経営ダッシュボードの概要と効果を総まとめ!ポイントを抑えた作り方でKPIを追跡
・データが社内に散在してい統合されていない
・データは収集できているが、見える化の仕組みが整っていないので活用できていない
・上層部にデータを求められてもすぐに最新の情報を提示できない
今では、データを一切取得できていないという企業はほとんどなくなりましたが、データをビジネスに活かしたいと思っていても、そもそも見える化の仕組みが整っていないと活用ができないですよね。
本記事では、世界50ヶ国以上、約29,000社以上で採用されるBIツールを展開するYellowfinが、効果的な経営ダッシュボードのポイントなどについて詳しく解説します。
経営ダッシュボードとは、組織内の売上情報や営業活動のデータ、仕入情報、人事関連のデータなど経営に関するあらゆるデータを一箇所に集め、データを直感的に理解できる形で可視化したものといえます。
様々なデータを数字から読み解き分析して次のプランを考えるのは、時間も手間もかかります。
経営ダッシュボードは、データを直感的なインターフェースによって表現されているので、視認性良く重要なデータの変化をリアルタイムで追跡しながらアクションを起こすことも可能になります。
経営ダッシュボードが持つ5つの効果
組織でよくあるケースとしては、数字の管理は各部署のそれぞれの担当者が管理しており、経営陣に「今現在の数値データを見せてほしい」といわれてもすぐに提示できないという状況です。
まずは各担当が管理している数字を集計する作業からとりかかる必要があり、時間がかかってしまうようなケースが多く見受けられます。
経営陣が見たい時に最新のレポーティング結果が見られる環境を整えれば、データに基づいた的確な判断ができるようになるだけでなく、レポーティングの業務負荷の大幅な削減にもつながります。
1,データ活用に関して企業が抱えている課題を解決
多くの企業では、社内の多くのデータを各部署が管理しており、連携・統合することができていません。
その原因として、売上データ・財務データ・人事データなどなど、それぞれのデータ同士の整合性が取れていないことなどが挙げられます。
しかし、それらを全体的に一箇所にあつめ、様々な角度から分析することができるのが経営ダッシュボードです。
2,意思決定を素早く可能にする環境を整える
経営層は、常にビジネスの現状を把握し、次なる戦略やアクションについて検討する必要があります。
そのために必要なのは、リアルタイムで経営戦略を立てるための確かなデータです。
それらをいつでも、どこからでも確認できる環境を整えることは、ビジネスを成功に導くためには欠かせないものとなってきました。
3,リアルタイムのKPI情報を常に把握
各業務アプリケーションから常に最新のデータを取得することで、経営ダッシュボードではこれらのデータを即座に把握できるようになります。
リアルタイムなKPIを追跡して、問題等あればすぐにアラームで通知を受け取り、何らかのアクションを起こせるようになります。
閾値を設定することでKPIを正確に追跡することができるのです。
4,社内の数値データを直感的にみれる
売上情報、営業活動情報、仕入情報など経営情報の多くを一箇所に集めて直感的なインターフェースで可視化することにより、誰がみても一目でデータを把握できるようになります。
よくあるケースだと、数値データをエクセルで保有しているため、データを分析するためには、エクセルの表を比較しなければならないという状況です。
しかし、エクセルの数値データを見比べても、一般ユーザーがそこからインサイトを見出すのは簡単ではありません。
だからこそ、経営ダッシュボードを作る際は、組織内の誰もが簡単にデータを基にした判断、アクションを起こせるような直感的なデータ表現にすることが重要です。
5,データに基づいた次の戦略・アクションが迅速にできる
データといえば、エクセルを使っている方も多いと思いますが、統合された数値データをエクセルの表で見るのとグラフを用いて一覧で表示するのとでは大きく見え方も変わります。
また、数値同士の比較も、グラフを用いればわかりやすく、最新のBIツールなどでは、自動で数値データの分析をし、原因などについて提示してくれる機能などもあります。
それにより、気づかなかった情報にも素早く気づけるだけでなく、特別な分析の知識がなくても、データを読み解き、戦略やアクションを迅速に可能にするのです。
経営ダッシュボードで表示すべきKPIを考える際のチェックポイント
経営ダッシュボードと言っても、企業によってデータの種類や見たい情報は大きく異なります。
大切なことは、BIツールなどを導入して経営ダッシュボードを作る前に、しっかりと多角的に検討しておくことです。
また、変化の早い現代において、データは常に監視し状況に応じで柔軟に対応していくことが大切です。
そのためには、会社以外のどこからでも経営ダッシュボードに安全にアクセスし、分析をすることができるようにすることが求められます。
1, 何のためにダッシュボードを作成するのか目的を整理
経営層がリアルタイムでデータを確認し、戦略を立てて実行できるために経営ダッシュボードを導入するとしても、企業によって環境や状況は異なります。
まずは、組織内にどのようなデータが散在していて、戦略を立てるためには何のデータを追跡する必要があるのかなどを、細かく確認してみましょう。
しっかりと事前に目的を明確化することは、効果的な経営ダッシュボードを実現するために大変重要です。
2, どのような指標を分析する必要があるのかを確認
どのような指標をみたいのかは、組織によって大きく異なります。
例えば、小売業だったら、在庫のデータ管理は売上に直結する大変重要なデータとなるでしょう。
在庫のデータ管理をダッシュボードで管理するようになってから、品切れでの販売機会損失がゼロになったという事例も多くあります。
企業には、あらゆる種類のデータが保有されており、それらをすべてみようとするのではなく、みたい指標をあらかじめ確認して、社内でも議論するようにしましょう。
3, どのようなグラフ形式でデータがみたいのかを検討
BIツールなどでは、様々なタイプのグラフ形式で表示することが可能です。
Yellowfinでも、50種類以上のグラフ表現が可能です。
そのため、どのような形式で表示するのが一番適切なのかをしっかりと事前に相談するようにしましょう。
経営ダッシュボードの作成時に抑えるべき6つのポイント
経営ダッシュボードを導入後に効果的に活用するために、どのように作成すべきなのか、おさえておきたいポイントを6つご紹介します。
1,見たい情報が網羅されているか
経営ダッシュボードをせっかく作成したのに、見たい情報を即座に確認して分析することができないと、本末転倒です。
そのような状況を避けるためには、事前に経営幹部も含めて、どのようなデータが重要であるのかを明確化しておく必要があります。
2,KPIに基づいたデータがみれるか
目標を達成するために、多くの企業ではKPIを設定しています。
経営ダッシュボードでは、リアルタイムにKPIを追跡することが可能におなります。
そして、何らかの急激なデータ変化があればすぐに通知をすることもできます。
しきい値を設定することでKPIを正確に追跡することができますので、それらの通知条件を事前に決めておくことで、状況の変化にも即座に対応することができます。
3,常に最新の情報が集計されているか
変化の早い社会に対応するには、常に最新のデータを読み解く必要があります。
数日前のデータを確認したところで、すでに状況が変わっている可能性があるからです。
経営ダッシュボードのデータが常に最新の情報にアップデートされるタイプのものかどうかは大変重要です。
4,異常値に対するお知らせ機能などがあるか
追跡している日々のデータが異常値を示した場合は、何らかのエラーやトラブルなどが考えられます。
それらに対するお知らせ機能などがあるかどうかは、効果的な経営ダッシュボードを作成する上で必須の機能とも言えます。
5,直感的なグラフが使用されているか
データを数値のみで読み解き分析するのは、特別な知識がない限り、大変難しく時間もかかります。
それらを直感的なグラフで表現された状態でダッシュボードに表示されることはもちろん、どのようなグラフ表現が最もわかりやすいのかをしっかりと事前に検討する必要があります。
多くのBIツールなどでは、数多くのグラフ表現の選択肢があり、ユーザーはそれらを自由に選ぶことができます。
的確な経営判断を実現するための魅力的なダッシュボードのポイント
経営ダッシュボードは、日々行われる経営に関する判断のベースとなるため、大変重要です。
組織によって必要な指標もKPIもかなり違ってくるため、どのように作成するかによって、導入後にそれらを有効に活用できるかどうかは大きく変わってきます。
会社を成長に導く経営ダッシュボードはどのようなものなのか、ポイントを見ていきましょう。
1, 魅力的なグラフ表現
経営ダッシュボードで表現されるグラフは、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、散布図、レーダーチャートなど、よく使われるグラフタイプはもちろん、他にも数多くのグラフ表現が可能です。
例えばYellowfinの場合は、50以上のグラフタイプから選択して数クリックでグラフを作成することもできますし、JavascriptグラフライブラリーをYellowfinに埋め込むことにより、イメージ通りのグラフを簡単に作成することができます。
また、D3 ChartsやSankey Diagram、Force-Directed Network Graphs、GoogleChartsなどを利用し簡単にダッシュボード上で可視化できます。
導入するBIツールなどによっても条件は異なりますので、グラフのデザインや色づかいなども含めて、経営ダッシュボードで表現するのに何が一番適切なものであるかを社内で検討しましょう。
2, 社内にデータを共有・指示をするための機能
経営ダッシュボードでデータを確認し、詳細の確認をしたい場合は、新たな指示をする必要がある場合、それらのデータを簡単に社内の特定の人と共有する機能がBIツールにはあります。
例えば、BIツールのYellowfinであれば、ストーリーという機能があり、数字にコンテキストを追加することで、ブログのようなスタイルでデータを社内に共有する機能がついています。
単純にメールなどで改めて指示を出すのではなく、グラフィカルな表現とデータを一緒に伝えることで、社内に共通の理解を可能にしやすくします。
3, 経営に影響を与えるような異常値検知に関するアラート通知
リアルタイムで日々のデータを管理している経営ダッシュボードでは、ビジネスデータを常に監視し続けることができます。
そして、何らかの異常を検知した場合には、迅速に確認、対応することが重要なため、アラートなどでお知らせを受け取る設定にしておくことが大切です。
たとえばYellowfinのシグナルという機能をつかうと、データに関して、いつ、何が、なぜ変化したのかを確認できます。
閾値アラートと組み合わせることで、データからインサイトを導き出し、経営判断に役立てることができます。
経営ダッシュボードがBIツールの導入により実現した事例
実際にYellowfinで経営層にデータを共有、レポートするためにBIツールを導入した事例をご紹介します。
事例1,バリューコマース
アフィリエイトマーケティング(成果報酬型広告)のパイオニアとして成長してきたバリューコマース。
以前の同社では、数字の管理はそれぞれの担当者が管理しており、経営陣が「クライアントの現在の実績を見たい」というと、各担当が管理している数字を集計して提出しなければなりませんでした。
そのため、経営陣が見たい時に最新のレポーティング結果が見られる環境を用意するため、BIツールを導入して経営ダッシュボードを作成することになりました。
今では、Yellowfinでリアルタイムの数字を把握できるようになった同社。導入後は経営ダッシュボードとしての役割だけでなく、定期的な顧客へのレポート作成に関しても、BIツールを利用することで時短化に成功しています。
バリューコマースの導入事例詳細はこちら
事例2,日本酒類販売
1949年の創業以来、酒類および食品の卸売業を展開している日本酒類販売。
特に和酒に関しては1000社(2015年時点)のメーカーと取引するなど、圧倒的な取引数を誇っています。
同社では以前よりデータウェアハウス(DWH)を構築し、積極的なデータ活用を行ってきました。
しかし、既存システムを使ってデータの抽出や検索をしようとすると、かなりの時間がかかっていたのだそうです。
経営会議などで使用する月次レポートを作成するために、遅いときだと半日かかっても結果が出てこないという状況もあったという同社は、現場からのSOSにより、DWHおよびBIの仕組みを刷新することになりました。
導入後は、データ抽出や検索にかかる時間を大幅に短縮し、経営会議向けのレポート作成の時間も大幅に削減することができているようです。
日本酒類販売の導入事例詳細はこちら
まとめ
経営ダッシュボードは、企業が様々なデータを保有する現代のビジネスにおいて、データをもとに確実な経営戦略を立てていく上で、欠かせないものとなってきました。
BIツールは、年々革新的な機能が追加されており、現在では特別な分析知識をもたない一般ユーザーでも簡単に使いこなせるような工夫がされているだけでなく、データからインサイトを読み解いて、自動で提示してくれる機能まであります。
魅力的な経営ダッシュボードを作成するためには、それらの機能などを事前にしっかりと把握し、組織にとって必要なポイントが網羅されているか慎重にチェックしていくのが重要です。