Part1:機械学習、AI、自動化がBIアダプションの障壁を打ち破る方法
AIはアナリティクスの課題を解決できるのか
すべてのビジネスインテリジェンス(BI)やアナリティクスベンダーは、彼らの製品に何らかの形式で人工知能(AI:Artificial Intelligence)や、機械学習(ML:Machine Learning)アルゴリズム、自然言語生成(NLG:Natural Language Generation)を統合しています。「拡張アナリティクス」は話題のトップに上がるトピックであり、現在数多くの誇大宣伝が巻き起こっていますが、これは何十年にも渡りBIツールの課題となっている根本的な欠陥 – アダプション(ユーザー適用率)を解決することができるのでしょうか。
Gartner Survey Note(リンク先は英語)は、分析製品のアダプションは、組織内の従業員の32%であると示唆しています。しかし、わたしのこれまでの経験では、この割合はもっと少なかったように感じます。
アナリティクスアプリケーションのアダプションは、解決しなくてはいけない大きな問題であることが明確です。なぜならこの数値は、量的証拠に基づいて行われるビジネスの意思決定が、ごく一部に留まっていることを強調するからです。データなしではビジネスは効率性を最適化することができず、すぐさま経験的なデータに基づき意思決定する文化を構築する組織に陥ってしまうことでしょう。
アナリティクスの新しい波の到来を支えるテクノロジーであるAIやML、NGLは何十年も前から存在していますが、それらのアプリケーションのアナリティクスへの適用が、エンタープライズでのアナリティクスの使用方法を根本的に変えていくであろうことは既に明確です。
「機械学習や自然言語生成を使用してインサイトを自動化するアプローチである拡張アナリティクスは、データとアナリティクス市場に次なる衝撃を与える波になります。
これは、ユーザーによるデータとの対話や、インサイトの使用、それに基づきアクションを起こす方法を変えることでしょう。」
– Gartner “拡張アナリティクスはデータとアナリティクスの未来”
(多くのビジネスが主張するにも関わらず)組織全体にわたり、中央集約されたデータドリブンなアプローチを持つ組織は非常に稀です。ビジネスユーザーの分析スキルの欠如や、依頼をしてからインサイトが提供されるまでのタイムラグ、その他様々に重要な要素から、アナリスト以外の人々は、BIツールが仕事を完了させるための遅延の一因とみなしていることが分かります。そのため、アダプションが低い割合に留まります。果たして、拡張アナリティクスは、これを解決できるのでしょうか。
しかし、拡張アナリティクス自体にも独自の問題があります。このブログシリーズでは、アナリティクスの現状や、AIドリブンなテクノロジーを通してアダプションを向上させる機会、そしてこのアナリティクスの新しい波がもたらす課題を紹介していきます。
アナリティクスの現状
様々な観点から、ここ数十年でのBIはあまり変化していません。未だにダッシュボードを中心としており、膨大な量の手作業でのデータ準備を要求します。
優れたBIツールがあれば、(運用、分析、戦略)ダッシュボードへアクセスし、詳細な情報を取得するためにデータソースへ水平的、垂直的にドリルする能力を持ち、複数のユーザーへデバイスを通して共有、ブロードキャストすることができます。さらに、ルールに基づきアラートを設定することで、アクションにつながるデータインサイトを得ることができます。これらの一部は新しい機能のため常に利用できるわけではありませんが、すべてはBIの基盤であるダッシュボードに戻ります。
業界をリードするBIツールの大部分には前述の機能が様々な形式で備わっているとしても、セルフサービスアナリティクスツールに期待され、約束されている、アナリティクスの広範囲にわたるアダプションまでは実現されていません。
ビジネスにおけるアナリティクス使用率に関するデータの現状
Computing Researchは、様々な業界に渡り、従業員250人未満から、数千人規模の110の企業に対して、アナリティクス使用率に関する調査を実施しました。一部の結果は、以下のデータから確認できます。これは、アナリティクスアダプションの現状と、今日のビジネスの進歩に焦点を置いています。
調査では、68%のビジネスがアナリティクスの使用において、追従しているか、遅れをとっていると回答しています。これは、ビジネスがアナリティクスの可能性を完全に実現するまでには、長い道のりがあることを物語っています。
社内のアナリティクス使用を最も適切に示す状況はどれか
アダプションの課題を強調する内容として、以下の結果が示すように、今日のビジネスの77%で、アナリティクスがその本質的価値を「まったく発揮していない」、または「恐らく発揮していない」という回答を得ています。これほどまでに多くのビジネスが未だにデータではなく直感に頼っているということは、アダプションが依然として最悪であることをお分かりいただけるでしょう。
社内のアナリティクスはその本質的価値を発揮しているか
いまだに、今日の優れたツールが完全に活用されていないとするならば、どのようにしてこのアナリティクスの新しい波によるデータの使用を増加させることができるのでしょうか。まずは、これまでのアナリティクスの歴史がどのように進化し、古い課題を解決して、新たな課題をもたらしてきたのかを高いレベルで理解する必要があります。これにより、低いユーザー適用率の原因や、拡張アナリティクスがこれをどのようにサポート、または妨げるのかを理解し始めることができるでしょう。
このブログは、4部シリーズです。パート2はこちらです。