データカルチャーの創造に必要な3つのこと
わたしは、データが大好きです。データはわたしの生きがいであり、いつもワクワクさせてくれるものです。先日、Big Data and AI Executive Survey 2019（リンク先は英語）を読み、何がデータカルチャーを創造するのかについて考えてみました。この調査によると、回答者の72％が、未だにデータカルチャーを創り上げることができていないと述べています。
すべてのビジネスが何かしらの形式でデータを利用していますが、ビジネスの動きを本質的に理解し、戦略的な意思決定を行うために、これらのデータを活用することはありません。データカルチャーとは数字を見つめることではなく、戦略に対してデータドリブンな意思決定を行うことです。
データカルチャーの創造には、以下の3つが必要になります。
※動画は英語です。
1．トップダウンのリーダーシップ
わたしのお気に入りの言葉の中に、前Netscape CEO Jim Barksdaleによる、「データがあれば、データを見よう。わたしたちが意見しか持たないのであれば、わたしの意見を採用しよう」、というものがあります。
データカルチャーの創造に向けて、一番重要なことは、トップダウンのリーダーシップです。上級管理職は、意思決定のためにデータを利用する行動のモデル化に積極的でなくてはいけません。上級管理職が、彼らの意見を基に意思決定を行うようであれば、他の人々がデータを使用して意思決定を行わなくてはいけない理由に説明が付きません。
上級管理職は、すべての重要な意思決定が、調査やデータに基づき行われていることを示す必要があります。調査は定性的でも、データドリブンでも構いませんが、データカルチャーを創造するためには、データよりも個人の意見が重要であるという考えを打破しなくてはいけません。わたしたちの意見はそれぞれのバイアスに基づいており、これらのバイアスは間違いであることが何度も証明されてきました。データはビジネスに影響を与えるはるかに強力なツールであり、リーダーシップはそれを示す必要があります。
2．分析の需要
データカルチャーを創造するためには、上級管理職がレポート作成だけでなく、ビジネスの分析を依頼する必要があります。提出された数字を差し戻し、それに対するナラティブ（物語）や説明を求めなくてはいけません。すべての物事がデータありきで進むという要件を正当化するために、質問を投げかけます。データを要求し、数字を掘り下げることで、データカルチャーを創り上げることができます。
Yellowfinでは、各部門がデータストーリーを作成します。これは、定義済みの分析的な質問を含む、ビジネスの月次分析であり、必ず回答しなくてはいけません。何が起きたのかだけを伝えるのでは不十分で、なぜそれが起きたのか、ビジネスがどのように変化しているのかも説明しなくてはいけません。これにより、それぞれの部門がビジネスを戦略的に考え、単に「今四半期の売上が10％上昇しました」と報告するだけでく、データが持つ意味の詳細を考えるようになりました。
3．透明性
数字や分析を非公開にしていては、データカルチャーの創造はできません。チームの上下関係なく、すべての人々が分析を確認できる必要があります。透明性、誠実さ、そして真実が責任を生み出します。
Yellowfinでは、各部門のデータストーリーを全体で共有します。このアプローチは、既存の管理方法に対して多くの問題を明らかにしてくれました。これまでは、人々が何かを思い込むことで、それが文化の真実になりましたが、それはデータに基づく真実ではありませんでした。透明であることでストーリーはただひとつになり、そのストーリーは数字に基づいています。
透明であることで、人々は意思決定が行われた理由を理解することができます。例えば、顧客のチャーンレート（解約率）を分析したところ、一定水準以下の取引を失っていることに気が付いたとします。これにより、これらのビジネスにかける時間や労力を大幅に節約することができます。分析を全員で共有することで、人々は意思決定が行われた理由や、それがどのようにビジネスを最適化するのかを理解することができます。
これら3つのことでデータカルチャーを創造することは可能ですが、これらを提供するためには適切なツールも必要になります。まずダッシュボードや、分析を構築するための何かが必要です。そして、物事が変化した時に通知してくれる何かも必要になります。これにより、最新の数字や傾向を把握することができます。
データカルチャーの創造は、データが重要とみなされ、戦略的な意思決定のために使用される環境を構築することでもあります。これは、ビジネスが大きく、より複雑になる中で非常に重要になります。大規模ビジネスの中で適切な意思決定を行うためには、データドリブンでなくてはならず、そのためには、データカルチャーが必要不可欠です。