データドリブンによる意思決定とは？必要な理由・メリット・実行するためのステップまで詳しく解説！
データドリブンによる意思決定について知りたい
データドリブンによる意思決定が必要な理由・メリットについて知りたい
データドリブンによる意思決定を行うステップについて知りたい
データドリブンによる意思決定とは、消費者行動が多様化した情報化社会において必要な意思決定メソッドです。顧客ニーズを正確に把握できるだけではなく、客観的根拠に基づき迅速な経営判断が可能になります。
しかし、データドリブンの重要性は理解していても、具体的なプロセスがわからない方も多いのではないでしょうか。4つのステップに分けて段階的に進める必要があり、専門知識がない人間の力だけで行うのは容易ではありません。
そこで、今回はデータドリブンによる意思決定の定義と必要な理由やメリットについて解説したうえで、実行するための具体的なステップと支援ツールについてもわかりやすくご紹介します。
目次
データドリブンによる意思決定とは？
データ・ドリブンによる意思決定（DDDM：Data Driven Decision Making）とは、ビジネスにおける意思決定や課題解決に向けた施策を、分析したデータから導き出すことです。KKD（勘・経験・度胸）だけに頼るのではなく、売上・顧客データなど集積されたビックデータの分析結果をもとに最善の方法を立案できます。
これまでもデータに基づく施策・計画は行われてきましたが、情報化社会の進展にともない、データドリブンによる意思決定の重要性に対して多くの注目が集まっています。
データドリブンの意思決定が必要な理由
ここでは、データドリブンによる意思決定が必要な理由について解説します。
- 消費者行動の多様化・複雑化
- ビジネス変化のスピードが加速
- テクノロジーの進歩
それでは、1つずつ解説します。
消費者行動の多様化・複雑化
データドリブンの意思決定が必要な理由の1つ目は、消費者行動の多様化・複雑化です。現代においては、スマートフォンの普及により、インターネットを介したショッピングを利用する人が増加しました。SNSやインターネットの口コミなどの検索結果からさまざまな情報を集められるため、消費者の選択肢の幅は大きく広がっています。
選べる商品・サービスが増えたことで、消費者の取りうる行動は以前にも増して複雑になっています。そこで重要になるのが、データの分析にもとづいた客観的な視点での意思決定なのです。
ビジネス変化のスピードが加速
データドリブンの意思決定が必要な理由の2つ目は、ビジネス変化のスピードが加速しているからです。テクノロジーの進歩により、昨今の顧客獲得競争は非常に激しくなっています。
消費者から選ばれるためには、刻々と変化する顧客のニーズを敏感にキャッチし、競合他社より優れた商品・サービスを提供し続けなくてはなりません。現代の企業に求められる課題は、リアルタイムの情報収集による的確な施策だといえます。
テクノロジーの進歩
データドリブンの意思決定が必要な理由の3つ目は、テクノロジーの進歩です。テクノロジーは以前とは比べ物にならないほど大きく進化しており、膨大な量のデータを瞬時に収集できるようになりました。同じく、集められたデータを可視化し、新たな販路の開拓に活かす方法を分析するためのツールも開発されています。
ツールを用いて分析したデータを基にしたマーケティングは、すでに多くの企業で採用されています。データ活用の幅が広がったことで、それを活かした経営方針の転換が必要になってきているのです。
データドリブンによる意思決定のメリット
ここでは、データドリブンによる意思決定のメリットについて解説します。
- 迅速な判断が可能
- 顧客ニーズの把握が可能
- 客観的なデータに基づく業務改善
それでは、1つずつ解説します。
迅速な判断が可能
データドリブンによる意思決定のメリットの1つ目は、迅速な判断が可能になることです。従来の消費者行動はさほど複雑ではなかったため、KKD（勘・経験・度胸）に頼る意思決定でも対応可能でした。しかし、消費者行動が多様化した現代では、根拠が希薄な経営判断は適しているとはいえません。
一方、データドリブンによる意思決定はデータの分析結果がベースにあるため、迅速かつ的確に経営判断が下せます。また、小さな変化でも即座にとらえられるので、問題の早期解決が図れるようになるのもメリットです。
顧客ニーズの把握が可能
データドリブンによる意思決定のメリットの2つ目は、顧客ニーズの把握が可能なことです。顧客が求める商品・サービスを作り出すためには、数多くのデータを集めたうえで照合・分析を行わなくてはなりません。
データドリブンによる意思決定を行えば、それぞれの顧客の要望を商品開発に反映できるので、他社より抜きん出たサービスを提供することが可能です。
客観的なデータに基づく業務改善
データドリブンによる意思決定のメリットの3つ目は、客観的なデータに基づく業務改善ができることです。KKD（勘・経験・度胸）ではわからない隠れた問題点の発見や、これまでにはなかった分野での新たな顧客の開拓につながります。
データドリブンによる意思決定を行うことで業務の効率化が実現するだけではなく、社会情勢の変化にも左右されない強固な経営基盤を構築できるでしょう。
データドリブンによる意思決定を行うための4つのステップ
データドリブンによる意思決定を行うために必要な流れを、以下の4つのステップに分けて解説します。
- ビジネスの目的を明確化
- データ収集・可視化
- データの分析
- データ分析の考察から行動を起こす意思決定
データドリブンによる意思決定を経営のベースに据えて習慣化することで、データの活用が進みさらなるビジネスの改善が図れるという好循環が実現します。
それでは、1から順番にみていきましょう。
ビジネスの目的を明確化
データドリブンによる意思決定を行うための1番目のステップは、ビジネス目的の明確化です。あらかじめ、最終的に到達したい目標（KGI）を定め、そこから逆算して中間目標（KPI）を設定します。まずしっかりと計画を練っておき、設定した目標をもとに情報収集・分析を行うことで、効率的な意思決定が可能です。
目的を設定する際には、可能な限り現場の要望を取り入れることをおすすめします。従業員からの理解を得られれば、目標達成がさらにスムーズになるはずです。
データ収集・可視化
データドリブンによる意思決定を行うための2番目のステップは、データの収集です。ありとあらゆるデータを集め、意思決定の材料とします。1番目のステップで設定したKGI・KPIを達成するために必要な情報を集め、それらを整理して数値など目に見える形に変換しましょう。
多量のデータを扱い可視化するのは非常に骨が折れますが、的確な意思決定のためには欠かせない作業です。
データの分析
データドリブンによる意思決定を行うための3番目のステップは、データの分析です。集めたビッグデータを時間の変化やほかのデータとの関連などさまざまな角度から分析し、グラフや図形を用いてわかりやすくまとめます。
効率的かつ適切なデータ分析を行うには、すべての情報が統合された基幹システムを構築したほうがいいでしょう。また、本来データ分析にはアナリストなどの専門知識が求められますが、分析ツールを活用することでも対応が可能です。
データ分析の考察から行動を起こす意思決定
データドリブンによる意思決定を行うための4番目のステップは、データ分析の考察です。
情報を分析した結果から、どのような行動を起こすべきかを考え、経営に関する具体的な計画を立案します。データ分析段階ではAIが活用できますが、意思決定はさまざまな要因が絡み合っているため、最終的な判断は人間が行うほうがいいでしょう。
計画は実行すればそこで終了というわけではありません。効果を検証し、さらなる改善を目指すことでPDCAサイクル（Plan・Do・Check・Action）を回し、意思決定の精度を高めていきましょう。
データドリブンによる意思決定を行うためのBIツール
BIツール（ビジネスインテリジェンスツール）とは、ビッグデータから設定したKGI・KPIに適した情報を素早く抽出しわかりやすく可視化することで、迅速な経営判断をサポートするツールのことです。
BIツールを使えば、独立したシステムの情報を統合できます。情報が基幹システムに集約されていない会社でデータドリブンによる意思決定を行う際には、BIツールを導入するのがおすすめです。
関連記事：BIツールとは？基礎から解説する機能・メリット・デメリット・導入成功のポイント
まとめ
ここまで、現代の企業にデータドリブンによる意思決定が必要な理由と得られるメリット、具体的な手順について解説してきました。データドリブンによる意思決定は、ただ実行するだけではなく、PDCAサイクルを循環させることが重要です。
データ分析には専門知識を要しますが、BIツールを活用することで作業の効率化が可能です。部署ごとにシステムが独立している会社がデータドリブンによる意思決定を行う際は、ぜひ活用しましょう。