BIベンダーがイノベーションに消極的な理由

BI業界の自動化に関して言えば、多くのベンダーが二の足を踏んでいます。データアナリストが現在実施しているタスクの大部分は、完全に自動化することが可能ですが、それはデータアナリストに大きな影響を与えるため、ベンダーは未だにその実行をためらっています。なぜなら、彼らはアナリティクスソフトウェアの購入サイクルにおいて門番的な立ち位置だからです。

自動化がアナリストを遠ざける恐れ

大部分のBIベンダーは、プロセス全体の自動化ではなく、データアナリストの作業を強化する方法を探しています。これは、彼らがデータアナリストに反旗を翻されたくないと思っているからでしょう。データアナリストは、未だに購入サイクルに深く関係しています。もし、彼らのプロセスを自動化してしまったら、データアナリストはこの先何をすればよいのでしょうか。これが実現に向かえば、ベンダーは異なるマーケットルートを探さなくてはならず、それがわたしたちがやらなくてはいけないことです。

これは、先日の来日時に非常に強く印象を受けたことです。わたしは、パートナーとともに、多くの顧客を訪問しましたが、ほとんどの企業において、ビジネスユーザーは、シグナルやストーリーで実現できることを紹介されていませんでした。彼らはこれらの機能を見た瞬間、非常に驚き、試してみたいと強く希望していました。

これは、門番であるデータアナリストを通した販売が、どれほど難しいことであるかを強調する出来事でした。そして、自分たちのビジネスについて考え、異なる売り方をするにはどのようにすればよいのかを考えさせられる経験になりました。近年、企業はBIソフトウェアを直接購入するようになりましたが、門番は依然としてデータアナリストです。彼らは、ツール購入の必要性をビジネスに問う立場にあります。

新しいターゲットを探す

これを克服するために、わたしたちは、誰が自分たちの顧客であるのかに焦点を合わせることにしました。わたしたちは、誰を顧客対象とし、なぜ彼らが対象となり、わたしたちが彼らにどのような価値を提供できるのかについて、明確に理解しています。大規模企業への導入を検討する場合、わたしたちは、100、1,000、10,000という規模のビジネスユーザーにYellowfinを提供するため、彼らの要望に注力します。わたしたちの観点では、企業は、このような規模の導入を、非常に少人数のデータアナリストでサポートすることができ、Yellowfinの製品価値を素早く引き出すことができます。納品までの時間も短縮されるため、投資収益率は大幅に向上します。

また、Yellowfinのセールス部門は、他社との違いを理解し、その違いを販売することができます。BIのセールス担当にとって、ダッシュボードを販売することは非常に容易ですが、市場でユニークなものを販売するのはとても困難です。プロセスの一部として、わたしたちは、Yellowfinの各機能を使用することで、データアナリストは何ができるようになるのか、そして、どのようにして今までとは異なる方法でビジネスに価値を付加できるようになるのかを理解してもらわなくてはいけません。彼らは、データの深堀りよりも、何が起きているのかを説明するために、より多くの時間を割けるようになるでしょう。これが自動化がもたらす恩恵であり、わたしたちがビジネスに提供できる価値でもあります。

Yellowfinの観点では、ビジネスユーザーに販売することで、平均的な発注金額は大幅に上昇しています。これは、昨年の倍近くです。導入規模も大きくなり、販売機能も効率化しました。これは、自分たちのバリュープロポジションや、対象ユーザーを理解した結果です。一部のデータアナリストからは仕事を奪う一方で、ビジネスに生み出される価値はデータアナリストの損失を遥かに上回り、わたしたちはそれに関して非常に前向きです。

変化を受け入れる

自動化には多くの不安が残りますが、多くのデータアナリストが職を失うのは避けられないことでしょう。しかし、役職の文脈的な要素を自動化することはできません。それはデータを深堀りし、準備するよりも遥かに興味深いことです。そのため、データの異なる使用方法の受け入れに積極的なアナリストや企業には、競争優位性を獲得できる優れた機会が待っていることでしょう。

AIがデータアナリストに与える影響

Yellowfin CEO Glen Rabieは、多くのアナリストが自動化やAIにより置き換えられる不安を覚える一方で、データアナリストの役割は重要性を増し、幅広い技術が要求されるようになると確信しています。insideBIGDATAの記事から、その詳細を確認しましょう。

※記事は英語です。