なぜを引き出す自動分析BI
By Yellowfin Team
すべての答えがでているのに、なぜそれが正しいかを理解できていない人々を見て、不満を感じたことはありますか?
わたしはあります。それは、12歳の数学のクラスで代数の問題に取り組んでいたときのことでした。わたしは数学が大好きでした。これは、解決されるのを待つ巨大なパズルのようなものです。白髪交じりの数学の先生は、(Xを分離するために)数字をイコールの反対側に持っていくことで、魔法のように足し算が引き算に、割り算が掛け算に(またはその逆)に変わると教えてくれました。こちらの図のような図解が黒板に書かれおり、もちろんその通りになりました。(安心してください。これは代数のクラスではなく、ここから導かれるポイントをお伝えしたいだけです)
しかし同時に、わたしは強い関心を抱きました。なぜなら、数学は魔法ではなく論理だからです。だた数字を入れ替えて、逆の操作を行うことで方程式がうまく機能するなど、誰が夢に見るでしょうか。そこには必ず、その方式が機能する「理由」が存在しなくてはいけません。
そこでわたしは、先生にその理由を尋ねました。しかし、彼は同じ説明を繰り返しただけでした。少々恥ずかしい思いをしながら、わたしは再度質問を繰り返しました。「それが代数の考え方だからだよ。」これが先生の回答でした。何て不満の残る回答でしょう!「なぜならそうなるからだよ。」という回答が、十分であったためしはありません。ビジネスデータに関する依頼で、この回答が十分であったことがあるでしょうか。少なくとも、わたしはありません。
ダッシュボードデータは「何」を伝えるだけで、「なぜ」を引き出すことはできない
多くのビジネスがデータドリブンであることを熱望しています。彼らのデータベースにはテラバイトを超えるデータが保存されており、すべての依頼の答えがこの中に詰まっています。顧客数が5%増加、利益が3%減少、先月はマーケティングリードが急上昇、など。しかし、事実(データ)そのものだけでは十分ではありません。何かを改善したい場合、まずなぜそれが起きたのかを把握しなくてはいけません。しかし、通常それは非常に困難で、大きな課題となっています。
データ専門家からの回答が、「なぜならそうなるからです」だった場合に、その数字を信頼する人は非常に少数でしょう。しかし、これはアナリストのせいではありません。十分な技術を備えていても、彼らには原因につながる可能性のある相関性を詳細に掘り下げる時間がありません。Computing Researchの調査によると、49%の組織で、ビジネスに分析やインサイトを提供する人材は5人未満であると言われています。そのため、ダッシュボードというデバイスに任せっきりになっているのです。
ダッシュボードは現状、知識の中核を担っています。しかし、最後にダッシュボードにログインしたのはいつだったか覚えていますか。それが最後に興味深い内容を示したのはいつだったでしょうか。そして、そこから実際にデータを詳細に掘り下げたのはいつが最後でしたか。その際に、ダッシュボードのフィルターやドリル機能を使用して、どの程度容易に物事の発生原因を探ることができたでしょうか。
データダッシュボードは必要ない?
Computing Researchは、様々なサイズや業界のビジネスに、ダッシュボードの使用について調査を行い、以下のような回答を得ました。調査対象の89.5%のビジネスが、ダッシュボードを使用しているユーザーは全体の4分の1にも満たない、と答えています。そして、41.7%の回答者が、1週間でダッシュボードを使用する時間は1時間にも満たない。と述べています。これはつまり、彼らが自ら分析をすることはほとんどなく、ダッシュボードを使用してビジネスのある部分をモニタリングしているだけだと分かります。
ダッシュボード使用率の低さを示し、調査では次のように述べています。「実際にダッシュボードを使用しているユーザーは非常に少なく、メインで使用しているユーザーも、発生したイベントを特定するためだけに使用しています。このような使用方法では、組織がインサイトドリブンになることはありません。これでは、データドリブンな組織であると認定することはまったくできないでしょう。BIプラットフォームのこのような使用方法は、ただのモニタリングです。イベントの発生を確認することはできますが、そこから理解を深めることは不可能です。データに関するコンテキストは何もなく、インサイトもインスピレーションもありません。」
これは、ビジネスにデータドリブンが定着するには、まだまだ時間がかかることは示しています。そして、BI/アナリティクスプラットフォームの欠点への対応から、最大の問題は、さらなるインサイトを引き出すためにかかる時間であることが分かります。
最も求められているのはインサイトである反面、ダッシュボードが使用されていないのであれば、ダッシュボードは今日のビジネスデータニーズに対する答えではないように思われます。適応率が非常に低く、BIツールへの投資が限られている場合に、データドリブンなビジネスの構築を始めるのは適切でしょうか。ここでわたしは「データドリブン」よりも「インサイトドリブン」を目標に据えるべきだと提言します。
Computing Researchの調査は、データがあっても、そこからのインサイトがまったく得られないのであれば、それはデータドリブンではないと示しています。部門やチーム、ビジネスを運営するときに、盲目的に数字だけに従うわけにはいきません。なぜ急増、急減、ステップの変化が起きているのかを把握する必要があります。成功事例を再現し、失敗を繰り返さないようにしなくてはいけません。そこでこそ、自動化が本領を発揮します。
自動分析の台頭
自動分析は今や誰もが注目する話題の中心ですが、実際に注力している人はほとんどいません。調査では、既存のBIプラットフォームにAI主導の分析、または自動化をどの程度導入しているかも尋ねていますが、回答者の70%以上が、「検討中」、または「まったく」と回答しています。
しかし、自動化がビジネスデータに関するパターンやシグナルを特定することで、ダッシュボードのデータを自ら掘り下げる必要がなくなるとしたらどうでしょうか。早期に自動化に投資し、自動分析がダッシュボードが提供できないビジネスの重要なインサイトを提供できるようになれば、そのビジネスをさらに発展させることができるでしょう。BIやアナリティクスベンダーの大部分が、未だデータダッシュボードを製品の中心に据えています。ダッシュボードはビジネスのモニタリングに優れていますが、ビジネスの変革を促進するインサイトを提供することはできません。