【CEOメッセージ】 セルフサービスに隠された嘘
私の友人に、毎年ジムの会員権を更新しているにもかかわらず、実際には利用していない人がいます。彼自身はジムに通い、身体を鍛えたいと思ってはいるようですが、実際にはなかなか通えないようです。
ある日、彼はジムのマネージャースタッフに聞いてみたそうです。「会員費だけ払って通わない私のような会員をどう思います?」と。すると、そのマネージャーは、”もうけ”だと言ったのです。
これはBIや分析業界でも同じことが言えます。導入後のユーザー利用率がかなり低いにも関わらず、それを無視して製品を販売し続けます。それらの製品が購入されれば、実際に利用されなくてもベンダーは利益を得るのです。
Cognos社の元マーケティングマネージャーは、「私たちにとっての最高の顧客とは、製品を購入して利用しない顧客です」と私に言いました。 BI製品導入後にツールが利用されないことが、それほど悪いことだと思われていない業界の認識がこのコメントにあらわれています。
【それでは、なぜBIの利用率がそれほど低いのでしょうか?】
ベンダーは、間違った製品を間違った人々に製品を提供してきました。勘違いしないでください。モダンBIは、データアナリストには素晴らしいツールです。問題は、ビジネスユーザーたちが興味があるのは、現場の課題を解決できるような分析レポートを得られるかということだけです。データの準備やレポート作成は「セルフサービス」の業務ではなく、現場のビジネスユーザーはそれをできる状況にないというのが現実です。
異なる意見をもつ人たちに私は直接会って話を聞くようにしています。ビジネスの現場で、通常業務をこなしながらどれくらいの時間をダッシュボードをつくることに費やすことができるのかなどについてです。実際に現場のスタッフと話をしていると、「セルフサービス」BIの欠陥がみえてきます。
今存在するほとんどのBI、分析ツールは、データアナリストのために構築されています。そのため、データアナリストがコンテンツを準備することなく現場の担当者だけで分析を行おうとしても、決してうまくいきません。
しかし、実際のビジネスの現場では、データアナリスト向けの製品を一般のビジネスユーザーたちに提供しています。そのために導入後の利用率が極端に低いのです。
セルフサービスとしてのBIは、根本的に嘘なのです。
【セルフサービスから管理されたコンテンツへの移行】
あなたが新しい車を提供する際、パーツだけドライバーに渡して「後は自分で組み立ててね」では終わりませんよね?技術者に依頼して、ドライバーが快適に運転を楽しめるように完成させて初めてドライブを楽しむことができます。BIについて言えばビジネスユーザーは、技術者ではなくドライバーなのです。使い勝手がよく、自分たちのニーズにあわせてつくられているツールは、ビジネスユーザーも問題なく利用することができます。
【Yellowfinの挑戦】
Yellowfinを創業した当時、正直私は他のベンダーと違った価値観を持つとは想像していませんでした。しかし、トラディショナルなBIとは異なる方法で、多くの課題を抱える企業と歩んでこれたことはとてもラッキーでした。
セルフサービスよりも、彼らが望んでいたことはむしろビジネスの課題を分析ツールをつかって解決するオーガナイズされたアプリケーションでした。(現在これらを「分析アプリケーション」と呼んでいます)
その結果、私たちは彼らの望む機能を開発し、提供できるようになりました。私たちは顧客たちの意見に耳を傾け、真摯に向き合いながらYellowfinを構築し提供し続けることで、結果的に組織が使いやすい分析アプリケーションプラットフォームを構築することができたのです。
今後、しっかりと管理されたアプリケーションがこれまで以上にBI導入後の利用率を上げることになると私は確信しています。