ガイド付きNLQを使ってみよう

ガイド付きNLQを使ってみよう

Yellowfinは、マウスのドラッグ&ドロップで誰でも簡単に表やグラフを作成することができるように設計されていますが、より簡単にデータを可視化する方法として、自然言語を使用して表やグラフを作成することができる、ガイド付きNLQ(Natural Language Queryの略。自然言語クエリー)という機能が搭載されています。

ガイド付きNLQとは

ガイド付きNLQは、2021年にリリースされたYellowfin 9.7で初めて搭載された、自然言語クエリーの機能です。当時は、さまざまなBIベンダーが検索ベースの自然言語ソリューションを製品に搭載していましたが、AIの学習にかかるコストに見合うだけの結果が得られるソリューションは、ほとんど無かったのではないかと思います。このような課題が浮き彫りになっている中で、当時のYellowfinが採用したのは、人間が入力した文章をAIに理解させて結果を得るというものではなく、人間がソフトウェアにわかりやすいかたちで文章を組み立てるという全く逆のアプローチでした。詳細については、「自然言語クエリが普及しなかった理由」と題して、当時のCEOが語っていますので、ご一読いただければと思います。

Yellowfinのガイド付きNLQは、ガイドに沿って質問文を組み立てることによって、データを可視化することができる機能です。質問のタイプを選択すると、質問文を組み立てるための選択肢や値の入力を促すガイドが表示されるので、Yellowfinの操作に慣れていないユーザーでも簡単に表やグラフを作成することができます。

文章を組み立ててボタンをクリックするだけでグラフを作成できます

ガイド付きNLQを使用するためには、ユーザーにNLQを使用する権限が付与されていることと、ガイド付きNLQが有効になっているビューが必要です。まずは権限の確認からしていきましょう。

NLQの設定をおこなうためには、「ガイド付きNLQ管理権」が必要です。NLQの設定は、ビューでおこなうので、ビューの編集権限が付与されているロールに設定するようにしてください。ビューの編集権限が付与されていないロールにガイド付きNLQ管理権を付与しても、NLQの設定はできないので注意してください。

NLQを使用するためには、「ガイド付きNLQ使用権」が必要です。レポートの作成権限は必要ありませんが、権限を持っているとNLQで作成した表やグラフをレポートとして編集・保存することができるようになります。NLQを使用するだけであれば、「ガイド付きNLQ管理権」やビューの編集権限は必要ありません。

権限の確認ができたらNLQの設定を見ていきましょう。ビューの編集メニューから自動分析設定を開き、「ビューでガイド付きNLQを有効にする」を有効にします。

「プライマリー日付フィールド」を指定すると、「ガイド付きNLQのデフォルト日付期間」を設定することができるようになります。これは、NLQで日付の期間を指定しなかった場合に適用される日付の期間です。対象のデータ量が多くパフォーマンスに懸念がある場合は、忘れずに設定しておきましょう。

続いて、基本変数を設定します。ガイド付きNLQで使用したいフィールドにチェックを入れていきましょう。チェックできるフィールド数に制限はありませんが、明らかにNLQでは使用しないであろうフィールドのチェックは外しておきましょう。

一般設定で「プライマリー日付フィールド」に設定した日付フィールドには、自動でチェックが入ります。日付のフィールドについては、日付フィールドの書式が「日付フォーマッター」になっていると、NLQでは使用することができないので注意してください。NLQで使用したい日付フィールドの書式は、「日付」に設定しておきましょう。

ビューに、計算フィルターやフィルターグループを作成している場合は、これらをNLQの「フォーカスエリア」として使用することもできます。サンプルデータのSkiTeamに設定されているものを例にあげると、Broken bones under 20s(20歳未満で骨折したことのある顧客)、Under 18s APAC(18歳未満のAPAC地域の顧客)といった条件の組み合わせがフィルターグループ(もしくは計算フィルター)として登録されています。「フォーカスエリア」でこれらのフィルターを選択することで、NLQの質問文で条件を指定しなくてもデータを絞り込むことができるので、よく利用する条件は設定しておくと良いかもしれません。

以上で、ガイド付きNLQを使用するための準備は整いました。

 

ガイド付きNLQを使用する

例えば、Yellowfinのサンプルデータを使用して「請求金額の前年比」について知りたいと思ったとき、Yellowfinでのレポート作成に長けたユーザーであれば、すぐさま目的のレポートを作成することができると思います。私も一応Yellowfinのコンサルタントの端くれですので、あれをこうしてフィルターはこう設定して・・・と、レポートの構成イメージは浮かんできます。あとはどんなグラフで表現しようかな、と考えるくらいですね。ガイド付きNLQであれば、Yellowfinの操作に慣れていないユーザーであっても、同じように「前年比」のレポートを作成することができます。

新規作成ボタンから「自然言語クエリー」を選択してガイド付きNLQを使用してみましょう。表示されるガイドを使用して質問文を組み立てていきます。

「前年比」を表示する場合は、「比較」を選択します。すると、メトリック(数値)のフィールドを選択するようガイドに促されますので、「請求金額」を選択します。

ガイドに比較する方法が表示されますので「期間の比較」を選択します。続けて、比較対象の日付期間を指定するようガイドが促してきますので、「前年(会計上)」と「今年(会計上)」を選択します。日付期間を選択するときのポイントは、比較元の日付を先に選択するようにすることです。前年比の場合、比較元となる前年の値を基準に今年の値の増減を表示するので、前年を選択したのち今年を選択する、ということになります。

質問文ができあがって「質問する」ボタンをクリックすると前年と今年の請求金額を比較した数値グラフと棒グラフが表示されました。

一度質問した文章は、鉛筆アイコンをクリックして変更することもできます。質問文の入力欄をクリックすると再びガイドが表示されるので、続けて文章を組み立てていきます。「分類」をクリックすると、数値をディメンション(次元)フィールドや日付で分類(カテゴライズ)して表示することができます。例えば、日付の粒度から「月」を選択することで、前年同月比を表示することもできます。

ガイド付きNLQで表示された結果は、グラフの右上のアイコンで表とグラフを切り替えたり、レポートとして開いて編集することもできます。また、右上の「追加」ボタンを使用してダッシュボードやストーリーに直接追加することができます。「保存」ボタンをクリックすると、レポートとして保存することも可能です。

 

おわりに

今回は、ガイド付きNLQの使い方をご紹介しました。ガイド付きNLQを使用することで、より簡単にレポートを作成することができました。Yellowfinでレポートを作成する操作に慣れていないユーザーにとっては、分析を始めるきっかけとして親しみやすいものになっていると思いますし、レポートを作成するまでもないけれど、アドホックにデータを可視化したいような場面でも使っていただけるかと思います。ガイド付きNLQの詳しい設定方法については、wikiに掲載していますのでご確認ください。次回は、AIと連携することによってより使いやすくなったAI対応のNLQ機能についてご紹介します。

Thanks for trying Yellowfin

Please complete the form below to request your copy of Yellowfin today.