ソフトウェア未開の日々が迎えた終焉

ソフトウェア未開の日々が迎えた終焉

15年前、ソフトウェア会社の起業は簡単でした。デスクトップからクラウドへ移行する非常に大きなパラダイムシフトが起き、あらゆる(中小の)ベンダーがクラウドベースのソフトウェアを提案できる機会が生まれました。しかし、現在はクラウド業界にメガベンダーが参戦しているため、重要かつ競争力のある新製品を開発するのは、難しくなってきました。本当に重要な製品を市場に投入することができた時代は終わりを告げたのです。

様々な理由から、15年前のソフトウェア会社の起業は簡単でした。ウェブが始まったばかりということもあり、起業のハードルは下がっていました。メガベンダーは既に存在していましたが、ウェブへのマーケティングに特化していなかったため、ウェブから起業し、市場を切り開くことができました。

わたしたちの業界では、ウェブベースのアナリティクスソフトウェアに対する競合がおらず、起業するにあたり、多くの機能を持つ必要がありませんでした。Atlassianのファウンダーたちからも一様に次のようなコメントを伺っています。「もし今日ビジネスを始めなければならないとしたら、スタートアップのコストははるかに高くなっていたでしょう。なぜなら、ソフトウェアに対する要求が当時と比べてずっと高くなっているからです。今日ソフトウェアを購入する人々は、15年前よりもはるかに成熟していて、すぐに利用できるソフトウェアに対して、るかに多くを期待しています。」

 

現代のイノベーションは垂直的

クラウドにはすでに非常に高価なものが構築されていますが、これはすべてのものを、すべての人々のために提供しようとしている水平的な製品です。現代のイノベーションは非常に集中しています。それは、非常に特定の問題に対して、ユニークで興味深いソリューションを見つけ出すということです。そのため、ソフトウェアベンダーは、かつてと比べて、より集中しなくてはいけません。そして成功するためには、これを適切に実行しなくてはいけません。特定の問題を深く理解し、その問題を解決するソリューションの構築が必要です。このことは、これからのソフトウェアベンダーにとって最大の課題です。

調達から医療分析に至るまで、特定の問題に特化したアナリティクスソリューションを構築するコンサルタント企業が、既に数多く存在しています。これらは、クラウドの製品を強化するようにデザインされています。例えば最近では、元CFOが、XeroからCFOレポートをそのまま提供する製品を開発しています。これは、Xeroからデータを抽出し、パッケージして、そのまま使用できるソリューションとして販売することができます。

このことは、市場のギャップを埋めます。人々は、既製品を求めていますが、自身ですべてをまとめたり、システム統合したりすることを好みません。ローコード、ノーコード製品が増加しているのは、そのためです。これらは、「市民権を得た開発者」が、既存のシステムを強化し、彼らの製品とのギャップを埋めるのを可能にします。

ソフトウェアベンダーの未来は、メガベンダーの汎用で水平的な製品では作り出すことのできない機会や価値を探し出すことです。さらにニッチな製品が開発され、市場に投入されるでしょう。この経済学は、10億ドル規模のビジネスは創出されませんが、それでも組織の存続は可能なことを意味しています。これは、彼らのようなニッチ製品にとっても、十分な市場が存在することも意味します。ソフトウェアベンダーにとって、将来的な利益はそこに存在します。

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