BIシステムとは?導入の失敗事例や活用方法を解説

BIシステムとは?導入の失敗事例や活用方法を解説

BI(Business Inteligence:ビジネスインテリジェンス)ツールは、企業が保有する様々なデータを分析して、ビジネスに活かすためのツールです。

その機能は多彩で、メーカーによっても特徴や強みがあるので、どれを選んでいいか迷ってしまいますよね。

BIツールに興味があって、WEBサイトで仕様などを確認してみても、どれも似たような内容にみえて、比較のポイントがよくわからないという声も多くあります。

まずはBIツールの導入の目的やニーズなどを明確化して、どのメーカーの製品が一番マッチするのかを比較してみてください。

今回は、世界50ヶ国以上、約29,000社以上に導入いただき、企業の業務効率化や自動化をサポートしているYellowfinの特徴についてご紹介します。

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BIシステムとは、BIツールやBIプラットフォームなどと呼ばれることもありますが、企業が蓄積した様々なデータを一箇所に集めて分析し、レポーティングすることで、データを基に確実な意思決定ができるような環境を整えるためのシステムです。

以前は、提示されたデータをユーザー自身が分析し、読み解く必要があったので、データアナリストなど専門的な知識をもった人がいることが重要でした。

しかし、最新のBIシステムでは、蓄積されたデータをユーザー自身が分析する必要はなく、自動分析後に即座に提示されるようになりました。

それにより、分析に関する専門的な知識がなくても、誰でも簡単にデータ分析をすることができます。

BIについては以下の記事で詳しく解説をしていますので、参考にしてみてください。

関連記事:BIツールを総まとめ!概要や機能からメリット・デメリットまでプロが徹底解説

BIシステムの一般的な構成

BIシステムの一般的な構成としては、

  • 基幹システムなどから情報を抽出して分析用データに変換するETL(Extract/Transform/Load)
  • 分析用データを受け取って時系列に蓄積していくデータウェアハウス(DWH)
  • キューブ型DB

など、目的別にデータを切り出したデータマート(キューブ型DBなど)などで構成されているのが一般的です。

次に、よりBIシステムを理解いただくために他のシステムとの比較をご紹介します。

BIと基幹系・情報系・戦略系システムとの比較

データを扱うためのツールやシステムは、すでにいくつも導入しているという企業が多いと思います。BIシステムは、それらのツールやシステムとどう違うのでしょうか?

  1. 基幹系システム
  2. 情報系システム
  3. 戦略系システム

 

の3つの軸で、BIシステムとの違いを解説いたします。

1. 基幹系システム

基幹系システムとは、業務系のシステムやバックオフィス系のシステムで、企業の日々の業務に関連したシステムです。

営業や販売、財務関連や経理、人事や流通など、現場で日々利用されるシステムで、部門によって異なるシステムを導入していることが多いです。

生産管理システム
製造系の工場などで生産管理などのために導入されているシステムです。生産量や納期、工数や製造原価、品質管理など向上で管理が必要なことを管理するシステムです。


販売管理システム
小売業や製造業、卸売業などで主に利用されており、見積や受注管理、出荷に関するデータや納品、請求、入金など、販売に関する様々なデータを管理するシステムです。


購買管理システム
製造や小売などの他、購買を管理する必要がある業界、例えばサービス関連業などでも導入されているシステムで、主に発注や仕入れに関するデータを扱うシステムです。


在庫管理システム
製造業や小売業などで使用され、入庫や出庫、検品などのデータを管理するシステムです。

会計システム
企業の会計関連のデータを管理するシステムです。
財務諸表を作成するための財務会計のシステムと、部門ごとや商品ごとの収支を管理するなどの管理会計システムの大きく2つがあります。

人事給与システム
社員の勤怠や給与計算、入退社に関する管理など、人事に関するデータを管理するシステムです。

ERP(統合基幹業務システム)Enterprise Resources Planning(ERP)とあh,様々なシステムの機能を統合して管理するシステムです。

情報系システム

情報系のシステムと呼ばれるものは、日々の業務の効率化を目的とし、コミュニケーションを図るためのシステムです。データウェアハウスは、BIシステムの一部としても位置付けられています。


チャット
会話形式でコミュニケーションができる他、過去の情報の検索ができたり、オンライン通話やデータ共有なども可能のため、導入する企業が増えています。


グループウェア
スケジュールの共有やファイルの管理など、日々の社内業務を円滑にすすめるためのプラットフォームとして導入されているのがグループウェアです。

データウェアハウス(DWH)
複数のシステムから、データを集めて蓄積した統合データベースで、目的別に再構成した統合データベースです。 データ分析や意思決定に役立てられ、BIシステムの一部として位置付けられています。

戦略系システム

業務を効率化するためのシステムで、企業が保有するデータを有効活用して、ビジネスの戦略い活かすために導入する企業が増えているシステムです。

CRM(顧客管理システム)
Customer Relationship Management(CRM)は、企業がもつ顧客情報の管理を主にしているシステムです。
顧客の詳細情報の他にも取引状況のデータや、顧客とのやりとりに関する履歴なども管理できます。


SFA(営業支援システム)
Sales Force Automationと呼ばれ、営業活動の支援システムと認識されています。
日々の営業活動や、履歴がデータで管理され、効率化できる機能が充実しています。

MA(マーケティング・オートメーション)
Marketing Automation(MA)は、主にマーケティング関連の部署で導入されることが多く、日々のマーケティング活動を効果的に進めるために利用されます。

リード管理や、メルマガなどでのリードのナーチャリング(育成)をし、可能性の高い顧客情報を抽出して営業部に渡すまでに必要な機能が備わっています。

BIシステム構築について〜DWHとETLや構築の流れ〜

 DWH、ETLというワードは、BIシステムに関連する言葉としてよくきかれます。

DWHやETLによって統合されたデータを集計、可視化し、分析できるようにするのがBIシステムですが、それぞれの概要をここでおさらいしておきましょう。

DWH、ETLとERP

ここでは、DWH、ETLに加えて、ERPの3つを解説します。

データウェアハウス(DWH)
基幹系などのシステムから、必要なデータを収集し、再構成して時系列に蓄積する統合データベースです。

ETL
複数のシステムからデータを抽出し、抽出したデータを変換・加工して、データウェアハウス等へ出力する処理を支援します。

ERP
ERPとは、会計や生産などの複数のデータを統合して、一つのデータベースとして管理するシステムです。


サーバー構築の流れ


BIシステムを導入するためには、分析する対象のデータを用意する必要があります。データを格納するためのサーバー構築の流れについて一例をご紹介します。

ただ、企業によってサーバー構築に関してはケースバイケースであるため、あくまで参考ということでご理解ください。

1.DWHサーバーの構築


まずは分析の対象データを一箇所に集めます。社内でCRMなどの他、様々なシステムに蓄積されているデータを抽出、加工し、DWHサーバーに蓄積します。

BIではDWHサーバーに蓄積されたデータを分析します。

2.キューブ(多次元データベース)の作成


DWHサーバーに分析すべきデータを蓄積後、キューブ(多次元データベース)を構築します。キューブは多次元的なデータベースのことです。

BIシステムを利用するユーザーはこのキューブに対して操作を行います。

3.セキュリティの設定


組織における重要なデータが多くの場合、BIシステムの分析対象となります。

閲覧権限などのセキュリティー設定をなるべく早めにおこない、データの扱いに注意するようにします。


4.管理サーバーでジョブを設定


リアルタイムで更新がされていくもBIシステムは、定期的にメンテナンスが必要です。
コンスタントに問題なく動作するかを確認します。

BIシステムの要件定義のポイント

BIシステムの導入を成功に導くためには、様々な視点から事前に起こりうることを想定してみることが大切です。

例えば、システムの運用者からみた視点と、実際に業務のなかで日々利用するユーザーの視点ではギャップがある可能性もあります。

経営者はどのようなデータをみてビジネス戦略に役立てたいのか、一般ユーザーはどのようなデータをどのような形式で利用したいのかなど、事前にじっくりとヒアリングし、要件定義をしておくことが、BIシステムの導入失敗を避けるために重要なポイントです。

 

BIシステム導入の失敗事例

BIシステムを導入したが、全然使われないツールとして社内で認識されてしまっているという場合も多くあります。

導入前に目的や、現場のニーズなどの意見をしっかりとヒアリングし、活用方法をシュミレーションしておく必要があると言えます。

BIシステム導入に関する失敗事例としてよくあるケースをご紹介します。

 

1.よくわからないまま導入して使いこなせなかった

とりあえず、データを活用するためにはツールが必要だと思って、BIシステムについてよく比較検討せずに導入してしまい、失敗してしまったというケースは多くあります。

BIシステムによって、強みも違いますので、まずは導入の目的を明確化しておかないと、導入に関する手間やコストがかかったにも関わらず、業務の効率化には全く活用できなかったという結果に繋がる可能性があります。

多くの場合、すでにデータに関するなんらかのシステムを導入している企業が多いと思います。現場でデータを現状どのように業務で利用しているのか、またどのようなニーズがあるのかなど、ヒアリングを事前におこなうことは、とても大切なポイントです。

実際に利用するのは、日々データを業務の一貫として扱っている一般ユーザーですので、BIシステム導入前にしっかりとコミュニケーションをとっておくことが、導入後に役立つツールとして組織全体で活用するためには重要です。

 

2.いきなり大規模でスタートした

最初から大規模で導入してしまい、結局使われないツールとなってしまっているという企業も多いのが現状です。

すでに使っている慣れたツールから新しいシステムに切り替えるためには、それなりの教育体制なども必要です。

一度に全部門で導入するのではなく、一部の部門で導入してみて、使い方や効果の確認後、全社に広げるというのも一つの方法です。段階を踏むことによって、改善すべき点もみえてくる上、使い方を社内で共有できるような環境も整ってくるからです。

BIシステムは、一度導入後、新たな別のツールに乗り換えるためのハードルが低いとは言えません。企業が保有する貴重なデータをビジネスに効率的に役立てるためには、慎重にそして着実に導入を進めていくことも大切です。

BIシステムの活用方法

取得したデータをどのように活用していくかどうかは、どの企業も課題となっています。しかし、データを十分に活用できるかどうかで、結果的には競争力に大きな差が出る時代になってきました。

一般社員が社内のデータをフル活用できる環境を整えるためには、BIシステムを導入し、日々のデータを分析する習慣をつけることが必須と言えます。

しかし、BIシステムの導入を検討はしているが、どのような活用ができるのかわからないという声も多聞かれます。

具体的には、データを読み解き、ビジネスの戦略立案にいかしたり、日々のマーケティング活動を効果的にすすめるために利用するケース、また営業活動をデータによって効率化するなど、部門ごとに活用方法は異なります。

BIシステムを社内で活用している一例をご紹介します。

 

マーケティング部門でのキャンペーン分析


マーケティング部門では、日々のキャンペーンやマーケティング活動において、様々な種類のデータを扱っています。

それらを一箇所に集めて、総合的に分析したり、自動分析の機能によって、次の戦略を決定したりすることができます。

また、イベントや広告キャンペーンのレポーティングも、手作業による資料作成などの手間が省け、プランニングにより注力できるようになります。


営業部門での基幹システムとの連携


基幹システムと連携することで、営業活動に関する情報をあらゆる角度から分析できるだけでなく、レポーティング機能などをつかって、リアルタイムで顧客の情報やデータを社内で共有することができます。

営業担当者は、日々の数字管理などの雑務にかかる時間を大幅に削減し、営業活動に集中することで、業務の効率化が可能になります。


経営層でのデータ活用


経営層は、常にビジネスの次の戦略を検討しているため、判断の基準となる確かなデータを求めています。

社内に保有しているあらゆるデータを一箇所に集めて分析結果を提示するとともに、簡単に社内及び経営幹部とも共有ができるため、組織内でのデータの価値をより一層高めます。

まとめ

リモートワークなどが増えている昨今、社内のデータをどのように扱うかは、多くの企業で課題となっています。

BIシステムの場合、会社の外からもデータにアクセスし、分析や共有したりレポートを作成することが簡単にできます。

閲覧権限によるセキュリティ管理などの機能も充実しており、ニューノーマル時代の新しい働き方においても、組織全体でデータに基づく意思決定を可能にします。

すべてのユーザーが社内のデータを会社以外のどこからでも、安心安全な形で分析できる環境づくりが急がれるのはもちろんですが、経営層がスピーディーにデータに基づいた判断を行う土台作りが整っているかどうかによって、組織の競争力に大きな差がでてくるのは確実だと言えます。

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