emnosはYellowfin 組み込みBIによりどのようにして小売分析体験を向上させたのか

背景

emnosは、スポーツおよび食品小売市場向けのSaaSプロバイダーであり、20年以上にわたり、5ヶ国の顧客に小売分析ソリューションを提供してきました。

2003年にドイツのミュンヘンで設立されたemnosは、データ管理コンサルタントグループであるb.telligentのネットワークの一員でもあります。emnosのソリューションは、「プラグアンドプレイ」の自動化されたAI搭載B2Bアナリティクス製品を通じて、スポーツおよび食品の小売業者とサプライヤーの両方に詳細な分析を提供しています。これは、「emnosSPORTS」と「emnosFOOD」の2つのプラットフォームに分かれており、それぞれの小売業界に特有の要件に対応しています。

emonsは2008年から小売分析プラットフォームを運用しており、2023年にYellowfin BIとパートナーシップを締結することで、拡張されたデータビジュアライゼーションと組み込みアナリティクス機能により製品のユーザーエクスペリエンスを向上させています。

「Yellowfinについて最も感謝しているのは、当社の組み込みアナリティクスユースケースを最もよくサポートするソリューションと、戦略的な長期パートナー締結を選択したことです。emnosが誕生してからしばらく経ちますが、私たちは小さな会社であり、より少ないサービスプロバイダーとより多くのパートナーを必要としています。それがYellowfinのおかげで実現したと感じています。」

emnos 最高製品責任者 (CPO) Inga Whitmore

課題

最新化を必要とするレガシーなアナリティクスプラットフォーム

小売データは、小売業者とサプライヤー、およびそれらの意思決定にとって非常に高い関心のある情報です。しかし、その情報の使用や共有は従来のデータツールでは必ずしも簡単なプロセスではなく、その結果、多くの小売業者はデータセットを活用してインサイトを取得できずにいます。

emnosのSaaSアナリティクスソリューションの中核は、小売業の顧客とサプライヤーが、インサイトの探索や共有、日々のデータ分析の実行、重要なデータのコラボレーションを、1つの使いやすいプラットフォームで可能な限り容易に行えるようにすることです。

「私たちは、内部共有と呼ばれるものに注力しています」と、emnos 最高製品責任者 (CPO) Inga Whitmoreは言います。「一般的な状況では、小売業者がすべての取引データを所有しています。そのため、いくつ商品が売れたのか、同じ買い物かご内で何が売れたのか、顧客がどのブランドの組み合わせで購入しているかなどのすべての情報がありますが、これらの情報はブランドも必要としています。中間に位置するサードパーティとして、emnosは内部共有が実際に行われていることを明確にし、すべての顧客が小売業者自身が行う場合よりも多くのデータを使用し、より多くのインサイトを提供できるようにすることができます。」

この目標に対するemnosの主な障害は、そのプラットフォームを長年運用してきた後に顕在化しました。「私たちは2008年からこのプラットフォームを運用しているため、コードベースが私たちが望む形になっていないことに悩み始めました」と、Ingaは言います。「私たちは、ユーザーの要望に応えるのが難しくなり、時間がかかるようになってきていることに気付いたのですが、これは偶然にもemnosがスポーツ事業を開始したのと同じ時期でした。そこで、グリーンフィールド (新規導入) アプローチを採用して、まったく新しいプラットフォームを構築することにしました。」

これを実現するために、emnosは、新しいプラットフォームで更新すべき最も重要な点はデータビジュアライゼーションであると認識しました。「私たちが必要としていたのは、当社のプラットフォームに完全に組み込むことができ、ほとんどデータリテラシーのない当社のユーザーの最新のニーズを満たすことのできるデータビジュアライゼーションツールでした」と、Ingaは言います。

「従来では、事前に計算されたダッシュボードとリクエストされたダッシュボードの両方で同じビジュアライゼーション技術を使用することができなかったため、それぞれのユースケースをカスタマイズするために多くの人員と労力が必要でした。また、顧客が求めている情報の深さを表現することもできていませんでした。そのため、既存のダッシュボードを適応させ、顧客にデータをより良く提供するための柔軟なソリューションが必要でした。」

ソリューション

ホワイトラベル化とデータビジュアライゼーションによる柔軟な組み込みアナリティクス

emnosは、2022年にこの課題に対するソリューションの探索を開始し、パートナーであるb.telligentの専門家に相談することで、様々な組み込みデータビジュアライゼーションツールを評価しました。

「ほとんどのビジネスインテリジェンス (BI) ソリューションがデータビジュアライゼーションを提供しているため、emnosにとって最も重要だったのは、拡張可能であり、私たちに必要なすべてのビジュアライゼーションを提供できることでした」と、Ingaは言います。「私たちは2003年から市場に参入しており、独自のIP (知的財産) を開発してきました。そのため、当社のブランドにマッチし、私たちが思い描くようにダッシュボードを可視化できるソリューションを求めていました。」

emnosは、Power BIやTableauなどを含め複数のベンダーを検討した後、b.telligentの協力を得てYellowfinを採用することに決めました。「既存のプラットフォームにどれだけ簡単に組み込めるかも注目しました。私たちは、ユーザーが適切なインサイトを素早く簡単に見つけ、さらに深く掘り下げて、様々なデータポイントに繋げられるように導く必要があります。私たちのユーザーは、ごく限られた、あるいは全くトレーニングを受けることなく、私たちのプラットフォームを使用できなければなりません。これは、プラットフォームの成功にとって極めて重要です。」

Ingaにとって、Yellowfin BIは必要な拡張性と組み込み性の両方を提供してくれました。「Yellowfinを使用することで、私たちはBIソリューションをホワイトラベル化し、ダッシュボードやグラフをユーザーが望むように表示することができるうえに、ユーザーは非常に簡単にこれを使用できます。他のベンダーではツールを理解する必要がありますが、データに興味のない人をそのようなツールの優れたユーザーにすることはできません。」

emnosの組み込みアナリティクスソリューションとしてのYellowfinの最後のセールスポイントは、コラボレーションに基づいていました。「Yellowfinは一緒に製品を開発できる素晴らしいパートナーだと感じました」と、Ingaは言います。「私たちは柔軟性のある小さな会社であり、Yellowfinも柔軟です。私たちが顧客に届けたいと思っていたタイプの製品を一緒に開発することは、非常に素晴らしい組み合わせでした。」

導入

顧客および社内ユーザー向けシームレスな組み込みBI

emnosは、2023年6月に従来のプラットフォームからの移行プロセスを顧客グループと段階的に管理しながら、Yellowfinを小売分析製品に組み込む作業を始めました。

「当社のポータルにYellowfinを組み込んだ新製品の最初のバージョンに至るまでのプロセスは非常にスムーズでした」と、Ingaは言います。「Yellowfinを使用しているお客様からのフィードバックは非常に良好です。私たちのユーザーは、私たちが適切なダッシュボードを見つけるのを助け、彼らが進みたいところまで導くことができると感じてくれています。それゆえに、組み込み性はこれほどまでに私たちにとって重要でした。」

Ingaにとって、Yellowfinをemnosの製品エクスペリエンスに統合することは、高度な専門家ではなく、日常的なビジネスユーザーからの要求に基づいていました。「彼らはブランドのカテゴリーマネージャーであり、組み込みアナリティクスは、特にスポーツ業界では大変新しいものです。そのため、私たちは基本を正しく理解する必要がありました。彼らがこの種のデータにアクセスできることが当たり前になれば、私たちは彼らにより多くのインサイトを提供する必要があり、そこにYellowfinが提供するビジュアライゼーションと機能の完全なライブラリが登場します。」

結果

シームレスで完全に組み込まれたレポーティングにより最新のアナリティクスユーザーエクスペリエンスを実現

現在、emnosはYellowfin BIで小売分析製品を拡張し、以下のような新しい機能と利点を実現しました。

完全に組み込まれたダッシュボードと拡張されたデータビジュアライゼーション機能
よりシームレスなアナリティクスユーザーエクスペリエンスを提供するより容易なレポートのカスタマイズを実現
emnosの既存のプラットフォームとブランドにマッチしたホワイトラベルBI

「組み込み機能により、ユーザーにとってシンプルな方法でカスタマイズしやすくなったため、当社のプラットフォームでより良いユーザーエクスペリエンスを提供できるようになりました」と、Ingaは言います。「Yellowfinを技術的に組み込むことができたので、例えば、ダッシュボード開発のリリースサイクルは独立しています。これは、ユーザーのニーズにより迅速に対応できるようになるため、素晴らしいことです。」

Ingaによると、Yellowfinがemnosにもたらした使いやすさは、社内の従業員にも及んでいます。「私たちはYellowfinについて何も知らない人たちを雇いましたが、彼らは非常に迅速かつ簡単にYellowfinを使用して価値を付加できるようになりました。これまでは、何かができるようになるまで何年もトレーニングを受けさせる必要があると感じていましたが、Yellowfinではそれが遥かに簡単なものになりました。」

何よりも、emnosとYellowfinの戦略的パートナーシップこそが最大のメリットの1つであるとIngaは言います。「Yellowfinについて最も感謝しているのは、当社の組み込みアナリティクスユースケースを最もよくサポートするソリューションと、戦略的な長期パートナー締結を選択したことです。emnosが誕生してからしばらく経ちますが、私たちは小さな会社であり、より少ないサービスプロバイダーとより多くのパートナーを必要としています。それがYellowfinのおかげで実現したと感じています」

今後

emnosは、新しい小売分析プラットフォームの中核部分として、2024年後半にすべてのレガシー製品ユーザーに利用可能にする準備をしながら、Yellowfin統合の改善を続けています。

同社は、ガイド付きNLQ (自然言語クエリ) やデータストーリーテリングコンポーネントであるYellowfin ストーリーなど、Yellowfin プラットフォームの広範な機能を探索しています。「これらはすべて私たちが使用を検討している機能であり、将来的に必ず実現したいと考えています」と、Ingaは締めくくっています。