Materna & RZF: サポート終了したBMC Smart Reporting からネイティブなYellowfin BIの導入へ
背景
Maternaは、企業や政府機関のデジタル化を専門とする国際的なITサービスプロバイダーです。1980年に設立されたMaternaは、デジタル管理、エンタープライズサービス管理、サイバーセキュリティ、デジタルレジリエンスなどを重点分野とし、Maternaグループの傘下の複数の子会社に分かれて、世界中で4,000人以上の従業員を雇用しています。
Maternaは、DACH (ドイツ、オーストリア、スイス) 地域における最大のBMCパートナーの1つであり、世界をリードするBMCソフトウェアの主要パートナーとして、多くの顧客がBMCの以前の組み込みレポーティングツールであるSmart Reporting (Yellowfin BIの古いビルドを使用したホワイトラベル版) を導入する支援をしてきました。
Maternaは2016年よりYellowfinのパートナーであり、BMCが2022年にSmart Reportingのサポート終了 (EOL) を発表したことを受け、既存のレポーティングツールのアップデートを必要とする顧客を複数持つMaternaは、顧客がSmart ReportingからYellowfin BIのネイティブなアナリティクス機能へシームレスにアップグレードできるよう、Yellowfinの支援を求めました。
私たち (Materna & RZF) は恐らく、BMCデータベースへのアダプターを介して、ネイティブなYellowfin 9の機能をBMCレポート資産で動作させることに成功した最初の企業でしょう。
Materna マスターコンサルタント Uwe Reimers
課題
BMC Smart ReportingのEOLとより多くの機能へのニーズ
Maternaの顧客であるRZFは、ドイツ最大の連邦州である「ノルトライン=ヴェストファーレン州の税務当局のためのコンピューティングセンター」の略称です。RZFは、地方自治体のための州営IT企業であり、財務省のサービスプロバイダーとして、また他の地方および地域の税務署と協力しながら業務を行っています。
2018年、同社がこれまで使用していたBMC ITSMに付属していたツールでは必要な機能をすべて提供できなくなったことを受け、Maternaは、RZFのレポーティングソリューションとしてSmart Reportingを評価する支援をしました。
しかし、数年の間に、RZF独自のデータニーズはSmart Reportingが提供する機能を超えるようになりました。これは、Yellowfin レポーティング製品がネイティブに備えている最新機能を備えていなかったからです。その機能には、以下が含まれます。
- レポートを作成するためのウェブベースのプラットフォーム
- 特定のユーザーがリリースに関係なく、追加ツールを必要とせずに、各自の希望に沿った独自のレポートを作成できる機能
- 新しいBMC Helix セットアップで既存のレポートを使用できる機能
RZFでは、Smart ReportingのEOLが迫るなか、最新のアナリティクスソリューションが必要であることを認識し、再び地域のパートナーであるMaternaに相談をしました。「私たちには、機能拡張の余地を備えた、より優れたレポーティングソリューションが必要でした」と、RZFのチームメンバーは言います。
ソリューション
完全にネイティブなホワイトラベルアナリティクス機能を備えたYellowfin
2020年、RZFは、新しいツールへのアップグレードにより、ユーザーがより詳細なデータレポーティング機能を利用できるようにするため、Maternaに支援を依頼しました。Maternaは、以下の要因に基づいて、Yellowfinの完全にネイティブなプラットフォームが、新しく更新されたアナリティクスソリューションとしてRZFに何をもたらすのかを示しました。
- RZFには、Smart Reportingで作成されたレポートが多数あり、それらを簡単に再構築したり、ネイティブのYellowfin環境に移行できること
- Yellowfinの機能セットが、RZFの最新のデータ要件や事例の実現に役立つこと
- Smart Reportingは、古いビルドを使用したホワイトラベル化されたYellowfinであったため、YellowfinはRZFのSmart Reporting ユーザーに使い慣れたユーザーエクスペリエンスを提供すること
「RZFはBMCの高度にカスタマイズされたソリューションを使用していましたが、時間の経過と共に、様々な管理チームの要求に基づいて、より詳細なレポートが必要になりました」と、Materna グループのフォーカスアカウントマネージャーであるGereon Pankninは言います。「残念ながら、BMCのレポーティングオプションではもはやその要求を満たすことができず、そのため、彼らは未来に備えたいと考えていました。」
「RZFは、Smart Reportingを使用して多くのレポートを作成してきましたが、これはかなり古く、Yellowfinの現行バージョンよりも数年遅れていました。そこで、異なるデータベースを使用し、当社のITSMチケットシステムからの情報を統合して、Yellowfin プレゼントでデータを集約したり、Yellowfinの使用を改善できる可能性があると考えました」と、移行と実装のプロジェクトを管理したMaternaのマスターコンサルタント Uwe Reimersは言います。「Maternaにとって、Yellowfinは、RZFで使用していた既存のITSM製品に非常に適しており、すべてのプロセス、有効なチケット、解決時間などのKPIを集計できるため、最も簡単な選択肢でした。」
「RZFにとって、Yellowfinの価格体系は大きな推進要因でした。Business Objectsのような他のBIソリューションは、はるかに高額であったためです」と、Uweは続けます。「RZFの経営陣は、Yellowfinのプレゼント機能を毎週の変更レポートに活用できると考えていました。これらが、Smart ReportingがEOLになる前の2021年にYellowfinを選択した主な要因です。」
導入
より優れたセキュリティ、ユーザー同期、アップデートされたレポーティング
RZFは、成長するアナリティクスニーズに対応する最善のソリューションはネイティブなYellowfinの導入であると判断し、Maternaと協議した上で、2021年2月にYellowfinを購入しました。
「BMCがSmart Reportingのサポート終了を発表した時、RZFは『よし、ネイティブなYellowfinの導入を始めよう』と決断しました」と、移行と実装のプロジェクトを管理したMaternaのマスターコンサルタント Uwe Reimersは言います。「Maternaはプロジェクトで2つの役割を担いました。1つはRZFのプロセスに関するコンサルティング、もう1つはITSMツールの開発に関するコンサルティングです。」
Maternaの最初のタスクは、RZFがSmart Reportingで作成した膨大な数のレポートをYellowfinに移行し、その上で権利管理システムを構築する支援をすることでした。「多くのレポートはYellowfinで再構築するか、エクスポートして新しいシステムにインポートしました」と、Uweは言います。
「その後、独自のユーザー同期を実装し、Smart Reportingでのバージョンからシングルサインオン (SSO) を強化して、所属するすべてのユーザーとグループがITSMで構成され、Yellowfinで同期されるようにしました。これにより、RZFは異なるシステムでユーザーを管理する必要がなくなりました。」
「この機能により、RZFのユーザーは、簡単にYellowfinと所属するグループにアクセスできるようになりました」と、Uweは続けます。「例えば、インシデント管理グループに属する人は誰でも、自動的にYellowfinと必要なレポートにアクセスできます。これにより、RZFはユーザー権限の設定が容易になりました。」
全体的なアップグレードと導入がスムーズに進むように、Maternaは、以前にBMCのSmart Reporting 統合を支援した経験を持つ、Yellowfin チーフプロダクトアーキテクトであるPeter Damenと緊密に連携しました。「私たち (Materna & RZF) は恐らく、BMCデータベースへのアダプターを介して、ネイティブなYellowfin 9の機能をBMCレポート資産で動作させることに成功した最初の企業でしょう。」と、Uweは振り返ります。
結果
最新の組み込みアナリティクス製品
RZFは2022年9月にYellowfinの導入を開始し、現在ではユーザーがYellowfin BIのネイティブな機能セットすべてを利用できるようになったことで、以下の成果を達成しています。
- APIのおかげで、ユーザーアクセス管理がシンプルになり、また、ユーザーはSSOを介してレポーティングプラットフォームを簡単に使用できるため、期待以上の効果がもたらされました。
- 特定のビューを作成し保存することで、モジュールマネージャーは、これらのビューを基に独自のレポートを簡単に作成できるようになりました。
- Yellowfinをスタンドアロンで実行し、新しいBMC Helix設定に接続することで、既存のレポートを再利用できます。
「RZFでは現在、80-90人のユーザーがYellowfinを使用しており、20のプロセスと、これらすべてのプロセスに関するKPIレポートが経営陣に送付され、集計されています」と、Uweは言います。
Maternaにとっても、Smart ReportingからネイティブなYellowfinへの移行はスムーズに完了しました。「当社側では、ITSMプロセスのすべてにおいて、ほぼ同じデータ構造を使用しています。これが、すべてのレポートを迅速に作成できる利点の1つです」と、Uweは述べています。
今後
2023年9月、RZFはYellowfinの特別オファーを4コアにアップグレードし、ユーザー数無制限の3年間の容量ベースライセンスへ移行しました。RZFは、YellowfinをCTI、人員配置、作業負荷計画など、社内の他の部門に関するレポート作成に使用していく予定です。
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