問題となっていました。

 

林: なるほど。急遽必要になると、外部の会社に委託することになるのですね。

 

石黒: 荷量のデータはホストに流れているので、それをYellowfinで受け取り、レポートを作ることで、何台トラックでどのくらいの荷量が動いたのかを日々、追いかけられるようになりました。

コスト削減だけではなく、物流の動きが見えるようになったので、現場の方からも役立ったと喜びの声をたくさんいただきました。

 

香田: 物流担当者としては、トラックの荷室をいっぱいにして効率的に運びたいわけです。ですが、その状況で1個荷量が増えると、トラックは1台追加となります。そういうことが続くと、儲かりません。

しかもトラックを急に手配するとコストはいつも以上に高くなる。製品は箱に入れて運びます。

製品が何個になるとこれぐらいの箱になるという決まりがあるので、それを勘案し、少し余分を持たせてトラックに乗りきる量を計算させる仕組みをYellowfinに作り込みました。その仕組みを作るのには苦労しました。

 

林: 先ほどもありましたが、デンソーで培われたロジックをYellowfinの中に反映させたわけですね。

 

香田: 生産計画は、日々変わるのに、物流は1カ月前に決めたことを変えないのはナンセンスですからね。

Yellowfinを活用することで、日次で追いかけられるようになり追従性が上がりました。

 

林: 特に今の時代は必須かも知れませんね。災害があったり、急に社会情勢がかわったりということが起きますからね。

日次で見れないとダメですよね。しかし、挫折期を経て、こんなに事例がでてくるのはうれしいことです。

社内にあるさまざまなデータを活用できるような仕組みを作りたい

 

林: デンソーさんでは工場以外の部門に関しては、50%に出社を押さえことを目標にされていますよね。この目標はコロナ禍が終息するまででしょうか。

 

香田: 方針は出ていませんが、テレワークが定着しつつあり、インフラも整備できているので、今後元に戻ることはないかもしれませんね。想像なのでわかりませんが。

 

林: 実際に在宅されている方たちの声はいかがですか? 生産性は上がっていると?

 

香田: そうですね。そういう方は多いです。

 

林: 弊社も子育て世代が多いので、在宅になって助かったというか、そうじゃないと仕事ができないっていうメンバーもいますね。

テクノクロスさんのテレワーク率はいかがでしょう?

 

北川: 国の方針に則り、在宅7割、出社3割を遵守しています。今は在宅している従業員のモチベーション、心の健康を図っていくことを話題に上がっている感じですね。

 

林: なんか、そういうところもソリューション化できると良いかもですね。最後になりますが、今後の計画などあれば教えていただけますか?

 

香田: 今はデンソーの情報部門が用意しているデータを元に、Yellowfinを活用してもらっていますが、デンソー社内にあるデータはそれだけではありません。

車載の計測器のデータ、工場設備のデータ、海外拠点にあるシステムのデータなど、さまざまなデータを活用してみなさん業務を遂行しています。

ですが、今はまだそれらのデータをYellowfinですぐに分析できる状態にはなっていません。

将来的には、社員が分析したいデータを、気軽に探せるようなデータカタログのようなものを整備し、提供していけるようにしていきたいですね。

 

林: 今までは各拠点や各工場など、閉じた範囲で活用していたデータを全社的に活用できる仕組みにしていくということですね。

 

香田: 活用できるデータのバリエーションをもっともっと増やしていきたいです。

 

北川: より現場に近いデータを活用していくイメージでしょうか。

 

香田: 実験車のデータロガーのデータなども活用できるようになれば良いと考えています。

 

北川: CANデータとかですかね。

 

香田: そうですね。

 

石黒: 想像するだけでお腹が痛くなるぐらいデータがありますね (笑)

 

林: 大企業さんで多岐にわたることをやられていて、その活用の一端に関わらせていただけたことは非常嬉しいです。

これからもテクノクロスさん共々、Yellowfinをよろしくお願いします。

 

北川: 私自身が初めてお聞きしたというのもあるんですが、香田さんのYellowfinの取り組みは、始めた頃と今ではだいぶ違うことに驚きました。

 

香田: 役割が違いましたからね。7600本をいかに移行するかというのと、データ活用基盤として成長していくのと。

 

北川: データ活用基盤にすると決めたところが大きいんですね。後半の方のお話ではレポートを活用してどう改善したいという前向きな気持ちがわかり、非常にうれしかったです。

 

石黒: 第三者視点で、ユーザー数が増えたり、ユーザーの活用が進んだりというのは、成功するBI展開の流れに乗っていったんだと改めて感じますよね。

なので、アナリティクス賞受賞されるっていうのは頷けます。香田さんは冒頭で理由が分からないとおっしゃっていましたけど、言葉だけでできない企業さんっていらっしゃいますしね。

そこに貢献できたことも私自身、嬉しかったです。

 

林: 最後に嬉しかったことをお伝えしたいんですが、定例会の時に香田さんご自身が作ったダッシュボードで説明されていましたよね。

メーカーの人間としては、香田さんがユーザーさんとのプロジェクトを進めていく役割がメインなのにもかかわらず、ユーザーとしてもYellowfinを活用してくださっている姿を見られて、本当にうれしかったです。

 

香田: 自分自身が使っていないものを人に勧められませんし、何より私でも使えるくらいYellowfinは使いやすいツールですからね。

 

林: 最後に最高のお言葉をありがとうございました。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

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