アナリティクスファーストのソフトウェアベンダーに対抗する方法
ベンダーとして、わたしたちは常に市場に目を向け、次に競合となる脅威がどこに発生するかを把握しています。そして今わたしたちは、次に市場を震撼させる波となる、アナリティクスファーストソフトウェアベンダーを目の当たりにしています。
これらは、GainsightやC3のような新しいクラスのベンダーであり、データを促進するトランザクションではなく、トランザクションを促進するアイデアデータに基づきアプリケーションを構築しています。
すべてのエンタープライズソフトウェアベンダーにとっての課題は、この脅威にどのように対応するかということですが、これは難しいことです。大手ベンダーの場合は、社内に既得権益者がいて、この問題が起こることを把握していなかったり、どのように対応したらよいのか分からなかったりするでしょう。
この変化による脅威を過小評価する人もいるかもしれません。SaaSを例に挙げてみましょう。初期段階でSalesforceが台頭してくることを予測できた人はいるでしょうか。それが今日まさに起こっているのです。
ソフトウェア業界は常に革新的であると考えられていますが、既存のベンダーの大部分が革新的であったのは20〜30年前の話であり、今ではそうではありません。デジタル変革時代のエンタープライズソフトウェアベンダーであれば、基本的に以下の4つの選択肢を取ることができます。
1. 何もしない
何もせず、この新しいクラスのベンダーが市場を震撼させるのをただ見ているだけです。すべての顧客が解約するまで、ただメンテナンスストリームを実行し続けることもできます。
2. 購入および統合
これら新しいクラスのアプリケーションのひとつを購入し、既存のソフトウェアに統合することができます。
3. 新規製品の構築
新規製品をゼロから自分たちで構築することもできます。何か異なることをするために、一部の大手ベンダーでは、新製品を組織の他の部分から切り離す場合があります。
彼らは完全に独立したチームを作り、今では革新的な機能を構築するために、多くの組織がこれを実行しています。これは、大規模組織における最大の課題が再発明であるからです。組織が既存の製品の開発に没頭しているため、変更する意思がない、または変更できない場合があります。
4. 既存のコア製品の変更
もうひとつの選択肢は、コア製品を変更するか、基本的にいま手元にあるものを修正するかです。
ここでの最大の課題は、不要なものを排除しようとして、貴重なものを失う可能性に備えなくてはいけないことです。既存の製品をどのように変更できるかについて、じっくり検討する必要があります。BMCはこれに近いことを実行し、ServiceNowへの対応として製品を完全に構築し直しました。この脅威により、彼らは自己満足から抜け出すことができました。
家をリフォームするときには、全体を取り壊してやり直す方が安くなる場合が頻繁にあります。古い家で気に入っていた部分はすべて失うことになりますが、その代わりに新しいキッチンが手に入ります。同じように、エンタープライズソフトウェアベンダーは、次のような質問を自らに問いかける必要があります。全体を取り壊してやり直した方が安くなるのか、それとも現在必要なリフォームを行った方が良いのか?
何をするにしても、それはまったく新しい、輝きを放つ、他と異なるものでなくてはいけません。誰かが興味を示してくれた場合、それが生き残れる唯一の手段だからです。
アナリティクスファーストソフトウェアの台頭
エンタープライズソフトウェア業界は、この20年にわたり、山のような変化を経験してきましたが、それに伴いアナリティクスファーストおよび拡張ユーザーへの移行が起きています。この傾向がビジネスにもたらす意味について、詳細を確認しましょう。