優れた分析アプリケーションデザインのための101ガイド

BIアプリケーションをデザインし、製品へ組み込むには、様々なタイプのユーザーが使用することを考慮してデザインをすることが重要です。例えば、熟練したデータサイエンティストは、チャーンを予測する詳細なモデルを使用するかもしれませんし、在庫を管理する責任者はどの在庫をどこへ補充する必要があるのかを知りたいだけなのかもしれません。いずれも、情報は一貫性があり魅力的であるだけでなく、彼らの特定のニーズに関連している必要があります。今回の記事では、すべてのユーザーに喜ばれる優れた分析アプリケーションをデザインするために重要な基礎的事項をご紹介します。
 

1.シンプルに

デザインは明確に、鮮明にそして可能な限りシンプルにしましょう。あなたの分析ソリューションを使用するペルソナは様々で、それぞれのスキルセットは完全に異なります。デザインをシンプルに保つことで、すべてのユーザーが、提供される情報を簡単に理解することができます。
例えば、ダッシュボードをデザインする場合、一般的に多くの人々が左から右へ読むため、最も重要な事項はその順番に配置しましょう。重要な数値は上部に配置し大きく表示しましょう。または、強調表示をすることも大切です。関連するビジュアライゼーションや比較情報を隣り合って配置することで、情報にストーリーを追加し、相関性を把握しやすくします。
ダッシュボードはひとつのページに収めるようにしましょう。ページのスクロール回数が増える度に、情報が使用される頻度は下がります。重要な情報をひとつの画面やページにおさめることで情報が使用され、アクションへつながる頻度が上がります。

2.一貫性

レポートからダッシュボードまで、分析アプリケーションの一貫性を保つことで、ユーザーは提供される情報をより簡単に解釈することができます。これは、統一されたユーザーエクスペリエンスを生み出し、情報理解をサポートします。
例えば、コアアプリケーションから分析製品に渡り、一貫した色を使用しましょう。これはアプリケーションにシームレスな流れを生み出し、情報を見やすくします。色は、ステータスや重要度、タイプや地域、値など、その他重要な特徴を伝えるために使用することができます。伝統的に、赤は悪い、緑は良い、といったように、アプリケーション全体を通して関連する数値や次元には、常に同じ色を使用しましょう。例えば、利益を青で表現するとします。そのため、棒グラフでも線グラフでも、利益を表示する場合グラフは青くなります。これにより、ユーザーは青色を参照する度に、それが何を表現しているのかを直感的に理解することができます。ユーザーにとって情報を吸収しやすく、複数のデータセットに渡り重要な点を瞬時に認識できるようになります。
色盲の方々は、赤と緑の区別がつきづらいため、他の要素をデザインに使用するようにしましょう。形や線、陰影の使用は、重要な情報を認識する上で役立ちます。
一貫性は、アプリケーションにより多くのコンテンツが作成されるに従い重要度を増します。命名規則のような事柄は、アプリケーション全体を通して一貫していなくてはならず、異なる情報を表現する際に類似する名前を使用してはいけません。もし、3つの数値が異なる計算式により算出されているのであれば、すべてを「売上」と表記してはいけません。レポート作成者は、売上レポートを作成する度に、あなたに不満を漏らすかもしれませんし、最悪の場合、彼らが間違った数値を使用することで、不正確なレポートを作成してしまうかもしれません。各フィールドに一意の名前を命名して識別しやすくしましょう。また、各名前に説明を付けることも重要であり、これによりユーザーは、特定のフィールドが何を表しているのかを簡単に理解することができます。
ダッシュボードに一貫性を持たせる別の方法としては、使い慣れたグラフ形式を使用することです。認識しやすい形式を使用すれば、ユーザーにとっても簡単に識別できることになります。3Dのような派手なデザイン要素は必要ありません(絶対に使用してはいけません)。またユーザーが使い慣れていない限り、特別な形式のグラフも使用してはいけません。これらは、ユーザーに混乱をもたらし、余計な不満を招くだけです。

3.ストーリーが絶対的に重要

GartnerのJames Richardsonは、その優れた論文「Four Ways to Get More Value out of Data Visualization(データビジュアライゼーションから更なる価値を引き出す4つの方法)」の中で、インフォグラフィックを使用して情報の吸収や保持を改善し、優れた意思決定を行う方法について話しています。この論文の重要点のひとつが、ストーリーです。情報を理解できるストーリーを追加することで、ユーザーの解釈をサポートし、情報活用を促進します。ストーリーの重要性を認識することで、彼らはより情報を信頼することになります。
ストーリーは、デザインアイテムとして見落とされがちです。あなたがデータを理解していても、エンドユーザーは理解していないかもしれません。そのため、分析が伝えるストーリーへの方向をユーザーへ伝えることが、これほどまでに重要なのです。これは、矢印やチェック印、クロスのような簡単なものかもしれませんし、参照している情報に対する詳細な説明の表示かもしれません。注釈からコメントまで、これらは情報にストーリーを追加するデザイン要素であり、ユーザーは情報や、その関連性を簡単に把握することができます。

4.量ではなく質

ダッシュボードやレポートに大量の情報を盛り込むことは、最善策ではありません。ここでの目的は、どのような情報を参照することができるのかを、ユーザーに分かりやすく提示することです。
フィルターのようなツールを提供することで、ユーザーはコンテンツを詳細に確認することができますが、必要以上に多くを提供してはいけません。通常は4つ、または5つ程度で十分です。ダッシュボードに情報を配置し過ぎると、ユーザーは混乱し、実際に何を分析しようとしているのか失念してしまうかもしれません。
あなたは、アプリケーションですべての情報を利用可能にしたいと思うかもしれませんが、すべてのペルソナにとって、これが適切とは限りません。製品のデザインをする際には、ユーザーそれぞれに必要な情報のみを提供するようにし、利用可能なすべての情報を表示しようとしてはいけません。もし、ユーザーが必要とするものが不明確であれば、段階的に機能を提供するのがよいでしょう。これによりユーザーは、新しい機能を提供する前に、ひとつずつそれに慣れていくことができます。また、徐々に機能を展開することで、ユーザーの使用状況をテストし、彼らの適応状況を確認することができます。

5.アクションにつながる情報であることを保証

いかに情報が優れていても、誰もそれを使用しなければまったくの無意味です。製品をデザインする場合、人々がどうようにデータへのアクションを起こし、これを製品へ構築するのかを理解することが重要です。これは、製品デザインにおける論理的なステップですが、驚くべきことに、実際に実施しているビジネスは非常に少数です。
在庫責任者を例にしてみましょう。分析アプリケーションが、在庫が特定のレベルを下回っていると特定したとしましょう。そして、次に取られる論理的なステップは、在庫を特定のレベルまで補充することです。ここで、在庫責任者に、在庫レベルが下回っている、という情報だけを与えてはいけません。在庫を再発注するためのソリューションも提供しましょう。分析の背後にあるアクションをより多く提供することで、ユーザーはさらに多くの価値を得ることができます。
デザインへの時間投資は、費用をかけるべきポイントです。これは、分析アプリケーションを可能な限り魅力的にし、情報とユーザーの共鳴を確実にします。可能性をすべて提示することでユーザーを圧倒したり、困惑させる必要はありません。彼らは情報を理解し、それをより良い意思決定に使用することで、アプリケーションからさらに多くの価値を得ることができます。

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