データ管理ツールとは?データベースソフトを導入するメリット・デメリット・選定方法まで一挙紹介!
データ管理ツールの概要について知りたい
データベースソフトの導入メリット・デメリットについて知りたい
データベースソフトを導入する際の選ぶポイントについて知りたい
日々仕事を通して、蓄積される膨大な企業のデータは的確に管理していく必要があります。また、情報漏洩がおきないようにセキュリティ対策の面も気を付ける必要があります。活用したい場面で膨大なデータから必要なデータがすぐに見つけられる検索性に関しても考慮する必要があるでしょう。
データベースソフトを活用すれば、必要な情報をすぐに見つけることができ、自動的にデータをバックアップしてくれるためデータを守ることができます。
今回は、データ管理についての概要からデータベースソフトのメリット・デメリット・選ぶポイントについて解説していきます。
目次
データ管理ツールを理解する上での前提知識
ここでは、データ管理ツールを理解する上での前提知識について解説します。
- データ管理とは?
- データベースとは?
それでは、1つずつ解説します。
データ管理とは?
前提知識の1つ目としては、データ管理についてです。データ管理とは、データを構造化、管理、保存、検索、利用するための方法や技術を指します。これには、データをバックアップし安全に保管することやデータベースの管理などが含まれます。データ管理により、データを正確に保存し、効率的に検索し、利用することができます。
データベースとは?
前提知識の2つ目は、データベースについてです。データベースは、大量のデータを組織化し、管理するためのシステムです。データは、テーブル形式で格納され、各テーブルは複数のカラム(列)と行から構成されます。これにより、データを組織化し、検索し、更新することができます。
たとえば、顧客情報の氏名・電話番号の項目でまとめたものや商品をコードで分類したものなどがデータベースの一例です。一般的にコンピュータ上で整理されたデータ群のことをデータベースとしてますが、紙ベースでデータが整理された辞書などもデータベースと言えます。
データベースには、リレーショナルデータベース、ドキュメントデータベース、グラフデータベースなど様々なタイプがあります。リレーショナルデータベースは、最も一般的なデータベースで、SQLを使用してデータを管理します。その他にも、NoSQLデータベースや、特定の用途に特化したデータベースシステムがあります。
データ管理ツールの種類
ここでは、データ管理ツールの種類について解説します。
- エクセル
- データベースソフト
それでは、1つずつ解説します。
エクセル
データ管理ツールの1つ目は、エクセルです。エクセルは、表形式のデータを組織化し、管理するためのツールとして広く使用されています。エクセルを使用してデータ管理を行うためには、以下のような手順を踏むことができます。
- エクセルのワークシートを開き、表形式のデータを入力します。
- 必要に応じて、データを整理し、フィルタリングします。
- データをソートし、見やすく整理します。
- データをグループ化し、集計します。
- 必要に応じて、数式や関数を使用し、データを分析します。
- エクセルの保護機能を使用し、データのセキュリティを確保します。
- エクセルのバックアップ機能を使用し、データをバックアップします。
また、エクセルのデータベース機能であるピボットテーブルなども活用すると場合によっては効率よくデータベースを作成することができます。
なお、エクセルを使用してデータ管理を行うメリットとしては、既にパソコンにエクセルがインストールされているのであれば、費用をかけずにデータベースを作成し、データ管理ができることです。
ただし、小規模なデータ管理には適していますが、大規模なデータや、多くのユーザーが同時にアクセスする必要がある場合は、専用のデータ管理システムを使用することをお勧めします。
データベースソフト
データ管理ツールの2つ目は、データベースソフトです。データベースソフトは、データベースを構築・管理するためのソフトウェアです。主に、リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) や、NoSQLデータベース管理システムがあります。
一般的なリレーショナルデータベース管理システムには、MySQL、Oracle、SQL Server、 PostgreSQLなどがあります。これらのデータベースソフトは、SQLを使用してデータベースを管理します。
NoSQLデータベース管理システムには、MongoDB、Cassandra、Redis、DynamoDBなどがあります。これらのデータベースソフトは、スキーマレスなデータモデルを採用し、高スケーラビリティを実現します。
また、データベースソフトには、クラウドベースのものもあり、AWSのRDS,、AzureのSQL Database、GCPのCloud SQLなどがあります。
選択するデータベースソフトは、使用目的や規模、スケーラビリティ、セキュリティなどによって異なります。
データ管理ツールとしてデータベースソフトを導入するメリット
ここでは、データ管理ツールとしてデータベースソフトを導入するメリットについて解説します。
- データの検索・編集が簡単
- 同時アクセスが可能
- 自動的にバックアップが可能
- 大容量データの安全な保管
それでは、1つずつ解説します。
データの検索・編集が簡単
データベースソフトを導入するメリットの1つ目は、データの検索・編集が簡単なことです。可視化されたインターフェースを持つデータベースソフトは、初心者にも使いやすく、データを素早く検索・編集することができます。
また、クエリ機能を持つデータベースソフトは、データを素早く検索することができ、検索結果を編集することもできます。グラフやチャートを作成する機能もあるので、データを可視化し、分析することができます。複数のユーザーが同時にアクセスし、編集することができるので、チームでの作業がスムーズに行えます。
同時アクセスが可能
データベースソフトを導入するメリットの2つ目は、同時アクセスが可能なことです。同時アクセスが可能になることで、企業や組織内でのデータ共有や共同作業が可能になり、効率的な作業を行うことができます。
また、データのバージョン管理や変更履歴の管理が行えるので、データの信頼性が高まります。複数のユーザーが同時にアクセスすることにより、情報の最新化や収集がスムーズに行えます。
クラウドベースのデータベースソフトを使用することで、リモートからのアクセスも可能になります。ただし、同時にアクセスすることにより、データの整合性やセキュリティ上の問題が発生する可能性があるため、適切なアクセス制御やセキュリティ対策を講じる必要があります。
自動的にバックアップが可能
データベースソフトを導入するメリットの3つ目は、自動的にデータのバックアップが可能なことです。この機能により、仮にデータベースが破損やハードウェアトラブルによって損傷した場合に、自動バックアップから復元することができます。
また、人為的なミスや誤操作によってデータが消失した場合にも、自動バックアップから復元することができます。
このように、定期的にバックアップを取ることで、データの整合性を確保し、データの損失を防ぐことができます。クラウドベースのデータベースソフトを使用する場合には、自社サーバーで管理するよりも安全性が高いデータセンターで管理されることもあり、より安全にデータ管理ができます。
ただし、自動バックアップ機能だけでは不十分であることもあり、手動バックアップや災害復旧計画も策定することが必要です。
大容量データの安全な保管
データベースソフトを導入するメリットの4つ目は、大容量データの安全な保管です。たとえば、リレーショナルデータベースソフトは、データをテーブル形式で格納し、大量のデータを組織化し、管理することができます。NoSQLデータベースソフトは、スキーマレスなデータモデルを採用し、高スケーラビリティを実現し、大容量データを扱うことができます。
また、クラウドベースのデータベースソフトを使用する場合、スケールアウトしたり、自動的にスナップショットを取ることで、大容量データを保管することができる点がメリットと言えるでしょう。
データ管理ツールとしてのデータベースソフトを導入するデメリット
ここでは、データ管理ツールとしてのデータベースソフトを導入するデメリットについて解説します。
- 費用がかかる
- 操作方法を覚える時間が必要
それでは、1つずつ解説します。
費用がかかる
データベースソフトを導入するデメリットの1つ目は、費用がかかることです。無料で使用できるものもありますが、月に数万円支払う必要のあるものがあったりと費用感に幅があります。
使用するデータ容量・人数によって利用料金が変わっていくため、自社の規模感にあったデータベースソフトを導入する必要があります。
操作方法を覚える時間が必要
データベースソフトを導入するデメリットの2つ目は、操作方法を覚える時間が必要なことです。新しくデータベースソフトを導入したあとは、使用するために操作方法を覚える時間がどうしてもかかります。
多機能であればあるほど、操作方法を習得する時間がかかる可能性があります。そのため、直感的に操作できるようなデータベースソフトを選択することや、自社の目的に合わせた機能を搭載しているものを選ぶと良いでしょう。
データ管理ツールを選ぶポイント
ここでは、データ管理ツールを選ぶポイントを解説します。
- コスト
- 提供形態
- サポート体制
- セキュリティ対策
- 取り扱うデータ量の確認
それでは、1つずつ解説します。
コスト
データ管理ツールを選ぶポイントの1つ目は、コストです。自社の目的に合わせた機能が備わっているものを選択することは大前提として、コストを抑えたい場合は、オープンソースのツールがあるかどうかを確認し、ライセンス費用やメンテナンス費用がかからないものを選択すると良いでしょう。
また、データベースソフトの導入や運用に必要な専門知識やスキルがあるかどうかを確認し、導入費用や運用費用も考慮し、予算や規模に応じて適切なツールを選択することが必要です。
提供形態
データ管理ツールを選ぶポイントの2つ目は、提供形態です。デスクトップアプリケーション、Webアプリケーション、モバイルアプリケーションなど、使用する環境やデバイスに適した形態を選択すると良いでしょう。
また、クラウドベース、オンプレミスなど、データの保存や管理方法に適した形態を選択することが必要です。クラウドベースであれば、社外からネット環境があればどこでも接続ができるため、モバイル端末で利用することも可能です。
一方でオンプレミスであれば、自社のネットワークにデータベースを構築しているので自社のPCからのアクセスに限定される可能性があります。
サポート体制
データ管理ツールを選ぶポイントの3つ目は、サポート体制です。具体的には、導入後のトレーニングやカスタマイズサポートがあるかどうかを確認することや、運用中のトラブルやバグに対応するためのサポートがあるかどうかを確認することが必要です。
また、電話サポート、オンラインチャットサポートなど、使用したいサポート形態があるかも確認しておくと良いでしょう。
セキュリティ対策
データ管理ツールを選ぶポイントの4つ目は、セキュリティ対策がされているかどうかを確認することです。具体的には、データの暗号化や認証、アクセス制御など、アクセス制御機能があるかどうかを確認することです。
また、データのバックアップや復元機能、クラウドベースの場合は、クラウドプロバイダーが提供するセキュリティ対策も確認することが重要です。
セキュリティ対策は、データの管理において欠かせない要素であり、データの漏洩やハッキングなどの被害を防ぐためにも重要です。
取り扱うデータ量の確認
データ管理ツールを選ぶポイントの5つ目は、取り扱うデータ量の確認です。データベースで取り扱いたいデータ量や将来のデータ増加を見込んだデータ量に対応したツールを選択することが必要です。
スケーラビリティが高いツールを選択し、大量のデータを処理するための計算能力やストレージ容量が十分なツールを選択することも一つの選択肢でしょう。特に、取り扱うデータ量が多い場合は、大量データに対応したツールやスケーラビリティが高いツールを選択することで、データ処理能力や保存容量の問題を解決することができます。
まとめ
ここまで、データ管理ツールに関して、データベースソフトを導入するメリット・デメリットを中心に解説してきました。データベースソフトを使用することでエクセルで対応できなかった大規模なデータの管理や大人数による同時編集などの対応も可能になります。また、高いセキュリティ対策でデータを一元管理できるメリットもあるでしょう。
今回紹介できておりませんが、データベースソフトを活用した集計・分析機能をもとに迅速な経営判断に活用も可能です。このようなデータベースソフトの運用には専門的な知識が必要な場合もあります。
まずは、自社の目的にあった機能があるデータベースソフトを選択し、コストやサポート体制などを確認した上でどのデータベースソフトを導入するか検討すると良いでしょう。