自己資金によるビジネスであることの強み
Yellowfinで資本効率の高いビジネスを構築したのは、わたしたちに選択の余地がなかったからです。しかし、ベンチャーキャピタルに大きく依存しないビジネスの構築が優れた考え方である理由はたくさんあります。
ビジネスインテリジェンス業界では、近年数多くの買収が行われています。これは、ベンチャーキャピタルがこの業界に投入している多額の資金によるものです。
異常な企業価値評価により、巨額の資本が企業に注ぎ込まれてきましたが、それにより投資収益率が上がるほど急速な成長はできません。そして、数多くの企業が有機的な成長に後押しされるのではなく、12~18ヶ月の投資サイクルに左右されています。
これは、わたしたちがYellowfinで辿った道のりとはまったく異なるものです。14年前、わたしたちは自己資金で起業し、有機的に成長を続け、独自のストリーム配下で自立できるようになりました。わたしたちは、「資本効率の高いビジネス」です。
※動画は英語です。
あなたの運命はあなた自身が握っている
資本効率の高いビジネスを運営することで、わたしたちは自らの運命と戦略をコントロールできるようになりました。
ベンチャーキャピタルが出資している企業は、投資家に取締役の座を奪われ、上場企業の場合は株主に委ねられていますが、わたしたちは顧客にだけ集中することができました。これは、価格体系の設計、製品ロードマップの検討、販売戦略の策定や、これらすべての分野の実行において、優れた柔軟性を与えてくれました。
資金調達サイクルに左右されないことで、わたしたちには長期的な視点を持つ自由があります。そして、将来についてより詳細に検討し、そのビジョンに合わせて製品を構築することができます。長期的な視点に焦点を置くことで、長期的に最適な人材を確保するための戦略を確立することができました。
非常に多くの企業が、今後12ヶ月で達成しなければならないことにより推進されています。これら厳しい納期は、物事を迅速に提供するよう多大なプレッシャーを与え、多くの場合そのプレッシャーは、戦略的に重大なミスを引き起こします。今年の目標は達成できたとしても、5年後の目標達成が2倍困難になるかもしれません。
わたしたちのビジネスモデルは、破壊的な影響をもたらすような大きな衝撃を与えるのではなく、組織が適切な方向に向かって小さな一歩を刻み続けることを可能にします。
投資は成長を加速させるが、製品を加速させることはない
ビジネスインテリジェンス業界では、1億5千万ドルや5億ドル、さらには7億ドルを調達することも珍しいことではありません。しかし、Yellowfinは実質的に外部資本を投入することなくこれらの組織と同等の収益成長を果たしているため、わたしはこれらの資金がどこへ消えていくのか甚だ疑問です。
スタートアップ段階では、製品を市場に投入する方法や製品に必要な機能、誰が対象顧客になるのかなど、開発中の製品について数多くの学びがあります。この段階で繰り返される製品開発に、お金はあまり役に立ちません。本質的にサポートとなるのは、生きた顧客です。いくら資金を調達しても、みなさんの成功を望む顧客を買うことはできません。製品の初期段階にフィードバックを提供してくれる顧客との関係を築くには、時間と労力が必要です。
資本効率の高いビジネスには強みがある
資本効率の高いビジネスであることで、様々な場面においてトラウマを軽減させることができます。これは、外部資本の受け入れがサイクルを形成するからです。資金が投入されることで、採用とマーケティング活動が急増します。これは、これらの活動が何らかの形式で収益につながり、拡大する費用構造を支えるであろうという考えに基づくものです。これがうまく機能しない場合は、解雇が始まり、活動が縮小されていきます。
このサイクルの管理は非常に困難です。これは従業員にとっても、顧客にとっても、そして一般的には投資家にとっても良いことではありません。
資本効率の高いビジネスを運営していれば、管理可能な割合で成長することができ、継続的にビジネスを混乱させることがありません。Yellowfinの経営陣は、次の資金調達方法ではなく、ビジネスの運営に専念しています。わたしたちは再投資し、成長するためにそこから何ができるかを決定しています。
わたしたちがビジネスに費やす費用は1ドルたりとも無駄にできず、成長を促進します。わたしたちは、外部関係者がマーケティングのために指定しているからではなく、Yellowfinの成長にどのように役立つのかという観点に基づき選択をしています。これは、製品の開発、マーケティング、成長において、まったく異なるアプローチです。
このアプローチは、わたしたちに適応力と回復力をもたらしました。そして、競合や業界の他の企業からYellowfinを差別化しています。
しかし、費用機会もある
資本効率の高いビジネスの経営者 / 創業者として、犠牲に備える必要があります。みなさんは言葉だけでなく、行動によりそれを示さなくてはいけません。そして、自分自身をバックアップし、ビジネスを飛躍させるためにリスクを負います。多くの人々はこれに備えていないため、十分に公平です。
成長に向けてこの道を選ぶという選択は単独で行うべきではなく、チームのメンバーや家族を巻き込まなくてはいけません。つまり、起業の実現性において、オープンで正直な会話を交わす必要があります。
Yellowfinの創設時はブートストラップが唯一の選択肢でしたが、これが悪い選択であったわけではありません。ベンチャーキャピタルに依存することなく資本効率の高いビジネスを構築することで、わたしたちは自らが望む方向へビジネスを成長させる自由を手に入れることができました。